先日まで都内某所の敷地にて、木造による賃貸住宅の提案をさせて頂いておりました。いわゆる”木賃アパート”ですが、街によくある木賃アパートと言えば昭和な匂いのするものが多いですね。外部に鉄骨階段があり、片側廊下で部屋がずらっと並んでいるという。

私も学生時代は一時期、そのようなところに下宿していたのですが、木造なので音が下階に筒抜けで、よく下の先輩からうるさいと怒られていました。

この住宅は、全戸がメゾネットでできているので、上下階を自己使用することができます。しかも共用部を持たず、全戸に中庭と専用庭、そして専用玄関があるという”ほぼ戸建て”の生活ができるような作りになっています。

こういう共用部を持たない共同住宅を「長屋」と呼ぶのですが、こちらは全戸長屋形式による賃貸住宅です。


個人的に気に入っていたのは、全戸に中庭があるということもそうなのですが、道路に向かってアルコーブ(へこみ)を設け、そこにベンチ等を設けることで街行く人たちとささやかながらの交流や、自転車を置いたり、またそれを整備したりと外部を開放的に使える仕掛けを施していたことです。

なんとなく賃貸というと、隣の人とはむしろ極力関わり合いたくないといったところかと思います。ましてや街の人たちとは孤立した存在になりがちです。

建物をそんなつくりにしたら街が変わるのにな、とそんな願いも込めて設計しました。ですが、残念ながら建て主側の事情もありお蔵入りとなってしまいました。残念!


ということで、折角なのでブログに上げておこうと思います。

リオタデザインでは戸建て住宅だけでなく、こんな賃貸住宅のご提案もできます。どなたかこんなの建てませんか?