英国はEUを離脱すべきではなかった。
私は直前まで英国は残留を選ぶと思っていた。これから英国には試練という言葉では足りない苦難が待ち構えているだろう。経済危機、そしてそれは雇用にも影響を及ぼし、移民問題をしのぐ深刻な問題へと発展してゆくに違いない。
ただそれは国民が選んだ結果であり、自業自得だとしても、それが飛び火し迷惑被るのは日本経済である。なにしてくれてんねんて思う。
今朝の新聞に世代別の投票行動が載っていた。離脱という名の”独立”を選んだのは、”偉大なる英国(グレートブリテン)”幻想を持つ65歳以上の世代だ。そして残留という名の国際協調を選んだのは、圧倒的に次代を担う18~24歳の世代である。
「若者よ、あとは頼んだぞ」といったところか。
「顧問の先生には退部届出しておいたわよ」とお母さん。
イギリス、部活辞めるってよ。
ほんと、なにしてくれてんねんて思う。
先日友人の建築家と呑んでお互いの建築観について話をした。以前から薄々気づいてはいたけれど、どうも私の考える建築というのは少し違うのかもしれない。
たとえば、私は自分の仕事を「作品」と呼ばれることに抵抗がある。
世間的には設計事務所の仕事は「作品」と呼ばれることが多いし、私のサイトにもやはり「これまでの作品」などと書かれている。けれども、本当は少し違和感がある。私は自分の仕事を「作品」ではなく、ただ「仕事」だと思っている。
作品を作る人が「作家」だとすれば、私は「職人」なのだと思う。
作家とは表現したいことがあり、自らの表現のために資金を作る人のことだ。職人は表現はせず、依頼に対してただ忠実な仕事をする人である。
私には表現したいことはなく、自分はからっぽだといつも思う。
関本さんの建築ってどんな建築ですか?と聞かれるのが一番困る。私は依頼主のことにしか興味がない。その人がどういう人で、住まいや家族に対してどういう考えを持っているのか。それを聞き出し、咀嚼することが私の仕事である。
板前が目の前の活きの良い魚に鮮やかな手さばきで包丁を入れてみせる。目の前にさっと皿が出てくる。私はそんな仕事に憧れる。自分の仕事もそうありたいと思う。
たとえば、私は自分の仕事を「作品」と呼ばれることに抵抗がある。
世間的には設計事務所の仕事は「作品」と呼ばれることが多いし、私のサイトにもやはり「これまでの作品」などと書かれている。けれども、本当は少し違和感がある。私は自分の仕事を「作品」ではなく、ただ「仕事」だと思っている。
作品を作る人が「作家」だとすれば、私は「職人」なのだと思う。
作家とは表現したいことがあり、自らの表現のために資金を作る人のことだ。職人は表現はせず、依頼に対してただ忠実な仕事をする人である。
私には表現したいことはなく、自分はからっぽだといつも思う。
関本さんの建築ってどんな建築ですか?と聞かれるのが一番困る。私は依頼主のことにしか興味がない。その人がどういう人で、住まいや家族に対してどういう考えを持っているのか。それを聞き出し、咀嚼することが私の仕事である。
板前が目の前の活きの良い魚に鮮やかな手さばきで包丁を入れてみせる。目の前にさっと皿が出てくる。私はそんな仕事に憧れる。自分の仕事もそうありたいと思う。
建築知識7月号(エクスナレッジ)が届きました。
私は定期購読はしていませんが、現在「リオタのディテール流儀」という連載を持っているため、毎月のように送られてきます。連載以外にも、ほぼ毎号のように何らかの形で記事に関わっているのですが、今月はコレです。
タニタハウジングウェアさんとの記事。いわゆるタイアップ広告というやつです。過去に私のブログでも何度か取り上げましたが、「ensui」というくさり樋を取り付けた「暁の家」にて取材を受けることになりました。
最初にお断りしておきますが、この記事の本文内容についてはすべて真実です。本文は私が語った通りに的確に編集されていますし、タニタハウジングウェアさんのensuiは私のお気に入りで、今もなおいろんな住宅で使っております。(いつもありがとうございます!)
それはいいんですが。
ただまあなんというか。いろいろツッコミどころがあるわけですね。
同業を含めた読者から総ツッコミを受ける前に、私自ら断罪しておきましょう。
まず、
おいっ。
ちがうんですちがうんです。すべてエクスナレッジN山さんの指示なんです。どこ見てんだよって?遠くを見ているわけですよ。憂いの表情でね。だってN山さんがそう言うんだから。あっちの方見て下さいって言うんだからっ。
これくさり樋関係なくね?
