17. 06 / 12

木組ゼミにて

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sekimoto

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> 仕事
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昨日は建築家の松井郁夫さんが主宰されておられる建築の私塾「木組ゼミ」に呼んで頂き、近作のいくつかについてお話しをさせて頂きました。松井さんの木組ゼミに呼んで頂くのは、今年で3回目。

ワークショップ「き」組 http://kigumi.jp/

木組ゼミは釘や金物に頼らず、木を木で組む、日本の伝統構法で建てる家づくりを伝授継承するための私塾で、松井さんも設計事務所運営の傍ら、全国から設計事務所や工務店などに勤務される塾生を募って教えていらっしゃいます。

そんな松井さんの住宅は日本の民家のように、骨太で100年経ってもびくともしないようなノウハウと思想によって作られています。


私も志は同じくしながらも、ある意味そのアプローチは全く異なります。金物も使いますし、空間の作り方もより現代的です。

そんな私の家は松井さんからどう見えるのだろう?といつも思いますが、松井さんはそんな私の家を面白いといって、毎回見学にいらして下さいます。自分と違うことをしている人は面白い、というのが松井さんのスタンスなのですね。

松井さんと言えば、伝統木造の世界では第一人者でいわゆる巨匠のひとり。にもかかわらずその懐の深さと柔軟さには、いつも頭が下がるばかりです。


この日の話もだいぶてんこ盛りになってしまいましたが、毎回面白いとおっしゃって下さるのでこちらもやりがいがあります。懇親会では、いつも松井さんの深いお話しをいろいろ伺えるのが楽しみにもなっています。毎回、私が勉強しに行かせて頂いているようなものですね。

また来年もご縁があれば呼んでください!
松井さん、木組ゼミの皆さま、どうもありがとうございました。

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sekimoto

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> 建築・デザイン
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大学の後輩でもある建築家の阿蘓俊博(アソトシヒロ)さんよりオープンハウスのお誘いを頂きました。「朝霞の家」ということですぐご近所です。ということで、自転車を漕いで颯爽と行って参りました!

アソトシヒロデザインオフィス www.asotoshihiro.com

実は阿蘇さんには本住宅について、埼玉エリアの工務店についてご相談を頂いておりました。そこで私がお付き合いする何社かの工務店さんをご紹介したのですが、そのうちうちの「VALO」などを施工下さったニートさんに施工をお願いされたようです。


敷地に着いて、裏山の茂みに見覚えが…。そういえばずいぶん昔に、この辺で土地探しをされていたお施主さんより、このすぐ隣くらいの敷地についてご相談を受けたことがあったのでした。

それは結局建ちませんでしたが、建っていたら阿蘇さんのこの家と相まって、ちょっとした面白い住宅地になっていたかもしれませんね。

外壁は吹付け仕上げにされていて、独特のグレー色が際立っていました。こういう色のチョイスが建築家のセンスを物語っていますね。




内部は徹底したアーチ型窓の連続で構成されています。アーチ形状については、当初の建て主と交わされた会話のキーワードに「雪のかまくら」のような家という言葉があったことを挙げていましたが、それが設計プロセスと共に昇華され、古典建築のようになっていったストーリーはとても興味深かったです。

プランは敷地に対して若干角度を振ってあり、全体の平面形状は平行四辺形になっています。直角をなくしただけで空間の予定調和が破られて、不思議なスケール感と奥行きが獲得されていることがわかります。


個人的にとても気に入ったのは、2階のこのスタディーカウンター。かわいいですね!

床材や天板の仕上げのチョイスと相まって、なんだかイタリアかどこかの図書館のようだなと思いました。それぞれが座る位置にアーチ窓が用意されています。ここにお住まいになる家族が楽しく暮らされる様子が、目に浮かぶようでした。


実は、当日お施主さんもいらっしゃったのですが、私のブログが好きでよく読んでくださっているとのこと。どうもありがとうございます!実は他の設計者のお施主さんからも、私のブログを読んでいると言われることがちょくちょくあるのですが、ありがたい反面、同業者の手前複雑な心境になることも。

(お役に立てて光栄ですが、実はわたくし住宅の設計もやっております)

ともあれ、今回阿蘇さんの住宅を見せて頂くのははじめてでしたが、大胆な構成の一方で緻密にディテールを解いており、誠実な設計スタンスを感じました。さすが、実力者ですね。ご丁寧にご対応をありがとうございました。今度またゆっくり!

