
ふと思い立って,本棚にあるこれまでの掲載誌の整理をはじめた.雑誌の厚い誌面のうち,自分の作品はほんの数ページ.ただこの数ページのために,これまでの掲載誌で本棚がびっしり埋まりつつあった.
これまでの掲載誌を一冊ずつスクラップしてゆく.誌面とその表紙を切り取り,残りは積み重ねて処分するという作業を続けていたら,本棚もずいぶんすっきりした.これならあと10年分くらいはいけるかも?
掲載されると必ず1冊は出版社より送って頂ける.でも中には中身をよく確認しないまま本棚に直行していたものもいくつかあり,そういえばこんな取材もあったなあ,と懐かしく読み返したりもしてしまった.
掲載誌は大きく分けると,建築専門誌(プロ向け),住宅系雑誌(家づくり向け),情報誌(一般向け)とあって,個人的には業界的に影響力の大きい建築専門誌に多く載せたいと思うのだけれど,こちらは敷居が高くて載せて頂ける頻度はあまり高くない.
一方の住宅系雑誌の場合は,プロのライターさんとカメラマンが取材にいらして,家づくりのプロセスから住み心地などの取材,家族のポートレートなどを撮影して下さるので,我々にとってもお施主さんにとっても良い記念や記録になる.でも世間的な反響は思うほどは大きくない.
最後の一般情報誌(LEEなど)は,これは半端なく影響力が大きい.発行部数がまずケタ違いだし,美容室などにも置いてあったりと露出も多いこともあるのだろう.家を建てようと気合いを入れて買う雑誌ではなく,なんとなくペラペラとめくっていたら出会ってしまった的なドラマチックさが,逆に良いのかもしれない.
今回スクラップした雑誌はこの10年間で34誌.他にも再掲載や内装の仕事,作品以外の個人的な取材も含めると50誌くらいにはなるかもしれない.最近では以前ほどガツガツと売り込まなくなったので,最近の取材はあまり多くはないのだけれど,今後は自信のある仕事を,より良い媒体に良い形で取り上げて頂けたら嬉しいなと思う.
12. 01 / 07
SEA’S まちかど建築家展@川口
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sekimoto
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> イベント
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来週末開催の[SEA'S まちかど建築家展]にリオタデザインも出展いたします.
SEA'S(シーズ)というのは,ジョイントに金物を使った木造[SE構法]を使った家づくり建築家グループで,今回の建築家展には我々をはじめ同グループの建築家らが複数出展する予定です.
[SEA'S まちかど建築家展] in Saitama
会場:川口アートギャラリー「アトリア」
http://www.atlia.jp/access/access.php
会期:1月13日(金)~15日(日)
時間:10:00~17:00 (15日は16:00まで)
※関本は14日午後,15日午後には会場にいる予定です.
SE構法は構造計算により強度を担保し,特に柱の少ない大空間やビルトインガレージ,木造3階建てなどには最適な構法です.過去の作品では,「百日紅の家」「うめハウス」などにSE構法を採用しています.
今回の会場もSE構法を使って作られていますので,いらして頂くとイメージが掴みやすいかもしれません.イベントの趣旨としては「SE構法を使った家づくり相談会」のような感じですので,同構法にご興味のある方,これから家づくりをご検討の方で,リオタデザインに限らずいろんな建築家の作品を見てみたいという方は是非足を運んでみて下さい.
私は14日と15日の午後には会場にいる予定ですが,急用で席を外すこともあるかもしれません.もしご来場予定の方は,予めご連絡を頂けると助かります.
(関本 riota@riotadesign.com)
会場にて多くの方とお会いできますことを楽しみにしております!
SEA'S 建築家と建てる木の家
http://www.seas-house.jp/

12. 01 / 05
一心不乱に
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sekimoto
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> 思うこと
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「忙しい」という字は「心」が「亡くなる」という意味らしい.それを聞いた時はなるほどと思い,何事も「程々が良いのだ」と理解していた.
けれど本当は,この場合の「心」とは,おそらくは「雑念」や「煩悩」みたいなもので,人は一心不乱に物事に打ち込むことで無私の境地に至ることができる,自分自身からも解放されるということなのではないかと思うようになった.
独立して10年になる.師の事務所を離れてあらためて実感したことは,建築を基本から考える尊さだ.そこにはけして建築雑誌の表紙を飾るような派手さはないかもしれないけれど,ひとつひとつを確実に納め,誠実に仕事に向き合う姿勢を学んだ.
内向きな技術論やデザインに溺れることなく,日々ひたすらに素振りをくり返し,ランニングを重ねてきたことが今の自分をつくっている.
よく今年は飛躍の年にしたいという人がいる.けれど飛躍とは自ら願うものではなく,日々ひたすらに状況に向き合い,最善と思える判断を積み重ねていった先にしかないのだと思う.
