16. 06 / 08
サイト更新|愛猫家住宅2題
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sekimoto
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> 仕事
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昨年相次いで竣工しました猫をこよなく愛するご家族(愛猫家)の住宅2題につきまして、以下に写真をアップしました。どうかご覧下さい。
・暁の家 (写真:新澤一平)
https://www.riotadesign.com/works/15_akatsuki/
・OPEN-d (写真:新澤一平)
https://www.riotadesign.com/works/15_opend/
[これまでの作品]
https://www.riotadesign.com/works/
◇
昨年はどういうわけか愛猫家住宅が立て続けに竣工しました。先にアップしましたA-FLATも最上階は猫を愛するオーナーさんのフロアでした。もともと私は猫派なのですが、家の中で飼った経験はなく、どうすれば猫にも気に入ってもらえるような家になるのか、最初は戸惑いもありました。
いろいろ研究を進めてゆくと、今度はずいぶん設計が楽しくなってきました。要は猫の気持ちになって設計すれば良いのですね。
「暁の家」では、吹き抜けに文字通り”キャットウォーク”を張り巡らせました。これはずいぶんと楽しい設えとなり、また随所に猫窓を設けて、猫が外を眺めて寛げる場所もいくつも作りました。
極めつけは、アルヴァ・アールト設計のマイレア邸などに見られる藤巻きの丸柱をモチーフにした猫柱。ここでは籐ではなく、麻紐を巻き付けています。
これはさすがにアールト先生に怒られるかなと思いましたが、これは”猫愛”と共に”アールト愛”の結晶、アールト住宅へのオマージュと受け止めて頂きたいところです。(これも実に猫たちのお気に入り。猫柱とは、要は猫の爪研ぎ場ということです)
▲暁の家(千葉県柏市|2015.10)
◇
また「OPEN-d」では、キャットステップをデザインモチーフとして壁面全体を構成した部分があります。どうしてもペット住宅というと、デザイン的にはイマイチで、機能性にウェイトがかかりすぎたエッジの丸いものが多いように思います。そこにペットがいることが絵になるような住宅をここでは目指しています。
リビング全体に巡らせた梁を猫が縦横無尽に歩き回ります。そもそも中庭住宅にしたのも、猫が自由に外に出られるようにというクライアントの思いが形になったものです。
どちらの住宅も主役は家族であり、「楽しくなければ住宅ではない」を形にしたものです。どちらも人間の家族のみならず猫たちにも大好評で、設計意図通りにすんなりと受け入れられているとのこと。もちろん、どちらも私の大いにお気に入りの住宅です!

▲OPEN-d(千葉県木更津市|2015.11)
☆☆☆
最後にスタッフ情報も更新しております。
4月より入りました、新スタッフの砂庭を紹介させて頂いております。
皆さま、砂庭をどうか可愛がってあげてください!
https://www.riotadesign.com/about/
16. 06 / 06
『馬事公苑の家』竣工
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sekimoto
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世田谷区で進めておりました住宅「馬事公苑の家」が、本日無事引渡しとなりました。今回はクライアントのご要望もあり、オープンハウスは行いませんので、どうかご了承下さい。
クライアントのSさんとの家づくりは、実は東日本大震災のあった2011年にまで遡ります。当時土地探しのご相談に乗っていたものの、震災が起こり凍結となってしまいました。そして一昨年再び土地探しがはじまり、土地探しも困難を極めましたが、現在の土地での家づくりがようやく再開し、現在に至りました。
Sさんは設計時より、本当にこまめにショールームに足を運んで下さいました。おそらく、設計図に書かれたほぼすべてのメーカーのショールームに行かれたのではないでしょうか。また現場にも、ほぼ毎週のようにご夫婦で足を運んで下さいました。その熱心さにも頭が下がる思いでした。
時には我々も気づかないような点もご指摘下さり、ありがたい反面、冷や汗が出る場面もありました。
敷地面積は23坪弱と小さく、敷地には現況で1m程度の高低差がありました。ビルトインガレージのご要望もあったことから、玄関部より奥に行くに従って半階ずつスキップする、スキップフロア形式としています。
スキップフロア形式の特徴は、なんといっても室内に広がりが出ることです。ひとつのフロアから2つのフロアを視界に捉えることができるので、平面形式に比べても空間を広々と視認することができます。結果的にご家族の気配もわかり、家族が各フロアで別々のことをしていても、ひとつの空間で暮らしているという感覚を持って頂けると思います。
結果的に生まれたリビングの天井高は実に5.9m!吹き抜けの高さでは、過去最高の高さです。これはお見せできないのが残念なくらいの迫力で、ロフトから下を覗くと足がすくむくらい。おそらく外部からは、内部にこんな空間が隠されているとは思えないかもしれません。
他にも売りはいっぱいあるのですが、続きは竣工写真ができてからのお楽しみということで。
今回は施工を、今回2回目のお付き合いとなる宮嶋工務店さんにお願いしました。前回と同様、精度の良い施工と、隅々まで配慮の行き届いた対応をして下さいました。我々にとって、こうした優秀な工務店さんとの協働は最近は益々不可欠となってきています。今回は我々の至らぬ点も多く助けて頂きました。
クライアントのSさんからは、最後に以下のような記念品を頂きました。「かまわぬ」の手ぬぐいに、このような刻印が入れられるのですね。しかも馬事公苑にちなんで”馬”の図柄が笑。どうもありがとうございます!お昼もご馳走になり、午後も仕事があるのにほろ酔い気分で帰路につきました。
Sさん、長い間大変お世話になりました。
今後とも末永いお付き合いをお願い致します!
