今年度より、JIA(日本建築家協会)関東甲信越支部の会報誌Bulletin(ブリティン)の編集長を務めさせて頂くことになり、そんな私の責任編集による2021年度Bulletin夏号がようやく発刊されました。
たかが会報誌、されど会報誌。多くの方が関わり、人選から執筆依頼、取材、校正作業まで全てに関わることになります。今回はそれに加えて、表紙のデザインや、思い切って記事バナーを含めたデザインも一新させて頂きました。緊急事態宣言中のGWはこの作業に明け暮れ、、。
ようやく形になってくれて嬉しい!会報誌のため書店などには並びませんが、会員以外の方も、こちらより一部の記事はお読み頂くことが可能です。
■Bulletin2021 夏号
https://www.jia-kanto.org/kanto/bulletin/2021/index.html
特集で取り上げた「エンジニアとの協働」では、古い友人でもあるArupの与那嶺氏にもご協力を頂きました(彼の自宅は私の設計で、私の自邸は彼の構造設計です)。ご興味ある方は是非お読み下さい!
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さてそんなBulletinですが、すでに次の秋号に向けて取材が動き始めています。次に取り上げる「協働のかたち」は『ビルダーとの協働』です。
取材させて頂いたのは、江戸時代から創業180年を数える大和工務店の初谷仁さん、電気・空調設備のスペシャリスト、トミデンコンスの富永茂さん、そしてスーパー板金職人である新井勇司さんの3名です。
先の夏号ではエンジニアとのフラットな関係について取り上げました。エンジニアは意匠設計者の下請けではなく、対等なパートナーなのだということを伝えたかったのですが、秋号のビルダーとの協働でもまた伝えたいのは「現場の作り手との対等な関係」についてです。
我々建築家は、現場に出れば時に「先生」と呼ばれ、ある種特権的な立場に置かれることも多々あります。そして時にビルダーを下に見て、礼を失した対応をする人も少なからずいるようです。
しかし我々は図面は描けても、板金を折ることも、電気配線を結ぶことも、またそれらの職人を束ね現場の隅々まで目を配ることもままなりません。彼らは我々の仲間であり、エンジニアと同様に、対等にリスペクトを持って付き合うべき同志なのです。
この日はそんな彼らの仕事へのモチベーション、我々建築家と仕事をする喜び、そしてがっかりする瞬間など本音の数々を引き出し、誰でも膝を打つ”現場あるある”の数々に大いに盛りあがりました。
しかし一方では盛りあがりすぎて、たぶん一番過激な発言を連発していたのは編集長の私だったかもしれません。同席者からは、面白かったけれど2/3は使えない話では?と心配の声も、、汗。最後は責任を持って編集したいと思います。
「建築家は裸の王様になってはいけない」というメッセージが伝わることを願って。
7月に私が登壇する北欧建築のオンラインセミナーがありますので、以下共有させて頂きます。ご興味ある方は是非ご参加下さい!(すでに参加申込みが300名を超えました)
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昨年秋に開催し大きな反響を得ましたJIA住宅部会主催のオンラインセミナー「北欧 アルヴァ・アールトを巡る旅」の第二弾を、このたびSADI北欧建築・デザイン協会との共催にて開催致します。
前回の開催ではアールト自邸、マイレア邸、サウナッツァロ村役場といったアールトの名作を紹介させて頂きましたが、今回は前回紹介しきれなかったアールト建築に加え、近代~現代のフィンランドが誇る名建築についてもご紹介します。
また後半は、フィンランド在住の遠藤悦郎氏(SADI海外会員)ともつなげてリアルタイムによるリモート建築案内(セイナヨキ)も予定しています!