これからの10年もまた,日々最善と思える判断を積み重ねてゆきたい.愚直に素振りとランニングを続けてゆきたい.一心不乱に仕事に打ち込み,自分自身から解放されたいと願う.
けれど本当は,この場合の「心」とは,おそらくは「雑念」や「煩悩」みたいなもので,人は一心不乱に物事に打ち込むことで無私の境地に至ることができる,自分自身からも解放されるということなのではないかと思うようになった.
独立して10年になる.師の事務所を離れてあらためて実感したことは,建築を基本から考える尊さだ.そこにはけして建築雑誌の表紙を飾るような派手さはないかもしれないけれど,ひとつひとつを確実に納め,誠実に仕事に向き合う姿勢を学んだ.
内向きな技術論やデザインに溺れることなく,日々ひたすらに素振りをくり返し,ランニングを重ねてきたことが今の自分をつくっている.
よく今年は飛躍の年にしたいという人がいる.けれど飛躍とは自ら願うものではなく,日々ひたすらに状況に向き合い,最善と思える判断を積み重ねていった先にしかないのだと思う.
これからの10年もまた,日々最善と思える判断を積み重ねてゆきたい.愚直に素振りとランニングを続けてゆきたい.一心不乱に仕事に打ち込み,自分自身から解放されたいと願う.
11. 12 / 30
名医
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sekimoto
category
> 生活
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この年末の出来事.子供が足をひねって捻挫してしまい,年末なので病院もどこも休みで困っていたら,駅近くのこんなところに?という所に整骨院を見つけ,飛び込みで診て頂くことができました.
レントゲン設備もない小さな診療所で少し不安に思っていると,おもむろに子供をベットに寝かせ,おへそのあたりになにやらお守りのようなものを一つ置くと,僕は時計や指輪などをすべて外すよう指示されました.ん,何?少し怪しい.
次に僕に指で「O(オー)」の字を作らせると,先生がその指を引っ張り,僕は指が開かないように力をいれます.指は開きません.先生曰く,これは健康の証なのだそうです.
次に子供の患部に片手を触れるよう指示されました.そして反対側の手で作ったオーリングを先生が引っ張ると,今度は全身の力が抜けたようにあっけなく指は離れてしまいました.思わずびっくり!
これをオーリングテストというのだそうです.悪い気(微弱な電気信号)を体が敏感に感じ取り,脳が反応しているのだとか.霊感も気功の心得もない自分にそんな察知能力があったことにまず驚きました.
先生とその助手はこのオーリングを応用しながら,子供の足を綿密に調べてゆきます.捻挫だけではなく骨もずれていること,そしてそれは足首だけではなく,膝の骨まで影響を受けていることなども指摘されました.それはおそらくレントゲンにも写らなくて,そのまま放置しておくと将来の発育にまで影響を及ぼしてしまうのだそうです.
先生はその患部である足には一切触れることなく,首筋のあたりを何度か引っ張ると,拍子抜けするくらいあっけなくその治療を終えました.少しいぶかしく思っていた僕には再度オーリングを作らせ,もう一度患部を触らせ先生が引っ張ると,今度はその指はぴったりとくっついたまま離れないのでした.
子供はといえば,診察後すぐに痛みが引いたわけではないようでしたが,夜には結構普通に歩けるようになっていました.ただその効果のほどは別としても,実際に自分の指が開いたり開かなくなったりしたのは事実で,また足の捻挫を首を引っ張っただけで治療したお医者さんというのも初めて見たので,あっけにとられて思わず”名医”と拝みたくなってしまいました.
もしかしたら,レントゲンもなかった昔の方が,案外正確で本質的な治療ができていたのかもしれません.人間の”気”おそるべし!この年末の奇妙な体験でした.
レントゲン設備もない小さな診療所で少し不安に思っていると,おもむろに子供をベットに寝かせ,おへそのあたりになにやらお守りのようなものを一つ置くと,僕は時計や指輪などをすべて外すよう指示されました.ん,何?少し怪しい.
次に僕に指で「O(オー)」の字を作らせると,先生がその指を引っ張り,僕は指が開かないように力をいれます.指は開きません.先生曰く,これは健康の証なのだそうです.
次に子供の患部に片手を触れるよう指示されました.そして反対側の手で作ったオーリングを先生が引っ張ると,今度は全身の力が抜けたようにあっけなく指は離れてしまいました.思わずびっくり!
これをオーリングテストというのだそうです.悪い気(微弱な電気信号)を体が敏感に感じ取り,脳が反応しているのだとか.霊感も気功の心得もない自分にそんな察知能力があったことにまず驚きました.
先生とその助手はこのオーリングを応用しながら,子供の足を綿密に調べてゆきます.捻挫だけではなく骨もずれていること,そしてそれは足首だけではなく,膝の骨まで影響を受けていることなども指摘されました.それはおそらくレントゲンにも写らなくて,そのまま放置しておくと将来の発育にまで影響を及ぼしてしまうのだそうです.