て思ったって口に出せないわけですよ。大人ですから。
おいっ。
関本竜太の眼差しってなんだよ。なんでしょう?私にもわかりません。あとでN山さんに聞いて下さい。そもそも関本ってだれだよ。そうそこ。あなたいいツッコミしてますね。
最後に私のプロフィール。
こんなに良く書いて下さって、N山さんったらありがとうございますm(_ _)m
しかし、
「軽妙なトークでも知られる」て。リオタといえばトークですか。
トーク>設計、ですか。
まぁ、間違っていませんが。
「好きな眼鏡はMUUR」
その情報いる?
この号では、別のページでも企業タイアップ記事に登場しておりまして、トップライトメーカーの日本ベルックスさんとも他の建築家さんの事例とともに、「緩斜面の家」のトップライト事例について紹介して頂いております。
タニタハウジングウェアさん、日本ベルックスさん、取材協力を下さいました「暁の家」のSさん、そしてエクスナレッジN山さん、ありがとうございました!
これからも軽妙なトークで、MUURの眼鏡をかけてがんばります。
(設計もがんばります)
16. 06 / 13
き組ゼミにて
author
sekimoto
category
> 建築・デザイン
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昨日は「き組ゼミ」にて、講師として呼んで頂きました。
「き組」は金物を極力使わない、日本の伝統木造による家づくりを続けておられる建築技術者たちのグループで、主宰者の建築家・松井郁夫さんは、設計事務所運営の傍ら、そんな技術者達を育てる私塾を開いておられます。
ワークショプ「き」組 http://kigumi.jp/
リオタデザインの家づくりは、そんなき組とは少しアプローチが違うのですが、松井さんととあるきっかけで知り合い、昨年に引続き「き組ゼミ」にてデザイン講義をさせて頂くことになりました。
松井さんも伝統木造の第一人者なら、他の講師陣も日本を代表する建築家や技術者がずらりと揃っています。そんな中私が話をしても良いのか・・と去年はずいぶんとビビっていたのですが、受講生の熱心さに心打たれ、また松井さんの人柄と大らかさに惹かれ今年もお引き受けすることになりました。
といっても、私は伝統木造を語ることはできませんので、拙いながらもリオタデザインのいくつかの仕事や、私個人の建築バックグラウンド(フィンランドなど)についてお話させて頂きました。
この「き組ゼミ」には、本当に全国から受講生が集まってきます。コースがいろいろ分かれていて、各コース5回、約半年間の受講となるのですが、この日も岐阜からの参加者もいらっしゃいましたし、去年は金沢から通っていらした方もいました。
また設計事務所の主宰者という方もいますが、スタッフさんという立場の方や大手組織設計の方も。知識や技術を得るために、時間やお金を惜しまず参加する意気込みには本当に頭が下がります。(私は残念ながら、そこまで熱心な輩ではありません・・)
また松井郁夫さんは、今は息子さんである匠さんと一緒に事務所を協働されておられ、匠さんもき組で教える講師の一人なのですが、親子で心を一つにして仕事に打ち込まれている姿というのは、いつ見ても心が打たれます。ちょっと羨ましくもあります。
そして最後は受講生の皆さんとの懇親会。
なんと言っても、き組ゼミはこれが楽しいんですよね笑。お酒が入ってこの日も松井さんは絶好調!ちょっとアブない?事務所の内幕話などここでは書けないような話で盛りあがり、この日も夜が更けていったのでした。
松井さん、今年もお世話になりました。
是非またいろいろ教えてください!
16. 06 / 12
梅雨空に
author
sekimoto
category
> 仕事
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ここ一ヶ月ほど、ブログもなかなか更新できずにいました。珍しく更新が滞ったので、一部の方からは「最近忙しいみたいですね」と声をかけられることも多かったのですが、物理的な忙しさというよりも、メンタル的に追い詰められた状態でした。
そういうときは何事にも積極的になれず、とことんネガティブに、何をやってもうまくいかないような気分になってしまうものです。私にもそんな時があります。
もう梅雨明けくらいまで土日もびっしり仕事のスケジュールが埋まり、半ば強制的に仕事に向き合わざるを得ない状況。この辺で気分をアゲていきたいところです。
◇
そんな折り、目下見積調整中で来月からは着工を控えているTOPWATER(I邸)のクライアントがやってきました。この日は最後の見積調整の日です。
ところが事務所の入口を入ってくるIさんが見えた瞬間、思わず笑ってしまいました。Tシャツに短パン、トートバッグを下げたその姿に、思わず「海びらきですか!」と心の中で突っ込んでしまいました。
そう、Iさんはそういう人なのです。
無類のルアーアングラー、しかも最もギャンブル性の高いトップウォーターしか狙わないというスタイル。プカプカと自らも水面に浮かんで釣るそのスタイルのために、計画の住宅にもカヤックが2艇吊れるようにしてあります。(同じくカヤックを吊った「暁の家」のクライアントも、実は同類のトップウォーター・アングラーです)
