今週引渡しをする住宅に設えた木造カーポート。屋根は立平葺きにしていたのだけれど、昨日2階の窓から見ていたらハゼの先を全倒し(通称しののめハゼ)にして下さっていることに気がついた。

この葺き方はそれなりの技量がないと難しく、今回はいつもの板金屋さん(新井勇司さん)ではないしカーポート屋根ということで、特に葺き方までは指定をしていなかった。

実は数年前に同じ工務店でこの葺き方を指定したら、技量不足から失敗した経験があり、それもあって私も相手の技量を見極めて、むやみに誰にでも難しい納まりは言わないようにしている。

もしかしたら数年前の仕事で失敗したことをずっと悔やんでいたのかもしれない。あるいはそれを知っていた上の職長が今回はやったのかもしれない。いずれにしても、何年経っても私という設計者を覚えていて、関本さんの納まりはこれだと認識してくれていたことが嬉しかった。

関本さんはこれなんでしょ?今回は上手くやっておきましたよ。そんな無言のメッセージにじんときた。

今回はクロス屋さんもとても腕の良い方で、その仕事に賭ける心意気に感じるものがあり名刺交換を申し出たら、設計者から名刺をもらったのははじめてだとすごく感激して下さった。

今回の現場は特に気合を入れて下さったようで、いつも以上に事前に練習して現場に臨んでくださったらしい、という話を現場に居合わせた建て主さんから後日聞かされた。手にはマメがいっぱい出来ていたとのこと。こちらもじんときた。

ありがとう!


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sekimoto

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> 建築・デザイン
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石井秀樹氏の住宅の内覧会にお邪魔してきた。写真を見て一目でヤバいやつだと直感した。自然地形を活かし切った秀作だった。

彼とは古い付き合いになる。同じ歳で、作風は全く違うのに昔から建主がかぶったりする。性格もまったく違うけれど、彼の建築にはシンパシーを感じる。

建築界において、空間が素晴らしかったら細かいこと言っちゃいけない的な空気がある。しかし真に素晴らしい建築は、ディテールにも神が宿っている。それがない建築はやっぱりだめなんだと思う。

彼の建築は悪魔的に細かい。付け入る隙を見せない。それは彼の性格そのものでもあり、彼のこれまでの人生経験がそれをさらに強化させてもいるだろう。

そういう神経を持ちえない者にとっては、彼は悪魔に見えるかもしれない。しかしクライアントにとっては唯一無二の存在になることだろう。真の仕事とはそういうものだ。

しかし彼の建築の真骨頂は、その細かさにではなくディテールを際立たせるストーリーにこそある。どうしてそこがそうであるか。それが集まり引き締まった筋肉のように空間構成をつくっている。すぐれた建築に説明はいらない。その無言の対話を楽しませてもらった。

今回も勇気ある素晴らしい仕事だった。案内をどうもありがとう!


先週末に開催されたオープンハウスにお越しくださった、友人建築家の小山光(Key Operation)さんが、私自身による空間の解説動画を撮って下さいました。

小山さんという方はとても器用な方で、行く先々でショート動画を撮っては、写真をレタッチするような感覚で短時間で動画編集してインスタなどに上げておられます。今回は私のオープンハウスのレポートを兼ねた長尺の解説動画を作成くださいました。許可を頂いて以下のチャンネルにアップしましたので、週末に見学できなかった方や、我々の対応が手薄であまり解説が聞けなかったという方もどうかご覧下さい。

最後は収録後にただ立ち話をしているつもりだったのに、いつの間にか撮られていました笑。無防備にフリートークをしている方が、もしかしたら本音が出ているかもしれませんね。

■「越屋根の家」設計者による見どころ解説!
https://youtu.be/K5-cVxffkKc

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「越屋根の家」オープンハウス2日目終了。

2日を通して多くの方にお越し頂きました。朗らかな陽気の中、普段仲良くしていただいている建築家仲間、尊敬する大先輩、学生さん、建て主さん、また工事に関わってくれた監督や大工さんまで!皆さまと楽しくお話しできて、スタッフ共々幸せな二日間を過ごさせて頂きました。お越しくださった皆さま、本当にありがとうございました。

今回多くの方から「集大成」というお言葉を頂きました。言われると確かにそうかもしれません。もしかしてオレ死ぬのかな?やりきったところでぽっくりも悪くないかもしれませんが、まだまだやるべきことが山積みです!汗

来場者がすべてお帰りになったところで、建て主さんからサプライズのプレゼントがありました。スタッフ一同大喜び!お手紙が添えられており、事務所に帰ってから開封したのですが、涙で読めませんでした、、。

本当に長かった。けど楽しかった!!そんな思いが建て主さんと共有できて本当に良かった。我々の仕事の目的でありゴールは、建て主さんに喜んで頂くこと。これ以上でもこれ以下でもありません。

このたびのご縁とお仕事に心から感謝いたします。
関係者の皆さまお疲れさまでした!!








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sekimoto

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> 家具
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「越屋根の家」もいよいよ大詰め!外構工事がいよいよ佳境に入ってきました。

小林賢二さんの造園も今日から乗り込み。丸亀まで行って手配して頂いた迫力ある庵治石が運び込まれました。夕景はいつまででも眺めていられます。



藤沢木工所に製作を依頼していたオリジナルスツールもギリギリ間に合って搬入されてきました。座面は、ナラ、杉、そしてファブリック。脚はウォルナットです。次はオーク脚にしてもいいかもしれない。

そしてローテーブル。みんなとてもかわいい!

作業中の小林賢二さんも手を止めて「お、すごい、これは売れそう!」
おひとついかがです?

こちらもオープンハウスでお披露目予定です。