11. 06 / 08
打合わせ風景
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sekimoto
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> 仕事
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建築の本質はプロセスにあるとすれば,クライアントとの打合わせはその醍醐味のひとつでもある.事件は現場で起こっているかもしれないが,建築はやっぱり会議室からはじまる.
クライアントの声を手がかりに,じっくりじっくり考えたこちらの考えをぶつけてみる.すんなり受け入れられることもあれば,そこから延々と議論が続くこともある.ただ我々の設計の打合わせでは笑い声が絶えない.実際本当に楽しい.
クライアントの意外な視点に目から鱗が落ちることもあるし,行き詰まっていたものがドライブしはじめる瞬間もある.このライブ感がたまらなく好きだ.
建築のプロセスで最も大切なのはコミュニケーションだ.図面も模型も単なるコミュニケーションツールに過ぎない.丹念に作り込んだ模型を真剣な眼差しで覗き込むクライアント.正しい建築というものはなく,そこには正しいプロセスと決断だけがある.それこそが建築をつくる.
ご近所に住むKさんご夫婦は,打合わせにはいつも自転車でやってくる.どんどん出来上がってゆく設計に期待を寄せながらも,できあがってしまうとつまらないとつぶやく.
マァ,その気持ちもわからないでもない.
11. 06 / 03
あらわしの魔力
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sekimoto
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> 建築・デザイン
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解体の現場に立ち会うと,仕上げの下から現れた生々しい素材感や構造にゾクゾクすることがある.天井をはがしたときに現れる小屋組み,外壁をはがしたときに現れる柱.そしてそれをそのまま残したい!という衝動にかられる.
けれども一方ではそんな感覚的な話とは別に空間には機能が必要で,美観やメンテナンス,音や温熱環境や設備などいろんなことを考えると,リフォーム計画ではやはり天井は張るべきとの結論に至ることが多いのが現実だ.
お施主さんからしたら生活にそこまでの冒険は求めていないわけで,我々としても納まるべきものが納まって少しほっとしたような,でも少し残念なような複雑な気持ちになる.
写真はとある現場の既存タイルをはがしたブロック塀.この後下地を整え,再び吹付け塗装を施す.ただこの塀を見たとき,思わずスタッフと共に「おー!」と唸った.この迫力は石張りでもきっと敵わないだろう.
ただやはりそこは,このママというわけにはいかないので,この状態は工事中で見納めになることだろう.できることなら,このまま持ち帰って事務所の壁に張り付けたいくらいの存在感である.
11. 06 / 01
撮影,そして…
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sekimoto
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> 仕事
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今日は昨年末に竣工した西大泉のFILTER(U邸)の竣工写真撮影に行って来ました.
カメラマンは久しぶりに私です.腕が鳴ります.
天気予報では”一瞬晴れ”.しかし結局太陽は出ませんでした.
でもその代わり室内は柔らかい光の写真が撮れました.
このU邸は厳しいローコスト住宅でしたが,とても美しい佇まいの住宅です.
自らシャッターを切りながら「イイネ~イイネ~」と何度も心でつぶやいてしまいました.お住まいになっているお施主さんのセンスに依るところも大きいような気がします.写真はまた後日まとめて作品にアップします.
撮影の後はUさんが手料理を振る舞って下さいました.当初撮影は私だけだったのですが,施主のお子さんのたってのリクエストで,担当スタッフの三浦も途中参戦です.三浦はどこに行っても子供に人気があります.
Uさん,とっても美味しかったです.竣工した後にこうしてお施主さんと囲む食卓はいつも楽しく時間が経つのを忘れてしまいます.あ,今回参戦できなかったご主人はこれを読んで悔しがっていることと思います.次回は是非ご一緒しましょう!
11. 05 / 30
普通のこと
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sekimoto
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> 思うこと
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大学教育はある意味残酷だと思う.いわゆる普通の作品では目立たないのだ.ある意味奇をてらった,”狙った”作品が衆目を集めるし,我々もどうしてもそういう作品を選んでしまう.だから学生もそういうものを作らなくてはいけないのだと思いこんでしまう.
でも実際には当たり前のことをちゃんと設計できなくてはいけないのだ.社会に出たら絶対的にそうだ.自分の作品性を優先させるがあまり,クライアントを犠牲にするような話もよく耳にする.とんでもない話だと思う.
賢明な学生は,社会に出たら洗礼を受けて”まとも”の意味を知ることになるだろう.
大学と社会の間に存在するダブルスタンダード.僕も学生のうちは夢のある設計をしてもらいたいと思う.あまり現実的なことを考えないで,多少かっとんでいるくらいでちょうど良いとも思う.
ただ一方で,それが出来る学生と出来ない学生で温度差が生じていることも確かだ.
かたや普通でも良いのだと言いながらも,頭一つ出た”普通でない”作品を最終的には選ぶことになるだろう.教育は横並びではありえないのだから,それもアリだと思いつつも悩ましい問題だ.
それは学生だけの問題ではない.プロである我々であっても建築雑誌を賑わす前衛的な作品には刺激を受けるし,時にそうした思い切った表現や手法を取り入れたいと思うこともある.悪いことではないと思う.ただそれを単なるファッションやエゴとして使うなら手痛いしっぺ返しを食うことになるだろう.
つまるところ,我々はプロとしてクライアントの期待に応える必要がある.機能や居住性はクリアしたうえで,同時に高いデザイン性も備えていなければならない.
それを踏まえた上で誤解を恐れずに言えば,僕は建築は”普通”で良いと思う.
高いレベルのあたりまえを積み重ねていった先に,あたりまえでないものが出来上がる.そう思う.逆にいえば,世の中のほとんどの建築はあたりまえのことすらできていないのかもしれない.
普通のことができなかったら,それ以上の事はできない.そう思うのだ.
11. 05 / 29
記憶の人
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sekimoto
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> 生活
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ところが相手はキョトンとしている.「えっと,確か以前お会いしましたよね」
焦る.すごく焦る.
でも実際にこういうことがよくある.僕は人の顔と名前を覚えるのがとにかく苦手だ.相手も適当に忘れておいてくれたら,どんなにか気が楽だろうと思う.
実際いろんな会合でお会いする9割はその場限りの人である.再会するのは希で,だからついつい気がゆるんでしまう.膨大に溜まった名刺を整理していても,ほとんどの顔は思い出せないし,会った記憶すら残っていないことも多い.
だから「あ,関本さん」などといきなり呼び止められると,焦る.すごく焦る.
以前もなにかのデザインイベントですれ違った人から呼び止められた.確かに知っている顔だ.しかもつい最近会ったような気もする.でも誰だか思い出せない.にこやかに立ち話をしながら,頭の中は冷や汗だらけ.地雷を踏まないよう無難な会話でお茶を濁す.
そういうときは大抵別れた直後に思いだす.あーあの人!それならあの話もするんだった.でも時すでに遅し.僕の人生ではこういうことが実に多い.大丈夫か俺.人に対して今ひとつ社交的になれないのも,その辺が影響しているのかもしれない.
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