12. 02 / 21

転ばぬ先の杖

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sekimoto

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> 仕事
> 思うこと


昨日建築専門誌の方が見えて,我々の現場監理における考え方について質問を受けた.これまで設計手法などについては聞かれることは多かったけれど,監理について聞かれたことはあまりなかったので,あらためてどういうことかと考えた.

現場監理というのは,設計者が設計通りに現場が施工されているかをチェック・確認するために行うものだ.一般の方には混同されやすいけれど,工務店の現場監督とは根本的に守備範囲や対象が異なる.いわば「監督の監督」的な役割を持つものでもある.

教科書通りに言えば,設計者は定期的に現場に足を運び,間違いや不具合を発見したり報告を受けたりして,正しい指示等を現場に与える人ということになる.
でもそれだけでは不十分だと思う.間違いが起こった時に元に戻せるならまだ良いけれど,中には元には戻せない場合や,修正することによってより怪我を広げてしまうようなケースも発生するからだ.

現場監理において最も大切なことは,そもそも間違いが起こらないようにすることだ.
「転ばぬ先の杖をつく人」それが本来の監理者の姿であって,もちろん結果的に不具合は指摘するけれど,けして現場のあら探しが第一義に立つものではないというのが我々の考えだ.

そのためにはしっかりと図面を描くこと.これしかない.それを作る人の身になって,親切に,とにかく細かく,具体的に作図する.スペックや寸法は漏れなく記載する.材料取りをイメージする.設備配管ルートを確保する.

図面を描きながら,現場で起こるあらゆる勘違いや発注ミス,見落としを想定に入れる.監督や職人によっては確認をしないまま自分の判断で施工をしてしまう人も多い.結局はそれを後で叱ってみても覆水は盆に還らないのだ.

すべては間違いが起こる前に,我々の配慮によってそれらを防いでゆくしかない.それをせずして現場で気まぐれな変更を繰り返したり,高圧的な態度を取る人も多いと聞く.結局そういう人は現場での信頼を勝ち取ることはできないだろう.

それでも間違いは起こる.でもその最後にすくい取れなかった一粒を拾う作業と,最初からこぼれるに任せてあとで回収するというのでは,根本的に仕事の取り組み方は異なる.

親が我が子を送り出す時は,交通事故に遭わぬよう,人にさらわれることのないよう,また人前に出ても恥をかくことのないよう躾を行うものだ.
現場監理も全く同じで,施主に引渡しても,街の中に建っていても恥ずかしくない,まっとうな建築になってもらいたい一心で,我々は設計・監理を行なっている.やはり,すべての基本はコミュニケーションだと思う.

12. 02 / 11

FILTER模型

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sekimoto

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> イベント
> 仕事


[caption id="attachment_3697" align="alignnone" width="560" caption="FILTER S=1/50"][/caption]

来週木曜日より,新宿のOZONEにて『建築家と建てた理想の住まい100選』 展がはじまります.今年は我々も2010年竣工のFILTERを出展予定で,事務所では実務と平行して出展準備が着々と進められています.

このイベントの目玉はなんといっても「模型」.なぜかうちはスタッフの模型精度がやたらと高いということで,今回もその期待を裏切らぬよう,模型製作のエース三浦を投入し,気合いを入れて模型を製作しました.

「建築はコミュニケーション」というのは私の持論ですが,時として図面以上に雄弁にその空間の魅力を語るのが模型だったりします.なかなか一般の方は実際の空間を図面からリアルに想像できませんので,模型を作る際はどこまでその空間に身を置いて生活することをリアルに想像できるか,というのが鍵になるような気がします.

これは設計者側の問題でもあって,設計者がイメージできていないものを,お施主さんにイメージしろというのはどだい無理な話です.我々がそこに生活者が活き活きと生活している様子をありありと思い浮かべ,それをすくい取るように図面に描き写す,これが設計という作業なのだと思います.

それを3次元に置き換えたのが模型だとするならば,それもまたありありとその生活感が手に取るようにわかるものでなくてはなりません.とは言いつつも,普段の1/100スケールの模型ではそこまでの作り込みは無理ですし,毎回今回のように大きな模型を作るほどの時間的な余裕もありませんので,こうして年に一度くらいはイベントなどにかこつけて,我々ではこんなリアルな模型を作ってみたりします.