16. 06 / 05
SPH
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sekimoto
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昨日は友人のオープンハウスの後、近くで設計したSPH(H邸)にお招きを受けお昼を頂きました。この食卓に、丁寧な生活をされている様子が凝縮されています。
お子さんも大きくなっていて感慨ひとしお。Hさん、久しぶりの再会嬉しかったです。このあとは別件の設計打合せのため、事務所にトンボ帰り。
いずれまたゆっくりと!
北海道で子どもが置き去りにされた事件で、無事保護されたという昨日の報には、心底よかったと思った。ほっとするあまり、危うく涙すら出そうになった。
普段報道は他人事であり、一喜一憂することのない私にとって、そこまで心が動いたのは、これは自分のことだと思ったからだと思う。
言葉で言って理解できない、あるいは収まりのつかない時期の子どもの教育はとても難しい。暴力は控えるとしても、やはり特効薬は「恐怖」をちらつかせて子どもの本能に訴える方法があることは否定できない。「言うこと聞かないと鬼が来るよ」といった方便もこれにあたる。
今回の事件もその延長線上にある。結果的に大騒ぎになってしまったけれど、どの家庭でもそんな経験の一つや二つはあるのではないか。
例えば、躾のためにほんの5分ほど押入れに閉じ込め反省を促したとする。開けたら子どもがぐったりして動かなかったらどうだろう?その日からその親は犯罪者の一人となってしまう。
私も子どもの頃父に夜のベランダに出されたことがある。でもそこでパニックになり、自力でベランダから飛び降り頭を打っていたら、今の自分はいないかもしれない。
今回の事件の衝撃は、まさに日常に潜む恐怖であり、いつどんな時に、同じ災いが自分に降りかかるかわからないという教訓である。
今回子どもが無事保護されたことを、我が事のように安堵した。そして我が子が今まで何事もなく成長してくれている幸運と、自分も今何事もなく生活できている幸せが奇跡であることをあらためて感じた。
普段報道は他人事であり、一喜一憂することのない私にとって、そこまで心が動いたのは、これは自分のことだと思ったからだと思う。
言葉で言って理解できない、あるいは収まりのつかない時期の子どもの教育はとても難しい。暴力は控えるとしても、やはり特効薬は「恐怖」をちらつかせて子どもの本能に訴える方法があることは否定できない。「言うこと聞かないと鬼が来るよ」といった方便もこれにあたる。
今回の事件もその延長線上にある。結果的に大騒ぎになってしまったけれど、どの家庭でもそんな経験の一つや二つはあるのではないか。
例えば、躾のためにほんの5分ほど押入れに閉じ込め反省を促したとする。開けたら子どもがぐったりして動かなかったらどうだろう?その日からその親は犯罪者の一人となってしまう。
私も子どもの頃父に夜のベランダに出されたことがある。でもそこでパニックになり、自力でベランダから飛び降り頭を打っていたら、今の自分はいないかもしれない。
今回の事件の衝撃は、まさに日常に潜む恐怖であり、いつどんな時に、同じ災いが自分に降りかかるかわからないという教訓である。
今回子どもが無事保護されたことを、我が事のように安堵した。そして我が子が今まで何事もなく成長してくれている幸運と、自分も今何事もなく生活できている幸せが奇跡であることをあらためて感じた。
16. 05 / 23
アトレウス家の新築
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sekimoto
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> 建築・デザイン
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先週末は大学の先輩であり、大学でもお世話になっている佐藤慎也先生の設計した住宅の見学会へと行って参りました。
慎也さんは学生時代からそうでしたが、型破りな先生で、大学でも研究テーマを”アート”に置いていることから、今回の見学会もいわゆる”オープンハウス”とはせずに、「アトレウス家の新築」というタイトルのアートイベントとして開催されていました。おそらく、案内を受け取った方の半数以上は意味が分からなかったと思います笑
[アトレウス家の新築]
http://thoa.gr/
建物としては文京区の下町に建つ木造3階建ての住宅で、今回は単なる見学会ではなく、製作のプロセスを映像化し、そこにモノローグを載せることで固有性の高い住宅を、一種のアノニマスな現象に置き換えてしまう(私の解釈が間違っていたらごめんなさい!)という映像作品が室内でも上映されていました。
実はこの住宅の計画の初期では、慎也さんの紹介で、私もこの建て主さんと面談をしていました。結局スケジュールその他で折り合いがつかず、結局慎也さんが共同設計者と共に設計を引き受けることになったようですが、このように「もしかしたら私が設計していたかもしれない住宅」を見に行くというのは、いつもとても興味深いものです。
細かい具体的なポイントは省きますが、この住宅の作り自体とても大らかで、ヒューマンスケールで作られていたことにとても好感を持ちました。また1階が特定の目的を持たない図書館のような公民館のような空間となっており、おそらくは生活に直接は直結しないであろうこの空間が、全体の1/3を占めているという構成にも驚かされました。
おそらくは、街とどのようにつながるかという点を突き詰めていった結果なのかもしれませんが、それを受け入れたクライアントの度量も賞賛に値するものがあると思います。
そこであらためて思ったのは、私の住宅の作り方は極めて職人的なのだなということです。全体の細かい整合性を突き詰めて行った先にリオタデザインの住宅はあるわけですが、ひとたび筆を置いて、このように都市的に、大らかに全体を構成していった先には、きっと豊かで大らかな生活があるのだろうなと思うと、とても魅力的であるように思います。
かといって我々の住宅ポリシーが変わることはないかもしれませんが、ただひとたび一部のディテールが崩れると全体系に影響を及ぼしてしまうような作り方ではなく、もう少し街やいろんなものを懐深く受け入れる住宅のあり方を考えていきたいなあと、この日は強く思ったのでした。
慎也さん、またクライアントのFさま、ご案内をありがとうございました!
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