昨日は所属する日本建築家協会(JIA)住宅部会の納会と、住宅部会賞2023の受賞発表がありました。

この納会をもって、私は昨年度の部会長、そして今年度の副部会長という一連の大役の肩の荷をようやく下ろすことができました。また今年度部会長の久保田さんも大変お疲れさまでした!

住宅部会賞2023では、「巣の家」にて部会賞のうち選考委員の今井均賞を頂くことができました。大変光栄に思います。

賞を頂けたことはもちろん嬉しいのですが、受賞の席で今井均さんより頂いた選評がなにより嬉しいお言葉でした。

「昔から林雅子さんや宮脇檀さんのように、住宅に真摯に向き合ってきた建築家には、その一連の住宅に対して賞を贈るというのがある。この住宅の図面や写真を見れば、関本さんは住宅に真摯に向き合ってコツコツと地道に設計してきたことがわかるし、そういう人でなくてはできない設計。建て主からの厚い信頼も伝わってくる。そういう住宅設計者としての関本さんの一連の仕事を称えて賞をあげたい」

これには本当に涙が出るくらい嬉しかったです。
我々の住宅は、今井さんのおっしゃるように派手さはないし、いつも生活者目線で設計することを心がけているので、大きな賞を取ったり、多くの人を驚かせるような住宅ではないかもしれません。けれども、そんな素朴な一面をこのように拾い上げて頂き、評価を頂けたことは設計者冥利に尽きるの一言です。これまで続けてきて本当に良かった。

大きな賞ではありませんが、大変大きな励みになりました。
今井さん、本当にありがとうございました!またこのような住宅の設計機会を頂きました、建て主のFさんにもこの場を借りてお礼申し上げます。

■ 巣の家
https://www.riotadesign.com/works/22_su/
■ JIA 住宅部会賞2023
https://www.jia-kanto.org/jutaku/news/2780/

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こちらは事務所にかかる過去歴代の住宅部会賞受賞作。
上から「路地の家」「パーゴラテラスの家」「KOTI」、そして今回ここに「巣の家」が加わります。

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sekimoto

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モノタロウからのDM。いつもならほぼこのままごみ箱行きなのだけれど、この日はふと手が止まった。ここ最近関心を持っていたジャンルのパーツが並んでいたからだ。でもよく眺めると既視感がある。ここ数ヶ月間で、実際にモノタロウのサイトで調べたことがあるものばかりだった。

つまりモノタロウは、顧客の購買傾向や検索結果をAIで判断して、送る相手ごとに表紙のデザインを変えていることになる。すごく手が込んでいるように見えるけれど、実際には人の手は一切介在していない。ネットに自動表示される広告は見慣れているけれど、顧客に送られる紙媒体広告も、これからはカスタマイズの時代なのだと妙に感心した。

メーカーのカタログも紙で発刊されなくなって久しいけれど、ウェブカタログはどうも慣れない。一方でカタログ掲載品のほとんどは自分では一生使わないものばかり。

これが進めばカタログはダイジェスト的なものになってもっと薄くなるし(続きはウェブで的な)、無駄な折り込みチラシは少なくなるに違いない。

ついでに、相手によって年賀状の文面を自動生成してくれる宛名ソフトも開発して欲しい!

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sekimoto

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直前の告知になってしまいましたが、今週金曜日(15日)に広島のKMEWさんのイベントにてセミナー登壇いたします。

内容は、昨年刊行した拙著『すごい建築士になる』にリンクした内容を予定しています。平日の昼間ですが、広島方面の建築関係者の方でご興味とお時間がある方は是非いらして下さい!

