12. 09 / 28
スタッフ力
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sekimoto
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> 仕事
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部下の方には同情を禁じ得ないのだけれど,実はこの会社,上司が上司なら部下も部下なのである.過去には我々も,この方の部下達が担当された事案でもずいぶん悩まされてきた.しかし辛抱強くこの会社を使い続けてもきたのは,競合させるべき会社があまりなく,製品自体には問題がなかったからだ.そしてなんと言っても安かった.だから納品されるまでのプロセスにミスさえなければ,基本的には何も言うことはない会社なのである.
しかしミスというのも,想定しきれない事態ならともかくとして,ちょっと気をつけていれば,いや相当に気を抜いていなければ起こらないような単純ミスばかりで,毎回本当にあきれかえってしまうことばかり.その都度お説教をして,改善の兆しが見え始めたところで再びこの事態である.こんな無責任な人がいるのだということにもびっくりした.
そこであらためて考えた.
ダメな会社というのは,誰をつかまえてもダメなのだということ.ダメだなんて言って申し訳ないのだけれど,これはけして人格を否定しているのではなくて,仕事に向かう心構えだったり,熱意だったり,または会社の体質だったり,あるいはそのすべてだったり,ということを指している.でも実働で動いている部下を育てるというのは上司の重要な仕事であって,その積み重ねが会社という輪郭を作っている.だから上司がダメだと本当にその会社は目も当てられない,ということにもなってしまう.
…とまあ,こんなことを書いた後でなんですが,自分自身もなかなかそれを徹底するのは難しく,そもそも上司である私自身に欠陥が多くあるので,それをカバーしてくれている部下には私自身同情を禁じ得ない.
それでもうちの事務所の仕事が(表向き?)滞りなく流れている理由は,ひとえにスタッフ力.うちのスタッフの仕事ぶりには(もちろん歴代のスタッフも含めて)日々のことながら感心させられることが多い.ダントツなのは各自の持つプロ意識.うちは優秀なスタッフに支えてもらっているなといつも思う.
12. 09 / 23
[白岡の家]オープンハウス終了!
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> OPENHOUSE
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本日はお足元の悪いところ,「白岡の家」オープンハウスにお越しくださった皆様,誠にありがとうございました.
実のところ,前日まで突貫工事をしていたので,果たしてこの日を迎えられるのか不安でしたが,工務店さんの努力の甲斐あり,なんとかお披露目することができました.すべての養生がはがれた状態で空間を見るのは,設計者である私たちも今日が初めて.かなり不安もありましたが,ようやく現れた空間は素直に「美しい!」と思いました.
当日は進行中のお施主様,友人知人に近所の方まで見学に来て下さり,盛況のうちに終えることができました.そして明日から工事も総仕上げ,外構やアプローチも美しく整うことと思います.監理にもまだまだ気が抜けません.
Sさん,最後までお付き合いよろしくお願いします!今日はお疲れさまでした.
◇
◇
これは前日の現場の様子.とてもオープンハウスの前日とは思えません…汗.
担当のウッシー,お疲れさま!あと一息!!
12. 09 / 17
荻窪moiのことが
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sekimoto
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> メディア
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本というのはガンに侵されたとある編集者さんの闘病日記で,早速購入して読んでみると,近所にいいカフェ(荻窪時代のカフェmoiのことらしい)を見つけたという記述があった.以下抜粋すると,
『まあとにかく,寝転んでネット上をうろついていたら,なんと見つけたんですよ,荻窪にカフェを!この街自体の住み心地はそう悪くないと思うのだが,近所というか最寄り駅にカフェがないのが不満の一つだった.それが解消できる.早速,場所をチェックして行ってみることにした.(中略)青梅街道から少し入ったところにあるそのカフェは10席ほどの小さな店.フィンランド系のインテリアを使った,茶室をイメージした店だという.コーヒーとクロワッサンを注文.どちらも美味.客は近所の病院の看護婦と思しきニキビ面とブサイクの2人組.かかっている音楽やコーヒー,食器(カップ&ソーサーはアラビアの特注,冷タンはもちろんイッテラ製!)は文句ないのだが,イスが硬くてオレには長居できない感じ.白木のイスで見栄えはいいけれども,クッションが付いていないとキツいッス(別にダジャレじゃないけれど).隠れ家的に使いたいので店情報は秘密』
(本文P81より)
記述はちょいちょい間違っている(アラビアの特注→梅田弘樹さんのオリジナルデザイン,イッテラ→イッタラ)のですが,きっとこうして当時マイナーな存在だったカフェmoiを,ちょっぴりニヤリとしながら”発見”して下さった方はきっとたくさんいらっしゃるのだろう.当時闘病されていた著者の方の”隠れ家”にもなっていたようで,それはそれで嬉しく思った.
残念ながら著者の奥山貴宏さんは,闘病の甲斐なくすでにお亡くなりになっておられるらしい.ご冥福をお祈りすると共に,荻窪にあったカフェmoiを気に入って下さったことに,この場をお借りして御礼申し上げます.
