17. 11 / 13

重版出来!!

author
sekimoto

category
> メディア
Warning: Undefined array key 1 in /home/riotadesign/riotadesign.com/public_html/wp-content/themes/rd/blog/cat_sekimoto.html on line 48



拙著『上質に暮らす おもてなし住宅のつくり方』の重版が出ました!!
重版出来。皆さまありがとうございます!

『上質に暮らす おもてなし住宅のつくり方』 関本竜太|著
http://amzn.asia/5RUKj5T

担当編集者さんより重版決定のお知らせを頂いたのは10月24日のこと。初版の発売が9月27日でしたので、発売よりわずか1ヶ月での重版ということになります。

編集を担当して下さったエクスナレッジの上野さんはもちろんですが、がんばって販売をかけて下さった販売部の皆さまにも、この場をお借りして深く御礼申し上げます。


重版というのは、初版の発行部数を上回り、さらに版を重ねて発行することを言います。ベストセラーになると、どんどん版が重ねられてゆきますが、出版不況と言われる中、一部の書籍を除いては版が重ねられることはそう多くはないようです。

本を出せるだけでも十分だと思っていましたが、その版を重ねられるということは、内容についても一定のご支持やご評価を頂けた証だと思います。本当に嬉しく、ありがたいことだと思っています。


さて重版とは同じ判型・装丁で刷り直しをかけることを言います。ですから、もちろん今回も同じ判型ですし、内容も基本は同じなのですが、いくつかの点で修正をさせて頂いたところがございます。

きっと初版をお持ちの方でしたら、「あ!」と気づくところがあるかもしれません。ほぼわからないようなところがほとんどですが、一部にはやや大胆に手を入れたところもあります。

内容については敢えてここでは伏せたいと思いますが、お時間とお金のある方は初版と二刷とを両方手に入れて、どうか秋の夜長にじっくりと探してみて下さい笑。(見つけたらきっとニヤッとすると思います^^)

また二刷は初版の在庫が底をつき次第、順次各書店に配本されるようです。それがいつになるのかは著者である私にもわかりませんが、ご購入の際はどうか書店で裏表紙をめくり、版をご確認頂ければと思います。

一方の初版本は、一転して貴重本になってしまいました。たぶん、しばらくはアマゾンをポチッとしたら初版本が届くと思うのですが、これもいつ切り替わるのかはわかりません。

残り少ない初版本と、バージョンアップした(かもしれない?)二刷本、共にどうかお楽しみ下さい!


『上質に暮らす おもてなし住宅のつくり方』 関本竜太|著
http://amzn.asia/5RUKj5T

.

17. 11 / 11

DECO打ち上げ

author
sekimoto

category
> 仕事
Warning: Undefined array key 1 in /home/riotadesign/riotadesign.com/public_html/wp-content/themes/rd/blog/cat_sekimoto.html on line 48



今日は竣工写真撮影と兼ねて、9月に竣工したDECO(U邸)の打上げを開いて頂きました。

贈り物の価値というのは、金額や物そのものではなく、相手のことを思う時間だと誰かが言っていました。そういう意味では、我々の設計という作業はまさしく相手のことを想う時間そのものなのかもしれません。

今回建て主さんは、サプライズとして我々のために似顔絵入りのケーキをご用意下さいました。何を用意しようかとても悩んだのだそうです。あぁ、悩んで下さったんだなということがとても嬉しいですし、何よりの贈り物だと思うのです。


建て主のUさんは時計職人さんでもあります。

この日は「2/100ミリの調整」という意味や職人技術について、根掘り葉掘りお聞きしました。設計の打合せがはじまると、決めないといけないことがたくさんあるので、打合せの時間の中でお聞きできることは限られてきますが、こうして設計が終わった後のお話しというのは時間の制約がなく、とても楽しいものとなります。

私も少し職人気質のところがあるので、こういう話は聞いていてとても楽しいです。肉眼(老眼とも言いますが…)では判別のつかないくらいのネジやパーツを、特殊なレンズで覗き込んで作業する、時に顕微鏡を見ながらの作業と聞くと、指の上に乗る折り鶴を折ってしまう人の話を思い出してしまいます。