なお、本イベントはKMEWさんのSOLIDOほか新商品の展示発表会を兼ねているそうです。いらっしゃる方は是非こちらもご覧下さい。


■KMEWフェスタ in 広島2024春

日時:3月15日(金) 10:00~12:00
場所:パナソニック広島中町ビル 3階 301会議室

お申し込みはこちらから↓↓
https://kmew.seminarone.com/3CJq1w2e3r4t5/event

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先だっては、照明プランナーの吉澤麻由香さんが所内でプチ照明セミナーを開催して下さいました。

我々の設計では、照明計画は実施設計の一番最後のフェーズで、これまでの設計内容を伏線回収するようにプロットしていきます。照明計画では、ただふわっと明るいという空間を作るというよりは、部屋全体の明るさ(アンビエント照明といいます)と、本を読む、料理をするといった目的を叶えるための灯り(タスク照明といいます)とを分けて考えます。更にそこに加えるとすれば、空間全体のムードを高めるための演出ですね。

この環境光/演出光/目的光の使い方について、とてもわかりやすく解説して下さいました。私はいつもこの照明計画を感覚的にやってしまうのですが、これからはもう少し科学的なアプローチで、JIS照度(lx)なども意識して計画をしていきたいと思っています。

まだ私は感覚的ながらも、経験があるので住宅についてはなんとなく配光の勘所がわかるのですが、若いスタッフはやっぱり基本から教えてあげないとこの難しい計画の要点はなかなか掴みきれません。

また照明カタログの見方などもこの日はスタッフ共々勉強させて頂きました。吉澤さん、ありがとうございました!また具体的な案件でご一緒しましょう。

今年に入ってからも、設計相談のご連絡をちょいちょいと頂いています。大変ありがたい限りです!ただ一方で、全体スケジュールについては建て主さんのご事情に寄り沿うようなお返事が出来ないこともあり、実質お断りするようなことになってしまっている時もあります。

現時点で設計をご依頼頂くと、一般的な戸建て住宅の場合、お引き渡しまでに現在約2年程度のお時間を頂いています(あくまで設計+工事の期間を含めたトータルスケジュールです)。お待ち頂ける方もいますが、そうでないご事情を抱えた方もいると思いますので、こちらはとても心苦しく思っています、、。

そんなことで、ここでもう少し現在の我々を取り巻く仕事状況について、内情も含めて今一度この場でも書いておきたいと思います。

現在我々が抱えるプロジェクトは、こちらの[進行中の計画]に載せているものがメインになります。こちらで現在9件あります。

こちらはまだ未提案だったり設計契約前のものも含まれていますが、すでに土地があり口頭ベースで設計を依頼されているものになります。一方水面下で土地探しの相談に乗っているものなどもありますが、こちらはどうなるかわからないので、現時点ではカウントに含めていません。

うちの事務所は現在、私以外にスタッフが2名おります。ほんとうはもう一人くらいほしいのですが、なかなか良い人がみつかりません・・(引続きスタッフ募集中です!)

うちの仕事の進め方は、私はすべての案件のすべてのプロセスに関わりますが、メインは対外的な活動や交渉、建て主さんとのやりとり、最初の案の提案などです。案が軌道に乗ったら、作図はスタッフにお願いして私はそのチェックや、間違った方向に行かないようそのディレクションにつとめます。現場にも足を運びます。

設計が実施設計(現場や見積りのための詳細設計)に入ると、担当スタッフはその仕事にかかりきりになります。うちはこの設計プロセスにすべてを賭けているといっても過言ではないくらいに集中して向き合いますので、スタッフはとても他の実施設計とカケモチは出来ません。つまりスタッフの数だけしか実施設計は動かないことになります。

うちは現在スタッフが2名なので、ツインエンジン状態。ひとつの実施設計に4ヶ月程度かけますので、当該スタッフが担当するその次の実施設計案件は、それが終わるまでお待ち頂くことになってしまいます。これが時間がかかっている原因です。

ですが、こちらを辛抱強くお待ち頂ける方には、他の事務所にはないような濃厚な設計密度をここに織り込んでいきますので、必ずやご満足頂けるものにはしていけると思っています。

一方でスタッフの数をいたずらに増やしても私の体はひとつしかないので、今の仕事の質を落とさないようにと考えると事務所を大きくすることには興味が向きません。良くも悪くも、これがアトリエ体質というやつかもしれません、、。

現在お待たせしてしまっている方にも申し訳なく思っておりますが、どうかお付き合いの程お願い致します。ご新規の方も、この点だけご了承頂けましたらいつでも全力で取り組ませて頂きますので、こちらも何卒よろしくお願い致します!