このクリスマスを絡めた3連休は、皆さまいかがお過ごしだったでしょうか。我が家はちょっと変わったこんな場所に泊まってきました。BOOK AND BED TOKYO(泊まれる本屋)です。
BOOK AND BED TOKYO
http://bookandbedtokyo.com/
コンセプトがとてもユニークで、詳しくはサイトをどうぞ。おそらく説明しなくても、上の写真一枚でどういうことなのか大体理解できるのではないかと思います。設計は建築家の谷尻誠さんで、是非一度泊まってみたいと思っていたのでした。
場所は池袋なので、我が家のある志木からも20分ほどで行けてしまいます。こんな近い場所に家族で泊まるというのは初めてのことでしたが、この日は帰らなくても良いのだと思うと、いつも馴染みの池袋がちょっとした旅先の街となり、とても新鮮な体験となりました。
駅から徒歩3分ほどのビルのエレベーターを降りると、唐突にこんな感じの壁が現れます。これ以外は木の扉がひとつだけ。木の扉にはロックがされていて中に入ることができません。
どうやって中に入るのだろうと壁際の呼び鈴を押すと、写真の木の壁の一部がパカッと外れて、そこがいきなりフロントに早変わり。手続きを済ませると、扉の暗証番号を教えてもらえます。
中に入るともうこんな感じ。
宿泊しなくても、昼間だけの利用も出来るようです。街の中のちょっとした秘密基地のようですね。この日はクリスマスだったこともあり、カップルでいっぱいでした。
私たちもこの日はいろいろ歩いて疲れていたので、ソファでひと休みできるのはとても癒やされました。
本棚には至る所に穴が開いていて、中の空洞に人が泊まれるようになっています。いわゆるカプセルホテルみたいなものかもしれませんが、みんな思い思いの格好で読書に興じていることからすると、マンガ喫茶のようでもあります。
この”穴ぐら”は狭すぎず広すぎず丁度良い広さで、ここに入ると本当に落ち着いて自分だけの世界に籠もることが出来ます。ちょっとした冬眠のクマの気分でしょうか笑
部屋は男女の区別はなく、またシャワールームも共同です。
この辺もどうなんだろう?と少し不安を覚えましたが、皆それを理解して来ているためか全く違和感はなく、ちょっとした合宿気分もあり、気取ったホテルよりもむしろリラックスできる気がしました。
この[BOOK AND BED TOKYO]は今とっても人気があって、週末などは数ヶ月先でないと予約が取れないようです。
建築やデザイン関係者には是非一度この空間体験をして頂きたいのと、また地方の方で東京に一泊するという方も、どうせ泊まるならこんな場所はどうでしょう?安ホテルと同じくらいの値段で、より刺激的な体験ができますよ。
最近、若い頃のように雑誌などで建築をビジュアルとして熱心に眺めることがなくなった。あまり参考にならないことが分かってきたからかもしれない。
好きだし勉強にはなるけれど、参考にはならない。極論になってしまうけれど、鎖国政策が江戸文化を生み出したように、知識はある程度溜め込んだら閉鎖系にして熟成させた方が良いと思う。なぜなら、ほとんどの建築の問題は応用問題であり、公式を覚えるより解き方を覚えた方が遙かに効率が良いからだ。
ひとが導き出した答えは、その敷地、クライアントといった諸条件が絡み合って奇跡的に生み出されたものであって、その結果だけを拾って自分の設計に当てはめることなどできない。できそうで、できない。
だから部分部分を見るとため息が出たり、よく考えられているなぁと感心することはあっても、それらを集めてベストアルバムみたいなものを作ったらそれは最高傑作になるかと言ったら、そうではない。野球ですべて4番バッターを集めたら優勝できるかという問いに似ている。そこには広島カープのようなドラマは生まれない。