自分では体験し得ない、いろんな職業の方のお話を聞いたり、それぞれの仕事観・価値観などを聞けるというのが、この仕事をしていて一番役得だと思うことです。思えばNHKの「プロフェッショナル」とか、様々な職業人の仕事観を紹介する番組が私は一番好きだったりもします。

これは住宅設計の職業柄というより、そういうことが好きだから住宅設計をやっているのかもしれませんね。ともあれ、楽しい時間をありがとうございました。そしてごちそうさまでした!



最近面白い本を読みました。小説ではありません。ノンフィクションですが、ドキュメントみたいなものとも違います。日記です。それもノルウェーの大工さんの。

『あるノルウェーの大工の日記』

オーレ・トシュテンセン著
http://amzn.asia/dESwFxE


ノルウェーの大工さんの日記と聞いたら、みなさんはどんなことが書かれていると想像しますか?私は、きっとあごひげ生やした屈強なバイキングみたいなオヤジさんが、強い酒あおりながらフォッフォッフォって。あ、それはサンタクロースか。でもそんなサンタさんみたいな大工さんが、ログハウス建ててご満悦みたいな、そんな日記かな~と勝手ながら想像していました。

それが、そんな先入観を全力でひっくり返す本だということは先にお伝えしておきます。私はまずはそこにカウンターパンチを喰らって、どんどん引き込まれてしまいました。

つまりこれ、日本の大工さん、いや優秀な現場監督の業務日誌だと思って読むと実に興味深いのです。私は去年行ったノルウェーのログハウスが強烈だったので、ついつい「ノルウェー=ちょっと粗野でダイナミック」みたいなイメージを持ってしまうのですが、どうしてどうして、この大工さん相当繊細で優秀な方のようです。

仕事を受注するための精密な積算や他社との駆け引き。建て主にいかに自分をアピールし信頼を勝ち取るかという努力や、工事をスムーズに遂行するための段取り。そして現場に姿を現さない”アカデミック”な建築家との付き合い方やボヤキなど、これそのまま日本の現場に置き換えてもそっくり成立しちゃうってところが最高に面白いんです。

遠く離れたノルウェーの現場事情や大工さんの考えていることが、日本と何ら変わることがないという不思議。ものづくりって万国共通なんだなあとしみじみ思ってしまいました。


この本のもう一つの魅力は、本文に出てくるこの大工さんによるしみじみと”深イイ”言葉の数々です。以下に、私の心にフックした言葉の数々を紹介したいと思います。

「この職業において、良質な仕事と悪質な仕事の差は、わずか1ミリしかない」
「物を不正確に造るより、正確に造る方が簡単だ」
「経験が教える最も役に立つことは、自分には何ができないか、を知ることである」
「腕の良い職人は、常に強い自信と不安とを同時に抱えている」
「測定、計算、それに精度というものは、メタファーとして人生にも当てはめられるかもしれない。必要以上に精度を追い求めるのはどうかと思うが、適当にやっつけた仕事が歪んでいるのはやはり問題だろう」

そうそう、そうだよね、と遠く離れたノルウェーの大工のつぶやきに一つ一つ相づちを打ちながら、自分の進行中の現場のことなどが一方でぐるぐると頭の中でまわるのでした。日本の住宅設計や施工に関わる人にも是非読んでもらいたい一冊です。

17. 11 / 05

恩師との再会

author
sekimoto

category
> 生活
Warning: Undefined array key 1 in /home/riotadesign/riotadesign.com/public_html/wp-content/themes/rd/blog/cat_sekimoto.html on line 48



小学校の同窓会があり、恩師の先生と実に33年ぶりの再会をした。

小学校6年生の担任は茂木先生という先生で、小学校から大学までを通して、恩師を一人挙げろと言われたら、この茂木先生の名前が真っ先に出てくるほど、私にとっては印象深く、尊敬していた先生だった。

