14. 07 / 01

意味のある空間

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sekimoto

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> 仕事
> 思うこと



ちょうど1年ほど前に,蕨市に「窓の家」という家が竣工しました.

『窓の家』
https://www.riotadesign.com/works/13_mado/#wttl

そのお施主さんより,この1年暮らしてみての感想や,今回の家づくりを振り返っての詳細な”報告書”が届きました.その分量,実にA4で7枚.これまで1年点検等で口頭でいろんな感想を頂くことはありましたが,文書でここまでのものを頂くのは初めてのことです.

正直,こうしたコメントは自分の通信簿を見るようでもありかなりドキドキします.クレームがいっぱい書かれていたらどうしよう!

実際には良いことも悪いことも書かれていました.ただ良いこと9割,悪いこと1割くらいでしょうか.もしかしたら2割あったところを削ってくれたのかもしれませんが,とにかくこの1年生活しての喜びや幸せが綿々と綴られていました.我々だけでなく,施工を担当した工務店さんへの感謝も書かれていました.

こうしたフィードバックは,我々にとっては非常に貴重なものです.設計者は未来を予見し,想定することが仕事なわけですが,想定通りになったかどうかの摺り合わせは,いわば答え合わせのようなものです.試験でこのように自分は解答した!とドヤ顔で語ったとしても,採点者がバツをつけたらそれは不正解だと思うからです.

お施主さんが「終わりに」と綴られていた以下の言葉がとても印象に残りました.あぁ,大正解!細かい設問での減点はありましたが,最後の配点50点の小論文で満点を取ったような気分です.そのように感じて頂けたこと,感じて頂くことが,まさしく我々の仕事の目的そのもののような気がします.

『今回の家作りを通して、大事な収穫を得ることができました。それは家族・友人との結びつき、今風にいうと絆でしょうか。新しい家を媒介して、今まで以上に結びつきが増幅できました。戸田の花火大会で家族が集う、世間話でご近所さんが集う色々なつながりが、新しい家により増幅することができました。単なる空間が、プロの知識と技を駆使して、意味のある空間に変えられること。建築の奥深さを強く認識できました。恐るべし建築!』

~単なる空間が,プロの知識と技を駆使して,意味のある空間に変えられること~

そう,それが「建築」なんです.

14. 06 / 27

プロと

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sekimoto

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> 思うこと
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我々は建物の規模や難易度に応じて、構造や設備などの外注事務所に専門的な設計を依頼することがある。外注費もばかにならないので、できれば安いところにお願いしたいと思うのはけして悪いことだとは思わない。

けれどもつくづく思う。一流の人たちの仕事はすごい。本当に勉強になる。うちがお願いする人は皆トップクラスの方達ばかりで、設計料も正直あまりお安くない。けれど最後にいつも思うのは、本当にこの人達にお願いして良かったということだ。

先日出てきた見積りでは、建設会社の方も驚愕していた。凝った設計なのに、鉄筋やコンクリート量が通常よりも少なく、コストパフォーマンスが極めて高いということ。いかに無駄を省いて、合理的な設計を極めているかがよくわかる。

構造もただ頑丈に作ればいいというものではない。優秀な構造家は力の流れがわかっている。だから最小限の力でバランスさせる方法をわきまえているのだ。それをいつも目の当たりにしては、プロだなあといつも惚れ惚れする。

なにが言いたいか。そう、我々はプロだということだ。

私は自分がプロだと思える方には喜んで報酬を差し出したい。本物のプロとの仕事は心底刺激的で、幸せに満ちたものになる。そして、自分をプロと認め報酬を払ってくださるクライアントのためにも、私も惚れ惚れするような仕事をしなくてはといつも思う。

14. 06 / 23

アナログ

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sekimoto

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> STAFF
> 生活



時計はアナログじゃないと時間がよくわからない.
私は時計の長針と短針の角度で直感的に時間を理解する.

