
現在進行中のお施主さんの中に,鉄道の運転手さんがいる.
上板橋に停車している電車を朝出庫する際に,いつも気になっていた工事中のテナントがあったそうで,「なんだろう.北欧雑貨のお店かな?」と思っていたらしい.ところがつい最近うちのブログを開いたところ,実はそれもうちが設計したカフェだったことが判明したそうで・・・.
という,似たようなエピソードをちょっと前に書いたのを,覚えている人は覚えているかもしれませんが.1月22日のブログ・『車窓から』
偶然は重なるもので,きっとこの先もこのお施主さんの行く先々で気になった建築には,すべてリオタデザインがついてまわることでしょう.我々も東上線沿線における”デザインのサブリミナル効果”を今後もますます展開してゆきたいところです.
カフェ・crannは本日無事保健所検査も終わり,家具も入って3月2日の開店にむけてまっしぐらです.


去年の暮れから設計で関わってきた,上板橋にあるわずか4.5坪の小さなカフェがまもなくオープンします!といっても現場はまだまだ調整中.今日はオーナーさんも立ち会いのもとチェックをしましたが,設計者と同じくらいマニアックな?エークラフトの伊藤さんらしい施工のこだわりが随所にあって,なかなか素晴らしい仕上がりになっています.
我々のようなシンプルなデザインテイストであればあるほど,細かいディテールの完成度は見栄えにも直結することになります.また経験上,カフェはそこに入れてくる家具や小物類にも空間が大きく支配されるため,来週以降の開店準備のプロセスでも,お店は大きな変貌を遂げてゆくことと思います.
お店の名前のcrann(クラン)というのは,アイルランドの言葉(ゲール語)で「木」という意味だそうです.アイルランドは北欧ではありませんが,北欧と同じような木の文化であり,また世界一の紅茶の消費国であるアイルランドの紅茶文化を伝える紅茶カフェとしてオープンする予定です.
一応オープンは3月2日(金).実は一週間後です汗.
最初はお昼からの試験営業をされてゆくそうですが,ゆくゆくは朝8時から夜8時くらいまでのロング営業にしていきたいとのこと.この周辺は単身者も多く,また駅にも近いことから,通勤通学の途中に寄り道をするのに最適なカフェになるかもしれませんね.またもう少し詳細がわかったら,この場所でも告知したいと思います.
カフェ・crann
場所:板橋区上板橋2-37-8
オープンは,3月2日(金)正午~を予定
店舗設計:リオタデザイン 関本竜太+三浦美紗子
施工:エークラフト 伊藤英一郎
皆様どうかご贔屓に!

[caption id="attachment_3863" align="alignnone" width="560" caption="crann模型 S=1/50"]


