
昨日はJIA支部広報誌であるBulletinの編集打合せのため、現編集長の長澤徹さんのできたてほやほやのご自宅兼事務所にお邪魔してきました。
長澤さんは、大手ハウスメーカーから独立された経歴から、ご自身のお仕事をいつも謙遜してお話しされるのですが、とてもシャープで、ある意味アトリエ系建築家よりも尖った作風?に驚きつつ、長澤さんの美意識に貫かれた空間を堪能させて頂きました。
ちょうど外構工事中でしたが、宇都宮のCOMODOさんの仕事でご一緒した造園家の長谷川さんとばったり。長澤さんとは旧知の仲だとか。造園の完成形も楽しみです!長澤さん、お邪魔しました。Bulletinでも引続きお世話になります。

民間検査機関の処分報道。これから書くことは今回の処分内容とは直接関係はないという前提で読んでください。
建築に限らず、法規というものは作っているのも人間、それを判断するのも人間。そしてそこに書かれているのは常に原則論でしかないので、各論については解釈が生まれる。ある人はそれで良いといい、ある人はダメだという。我々なら、ある民間検査機関で法解釈を巡ってダメだと言われて出口がなくなり、でもそれっておかしくない?という理不尽だけが残り、別の民間検査機関に持ち込んだらあっさりOKがもらえたということもよくある。
こういう話をヒリヒリした実務に携わっていない人が聞くと、ズルしてるんじゃないかとか、脱法行為なんじゃないかとか思われるかもしれないけれど、そうじゃない。当事者である建築士は、いつも冤罪事件の弁護人みたいなものだ。有罪になったら上告して最高裁で戦うみたいな。最高裁から「無罪」と書かれた札を抱えて飛び出す日を夢見て。
建築法規も学校の校則みたいだなと思うことがよくある。襟足は何センチとか、ソックスは白しかダメだとかばかみたい。元々は風紀を守るという目的だったはずなのに、それを細則に落としてゆくと途端に理不尽になっちゃうみたいな。それにわかりやすく背けば校門で体育教師に指導されちゃうわけだけど、賢い生徒は解釈で戦う。じゃあクリーム色は白か?みたいな。ベージュはアウトか?っていう。体育教師も困っちゃう。
今回の処分は、物分かりの良い先生がいて、生徒の喫煙を見て見ぬふりをしたとか、さらにちょっと酒を飲ませちゃったみたいなことに近い。そもそもタバコ吸った生徒が一番悪いわけだけれど、でもそれを見逃した上に酒まで飲ませちゃったら完全にアウト。この一線の越え方には同情の余地はない。
でもね。あの時あの先生「お前の言ってることわかるぞ」って言ってくれたから今があるみたいな、そういう恩義をちょっと感じてる生徒はその先生が教育委員会でめっちゃ吊し上げ喰らっているのを、ちょっと心痛めて見てるみたいなことってあるかもしれないなぁ、て思う。
こうやって微妙に庇うようなこと言うと、めちゃくちゃ炎上しそうなので怖いんだけど。ちょっと心の奥がずきっとするという話。
建築に限らず、法規というものは作っているのも人間、それを判断するのも人間。そしてそこに書かれているのは常に原則論でしかないので、各論については解釈が生まれる。ある人はそれで良いといい、ある人はダメだという。我々なら、ある民間検査機関で法解釈を巡ってダメだと言われて出口がなくなり、でもそれっておかしくない?という理不尽だけが残り、別の民間検査機関に持ち込んだらあっさりOKがもらえたということもよくある。
こういう話をヒリヒリした実務に携わっていない人が聞くと、ズルしてるんじゃないかとか、脱法行為なんじゃないかとか思われるかもしれないけれど、そうじゃない。当事者である建築士は、いつも冤罪事件の弁護人みたいなものだ。有罪になったら上告して最高裁で戦うみたいな。最高裁から「無罪」と書かれた札を抱えて飛び出す日を夢見て。
建築法規も学校の校則みたいだなと思うことがよくある。襟足は何センチとか、ソックスは白しかダメだとかばかみたい。元々は風紀を守るという目的だったはずなのに、それを細則に落としてゆくと途端に理不尽になっちゃうみたいな。それにわかりやすく背けば校門で体育教師に指導されちゃうわけだけど、賢い生徒は解釈で戦う。じゃあクリーム色は白か?みたいな。ベージュはアウトか?っていう。体育教師も困っちゃう。
今回の処分は、物分かりの良い先生がいて、生徒の喫煙を見て見ぬふりをしたとか、さらにちょっと酒を飲ませちゃったみたいなことに近い。そもそもタバコ吸った生徒が一番悪いわけだけれど、でもそれを見逃した上に酒まで飲ませちゃったら完全にアウト。この一線の越え方には同情の余地はない。
でもね。あの時あの先生「お前の言ってることわかるぞ」って言ってくれたから今があるみたいな、そういう恩義をちょっと感じてる生徒はその先生が教育委員会でめっちゃ吊し上げ喰らっているのを、ちょっと心痛めて見てるみたいなことってあるかもしれないなぁ、て思う。
こうやって微妙に庇うようなこと言うと、めちゃくちゃ炎上しそうなので怖いんだけど。ちょっと心の奥がずきっとするという話。