これは大変な作業ですが,作っている本人もかなり楽しそう.スタッフにとっても良いトレーニングになります.

こちら実物は来週よりはじまる以下のイベントの会場でご覧頂けます.会期も長いので,是非足をお運び頂き,顔を近づけて中を覗き込んでみてください!きっと,エッと思うようなディテールや,思わずニヤリとしてしまう部分を発見することでしょう.


『建築家と建てた理想の住まい100選』 展
会期:2/16(木)~5/8(火) ※水曜休館
場所:リビングデザインセンターOZONE 6F特設会場
http://www.ozone.co.jp/event_seminar/event/detail/1258.html





[caption id="attachment_3702" align="alignnone" width="560" caption="今回は特別に製作スタッフのクレジットも入れることに"][/caption]

12. 01 / 30

折込みチラシ

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sekimoto

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> 仕事



週末に折込みチラシが入っていました.埼玉県内で業績を伸ばしている,とある設計事務所(といっても実際にはハウスメーカーの関連会社)のオープンハウスの案内です.もちろんこれはモデルハウスではありません.ちゃんと実在する個人邸のオープンハウスのお知らせなのです.

写真はハウスメーカーのように既製品ばっかりでもないし,建築家っぽさを漂わせつつも,建築家特有のあくの強さを巧みに漉し取ったインテリアカット.いかにも30~40代のおしゃれで感度の良いクライアントに幅広くアピールしそうです.

一方の我々のオープンハウスといえば,完成間際の写真と地図の入ったお手製のPDFを仲間内で回覧する程度のもの.これはオープンハウスのために事前に完成させ,施主の了解のもとモデルを入れて撮影まで行い,地域に10万部単位で折り込みチラシを入れているという,我々には絶対に真似のできない方法です.

もちろん真似したいとも思いませんし,もともとうちのような事務所にいらっしゃるクライアント層とはかぶりそうでかぶらないので,ライバル意識はありませんが,オープンハウスにここまでやるか(ありえない)という意味ですごいインパクトでした.

ハウスメーカーもここまでやる時代です.いつまでも変わらないのは建築家だけ?そろそろ危機感持たないとまずいかもしれません.

12. 01 / 29

ぽっかり

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> 仕事
> 生活


年明けから怒濤の忙しさが続いていて,週末も打合せや建築展,面談と続き,年が明けてからほとんど1日も休めていない.特に昨日は忙しさのピークで,予定を4つくらいかけ持ちして,一日中走り回っていた.

休めない日々が続くと曜日感覚が麻痺してくる.朝ふと目覚めた時に,はたして今日が日曜日なのか金曜日なのかが怪しくなる.しばらくして普通に平日だったことに気づき,淡い期待は裏切られ,重い体を持ち上げるようによろよろと起き出すことになるのだ.

今日は日曜日.今日も朝からFILTER(U邸)の1年点検があった.久しぶりにお施主さんとも再会し,近況を語り合いつつも,いろいろな問題点を整理し,対策を協議しての解散となった.

終わって時間を見るとちょうどお昼.これから家に帰ってと・・・.
もしかして,この後には何も予定がないことに気づいた.今日は子どももいないし,急ぎの仕事もない.来客もない.てことは,自由!?

ほんの半日だけれど,束の間の自由時間ができたことが無性に嬉しい.
さあて,なにしようか!結局なにもできずに日が暮れていきそうだけれど,久しぶりに緊張の糸をほどいて,とりあえずだらだらしよう.

[caption id="attachment_3585" align="alignnone" width="560" caption="快晴のFILTER"][/caption]

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> イベント
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以前告知をしました,SEA'S建築展が無事終了しました.
この週末は,他の住宅のプレゼンやメンテナンスなどもあって飛び回っていたのですが,限られた時間を会場に詰めて,結果的にいろんな方とお話しすることができました.

今回はそれなりに気合いを入れて展示パネルも作りましたし,事務所の案内資料も見直すことができました.最終的には数組の方との面談も決まり,実のある建築展だったと思います.

ご一緒した建築家の方達とも,いろんな話ができて良かったです.また事前の告知を見て,思わぬ方々が会場に足をお運び下さり,そのサプライズもまたとっても嬉しかったです.あらためてこの場をお借りしてお礼申し上げます.

2月からはオゾンの模型展にも出展予定です.今年はやります!!