先生はその患部である足には一切触れることなく,首筋のあたりを何度か引っ張ると,拍子抜けするくらいあっけなくその治療を終えました.少しいぶかしく思っていた僕には再度オーリングを作らせ,もう一度患部を触らせ先生が引っ張ると,今度はその指はぴったりとくっついたまま離れないのでした.
子供はといえば,診察後すぐに痛みが引いたわけではないようでしたが,夜には結構普通に歩けるようになっていました.ただその効果のほどは別としても,実際に自分の指が開いたり開かなくなったりしたのは事実で,また足の捻挫を首を引っ張っただけで治療したお医者さんというのも初めて見たので,あっけにとられて思わず”名医”と拝みたくなってしまいました.
もしかしたら,レントゲンもなかった昔の方が,案外正確で本質的な治療ができていたのかもしれません.人間の”気”おそるべし!この年末の奇妙な体験でした.
昨日は仕事納め,焼肉をつつきながらの打上げでした.この年末は進行中の住宅に加えて,店舗など短期勝負の仕事が入ったこともあり,いつになく慌ただしい怒濤の年末となりました.
今年はなんといっても3月の大地震の記憶が生々しかったです.被災地の被害はもちろんですが,我々の仕事に及ぼした影響も甚大でした.
震災後はしばらく”真冬”のような状況でしたが,GW明けにはウェブサイトをリニューアルし,それが功を奏したか夏までにかけて多くのお問合わせやお仕事を頂けたことで,事務所としてもなんとか息を吹き返すことができました.サイトデザインを担当して下さった石曽根さんには,この場をお借りしてあらためて感謝したいと思います.
また一方では長く事務所を支えてくれていた中堅スタッフがこの秋に退職し,戦力的には大きなダメージとなりましたが,それを補うように残ったスタッフが奮起してくれたことは嬉しかったことです.新スタッフの加入によっても事務所の雰囲気が変わり,新しい個性の組み合わせによる新組織としてスタートを切った年でもありました.
今年もいろいろな出会いがありました.クライアントの皆様,同業の建築家たち,学生さんらとの出会いや交流も,我々の一年を豊かで楽しいものにしてくれました.
愛情あふれるクライアントご家族,ご夫婦との関わりからは身につまされることも多く,反省とともに学ばせてもらうことも多々ありました.建築家の友人らからは,震災で困っていたときなど貴重な情報を共有させてもらったりもしました.
また学生やスタッフに対しては,思いが先行してつい感情的になってしまったり,一方でそれに彼らが応えてくれたりと,自分への反省と得た喜びも同じくらいありました.
今年我々と関わってくださったすべての皆様,ありがとうございました!
スタッフの三浦さん,牛島くん,いつも感謝しています.また秋に退職した柴くん,あらためてこれまで支えてくれてありがとう.献身的な仕事をして下さる工務店さん,そして家族….いろんな人に感謝したくなるそんな一年でした.
今年はなんといっても3月の大地震の記憶が生々しかったです.被災地の被害はもちろんですが,我々の仕事に及ぼした影響も甚大でした.
震災後はしばらく”真冬”のような状況でしたが,GW明けにはウェブサイトをリニューアルし,それが功を奏したか夏までにかけて多くのお問合わせやお仕事を頂けたことで,事務所としてもなんとか息を吹き返すことができました.サイトデザインを担当して下さった石曽根さんには,この場をお借りしてあらためて感謝したいと思います.
また一方では長く事務所を支えてくれていた中堅スタッフがこの秋に退職し,戦力的には大きなダメージとなりましたが,それを補うように残ったスタッフが奮起してくれたことは嬉しかったことです.新スタッフの加入によっても事務所の雰囲気が変わり,新しい個性の組み合わせによる新組織としてスタートを切った年でもありました.
今年もいろいろな出会いがありました.クライアントの皆様,同業の建築家たち,学生さんらとの出会いや交流も,我々の一年を豊かで楽しいものにしてくれました.
愛情あふれるクライアントご家族,ご夫婦との関わりからは身につまされることも多く,反省とともに学ばせてもらうことも多々ありました.建築家の友人らからは,震災で困っていたときなど貴重な情報を共有させてもらったりもしました.
また学生やスタッフに対しては,思いが先行してつい感情的になってしまったり,一方でそれに彼らが応えてくれたりと,自分への反省と得た喜びも同じくらいありました.
今年我々と関わってくださったすべての皆様,ありがとうございました!
スタッフの三浦さん,牛島くん,いつも感謝しています.また秋に退職した柴くん,あらためてこれまで支えてくれてありがとう.献身的な仕事をして下さる工務店さん,そして家族….いろんな人に感謝したくなるそんな一年でした.