この先生にはたくさん褒めてもらった記憶がある。とにかく褒めるのが上手い先生だった。取るに足らないことでも、クラスみんなの前で褒めてくれたし、それは私だけではなくみんなに対してもそうだったと思う。

一方で怒るときも怖かった。この先生にお尻を叩かれたことのない生徒はいないと思う。でも手を挙げるのは必ずお尻だけ。今ではそれでも体罰と言われてしまうのだろうか。当時は先生に怒られると、自分たちは本当に悪いことをしたのだと思ったし、だから叩かれても当然だとも思っていた。

一方でクラスでいじめ問題が起こった時には、涙をぽろぽろ流しながら生徒に訴えた。それを見て僕らも、心底悪いことをしてしまったのだと悟った。情熱的で、愛情に溢れた先生だった。

小学校を卒業し、年賀状のやりとりも途絶えたあとも、ことあるごとに先生のことを思い出した。今頃どうしているのだろう?自分の近況を報告したい気持ちもあった。でも卒業して30年も経っていて自分のことなど覚えているはずがないし、連絡をする勇気もなかった。そもそも、今どこに住んでいるかもわからないのだ。

今回の同窓会では、私はクラス幹事を引き受けたことによって、結果的に幹事として先生に連絡を取らなくてはならないことになった。それは私にとっては千載一遇のチャンスになった。

卒業アルバムに残されていたご実家の電話番号だけを頼りに、勇気を振り絞って電話をかけた。誰かに電話をするのに、こんなに緊張したのも久しぶりのことだった。そしていくつかのやりとりの末、ようやく先生に辿り着くことが出来た。


再会も全くお変わりがなかった。当時20代だった先生は小学生から見たら立派な大人だったし、その印象は当時そのままに、一方の私は今その歳をはるかに越えてしまっていることに驚く。

先生との会話はわずかではあったけれど、昔話にも花が咲いた。みんなも先生との再会が嬉しかったようだ。私のことも覚えていて下さった。そうか、自分は先生にずっと褒めてもらいたかったのかもしれないとその時思った。

生徒は先生に褒められた記憶だけは、いつまでも決して忘れないものだ。苦境に陥ったとき、それがその人にとって最大の励みになる。今では自分も教える立場に置かれながらも、自分の未熟さを省みるばかりだ。

先生に会えて、本当に良かった。



毎年東京ビックサイトにて、JAPAN HOME&BUILDING SHOW という建材の見本市のようなイベントがあるのですが、その中の「建築知識・実務セミナー」にて今年も登壇させて頂くことになりました。

JHBS 建築知識・実務セミナー
【金属防水が可能にする 持続可能な木造の美しい外廻り】
11月15日(水) 15:30~16:30
http://www.jma.or.jp/homeshow/seminar/architecture.html


昨年は「板金納まり」についてセミナーを担当させて頂きましたが、今年のテーマは「金属防水」になります。相変わらず地味なお話しばかりで恐縮です…。

金属防水と聞いてもピンとこないかもしれませんが、木造住宅で陸屋根(ろくやね・フラットルーフ)を作る場合、防水工法をどうするかという問題が起こります。

一般的には木造の場合FRP防水を使うことが多いと思いますが、FRP防水を下地を動かないように固める”剛の防水”とすると、下地の挙動を逃がす”柔の防水”が金属防水です(木造住宅で使える金属防水には、栄住産業さんの「スカイプロムナード防水」などがあります)。



陸屋根を防水に不安なく作れるようになると、デザインの幅が大きく広がります。本セミナーでは、過去の陸屋根住宅の実例を通して、どういった点に注意しながらデザインと防水とを両立させているかなどについて解説したいと思います。


JHBS 建築知識・実務セミナー
会場:東京ビックサイト・東1ホール内
11月15日(水)15:30~16:30

【金属防水が可能にする 持続可能な木造の美しい外廻り】
講師:関本 竜太(リオタデザイン)

☆お申込はこちらより
http://www.jma.or.jp/homeshow/seminar/architecture.html

ご来場お待ちしております!