今日は事務所OBの柴くんが事務所に顔を出してくれました.
彼が辞めてからあったあれやこれやの報告や,彼の近況などを聞き,またスタッフみんなで居酒屋に移動しての話も大いに盛りあがりました.
かつて一緒に仕事を共にしたスタッフとの再会というのは,いつも楽しく嬉しいものです.当時の思い出話にも花が咲き,今でもあの頃にすっと戻ってしまいます.
いやあ,楽しかった.またいつでも寄って下さいね!
昨日建築専門誌の方が見えて,我々の現場監理における考え方について質問を受けた.これまで設計手法などについては聞かれることは多かったけれど,監理について聞かれたことはあまりなかったので,あらためてどういうことかと考えた.
現場監理というのは,設計者が設計通りに現場が施工されているかをチェック・確認するために行うものだ.一般の方には混同されやすいけれど,工務店の現場監督とは根本的に守備範囲や対象が異なる.いわば「監督の監督」的な役割を持つものでもある.
教科書通りに言えば,設計者は定期的に現場に足を運び,間違いや不具合を発見したり報告を受けたりして,正しい指示等を現場に与える人ということになる.
でもそれだけでは不十分だと思う.間違いが起こった時に元に戻せるならまだ良いけれど,中には元には戻せない場合や,修正することによってより怪我を広げてしまうようなケースも発生するからだ.
現場監理において最も大切なことは,そもそも間違いが起こらないようにすることだ.
「転ばぬ先の杖をつく人」それが本来の監理者の姿であって,もちろん結果的に不具合は指摘するけれど,けして現場のあら探しが第一義に立つものではないというのが我々の考えだ.
そのためにはしっかりと図面を描くこと.これしかない.それを作る人の身になって,親切に,とにかく細かく,具体的に作図する.スペックや寸法は漏れなく記載する.材料取りをイメージする.設備配管ルートを確保する.
図面を描きながら,現場で起こるあらゆる勘違いや発注ミス,見落としを想定に入れる.監督や職人によっては確認をしないまま自分の判断で施工をしてしまう人も多い.結局はそれを後で叱ってみても覆水は盆に還らないのだ.
すべては間違いが起こる前に,我々の配慮によってそれらを防いでゆくしかない.それをせずして現場で気まぐれな変更を繰り返したり,高圧的な態度を取る人も多いと聞く.結局そういう人は現場での信頼を勝ち取ることはできないだろう.
それでも間違いは起こる.でもその最後にすくい取れなかった一粒を拾う作業と,最初からこぼれるに任せてあとで回収するというのでは,根本的に仕事の取り組み方は異なる.
親が我が子を送り出す時は,交通事故に遭わぬよう,人にさらわれることのないよう,また人前に出ても恥をかくことのないよう躾を行うものだ.
現場監理も全く同じで,施主に引渡しても,街の中に建っていても恥ずかしくない,まっとうな建築になってもらいたい一心で,我々は設計・監理を行なっている.やはり,すべての基本はコミュニケーションだと思う.
現場監理というのは,設計者が設計通りに現場が施工されているかをチェック・確認するために行うものだ.一般の方には混同されやすいけれど,工務店の現場監督とは根本的に守備範囲や対象が異なる.いわば「監督の監督」的な役割を持つものでもある.
教科書通りに言えば,設計者は定期的に現場に足を運び,間違いや不具合を発見したり報告を受けたりして,正しい指示等を現場に与える人ということになる.
でもそれだけでは不十分だと思う.間違いが起こった時に元に戻せるならまだ良いけれど,中には元には戻せない場合や,修正することによってより怪我を広げてしまうようなケースも発生するからだ.
現場監理において最も大切なことは,そもそも間違いが起こらないようにすることだ.
「転ばぬ先の杖をつく人」それが本来の監理者の姿であって,もちろん結果的に不具合は指摘するけれど,けして現場のあら探しが第一義に立つものではないというのが我々の考えだ.
そのためにはしっかりと図面を描くこと.これしかない.それを作る人の身になって,親切に,とにかく細かく,具体的に作図する.スペックや寸法は漏れなく記載する.材料取りをイメージする.設備配管ルートを確保する.
図面を描きながら,現場で起こるあらゆる勘違いや発注ミス,見落としを想定に入れる.監督や職人によっては確認をしないまま自分の判断で施工をしてしまう人も多い.結局はそれを後で叱ってみても覆水は盆に還らないのだ.
すべては間違いが起こる前に,我々の配慮によってそれらを防いでゆくしかない.それをせずして現場で気まぐれな変更を繰り返したり,高圧的な態度を取る人も多いと聞く.結局そういう人は現場での信頼を勝ち取ることはできないだろう.
それでも間違いは起こる.でもその最後にすくい取れなかった一粒を拾う作業と,最初からこぼれるに任せてあとで回収するというのでは,根本的に仕事の取り組み方は異なる.
親が我が子を送り出す時は,交通事故に遭わぬよう,人にさらわれることのないよう,また人前に出ても恥をかくことのないよう躾を行うものだ.
現場監理も全く同じで,施主に引渡しても,街の中に建っていても恥ずかしくない,まっとうな建築になってもらいたい一心で,我々は設計・監理を行なっている.やはり,すべての基本はコミュニケーションだと思う.

プレッシャーになりそうだったので,あまり周囲には話さなかったのだけれど,先週末は弓道の昇段審査があり,無事「弐段」に合格しました!
段位については高校時代に初段を取ってから,最近再び始めるまで20年以上のブランクがあったので,昇段はもう少し先にと思っていたのだけれど,去年の暮れに先生から段審査を勧められたこともあって,この2月の段審査を受験することにした.
弓道の段審査には「実技」と「学科」があり,実技は体配といって,入場から退場まで事細かに決められた作法と射法が正しく実践できているか,また学科では射に向かう心構えや技術面について小論文形式での記述試験によって行われる.
ただ実際には,今年はこの時期例のないほどの忙しさで,週末も打合せがびっしり.また平日は平日で夜遅くまで残業があり,その中でわずかな時間を見つけては道場に通い,仕事が終わった後にも眠い目をこすって学科の勉強をするというのは,自分にとって一級建築士試験以来のつらい試練にもなった.
また審査当日は,あろうことか時間を勘違いしていて,到着した時には既に実技審査がはじまろうかという時間.大慌てで準備をして,なんとか滑り込みセーフだったものの,心の動揺と緊張もあったのか,練習では一度もやったことのないような想定外の失敗を何度かしてしまい,すでに頭の中は真っ白になってしまった.
それに追い打ちをかけるように,見ていた先生の話では,それ以上に大きな失敗があったそうで,それは練習では教わったことのないような細かい作法だったのだけれど,それを聞いて今回は完全にアウトだと思った.学科はなんとか卒なくこなしたけれど,すでに頭の中は,次回はいつ審査を受けに行こうかということばかり考えていた.
というのも,実は高校時代の初段審査でも僕はひとつあり得ないミスを実技でやらかしてしまい,部内でみんな合格している中ひとり不合格となり,後日別の審査を受けに行ったという苦い経験があったからだ.歴史は繰り返すんだな・・と一人へこんでいた.
ところが結果は「合格」.嬉しい!本当に嬉しい!!
今回は忙しさを絶対に言い訳にしない,どんなに時間がなくても,絶対に合格しようと思っていたので,それが報われて大きな自信にもなった.この調子で,次は参段にも挑戦したい.

