
そのお店は青山墓地の外れにある。あの世とこの世の間に存在する不思議なお店。かおたんラーメン。
その昔、赤坂の設計事務所に勤めている頃、残業終わりに所長によく連れてきてもらった。「ちょっと食べて帰るか」と言われたらいつもここだった。それがおいしくておいしくて。
今日セミナーに向かう道すがら、そんな思い出をスタッフ達に語っていたらなんだか急に懐かしくなってしまって、帰りに寄ってみることにした。そうしたらあった。あれから25年経っているのに、まったく変わっていなかった。お店は当時からこんな感じだった。まるで夢を見ているようだった。
お店の中も変わっていなかった。ラーメンの味なんて覚えているかな、、?でも運ばれてきた瞬間にすべてが蘇った。味も変わらなかった。うっかり涙が出そうになった。人間って、何年経っても味は覚えているんだなと思った。
あの時は所長と二人で。今はスタッフを連れて。
でも明日の朝には消えてなくなっているかもしれない。



元スタッフの矢嶋くんの結婚式が国際文化会館でありました。彼が入籍したのは2年ほど前でしたが、コロナ中だったため、今この時期にあらためて挙式をしたとのこと。
20年以上事務所をやっていて、もう何人もスタッフを送り出しましたが、結婚はしても披露宴はやらないケースも多くて、スタッフの結婚式に出るのも、主賓挨拶をするのも今回がはじめての経験でした。というか、スーツを着たのも10年ぶりくらいかもしれません。
矢嶋くんは2021年まで6年間ものあいだ在籍してくれた不動の番頭さんでした。彼の正確無比な図面は工務店からは「バイブル」と言われ、拙著『伝わる図面の描き方』では彼の描いた図面を私が全力解説をし、リオタデザインの図面精度を知らしめた立役者にもなってくれました。
彼の実直な人柄を反映して、とても慎ましやかであたたかな、深く印象に残る良い式でした。久しぶりに会うOBスタッフもいて、彼ら彼女らとの語らいの時間もとても楽しく、矢嶋くんのみならず様々な立場や環境で活躍する近況を聞きながら、とても誇らしく幸せな気分になりました。
どうか末永くお幸せに!
うちの図面もまた手伝って下さいね笑

今年もこの季節がやってきました!
よく建て主さんなども、デッキテラスでBBQなどを夢見る方も多いのですが、正直そんなに甘いものではありません。冬~春は寒いし、6月を過ぎれば梅雨に入ります。夏は灼熱と蚊の季節。詰まるところ、外部に出て楽しめるのは春と秋、それも5月と10月限定というのが私の実感です。
そんな儚い中庭の季節は、天気と気候が絶妙に釣り合えば、即デッキテーブルを出してこの季節ならではを楽しみます。この日は近所のパン屋さんで惣菜パンを買ってきて、みんなでピクニック気分を味わいました。
外で食べる食事って、どうしてこんなに美味しいのでしょうね。仕事なんてどうでも良くなってしまうような、くつろいだランチタイムでした。


元スタッフの矢嶋くんによるマンションリノベーションを見せて頂いた。
ひとつ前の戸建てリノベーションでは、独立間もなかったこともあってリオタデザイン色を強く感じたけれど、熊澤さんとの仕事も彼にとって良いアク抜きになったようだ。素材の丁寧な使い方や外部との繋げ方に彼らしさを感じた。それがとても良かった。
どんなに上手く納まっていても、オリジナリティのない空間には価値がない。その人でなくてはできない空間をやらなかったら独立した意味がないと思う。彼のこれからが楽しみだ。
矢嶋宏紀|ヒロヤジマ・デザイン
https://hiroyajima-design.com/
