
今日は竣工写真撮影と兼ねて、9月に竣工したDECO(U邸)の打上げを開いて頂きました。
贈り物の価値というのは、金額や物そのものではなく、相手のことを思う時間だと誰かが言っていました。そういう意味では、我々の設計という作業はまさしく相手のことを想う時間そのものなのかもしれません。
今回建て主さんは、サプライズとして我々のために似顔絵入りのケーキをご用意下さいました。何を用意しようかとても悩んだのだそうです。あぁ、悩んで下さったんだなということがとても嬉しいですし、何よりの贈り物だと思うのです。

建て主のUさんは時計職人さんでもあります。
この日は「2/100ミリの調整」という意味や職人技術について、根掘り葉掘りお聞きしました。設計の打合せがはじまると、決めないといけないことがたくさんあるので、打合せの時間の中でお聞きできることは限られてきますが、こうして設計が終わった後のお話しというのは時間の制約がなく、とても楽しいものとなります。
私も少し職人気質のところがあるので、こういう話は聞いていてとても楽しいです。肉眼(老眼とも言いますが…)では判別のつかないくらいのネジやパーツを、特殊なレンズで覗き込んで作業する、時に顕微鏡を見ながらの作業と聞くと、指の上に乗る折り鶴を折ってしまう人の話を思い出してしまいます。

自分では体験し得ない、いろんな職業の方のお話を聞いたり、それぞれの仕事観・価値観などを聞けるというのが、この仕事をしていて一番役得だと思うことです。思えばNHKの「プロフェッショナル」とか、様々な職業人の仕事観を紹介する番組が私は一番好きだったりもします。
これは住宅設計の職業柄というより、そういうことが好きだから住宅設計をやっているのかもしれませんね。ともあれ、楽しい時間をありがとうございました。そしてごちそうさまでした!