まさかカヤック積んできたんじゃないでしょうね?と冗談交じりに突っ込むと、そのまさかでした。家づくりに対する気負いや緊迫感が全く感じられない(ように私の目からは映る)その姿に、私も脱力状態。もう笑うほかありません。
なんでしょう、このIさん。このノーガード戦法でこれまで連戦連勝、家づくりのプロセスにおいてはこれまで負けなしの快進撃を続けているのです。
我々との出会いからはじまり、ローン、ご家族、お仕事、いろんなものが狙ったようにこの時期全てがハマってゆきました。まるで今、ここに家を建てるために、すべては仕組まれていたのではないかと思うほど。
そして、工務店からの金額も予算にぴたりとはまり、いつもはシビアな予算調整の打合せも、ものの30分で終わったのでした。こんなこと、滅多にあることではありません。
Iさん曰く「自分はきっと面倒くさい施主になる」と思っていたそうですが、我々からの提案を受け、予想に反して?ほぼ何の抵抗も抱かなかったのは「奇跡に近い」感覚だったそうです。
図面はPDFで常に持ち歩き、電車の中や出張先でも、隅々まで読み込みを続けたとのこと。それはIさん曰く「長編小説を読むような」気分だったようで、それが本当に楽しかったのだそうです。
会社でも同僚に図面を見せ、デザイナーの多い職場では、Iさんの家づくりネタで大いに盛りあがっていたとのこと。時には上司までプランに口を出してくることもあったとか?全ての線がぴちっ!と納まっているのが快感だったというマニアックさは、もはやクライアントとしては”変態”の域と言えるでしょう。(もちろんIさんへの最高の賛辞です)
予算調整のはずがほとんど雑談で終わり、Iさんはカヤックを積んだ車でこの日のメインフィールドへと発っていったのでした。笑う門には福来たる。梅雨空にも、私の心にも晴れ間が覗いたそんな日でした。
そういうときは何事にも積極的になれず、とことんネガティブに、何をやってもうまくいかないような気分になってしまうものです。私にもそんな時があります。
もう梅雨明けくらいまで土日もびっしり仕事のスケジュールが埋まり、半ば強制的に仕事に向き合わざるを得ない状況。この辺で気分をアゲていきたいところです。
◇
そんな折り、目下見積調整中で来月からは着工を控えているTOPWATER(I邸)のクライアントがやってきました。この日は最後の見積調整の日です。
ところが事務所の入口を入ってくるIさんが見えた瞬間、思わず笑ってしまいました。Tシャツに短パン、トートバッグを下げたその姿に、思わず「海びらきですか!」と心の中で突っ込んでしまいました。
そう、Iさんはそういう人なのです。
無類のルアーアングラー、しかも最もギャンブル性の高いトップウォーターしか狙わないというスタイル。プカプカと自らも水面に浮かんで釣るそのスタイルのために、計画の住宅にもカヤックが2艇吊れるようにしてあります。(同じくカヤックを吊った「暁の家」のクライアントも、実は同類のトップウォーター・アングラーです)
まさかカヤック積んできたんじゃないでしょうね?と冗談交じりに突っ込むと、そのまさかでした。家づくりに対する気負いや緊迫感が全く感じられない(ように私の目からは映る)その姿に、私も脱力状態。もう笑うほかありません。
なんでしょう、このIさん。このノーガード戦法でこれまで連戦連勝、家づくりのプロセスにおいてはこれまで負けなしの快進撃を続けているのです。
我々との出会いからはじまり、ローン、ご家族、お仕事、いろんなものが狙ったようにこの時期全てがハマってゆきました。まるで今、ここに家を建てるために、すべては仕組まれていたのではないかと思うほど。
そして、工務店からの金額も予算にぴたりとはまり、いつもはシビアな予算調整の打合せも、ものの30分で終わったのでした。こんなこと、滅多にあることではありません。
Iさん曰く「自分はきっと面倒くさい施主になる」と思っていたそうですが、我々からの提案を受け、予想に反して?ほぼ何の抵抗も抱かなかったのは「奇跡に近い」感覚だったそうです。
図面はPDFで常に持ち歩き、電車の中や出張先でも、隅々まで読み込みを続けたとのこと。それはIさん曰く「長編小説を読むような」気分だったようで、それが本当に楽しかったのだそうです。
会社でも同僚に図面を見せ、デザイナーの多い職場では、Iさんの家づくりネタで大いに盛りあがっていたとのこと。時には上司までプランに口を出してくることもあったとか?全ての線がぴちっ!と納まっているのが快感だったというマニアックさは、もはやクライアントとしては”変態”の域と言えるでしょう。(もちろんIさんへの最高の賛辞です)
予算調整のはずがほとんど雑談で終わり、Iさんはカヤックを積んだ車でこの日のメインフィールドへと発っていったのでした。笑う門には福来たる。梅雨空にも、私の心にも晴れ間が覗いたそんな日でした。
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