人というのは一度便利なものを見つけるとなかなか手放せなくなる。構造材ならベイマツ材。強度の高いベイマツを使えば梁成をひとまわり小さく出来る。階高をなるべく小さくしたい、ロングスパンを飛ばしたいと考えると、おのずと梁材のスペックはベイマツ表記となりがちだ。しかも安いときている。
しかしそれが固定化すると、次は「梁=ベイマツ」なのだと思い始める。天井の懐があってもベイマツ。スパンが短くてもベイマツ。国産材をもっと使っていこうと言っているのに、そろそろ安易にベイマツばかり使うのは卒業しようよということで、今進めている建物では梁と柱をすべて国産の杉材にすることにした。ベイマツにしたい気持ちをぐっとこらえて、梁をちょっと大きめに。
しかし杉と書くだけなら誰でも出来る。セットで必要になるのが性能表示だ。杉を梁に使うならE70は欲しい。そこで性能表示材、JAS製材の話になる。
そこであらためて古川泰司さんと山田憲明さんの対談記事を読み返した(以前はちゃんと読んでいなかった)。ふむふむ。そうやって問題意識を自分の中に落としてから読むとすんなり内容が入ってくる。なるほど、そういうことだったのか。やっとわかった。(理解が遅いんです、、いつも)
それでもいくつか知りたいことがあり、古川泰司さんに直接電話した。考えたら、本の中の人に直接電話して聞くというのは、なんという贅沢だろうとあとで気づく。山田憲明さんにもあとで教えてもらおう。私のまわりには師がいっぱい。古川さん、ありがとうございました!
20. 01 / 30
神施工
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sekimoto
category
> 仕事
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我々の図面が細かすぎると言われることもありますが、この現場にはそんなことを言う人はいません。彼らの方が我々をはるかに凌駕していますから。
大和工務店の堀越棟梁、家具を担当する藤沢木工所の藤沢さん、みんな神施工。その精度はもはやミリですらなく、文字通り紙一重(紙一枚分)の世界。本当にすごい。そして最高に楽しい!


20. 01 / 19
街の顔をつくる
author
sekimoto
category
> 仕事
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花小金井の家、小雪が降る中昨日は施主検査がありました。現場はまだ外構を残していますが、内部と造園はほぼ完了です。
この住宅はスタッフ砂庭の最後の担当案件で、彼女はこの仕事を最後に今月末には事務所を離れます。いろんな意味で、この住宅は彼女なりの集大成の仕事になったのではないかと思います。
毎回思うことですが、自分たちの仕事というものはなかなか客観視することができません。自分たちではそれがベストと思える選択肢を積み上げてきているつもりですが、それが積み上がった姿が本当にベストであるかどうかは、もはや我々の判断を越えたところにあるように思うからです。
この日は検査後、諸事情あって引き渡しを待たずに、一足先に工務店さんや造園家も交えての打上げの席を設けて頂きました。私はこういう席が好きで、関係者とお互いを労いあいながら、困難だったプロセスやあの時どんなことを考えていたかなど振り返る良い機会になります。
そしてもう少し言うと、我々にとっての本当の仕事のゴールは、建主に依頼された住宅を正確につくるということですらもしかしたらなく、それが街の共有資産になり愛される「街の顔をつくる」ということにあります。こちらは街ゆく人たちによって、長い時間をかけて今後評価されてゆくことですが。
以前も書きましたが、今週24〜25日にかけて内覧の機会を設けます。ご興味ある方は、個別にご連絡頂ければご案内をお送りさせて頂きます。

