16. 08 / 29

JL341

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sekimoto

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> 仕事
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今日はお願いしていた照明器具が入荷したため、伊勢原にある北欧家具taloさんへ足を延ばしてきました。

照明はJL341のブラス(真鍮)モデル。これはフィンランドのアルテックが販売しているもので、日本では非売品のラインナップになります。デザインは私が敬愛する建築家、ユハ・レイヴィスカ。

実はこれは3月にヘルシンキに行った際、街のアンティークショップにぶら下がっていたのを見つけたのですが、あまりのサイズに持って帰るわけにもいかず泣く泣くあきらめたものを、ちょうどフィンランドに買い付けに行くというtaloの山口太郎さんに頼んで買い付けてきてもらったというもの。

ちょっと傷がありますが、taloさんのクリーニングのおかげでピカピカになっていました。しかも中古品なので安い。taloさんありがとうございました!こちらは私の自宅に下げようと思っています。

今週上棟する別の住宅にも、同じくtaloさんに買い付けてもらったこれと同じタイプのものを下げる予定です。直径が56cmと少し大きいのですが、もし我が家もこの照明を使いたいという方は、うちのクライアントさんに限り注文をお受けしたいと思います。

さて過去にも北欧家具taloさんのことについて書きました。taloオーナーの山口太郎くんとは幼なじみの関係です。奇しくも二人とも北欧に関わることになったわけですが、これにも深いワケがあり、話すと長くなるのでまたの機会にお話ししたいと思います。

ところで、うちのクライアントや周りの方などに、私と山口太郎さんはよく似ていると言われます。外見や、話し方も似ているとか。そうでしょうか?

ただ今日もいろいろ話をしましたが、物の考え方や価値観もとてもよく似ているとあらためて思いました。同伴したうちのスタッフも、私が幼なじみだというのでずっと血のつながった従兄弟か何かだと思っていたようです。血はつながっていません、念のため。

16. 08 / 28

ルーツ

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sekimoto

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> 仕事
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吉祥寺にあるカフェmoiは私が設計し、今や北欧好きや吉祥寺通の間ではちょっとした存在のカフェとなっています。ですが、吉祥寺に移る以前は荻窪にありました。これこそが私の独立後はじめての仕事であり、リオタデザインのルーツと呼べるものです。

本日吉祥寺経由の打合せ帰りに荻窪近くを通り、ふと懐かしく思い出して(魔が差してとも言う)、この旧カフェmoiがあった場所に行ってみることにしました。なんでしょう、学生時代ひそかに思いを寄せていた子の家の前を、偶然通りかかった体でわざとらしく通りかかってみるみたいな。

遠くから見えてきたのは「定食」の幟。はは~ん、やっぱり老舗北欧カフェ創業の地は今や定食屋さんになっちゃいましたかと、懐かしさの混じる思いで正面に立つと、定食屋じゃなくて「飲み喰い処」とあります。はは~ん、夜はお酒も出してるのね。確かに庶民的な店構えです。

実は昔ここにはカフェmoiというカフェがあってね、というところで嫌な予感がしました。あれ…?もしかしてこれ、カフェmoiのファサード使い回してる!?

ショックでした。記念すべき処女作を前にしても、自分でも気づかなかったことに。そして私ですら気づかないほどに変わり果てた姿に…。学生時代ひそかに思いを寄せていた子が、厚化粧して場末の夜の街に立ってたみたいな。邪険にあしらってよく見たらその子だったみたいな。

人生いろいろ。
世の中知らない方が幸せだったことってあるよねっていう、そういう話。

16. 08 / 27

夏休みもわずか

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sekimoto

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> 子ども
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さて8月も終盤にさしかかり、子どもの夏休みもあとわずかです。

以前は夏休みといえば8月31日までと相場は決まっていましたが、最近は数日早く始まり、今年は29日に始業式とのこと。そうすると問題は宿題です。お約束ですが、我が家も漫画の一コマのような状況で、この週末は締切に追われる作家のように家の中にカンズメとなることでしょう。

さて宿題の一つに理科の自由研究がありました。お約束の「朝顔の観察」的なことかと思っていたら、それでもいいし、あるいは身近にいる動物や植物の絵を細密画で描いても良いそうです。冒頭はそんな彼の一枚。妙にリアルです。東南アジアとかにいそう。

あとは職業調査ということで、私が建築士の仕事について答えました。子供に自分の仕事のことを話すのは、はじめてのことかもしれません。間接的にですが、彼へのメッセージも含まれています。

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sekimoto

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> 思うこと
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友人であり、尊敬する建築家であった伊藤裕子さんがお亡くなりになった。あまりの衝撃に、その報を受けた瞬間時間が止まってしまった。