たとえば8時20分ごろの「遅刻しそうな角度」とか,11時50分ごろの「のっぴきならない角度」,16時40分ごろの「一日が暮れかかっているぞ(やばいやばい仕事終わらない)」などなど.人には誰しも一瞬にして状況を悟り,「まずい」とか「ほっとした」と感じるそれぞれの針の角度があるような気がする.

そんな話を先日うちの若いスタッフ(20代)にすると,ですよね!と共感を得られるかと思いきや,ですかねえ?となぜか疑問形だ.思わぬ不意打ちに,私も「そうだよ,だって”16:40”とかデジタル表示された数字を見たって,今どんな時間かなんてイメージできないじゃないか」と返すと,

「そうですか?僕は小さい頃からずっとデジタル時計を見ているので,”16”と”40”の数字の組み合わせを見ただけで,直感的に時間を理解しますけどね」と一言.

ガーン!新人類か.

そして”新人類”という言葉が,すでに'80年代を象徴する言葉であったことに気づき,もう一度深く落ち込む私であった.


余談ですが,時計の針は「10時9分33秒」の位置が最も美しく,無印良品の販売マニュアル(ムジグラム)でも針はこの位置にしてディスプレイすることが決められているそうです.冒頭の写真をぱっと見てそれに気づいたあなたは素晴らしい.

14. 06 / 22

ユーチューバー

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sekimoto

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> 子ども
> 生活



なにこれ?テーブルの上に切抜き記事。
「え、知らないの?HIKAKINだよ」
どうやら息子が自分で新聞を切り抜いたらしい。

うちの子によると、HIKAKINはYOUTUBEのカリスマらしい(ユーチューバーというらしい)。HIKAKINはYOUTUBE上で、いろんなことにトライしたり、商品を試したりして、その再生回数は数億回を超えることもあるという。

私はテレビが好きなので、この歳でも結構流行りものやタレントの名前などには詳しいつもりだ。昔のお父さんといえば、若いタレントやアイドル歌手の名前は全くわからないという人が多かったから、ちょっとは時代について行っているつもりだったのだけれど、まさかの盲点であった。

だれだHIKAKIN。
ていうか、AKBとかじゃないのか?ふつう。

14. 06 / 14

AALTO69

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sekimoto

category
> 生活
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うちの母世帯のダイニングチェアAALTO69の張り地を,TALOさんにお願いして張り替えてもらいました.竣工時には生成色のファブリックを張っていたのですが,7年も経つとだいぶ染みも目立ってきて,ついに張り替えることにしました.


張り替えたのはビニールレザー.もちろんARTEK社のオリジナルではありませんが,古ぼけた椅子も張り地を替えるだけで新品同様になります.思えばヘルシンキのアンティークショップに積まれていたアールトチェアにも,実にいろんなファブリックが張られていました.好みや使い勝手に合わせて,皆自分仕様にしていくんですね.


実は吉祥寺のmoiや,谷保のWillcafe(姉のお店)に置かれているAALTO69も,当時ヘルシンキでかき集めたものですが,最初は上のような思い思いのファブリックが張られていました.これをすべてはがして白いビニールレザーに張り替えてもらったのが,現在お店に置かれているあの椅子たちです.



当時この椅子をヘルシンキから日本に運ぶお手伝いをしてくれたのも,私の幼なじみの友人で,現・北欧家具TALOのオーナーでもある山口太郎くんでした.思えば,この一連の出来事は北欧家具TALOが生まれたきっかけにもなったのでしたね.

AALTO69は丈夫でシンプル,まさにフィンランドデザインの王道ともいえるデザインで,母国フィンランドでは定番中の定番にもなっている椅子です.私が留学していたヘルシンキ工科大学(現アールト大学)にもこの通り.


でも木の椅子は座面が堅くて,年配の方が長時間座るのには少々つらいですよね.そんなときはこのように好きなレザーやファブリックなどを張って使えば,世界にたったひとつの自分仕様の椅子ができあがります.

TALOさんには座面にパッドも詰めてもらったので,フカフカの座り心地です.
母にも喜んでもらえました.太郎くん,どうもありがとう!