14. 08 / 12

針の穴

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sekimoto

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『針の穴を通すより難しい』

それが引渡しであると思っています.時系列で現場が進めば,いつかは完成し,竣工の時を迎えます.しかしそれはモノとしての完成であって引渡しではない.大学なら60点でも単位がもらえます.しかし実際の建築では90点でもクライアントからは痛烈なダメ出しをもらうことがあります.

我々は常に100点を目指しています.クライアントに指摘を受けるようではだめなのです.我々の基準はそのはるか先にあるのですから.しかし現実にはそうはいかない.難問は解けたのに,つまらない引っかけ問題につまづいて90点.そんなのばかり.我々はこれまで一度も100点を取れたことがありません.

細かいなあ,うるさいなあ.現場は思っているかもしれません.でも仕方がないのです.だって引渡しは針の穴を通すより難しいのですから.

嵐のような日々が過ぎ,昨日無事引渡しを迎えました.
台風一過.そんな言葉がぴたりとはまる日でした.

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sekimoto

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一時は台風の影響も心配しましたが,天気もそう荒れることなく,DIVEオープンハウスは盛況のうち無事終了しました.ご来場下さった皆様,誠にありがとうございました!

朝イチからは学生さんが大勢来てくれました.今日は午後から発表があったそうですが,皆今日のオープンハウスに行くために,前日までに終わらせて今日は楽しみにして来たという言葉を聞き,ちょっと感動しました.みんなありがとう!

また同業の方から,クライアントまで皆さま熱心にご見学下さいました.これまでの我々の住宅に比べて全体的にグレードの高い仕様で,これまで使ったことのない素材も多く使った住宅でもありました.最後にソファなど家具が入ると,また雰囲気が大きく変わるかもしれませんね.

私の説明は,終始構造・架構のあり方や整合性,施工に関することだったような気がします.実際そこにはじまり,そこに着地した住宅でもありました.敷地に素直に解くことで得られた空間であり,それ以上でもそれ以下でもないという気がします.最後には構造を担当して下さった山田憲明さんも駆けつけて下さいました.

プロデュースして下さったプロトハウスの桑原さん,施工を担当して下さった渡辺建工の渡辺さんにも,共に大変お世話になりました.建工さんに関してはまだお仕事が残っていますね笑.最後まで共にフォローしていきましょう.皆さまお疲れさまでした!





プロデュース:プロトハウス・桑原さん/施工:渡辺建工・渡辺さん

構造設計:山田憲明さん(左).
私のパートナーであり,木構造の分野では国内トップランナーの一人です.

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オープンハウスは明日の開催となります.
天気は夕方に近づくと雨がぱらついてきそうです.涼しいのは良いことですが…
駅から歩いていらっしゃる方は,なるべく早めの時間にいらして頂くことをお勧めします(8/8追記)
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千葉県柏市で現場進行中の住宅「DIVE」がまもなく竣工致します.
かかった工期は木造では異例の8ヶ月.難工事に続く難工事でしたが,ようやくその姿が現れました.オープンハウス(内覧会)を行いますので,ご興味ある方は是非足をお運び下さい.

その敷地は高台の上にあり,約30度の傾斜面が大きな空と広がりのある眺望に向かって開いていました.計画にあたっては,道路から2mほど落ち込んだ敷地面の,わずかばかりの踊り場面に最小面積の基礎を接地させ,そこからやじろべえのように大きなはね出しを設けることで,傾斜地における基礎工事の負担や地盤への影響を減らし,同時に浮遊感のある開放的なリビングを獲得しました.

その2.7mもの大きなはね出し構造も含め,主な構造は木造在来工法により実現しています.北側に設けたどの開口からもその絶景を一望し,その空間体験はまさに空に浮かんでいるかのようです.

【DIVE】
日時:2014年8月9日(土) 11:00~17:00ごろまで


場所:千葉県柏市大室
つくばエクスプレス「柏たなか駅」東口下車徒歩約20分.
お車の場合は,常磐自動車道柏IC下車,下道で約10分

見学ご希望の方にはご案内をお送り致します.関本までメール下さい.
riota@riotadesign.com


○初期の構想スケッチより

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先月にプレゼンして,お預けしていた模型が戻ってきました.
新座市に計画中の「はねだしテラスの家」.ベタなネーミングですが,外壁から2mもせり出した大きなテラスが特徴の家です.

模型をお預けしていたというのも,奥様のご出産がプレゼン日とかぶりそうだったから.プレゼンに同席できないかもしれない奥様に,模型に雄弁に語って頂くために,久しぶりに1/50スケールで作成しました(いつもこんな大きな模型作るわけではないので,他の方はどうか期待なさらないように・・).作戦が功を奏したか,大変喜んで頂きました.

このはねだしテラスがあるのは,実は北側道路側.南側はマンションが見下ろす敷地のため,南側からは採光のみ,眺望はむしろ北側とトップライトに開くという手法を取っています.

北側道路に縦列駐車というのは,この規模の敷地では典型的な解き方なのですが,その上空っていつももったいないと思っていました.駐車場を覆うようなテラスがあれば有効活用できますよね!

しかもこのテラスの上にはオーニングが取り付いていて,雨の時にはガーッとこのテラスにすっぽり屋根を架けてしまうんです.そうすれば雨でもこのテラスを活用することができます.テラスの下の自転車も濡れないし,一石二鳥というわけです.

でもこんな大きなテラス,構造的にどうやって持たせているの?そこは弊社の特殊はね出し技術の賜です(社外秘・・ということはありませんが,だてにDIVEは設計していません).

内部もスキップに吹き抜け,ロフトにトップライトと変化に富んだ構成になっています.コストも久しぶりに気合いを入れて抑えないといけない状況.そんな状況をポジティブに乗り切りたいと思います.

でも実はハイライトは外壁.
ちょっとこれまで見たことない色になるかも?(模型は白ですが)
どうかお楽しみに!

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毎年この季節になると学生さんがオープンデスクにやってきます.例年は日大の教え子が多かったのですが,今年は山形からわざわざ熱心な学生が門を叩きにやってきました.

オープンデスクというのは建築業界ならではの呼び方で,いわゆる無給の研修生(インターン)という位置づけです.著名事務所になると,そこで学べるということがステイタスになるためか,常時多くのオープンデスクが出入りし模型製作などを手伝うというのが通例になっています.

ただ,私はこのオープンデスクという制度があまり好きではありません.どうも事務所サイドの体よく安い(無給の)労働力を得るという事情が見え隠れしていて,事務所によっては堂々と「オープンデスク募集」などと出しているところもありますが,要は「タダで働いてくれる都合の良い人募集」というわけで,それってどうなの?って思います.

毎年うちに来るオープンデスクの学生さんには,うちの業務としての模型や図面には一切触らせません.その代わり実在の「設計課題」を出して,私がみっちりエスキースします.ちょっとした建築の夏期講習みたいなものでしょうか.

今年は上記の課題に加えて,現場やクライアントの打合せにも同席させて,そのリアルな設計の現場を体験してもらおうと考えています.現場でどのように建築は作られるのか,その空気や職人さんの汗も含めて感じてもらいたいと思います.

また,我々が住宅を設計する先にはどんなクライアントがいるのか,そこにはどんな会話があり,どんな風にデザインが決まってゆくのか,どれも大学では教えてくれないことばかりです.

今年の学生はこちらに身を寄せる実家があるわけでもなく,山形から自費でやってくると聞いて意気に感じました.すぐにアツくなる私の性分ゆえ,少々スパルタになるかもしれませんがご容赦を.リオタデザイン今年の特別夏期講習,開講です.