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オンラインセミナー
『北欧アルヴァ・アールトを巡る旅 Ⅱ
~アルヴァ・アールトとフィンランドの名建築を巡る旅』
ガイド役
関本 竜太 氏 (建築家・SADI理事/JIA住宅部会副部会長)
遠藤 悦郎 氏 (グラフィックデザイナー・SADI海外会員)
日時:2021年 7月7日(水)18:30~20:45 (ZOOM入室 18:15~)
会場:オンライン開催(ZOOMウェビナー使用)
参加費:無料
定員: 500名(事前申し込み制)
★詳細は以下より
https://sadiinfo.exblog.jp/30549990/
世田谷美術館での「アイノとアルヴァ 二人のアアルト」展に、昨日ようやく足を運ぶことができました。
20代からずっと追い続けているアールト。一般的に知られていることはだいたい知っているというのに、何度見ても発見があります。アールトへの探求は、私のとってのライフワークとも言えそうです。
今回のアールト展のテーマは、アルヴァ・アールトとその妻アイノ・アールトとの協働による創作という点に軸足が置かれていました。これがとても良かったと思います。
一般にはあまり知られていないのかもしれませんが、アールトといえばアルヴァ・アールトのことを差す一方で、天性の美意識でアルヴァを導き、ARTEKの家具や、アールト作品のため息の出るようなインテリアデザインを実現出来たのは、もう一人の天才建築家にして妻アイノの功績なくしては語れません。
予約制だったため、むしろ混み合わずゆったりと鑑賞出来たのも良かったです。
アアルト展でのもう一つの収穫は、なんと言ってもフィンランドのファッションブランドMAKIAとアアルト財団とのコラボTシャツ!
これ日本では絶対手に入らないやつなんです。しれっとショップに並んでいたので、多分ただの展覧会グッズだと思った人もいたはず。
中でも隅っこの一番目立たないところに置いてあったのがこの水玉、じゃなかったヴィープリ図書館トップライトエディション!これは嬉しい。
展覧会などでよく売っている限定Tシャツは、日常では絶対着ないだろうなと思うのでまず買わないのですが、このTシャツには展覧会のロゴなども入らず、日常でも普通に着れそうです(ALVAR AALTO の文字がさりげなく入っているのも◎)。
世田谷美術館のアアルト展は来週末で終了なのですが、平日も含めて予約チケットはすべてソールドアウトだそう。つづく兵庫県立美術館での展示は、7月10日からはじまるようです。今日滑り込めて良かった!
21. 04 / 25
加藤雅康さんのオープンハウスへ
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sekimoto
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> 建築・デザイン
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金曜日は午前中、楽しみにしていた建築家・加藤雅康さんの自邸のオープンハウスへ。最終日にすべりこみ、そして圧巻の一言。加藤さんの建築家としての矜持、生き様、覚悟の詰まった仕事だった。
加藤さんの温厚な人柄の裏側にあるマグマのような情熱に触れ、それが建築の原点なのだとあらためて気づかされた。果たして自分にそれがあるか?と問われると、途端におぼつかない。
同行したスタッフには、我々はまだ登るべき山に登ってすらいないと話した。今日来れなかったスタッフには、加藤さんという建築家がいかに格好良いかを熱く語った。
加藤さん、本当に素晴らしい仕事を見せて頂きました。ありがとうございました!
以前、長らく続けた「新建築住宅特集」の購読をやめたことがあった。若かりし頃のように、誌面をめくるたびにときめくようなことも少なくなり、どこか異国の絵空事のように感じられるようになったためだった。
しかし購読をやめてしばらくしたら、スタッフから「新建築やめちゃったんですか?」と訊かれた。「あれ観てたの?」と訊くと、新刊が届くといつも手に取ってペラペラめくっていたのだという。
そうか、やっぱり建築にはすぐ明日にでも役立つような実用情報だけでなく、若いスタッフの感性をときめかせるようなサプリメントも必要なのかもしれない。そう思い直し、購読を再開した。
一方で必要なのは、日々生きてゆくために必要なガソリンだ。昨今のウッドショック関連の最新情報を日々更新するため、「日刊木材新聞」の購読をはじめた。こんなニッチな業界新聞を自分が手に取る日が来るとは思わなかった。
しかしこの新聞、想像以上にめちゃくちゃ面白くて、ネットでは絶対得られないコアな情報が日々びっしりと詰まっている。そりゃそうだ。ネット検索や加工された二次情報ではなくて、記者さんが日々奔走して、製材所やメーカーなどから直接取材をしているのだから。
こういう時、身近な関係者の談話だけを鵜呑みにするのは危険だ。情報がタダで手に入る時代だからこそ、本当の情報にはお金をかけなくてはいけない。まさに夢と現実。建築実務者にはどちらも欠かせないものだ。
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