
昨日ははるばる奈良まで。ケイミューさんの奈良テクノセンターにて社員さん向けのセミナーをさせて頂きました。
ケイミューさんといえば、外装のサイディングや屋根のカラーベスト(コロニアル)で有名ですが、これまでそれらを一度も使ったことがなく、どちらかといえば否定派の私。いったいどんな話をすればと思っているところに、到着早々「板金派の関本さんですよね」とカウンターパンチ!
事前質問でも「なぜカラーベストを使わないのか?」というものが多く、軽く責められている感じ?これまでの人生ではじめてカラーベストのことを考えた一日になりました。セミナー最後に「どうして私がカラーベストを使わないのか」について話した時の、地獄のような空気が忘れられません!!
でもケイミューさんは、私がなぜカラーベストが使えないか?に応えたラインナップをちゃんと用意しているんですよね。これSOLIDOの影に隠れてあまり知られていないかもしれないのですが(私だけ?)、画期的な外装材もあって、現在全面採用を前提に進めている案件もあります。最後にはそんな打合せも。
だからケイミューさん許して下さい!板金派からケイミュー派に乗換えを検討中です!?




JIA支部広報誌Bulletin取材のため、いま最も活躍する校正者のひとりである牟田都子さんにインタビュー。
牟田さんは私が設計したカフェmoi の常連さんで、昔からうっすら繋がりはあったものの、こうして対面でお話を聞くのははじめて。私も最近本を出したばかりで、校正の難しさや奥深さを実感していたので、とても良い機会となりました。
お話をお伺いして、我々設計者と同じような悩みもあり、深く共感するお話ばかりでした。間違いを正す仕事に最も求められるのは「謙虚さ」なんですね。牟田さんのお人柄に触れた気がしました。またお話をしていると、思いのほか共通の知人が多くいることもわかり、、。ご縁の深さを感じた次第です。
私の本も、事前に隅々まで熟読下さったみたいで冷や汗が。誤植については怖くて聞けませんでした笑



拙著 『すごい建築士になる!』 が6月5日(月)に晴れて発刊となりました。
https://amzn.asia/d/bWhKwtx
私の手元には先週には届いていたので、すでにもう一度自分で読み直したり、献本をお送りしたりする作業もしていたので、自分の中ではとっくに発刊していたのですが、実は一般には今週からです(あたりまえか、、)。
過去何冊か上梓させて頂きましたが、今回の本は事務所のスタッフや建て主さん、私の身近にいる人しか知り得ないようなコアな情報を詰め込んだ一冊になっています。
すでにお読み下さった何人もの方から、「こんなに赤裸々に書いて大丈夫ですか?」と心配されていますが、人の悪口は書いていませんのでたぶん大丈夫です笑。事務所が借金背負った話とか、私がしくじった話などはいろいろ書いていますが。
過去の本も、「こんなに手の内を開かして大丈夫なの?」と良く言われていました。うちの図面全公開とか、秘伝の(とは私は思っていませんが)ディテールを包み隠さず公開してしまうので、料理人でいえば”隠し味(テレビだとモザイクかかるやつ)”まで教えてしまうようでもあり、パクられたらどうするの?と思われるのでしょう。でも大丈夫。
「安心して下さい。はいてますよ」 (by とにかく明るい安村)
安村ならパンツをはいてるわけですが、私の場合は何をはいているかというと、それは「自分」というアイデンティティかもしれません。
たとえば、モノマネ芸人が声音からしぐさまで本人ソックリに真似たとしても、その人本人にはなれませんよね。私も、私の仕事に関わるすべてを開示したとしても、誰も私にはなれません。私の考え方、感情や感覚。これには法則がありそうでないからです。
これってほんと、困りますよね。たぶんスタッフが一番困っているんじゃないでしょうか?このあいだはこう言っていたのに、また違うこと言い始めたみたいな。だから本に書いてあることも真に受けちゃダメですよ。こんなこと全部徹底できるわけないんですから。
だからいくらノウハウを開示したって、誰も私にはなれないんです。アレクサやChatGPTであっても太刀打ちできません。私の中の一番大事なアカウントには鍵がかかっていて、それは家族であっても開かないようになっています。もしかしたら、それは自分でも開けられないものかもしれません。
これからの時代、AIに勝てる方法はそれしかないんじゃないでしょうか?
◇
ところで、以下は発売当日(6月5日)のAmazonの売れ筋ランキングです。「建築」の総合ランキングで2位に入りました!

でも悔しい。折角なら1位になりたいですが、1位に鎮座している書籍はKindle版といって、Amazonプライムなどに登録している人なら無料で読める本なんです。登録していなくても数百円。こんな本に勝てるわけないですよね、、
自分でも恥ずかしいタイトルなので複雑な思いもありますが、折角なら多くの方に読まれてほしい!と思います。応援よろしくお願いします。
先月退社したスタッフが、山ほどパンを抱えてやって来ました。
これまでのお礼にと、自分の人生で一番美味しかったパンたちだそう。ダンディゾンにTRUFFLE、これは確かに自分じゃ買わないな。それに「そうだ、パン買って行こう」という発想もすごくいい。
ユニークな感性のスタッフでしたが、最後まで彼女らしくて、いなくなったら急に寂しくなってしまいました。
またパンを抱えて遊びに来てくださいね!
これまでのお礼にと、自分の人生で一番美味しかったパンたちだそう。ダンディゾンにTRUFFLE、これは確かに自分じゃ買わないな。それに「そうだ、パン買って行こう」という発想もすごくいい。
ユニークな感性のスタッフでしたが、最後まで彼女らしくて、いなくなったら急に寂しくなってしまいました。
またパンを抱えて遊びに来てくださいね!


先日のオープンスタジオで、仙台から一人の若い女性がご参加下さいました。地元の工務店に勤めているという方でした。
その方は学生時代に私のセミナーを聞いて、住宅の道に進みたいと思ったとのこと。埼玉はおろか東京にも行ったことがなかったそうですが、遠路はるばるそれを私に伝えるために、そして私の仕事を見学するためにわざわざいらして下さいました。
そのセミナーは一昨年の2021年の暮れ、友人でもある東北工業大学の石井敏先生が企画されたオンラインセミナーでした。当時の石井先生のお話では「仙台の学生は住宅に興味を持っている子が多いのに、卒業後は大手に就職する子も多く、もう少し建築家のように個人と向き合って設計をすることの喜びや魅力についても知ってほしい」とのこと。
そこで私は、我々の仕事というのは「街に放った小石そのもの」だという話をしました。
「小さな住宅ひとつ建てたところで街は変わらない」
本当にそうだろうか?
小さな住宅ひとつで街が変わるということが実際にはある。放った小石の波紋はやがて静かに街に伝播してゆく。我々の仕事はそういうものだというそんな話です。私がそこで放った小石の波紋は、さざ波のように広がって、ひとりの学生の心を動かしたようです。
我々が街の中に小さな住宅を作り続けること。
セミナーに登壇すること。
原稿を書き本を出すこと。
諸団体の雑務を引き受け運営すること。
オープンデスクの学生を受け入れ渾身の指導をすること。
スタッフを何年もかけて育て上げること。
すべてやっていることは同じなんです。それが何の役に立つの?どんな意味があるの?忙しいのに、どうしてお金にもならないようなことをやっているの?
すべては社会に放る小石のようなものなんです。
私の投げた小さな小石が社会になんらかの波紋をつくることが出来るのなら、私がこの世に生きている意味も少しはあることでしょう。
先日のオープンスタジオでのささやかな出会いは、私にとって心から勇気をもらえる出来事でした。Oさん、ご来場下さりありがとうございました。
