author
sekimoto

category
> 思うこと
> 生活


人生、皿まわし。バースデーケーキの上に毎年一本ずつのローソクと、その上にさらに皿がまわりはじめる。

毎朝目覚めると、寝ぼけた頭で「今日は何だっけ?」と考える。そっか、あれとこれと、あとあれもやらなくちゃ。忘れないうちに枕元のメモに書き留めて一日がはじまる。昔なら数ヶ月に一度くらいのイベントや重要な打合せが、今では毎日のように、時に一日にいくつもある。

かつてなら一枚の皿だけをぎこちなく慎重に回していたというのに、今ではコツを覚えた。自分の皿が回せるようになると、隣から「こっちも回してよ!」とお声がかかる。お望みとあらば、と引き受けているうちに、今では自分でも数え切れないほどの皿がまわっている。

それをたまにふと冷静に眺めて怖くなる。どの皿も落としてはいけない!と思うと、おそろしくて仕方がない。

大量にまわる皿の中には、グラグラと不安定なもの、いまにも止まって落ちそうなものもある。新しい皿をまわしながら、あっちの皿、こっちの皿にも気を配る。両手両足、それでも足りなければ口も使って、器用な姿勢で皿をまわしつづける。

今では一緒に皿を回してくれる仲間やスタッフも増えた。ステージいっぱいに回り続ける大小様々な皿は壮観そのものだ。皿をまわすたびに起こる喝采は、私の折れかかった心を奮い立たせる。

こんな綱渡りのような皿まわしはいつまで続くのだろう。そろそろしんどい。しかし皿はまわり続ける。そして本日、50枚目の皿がまわりはじめた。

自分史上最多を更新。
おめでとう、自分。おつかれさま、自分。

先週末は、元スタッフ柴秋路くんのリノベーションを見せて頂きました。

すでに独自の建築観を持って活動している彼に、もはやリオタデザインの影を見ることはありませんが、これは真似されるよりもずっと嬉しいことだとしみじみ思います。

一方の図面を覗き見ると、これがまた実にえげつない!これが彼の仕事を支える礎となっていると思うと、感慨深いものがありました。




夏休み二人目のオープンデスクは、芝浦工大3年の中島桃さん。

行ったことはないけれど、北欧にすごく興味があるということで、「北欧、オープンデスク」のキーワードで検索したらリオタデザインがヒットしたのだとか。そんな検索でヒットすること自体がびっくりですが、こんな子もはじめて。

いつものように設計課題に向き合ってもらう一方で、ちょっとした建築見学も。夏休みはどこにも行けなかったそうなのでかなり嬉しかったようです。元オープンデスクの学生も合流して、束の間の楽しいひとときでした。

これはオープンデスクに思うことですが、学生に実務を教えることには意味はないと思いますが、実務の現場にしかない建築の真実というものはあるような気がします。この学生さんも、大学ではけして言われることのなかったことばかりを指摘されてずいぶん戸惑っていましたが、最後は生活感の見えるプランを描き上げてくれました。

建築を考える上で一番大切なことは、ハートで考えることです。それは本には書かれてはいないのです。ルールに従うのではなく、自分の気持ちに正直に従うことが、正しい決断と自身の幸せにつながる。私はそれをフィンランドで学んだのですが、たぶん最後に話したそんなことが彼女には一番深く響いたような気がします。



21. 09 / 02

ツリーハウス

author
sekimoto

category
> 建築・デザイン
Warning: Undefined array key 1 in /home/riotadesign/riotadesign.com/public_html/wp-content/themes/rd/blog/cat_sekimoto.html on line 48



少し前にオーナーさんのご厚意により、中村拓志さん設計のツリーハウスを見学させて頂きました。(この日は外壁改修のため足場がかかっていました)

学会賞を受賞された徳島県上勝町のゼロウェイストセンターも見学しましたが、規模はこちらの方が遥かに小さいのですが、ディテールの突き詰め方はこちらの方が上を行っているように思いました。ゆらゆら揺れて、まさにツリーハウス。まるで森に浮かぶ舟のようです。

こちらは宿泊が可能。ご興味ある方は一度泊まってみては?
https://www.airbnb.com/h/treefullhouse



author
sekimoto

category
> 生活
> 社会


昨日、ようやく2回目のコロナワクチンを打ちました。ワクチンはファイザー製。1回目を打った際は、直後にちょっとだけ倦怠感に襲われたものの、翌日も含め発熱もなくほぼ無症状でした。

しかし今回は2回目ということで覚悟をしていました。う~ん緊張する…
一般的にモデルナ製の方が副反応が大きく、相対的にファイザーのほうが軽いようですが、周りにはファイザーでも発熱で苦しまれた方もいましたので油断は禁物です。

2回目の接種を終えると、直後に前回よりも気持ち強めの倦怠感に襲われましたが、大きな異常はなくその後もそのまま仕事を続けました。私の場合、多少の風邪や微熱でも仕事をしていると元気になってしまうほうなので、昨日はほぼいつも通りでした。

ただ多くの場合、接種当日はなんともなくても翌日以降に熱が出ることが多いようなので、翌日以降の仕事に穴を開けないよう、昨日はいつも以上にピッチを上げて仕事を片付けることになりました。マシンガンのようにキーボード叩きまくり!

その心持ちは、さながら死期の迫った身で必死に身辺整理をする末期患者のよう。風邪やインフルエンザはある日突然来ますが、ワクチンの副反応は予見出来ることなので、ある意味準備が出来て助かります。

さて夕方に近づくと、ようやく我が身に異変が起こり始めます。気分が悪くなることはないのですが、私の場合頭がぼうっとしはじめて、湯上がりにのぼせているような感覚。喉がすぐにカラカラになるので、いつも以上にお茶を飲んでいました。

そのうち、複雑なことが考えられなくなってきて思考停止、いろんなことが億劫になってきました。これは明日はダウン確定だな、、そう悟って、ダウンに備えて各所に遺言のような申し送りメールを送りまくりました。

これはもう既に熱が出ているのだろうと思い、家に戻ってから体温を測ると拍子抜けするような平熱。あれ?夕食をとると少し元気も回復。しかし私にとっては最後の晩餐、明日はつらい日が待っている!

そのままこの世におさらばするつもりで涅槃に入ると、翌日の朝(つまり今朝)は快調そのもの。腕は痛いものの、熱も平熱で食欲も普通。そうしてこのキーボードを叩いています。

昨日遺言を送った皆さま、私は死にませんでした。
本日もよろしくお願いします。