17. 02 / 10

レシピ

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sekimoto

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> 仕事
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スタッフは各自自分の担当案件に専念しているので、他の担当者の案件を見るのはオープンハウスの時がはじめてということも珍しくありません。今日はたまたま竣工間際の案件に担当者以外のスタッフも連れて行くことができました。

私や担当者が、細かすぎて伝わらないディテールについて全力解説。実物があると、所内でお小言言っているよりよほど説得力があります。こういうところに気を抜くとこうなるとか、こういうことをやりたいときはこういう指示をしなくてはならないとか。これだけは残念ながら「建築知識」にも書いてありません。本当に大事なことって図面には載らないんですね。

よく料理本に「塩を少々」とか「お酒を適量」とかってありますね。少々ってどのくらい?ていう。本だけ読んでも、それっぽい味にはなるけど、シェフの本当の味にはなりません。当たり前です。なぜなら、レシピの一番大事な部分には鍵がかかっているからです。

私も雑誌に惜しげもなくディテールを公開していると言われますが、本当にそう思いますか?そんなわけないじゃないですか。アカウントのパスワードを知っているのはスタッフだけです。

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sekimoto

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> OPENHOUSE
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リオタデザインとしては、約1年ぶりとなるオープンハウスを開催します。

住宅が竣工すると、いつもクライアントのご意向をお伺いして、内覧を「非公開」「クローズで公開」「公開」と分類させていただきます。非公開の場合は内覧はなし。クローズで公開する場合は関係者のみにメールでご案内します。

今回はクライアントのご理解もあり、久しぶりにオープンで告知させて頂きます。オープンで告知できる機会はとても少ないので、いつもブログをご覧の方で一度見てみたいと思っていた方は、是非この機会にご参加ください。

以下概要です。


敷地は23坪ほどの狭小地でありながら、建坪率は50%、容積率も80%に抑えられていました。この敷地に2台の駐車と、家族4人が暮らせる空間を確保するという難条件から設計はスタートしました。

計画ではまずこの狭小地に、いかに2台の駐車を合理的に確保するかという検討から始められました。導かれた配置から、気積を使い切るボリューム検討へと進み、結果として高い吹き抜けからロフト床を吊り下げるというややアクロバットな構成へと至りました。

また駐車場上空も余すことなく使い切るため、2.2mものハングした空中テラスを設け、室内からつながる拡張空間としています。

アウトドアの趣味を持つクライアントのために、趣味のためのスペースも設けました。高密度にエッセンスが凝縮した、遊び心満載の住宅です。


【TOPWATER】 I邸オープンハウス(内覧会)
日時:2017年2月18日(土) 13:00~17:00 ごろまで


☆建築関係者のみならず、一般の方もご見学頂けます。
☆近隣の方のご見学はご遠慮ください。
☆お引渡し後の内覧会となります。また一部高所で危険な部位もございます。小さいお子さんをお連れの方は、お渡しする手袋着用の上どうか手を離さずご見学下さい。建物を傷つける恐れを感じた場合は、ご退場をお願いすることもございますので、どうかご了承下さい。

場所:東京都小金井市(小金井公園の近くです)
JR中央線『武蔵小金井駅』より徒歩10分


見学ご希望の方にはご案内をお送り致します。関本までメール下さい。
riota@riotadesign.com



<2月9日追記>
優秀な現場のおかげで、週末の施主検査を前に建物はほぼほぼ完成しております。内覧前にちょっとだけ中をお見せします。こんな感じです。



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> 仕事
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これまでで最大規模となる延べ75坪の住宅「大和田の家」は、木造住宅でありながら11ヶ月の工期を費やし、いよいよ最後の外構工事。外構工事だけで丸一ヶ月はかかりそうです。

外構はもちろん耕水の湊さん(通称ストライカー)。これまでにない規模ということで、湊さんも楽しみで仕方がない様子。暮れも正月も考え続けたという渾身のスケッチをクライアントにご説明下さいました。


…が、想像を絶する金額に一瞬でクライアントがフリーズ。そりゃそうだよ、こんな見積もり出しちゃって!