1年半ほど前に末期癌の宣告を受けていたとのことだった。信じられない。この1年半で私は伊藤さんに何度お会いしたことだろう。いつお会いしても明るく活発で、変化など微塵も感じられなかった。もちろんご病気のことは一切口にされなかったし、どこからどう見ても病人には見えなかった。

それを一切表情に出さなかったのかと思うとますます切なくなる。人に気を遣わせまいとする、実に伊藤さんらしい振る舞いだったように思う。

伊藤事務所のホームページを覗くと、新規の受付を休止しているとの告知があった。それでもブログの内容はいつもの明るい伊藤さんのままだった。
http://www.itoyuko-arch.com/

伊藤さんとはどこでどうやって知り合ったのかはっきり覚えていない。もしかしたら建築家の奥山裕生さんの紹介だったかもしれない。けれども初めてお会いした際に伊藤さんは私にこうおっしゃった。

「私は関本さんのことを、独立した当時から知っている。この人は絶対に伸びる!と思っていたらあれよあれよと活躍するようになった。私の目に狂いはなかった」

それがとても嬉しかった。そして、いつも私の「ファン」だと言って憚らなかった。私がセミナーをしたりオープンハウスをするといつも駆けつけて下さった。自分より10歳も年下の建築家に「ファン」だなんて言えるだろうか。私なら絶対に言えない。そのくらい心が広く、私心のないまっすぐな方だった。こんな方がいるんだと驚き、私は伊藤さんを人としてとても尊敬していた。

伊藤さんは人と人とを結びつける達人だった。私のオープンハウスに足を運んで下さる時は必ず人を同伴し、私とその方とを結びつけて下さった。今も親しくさせて頂いている建築家の松井郁夫さんもその一人だった。

またあるときはパートナーの構造家・山田憲明さんの中学時代の恩師と親友だということで、山田さんとこの恩師との再会を取り持って下さったということもあった。どうしたらそんなにつながるんだろうと思うくらい、不思議なご縁をいくつも持っている方だった。

正直私は伊藤さんとそこまで深い付き合いということではなく、これまでお会いした回数ももしかしたら10回くらいかもしれない。でもそういう方の方が、その人の印象は鮮烈で深く記憶に刷り込まれているような気がしてならない。

今年の建築知識7月号で、私のタニタガルバの取材記事の隣に掲載されていたのが、同じくタニタガルバを採用された伊藤裕子さん設計のモデルハウスだった。

掲載を知らせるフェイスブックの投稿では「隣の関本さんの爽やかな笑顔には負けちゃいますが!笑」とおどけたコメントを載せておられた。私もコメントを返した。つい先月のことだった。

奇しくもこれが伊藤さんとの最後の会話になってしまった。
これまでたくさんの愛情溢れるお言葉をありがとうございました。伊藤さんのことを考えていたら、ちょっと涙腺がまずいことになりそうです。心よりご冥福をお祈り致します。

16. 08 / 21

手をのばせば

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sekimoto

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> 思うこと
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本日のプレゼンはクライアントの反応に、こちらのテンションもつい上がってしまいました。ご予算が厳しく、建築家に頼みたいけど頼めない。だけど頼みたい!ということで最後にエイヤッとうちの事務所に飛び込んでいらした方です。

コンパクトなプランに納め、ローコストに抑える提案もしていますが、話をしていると盛り上がり、ケチケチしたこと言ってると良いものはできないな、、とつい思ってしまいます。

住宅に限らず何でもそうですが、世の中のものは「いま」と「ここ」で成立しています。「身の丈に合った」とは良く言ったものですが、本当にそれで良いのでしょうか。予算が限られているから、手が届けばそれで良いのでしょうか。

人は無理をしないで、手を伸ばせば届くものを求めたがりますが、少し無理をすれば手が届くものは世の中にはいっぱいあると思うのです。お金はかかるかもしれません。リスクもあります。でもそれを避けていては何も手に入れることは出来ません。

私は仕事を辞めてフィンランドに渡ったことで得がたい経験をしました。横着をしないで、立ち上がればいいのに。勇気を出してエイヤッと飛び込めばいいのに。尻込みした人を見るといつもそう思います。あともう少し…と指の先が触れるかどうかのものを手に入れるからこそ尊いのです。

このクライアントにとっての冒険はここからはじまります。けれども、不安そうに事務所を訪れた日の顔ではなく、希望に溢れた今日の表情を見る限り、この家はきっと大丈夫でしょう。

家づくりは、未来に希望を描けた人だけに微笑むのでしょうね。