つまるところ、建築は完璧じゃない方が魅力的なんだと思う。手を抜いたり、失敗するという意味の「完璧じゃない」ではなく、「にんげんだもの」のほう。がんばりすぎないディテールは潔く美しい。でも一方では「やればできる」のがんばりが同じくらいあって欲しい。人が必死に努力を重ねる姿は尊く、そしてやはり美しい。
魅力ある建築というのは魅力ある人と同じなんだと思う。志は立派なんだけど、完璧じゃなくて、ちょっとだらしなくて、でもユーモアがあってきっちり約束は守るみたいな。
ここから先に進むには、もっと人間を磨かないといけないんだろうなと思います。
好きだし勉強にはなるけれど、参考にはならない。極論になってしまうけれど、鎖国政策が江戸文化を生み出したように、知識はある程度溜め込んだら閉鎖系にして熟成させた方が良いと思う。なぜなら、ほとんどの建築の問題は応用問題であり、公式を覚えるより解き方を覚えた方が遙かに効率が良いからだ。
ひとが導き出した答えは、その敷地、クライアントといった諸条件が絡み合って奇跡的に生み出されたものであって、その結果だけを拾って自分の設計に当てはめることなどできない。できそうで、できない。
だから部分部分を見るとため息が出たり、よく考えられているなぁと感心することはあっても、それらを集めてベストアルバムみたいなものを作ったらそれは最高傑作になるかと言ったら、そうではない。野球ですべて4番バッターを集めたら優勝できるかという問いに似ている。そこには広島カープのようなドラマは生まれない。
つまるところ、建築は完璧じゃない方が魅力的なんだと思う。手を抜いたり、失敗するという意味の「完璧じゃない」ではなく、「にんげんだもの」のほう。がんばりすぎないディテールは潔く美しい。でも一方では「やればできる」のがんばりが同じくらいあって欲しい。人が必死に努力を重ねる姿は尊く、そしてやはり美しい。
魅力ある建築というのは魅力ある人と同じなんだと思う。志は立派なんだけど、完璧じゃなくて、ちょっとだらしなくて、でもユーモアがあってきっちり約束は守るみたいな。
ここから先に進むには、もっと人間を磨かないといけないんだろうなと思います。
怒濤のイベントラッシュが続いております。もはや本業がどこにあるのかわかりません、、。ついでに言うなら、原稿の締切と、現場の竣工と、設計の追い込みとがすべて重なって、盆と暮れと正月が一気にやってきたような日々が続いておりますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
◇
さてそんな中ですが、来週土曜日に新宿のLIXILショールームにてセミナーがあります。所属する日本建築家協会(JIA)住宅部会の関連セミナーなのですが、今回のタイトルは直球です。ずばり『暮らしとデザイン~建築家の設計のすすめかた~』
これから家を建てようという方の中には、設計事務所に頼もうか、ハウスメーカーで建てようかと迷っていらっしゃる方もいらっしゃるかもしれません。あるいは建築家に頼みたいのだけれど敷居が高そうだとか、どんな風に頼めばよいのだろう?といった疑問は尽きないところです。
今回は湯浅剛さんがコーディネーターとなり、私と建築家の中澤克秀さんがそれぞれの考えや設計の進め方などについて、過去の事例も交えてお話しします。
個人的には他の建築家の実務話を聞く機会も少ないので、中澤さんのお話も私としては楽しみだったりします。現在進行中の方も、是非参考にして頂けたらと思います。
参加費は無料です。リンクのサイトには事前申し込みとありますが、当日直接来てもらっても大丈夫です。皆さまのお越しをお待ちしております!