でも湊さんがいつもすごいなと思うのは、自分が良いと思う案は、予算やら何やら空気を読まず、全力で提案してくるところです。その後は私が仲立ちして費用調整に明け暮れることになるのですが、けして信念を曲げない、そしてクライアントを喜ばせることに全力投球する湊さんが、やっぱり私は大好きなのです。

そしてごくたまに(5回に1回くらい?)、そのまま通ってしまうこともあるんですね。

この日も湊さんの全力プレゼンが、じわじわとクライアントの不安を期待感に変えていったようです。気まずく流れた空気から、最後にクライアントが発したのはまさかのゴーサイン。

その後は、もう楽しくて仕方がないっていう感じで工事を進めてくれています。本当に幸せそうなんですよね。いいなぁ、こんな現場は私も幸せになります。

建物をぐるりとグリ石の通路がまわります。駐車場側にはイペ材のルーバー。見積りにはありません。湊さんにとって、結局見積りはあってないようなものなんでしょう。


17. 01 / 31

ベガハウスさん

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sekimoto

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> 仕事
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昨日はベガハウスの八幡社長が事務所にお見えになり、来月竣工予定の大和田の家の現場をご案内しました。

ベガハウスさんというのは鹿児島の工務店さんなのですが、ただの工務店ではなく設計施工型の工務店さんです。これだけならよくある話ですが、ベガハウスさんは設計力が極端に高いことで有名な工務店さんなのです。

それはもう、ちょっとした設計事務所のクオリティをすら越えているというか…。ご興味ある方は、以下のリンクから覗いてみてください。

ベガハウス
http://www.vegahouse.biz/

もしかしたらお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、建築家の伊礼智さんの作風にもよく似ています。そう、ベガハウスの八幡社長は、伊礼さんの住宅デザイン学校の第一期生でもあるのです。今では地方で活躍する工務店の希望の星となっています。

そんな研究熱心な八幡社長ですが、建築家の仕事を学びたいとわざわざ鹿児島からお見えになりました。私もベガハウスさんの素晴らしい仕事はよく知っていましたので、どう考えても旗色が悪い。教えられる事なんてなにもありません汗

板金なら、少しは、なんとか…?

年始早々、また新しいご縁を得られて嬉しく思います。八幡さん、遠いところをわざわざお越しくださりありがとうございました!またご紹介の労を頂きましたmonowaの中嶋さんにもお礼申し上げます。


昨晩のSADIイベントに来て下さった偕成社の編集者さんに、とあるノルウェーの絵本を頂きました。中身を読みとっても共感するというか、くすっと笑ってしまう楽しい本だったのでご紹介したいと思います。

うちって やっぱり なんかへん?(偕成社)
トーリル・コーヴェ作 青木順子訳
http://amzn.asia/acteVJG

この本にはとある娘さん(作者の幼少時代)の、ちょっとした悩みについて書かれています。その悩みというのが、親が建築家であるということ。おしゃれすぎる家、マリメッコのワンピース、へんてこな自転車…。

そう、ご両親はただ優れたデザインのものを、良かれと思って揃えているだけなのです。でも娘さんの受け止め方は違います。ふつうの家にふつうのお父さん、ふつうのワンピースがただ着たいだけなのです。自転車だって、近所のお店で売ってるふつうの自転車が欲しいのです。

けれどもお父さんは、自転車がほしいという娘さんのリクエストに、受注生産のモールトン社の自転車をわざわざ英国に発注します。やっと届いた自転車に、テンションの上がったお父さんのウンチクが止まらない…。

娘さんは心の中の失望を懸命に隠そうとします。けれどもそれを次第にポジティブに受け入れてゆく、、とまぁそんなお話しです。


私のブログを読んでくださる方には、もうかなり刺さっていることと思います。あ、これ自分のことだ!と。

そうなんです。別に”ふつう”を否定しているわけじゃないんです。むしろふつうであろうとしているのに、自分の気持ちに素直に行動したり、惹かれるものを手に入れていくと、結果として人とはズレてしまうんです。建築家あるある、そして建築家住宅に住んでる人あるあるかもしれませんね。

この話を息子にしたら衝撃的な言葉が返ってきました。
「これ俺の話だ」

小さい頃、「おまえんちすごいな」と言われるのがとても嫌だったそうです。そうだったんだ…初耳でした。今はそんなことないそうですが。

実は私も小さい頃はそうでした。自分の住んでいる家が友達の住んでいる”ふつうの家”ではないことが嫌で仕方がありませんでした。親が”ふつう”ではないこともコンプレックスでした。

それを反面教師にして、今ではふつうの家に住み…ではないというのはなんなんでしょう?そういう家を作る張本人になってすらいる。ある意味突き抜けてしまったのかもしれませんね。

人に合わせるのではなく、自分らしく生きるというのは本当に幸せなことだと思います。この絵本のほんとうに伝えたかったことは、そういうことなんでしょうね。ある意味、北欧らしい考え方のような気がします。