『32歳ガン漂流エヴォリューション』 奥山貴宏(牧野出版)
[荻窪時代のカフェmoi] (写真:根津修平)
12. 09 / 13
セラン
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sekimoto
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> 生活
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青山通りと外苑の銀杏並木が交差するあたりにセランはある.
セランは無国籍料理で有名なキハチが提供するイタリアンレストランだ.秋になるとこの銀杏並木は通りを一面の黄色い絨毯に変え,それをお目当てに多くの人がやってくる.その頃にはセランの前には長蛇の列と,何ヶ月も前から予約をしていた人とでテラス席は賑わう.
昨晩は少し早めに仕事を切り上げて,このセランに家族と食事に出かけた.
今から14年ほど前,我々はこのセランで結婚式を挙げた.もともとクリスチャンでも敬虔な仏教徒でもない我々は,形式に縛られるよりも近しい方達を招いてのホームパーティのような挙式が望みだった.挙式は11月29日で,予定では2階席の窓辺は黄色く染まるはずだったのだけれど,思いのほか紅葉の時期がずれ,やや緑がかった銀杏が窓辺を覆うこととなった.
セランに訪れると,空間とは内装デザインのことだけではないことがよくわかる.一流の料理とスタッフ.きめ細かな対応や気配り.そして環境というすべてが調和してはじめてできあがるもの.その全てがこのセランにはあった.
そんなセランが,今月末でその歴史を終える.建物は残るけれど,来年の春にキハチ本店としてリニューアルオープンするという.もちろんこの素晴らしい環境や料理,そして最高のおもてなしは継承されるのだろうが,その空間はもはやセランではない.我々の思い出の場所がまたひとつ失われる.それがとてもつらい.
我々の結婚式を担当してくださったスタッフの藤木さんとは,彼女の退職後もずっとやりとりが続いていて,今回の閉店のお知らせを下さったのも彼女だった.おかげでこの貴重な機会を逃さずに済んだ.(本当にありがとうございました)
今回は最後の機会ということで,はじめて子供も連れて行った.最後に家族でこの空間で食事ができてほんとうに良かった.最後には僕が頼んだケーキに,奥さんがサプライズで仕込んでおいてくれた演出が加わってこちらもびっくりだった.(9月11日が誕生日でした)
最後まで最高の時間を過ごさせてもらいました.
ありがとう!そしてさようなら,セラン.
12. 09 / 09
しばやま整形外科
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sekimoto
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> 建築・デザイン
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常磐道の柏インター入口近くに「しばやま整形外科」の看板が出ていることは,ずいぶん前から知っていた.今日,柏方面に打合せに行った帰りに再びこの看板を見つけて,ふと寄り道してみようと思った.
「しばやま整形外科」は僕が前職の設計事務所,エーディーネットワーク時代に担当した作品で,竣工は1998年だからもう14年も前の話になる.
この仕事は新宿のOZONEが初めて住宅コンペを主催した,記念すべきOZONEコンペ第一号作品でもある(当時の担当北村さんは今でもOZONEにいらっしゃり,先日指名を受けたコンペで再会した).当時は公募制にしていて,この医院併用住宅の設計コンペには約60社ほどの設計事務所が案を応募した.我々エーディネットワークもそのコンペに参加を決めていた.
ほとんどの案は1階を医院に,2階を住宅にするというベーシックなプランだったのに対し,我々が提出したのは医院棟と住宅棟を別棟にし,敷地も分割,医院は鉄骨造,住宅は木造で解くという型破りなアプローチだった.住宅の居住性や医院の機能性をそれぞれ追求するならばまさしく理想的な計画とも言えたのだけれど,極限とも言えた低予算に対しそれはありえないだろう,とコンペ当選後もずいぶん他の事務所から揶揄されたのを覚えている.
でも我々の提案はダントツだった.予算の問題はなんとかなった.なんとかなったから建っている笑.建築というのは結局そういうもので,理念なきところに建築は建たないのだ.
もちろん相応に歳を取って老朽化している部分や,住みながら改変されている部分はあったけれど,先日棚橋先生にお会いした際も,今でもこのお施主さんとは連絡を取り合い,改装の折りには必ず相談を下さっているとのこと.そんな関係を続けて下さっている前職の先生にも感謝したい.
それにしても,没頭して図面に向かった建築というのは自分そのものなのだなとあらためて思った.14年前,自信もなくただ漠然と不安を抱えて仕事をしていた当時の自分がそこにはいた.ガラス越しに中を覗いてみる.当時僕が図面を引いた家具やサッシュの納まりが,そこに竣工当時から変わらぬ姿で佇んでいた.
経験不足からどうして良いかわからないところもいっぱいあったし,混乱する頭で必死に実施図面を描き,現場監理に当たっていたのだけれど,今見てもびっくりするくらい良くできている.ちゃんと納まっている.へぇあの頃の自分,意外とやるじゃん!(もちろん先生のおかげでもあるんですが)
そしてあの頃の自分に言ってあげたいのは,
「大丈夫,その先にちゃんと今の自分はいるよ」ということだ.
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