◇◇
SUMAIセミナーPart24 第2回セミナー
暮らしとデザイン~建築家の設計のすすめかた~
日時:2016年11月26日(土)13:00~15:00
会場:LIXILショールーム東京 7Fイベントルーム
東京都新宿区西新宿8-17-1住友不動産新宿グランドタワー7F
東京メトロ丸の内線「西新宿」駅1番出口より徒歩約3分
コーディネーター: 湯浅 剛 /アトリエ六曜舎
講師: 中澤克秀/中澤建築設計事務所 関本竜太/リオタデザイン
参加費: 無料
定員: 50名
詳しくはこちらより
http://www.jia-kanto.org/members/event.html
16. 11 / 08
進修館
author
sekimoto
category
> 建築・デザイン
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埼玉県宮代町の現場が進んでいるのですが、申請のために訪れる町役場の裏手にはコミュニティセンター「進修館」があります。象設計集団の設計で1980年の竣工。
沖縄の名護市庁舎の遺跡っぷりにもシビレるのですが、こちらも負けていません。さしずめ天空の城ラピュタの実写版といったところでしょうか。幼い頃ここで遊んだ子供たちは、大人になっても帰省する度にきっと懐かしくここを訪れるんだろうなと思います。
進修館
http://www.shinsyukan.or.jp/about.html
グッドデザイン賞ってなんだろう?というのがずっとあった。製品カタログなどを見ていると、写真の脇に”ドヤ”という感じで印字されているGマーク。中にはぱっと見にはどこがどうグッドデザインなんだろう?というものも結構ある。
最近では特定の個人の依頼を受けて建てられた住宅とか、ある種のシステムや取組みのようなはっきりした形が定義できないものまでその審査対象は広がっているようだ。
一方で食品によく付与されるモンドセレクションというものもある。お菓子に「モンドセレクション金賞受賞」などと書かれていると、その国連本部みたいなメダルのイメージと相まって、まるで「カンヌで金獅子賞取りました」的な威厳すら感じる。食べてみると普通においしい。国際的なおいしさかどうかは別として。
仕組みは両者ともよく似ている。特定の団体に一定の安くはない費用を支払って審査をしてもらうということだ。両者ともお金がかかる賞だとよく言われる。そしてその受賞率の高さから、”お金で買う賞”なんていう揶揄もよくされる。
応募している企業にとってGマークは、自社で開発した製品にデザインの専門家のお墨付きがもらえるというメリットがある。ひとたびGマークがつけば、消費者としてもないよりもあったほうが選びやすくなる。
もちろんそれは売り上げにもつながるものだから、企業にとってこの賞のメリットは非常に大きいと想像できる。その対価として多少お金がかかったとしても、それは必要経費といえる。制度としては極めて商業的だ。
逆にそういう印象があるだけに、正直私はあまりグッドデザイン賞に良い印象を持っていなかった。自分とは縁のない賞だとも思っていた。
ところが今年、知人から招待チケットをもらってその展示会に足を運んでみたところ、その考えが大きく覆されるのを感じた。どう覆されたかというと、出展されている製品群のデザインの質の高さにである。実際に足を運び、受賞作に目を通してそのレベルの高さに驚かされた。
それはまさに日本のものづくりの熱量がすべてここに集まっているかのような感覚だった。制度を憎んでデザインを憎まず。それらの製品デザインに正面から向き合ってきたまじめで誠実なデザイナー達の顔が思い浮かぶような、そんなピュアなデザインをいくつも見ることができた。
グッドデザイン賞と言えば、今や誰でも知っている日本一有名なデザイン賞と言える。
もちろん建築でもデザインでも、グッドデザイン賞に限らず多くのコンテスト等があり、国際的にも有名な賞や権威ある賞もある。しかしベタだけど、グッドデザイン賞は日本一有名なデザイン賞であることには違いない。
わかりやすいということは共感の総量が大きいということだ。一部の人にしか分からない価値よりも、誰でも共有できる価値の方が社会的には尊いと私は思う。
建築でもデザインでも、その専門性が高くなればなるほど、一部の専門家にしか分からないような価値軸というものが出てくる。しかし、デザインが市民権を持つためには、子供からお年寄りまでが理屈抜きで楽しめるものや、理解できるものでなくてはならない。
いかんせん商業色が強いだけに、色眼鏡で見られることの多いGマークだけれど、ものづくりに関わる企業の努力や社会貢献を普遍的な価値軸に乗せる取り組みとしては、もう少し評価されても良いように思う。
受賞された皆さま、おめでとうございます。
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