21. 05 / 02

仕込み

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sekimoto

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> 思うこと


事務所を主宰する立場の方で、GWを心置きなく暦通りに休んでいる人はどのくらいいるのだろう。休みはけしてオフではなく、強火を弱火にするくらいの感覚ではなかろうか。

お店が閉まっている時、中には人がいないと思ったら大間違いである。それが飲食店なら仕込みがある。時に仕込みには営業時間と同じくらいかかるものだ。それは設計事務所も同様である。

休みが明ける頃、溜まりに溜まった雑務は全て片付いているという幻想をいつも捨てられない。そして、それは常に裏切られるのである。
今月はじめに、セミクローズにて「大屋根の家」の内覧会を実施させて頂きました。こちらは”家”としていますが、建物としてはお寺の増築で寺務棟にあたるものになります。

この建物でも、雨どいなどにタニタハウジングウェアさんの製品をいくつか(かなり?)使っていますが、この内覧会の最終日にタニタハウジングウェアのスタッフさん達がいらして、こちらの建物の動画(おもに外観)を撮影下さいました。

今後タニタさんでもこのような動画紹介コンテンツを増やしてゆく予定とのことで、そのテストケースとしてうちの建築を選んで下さったようなのですが、そこはタニタ社員、ただのテストで終わらせないところが憎い(笑)。いろいろ編集を駆使して、なかなか本格的な作りになっています。

動画撮影したいという話が、当日いきなり出演して欲しいということになって、即興的に谷田社長と対談しながら今回の屋根板金の特徴や、板金業界に物申すみたいなこともしゃべってます。そして、ちょっと挙動不審。

どうかご笑覧下さい。

21. 04 / 26

海なし県人

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sekimoto

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今日は地鎮祭のため小田原へ。ようやく着工です!

昼食に立ち寄った漁港駐車場のパネルスリットから見える水平線に、思わずテンションがMaxになる私とスタッフ。

私のブログにも度々書いていますが、今住宅などに使われる木が足りない、また高騰しているという問題が起こっています。いわゆるウッドショックです。

我々設計者は”川下”といって、木材流通では末端の立ち位置なのですが、実際に林業に携わる方(川上)や、それを二次加工する製材所(川中)の立場の方の話はなかなか伝わってきません。情報の不足から、末端の我々はパニックになっているのです。

今回、製材企業の野地木材工業さんが以下のようなウェビナーを企画してくださいました。私は一設計者として登壇します。私の立場からお話し出来ること、困っていること、建て主さんの不安なども代弁してお話ししたいと思います。誰でも参加出来ますので、ご興味ある方は是非お申し込み下さい!

定員は100名となっていますが、現時点で100名近くの参加者があり、参加者のキャパを拡張して開催すると聞いています。詳細は以下に野地木材工業さんの情報を転記します。


【緊急開催!のじもくオンラインライブ】
ウッドショックの今とこれから ~山と建築をつなげるトーク~

4月28日(水)19:00~21:00 @zoomウェビナー
*先着100名 参加費無料

▲▲ウッドショック▲▲
世界的な木材需要の急激な高まりによる木材価格高騰と、コンテナ不足に伴う物流制限により、外在を輸入できず木材不足による着工ストップ等、建築業界がきたした大きな混乱の総称。

外材依存からの脱却、そして国産材へのシフトが期待されますが、果たして今後国産材を取り巻く環境がどうなっていくのか…刻一刻と状況が変化し、答えが出ない中で、今何が出来るのか、これからどうしていくべきなのか、製材所、工務店、建築家、大工、それぞれの立場からお話していただきます。

・有限会社石牧建築 石牧真志氏 [大工]
・株式会社リオタデザイン 関本竜太氏 [建築家]
・株式会社萩原建設 萩原義雄氏 [工務店]
・吉田産業株式会社 吉田利生氏 [国産材製材所(大規模)]
・野地木材工業株式会社 野地伸卓 [国産材製材所(小規模)]

■お申し込みはこちらから
https://forms.gle/b62997MD2NuzBV668

たくさんのお申し込みをお待ちしております!

■情報ページはこちらより
https://www.facebook.com/nozimokuzai

21. 04 / 20

夢と現実

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sekimoto

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以前、長らく続けた「新建築住宅特集」の購読をやめたことがあった。若かりし頃のように、誌面をめくるたびにときめくようなことも少なくなり、どこか異国の絵空事のように感じられるようになったためだった。

しかし購読をやめてしばらくしたら、スタッフから「新建築やめちゃったんですか?」と訊かれた。「あれ観てたの?」と訊くと、新刊が届くといつも手に取ってペラペラめくっていたのだという。

そうか、やっぱり建築にはすぐ明日にでも役立つような実用情報だけでなく、若いスタッフの感性をときめかせるようなサプリメントも必要なのかもしれない。そう思い直し、購読を再開した。

一方で必要なのは、日々生きてゆくために必要なガソリンだ。昨今のウッドショック関連の最新情報を日々更新するため、「日刊木材新聞」の購読をはじめた。こんなニッチな業界新聞を自分が手に取る日が来るとは思わなかった。

しかしこの新聞、想像以上にめちゃくちゃ面白くて、ネットでは絶対得られないコアな情報が日々びっしりと詰まっている。そりゃそうだ。ネット検索や加工された二次情報ではなくて、記者さんが日々奔走して、製材所やメーカーなどから直接取材をしているのだから。

こういう時、身近な関係者の談話だけを鵜呑みにするのは危険だ。情報がタダで手に入る時代だからこそ、本当の情報にはお金をかけなくてはいけない。まさに夢と現実。建築実務者にはどちらも欠かせないものだ。