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> 仕事
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いろいろ仕事が一区切り付いたので、以前から懸案だった事務所の収納問題について向き合うことにしました。

事務所には年々増え続ける模型、そして雑誌や出版社などから頂く献本類が増え続け、泣く泣く処分したり、どこにも収納できずデスクの上に万年平積みになっていました。

住まいも同じだと思いますが、物理的に面積を増やすことが出来なければ、あとは空間の気積(立体)を使うことを考えなくてはなりません。狭い我が事務所で注目したのは、ミーティングデスク下の空間です。


これが事務所のミーティングデスクです。

我ながら画期的な作りになっているのですが、860x1700サイズのテーブルが3x6版の18mmのシナ積層合板2枚のみで、固定金具を一本も使わずにできています。いわゆる、現場で大工さんが作業台として使う”ウマ”と同じ原理です。



分解するとこんな感じ。原理的には、これなら畳んでどこにでも簡単に持ち運ぶことが出来ます。(ま、持ち運びませんけどね)

この天板だけを残して、下の脚部に収納を付加できるようにしたらどうかと考えました。収納として使うのは我々が腰かける側だけで、ゲスト側はありません。図面化するとこんな感じ。


こんな時、自分がこういう仕事をしていて良かったと思う瞬間です。”こんな風にしたい”を自ら簡単に図面化することが出来ます。製作はいつも家具工事でお世話になっている藤沢木工所さんにお願いすることにしました。

さて約1ヶ月後、藤沢さんがやってきました。



特徴的なのは魚の骨みたいなトゲが四方に出ていることです。
これをひっくり返して、その上に既存の天板を乗せれば…



はいできあがり!とても簡単な作りです。

見た目は元のテーブルとあまり変わりません。先ほどのトゲの部分は、このように持ち出された天板を支える役割を果たしています。


ゲスト側のパネルには下部にスリットを設けています。靴のつま先が入るようにです。そうしないと、つま先でいつも蹴飛ばされる部分が真っ黒になってしまいます。

こういうちょっとしたことが、家具のデザインでは重要になってくるのですね。


反対側は収納になっています。わずかこれだけのスペースでも劇的な収納力を得ることが出来ます。重要なのは何を収納するかをはっきりさせることで、ここでは下部に過去の掲載誌やそのスクラップなどを、そして上部には模型が載せられるようにしました。

模型棚は、事務所の小さな模型の平均サイズを測り、有効高さを100mm程度取ればすっぽり入ることから、220mm程度の隙間に模型棚を2段に分けてぴったり収納しました。ちなみに、模型を下にすると蹴飛ばして壊してしまうかもしれないので上にしています。

ということで模型置き場に困っていたのに、一転してまだまだ置けるスペースが出現しました。これは嬉しい!


脇には無印良品のキャスター収納を置きました。こういうところは既製品に頼るのが一番です。中には過去の製本図面を入れています。

この製本図面も年々増えて困っていました。ここに置けばスタッフも取りやすいし、打合せ中に過去の図面をちょっと引き出すにもとても便利です。


それにこんな感じで動くので、打合せの際にサンプルを載せたり、どかしたりすることもできます。また最近たまにあるのですが、事務所に6人くらいの大人数がいらした際も、以前のテーブルよりは多くの人が楽に座ることが出来ます。


さてこの日はオマケで、藤沢さんにはもう一つお仕事をして頂きました。以下は私の自宅の下足入れなのですが、


自分で設計しておきながら、これは失敗したと思ったのは、下足入れの扉下に十分なスペースを設けなかったこと。今では絶対にやらないことですが、住み始めてすぐ気付きました。靴が出ていると扉が開かないのです。

それでも、まぁいいかとばかり10年を過ごしてきましたが、簡単に改善できることなのでこれを機に改良をすることにしました。


運ばれてきたもう一つの魚の骨。

これは台輪と呼ばれるものですが、下足入れの下に付いている低い台輪を高いものに付け替えて頂きました。幸い下足入れ自体が固定されておらず、床に置かれているだけでしたので作業は簡単に済みました。


あぁスッキリ!

いつも思うことですが、家は建てておしまいではなく、生活の変化や、小さな「まぁいいか」の蓄積をどこかで精算するように改善すると、本当にストレスがなくなるのと同時に、体のアンチエイジングと同じように、また家が若返ったような気がして嬉しくなるものです。

事務所を併設している我が家も丸10年を経て11年目に入りました。建て主の模範となるよう、手入れを怠らず暮らしてゆきたいと思っています。

作業して下さいました藤沢木工所の皆さま、ありがとうございました!

17. 06 / 01

講評会

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> 大学
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非常勤で教える日大理工学部2年生の第一課題「サードプレイス」の全体講評会がありました。私は非常勤は楽しいのですが、この全体講評会がなければいいのに、といつも思います。

講師というものは、教え子が発表で他の先生から集中砲火を浴びたり、箸にも棒にも引っかからなかったりすると、ずっしりと責任を感じるものです。自分の教え方がまずかったんだろうなと暗澹たる気持ちになるのです。

逆に評価されたらもちろん嬉しいのですが、そうしたら不思議なもので、自分の指導が良かったからだとは思わず、学生ががんばったからだと思うのです(他の方はどうか知りませんが)。

この日は、我がクラスから選出した2名とも優秀作として作品集に収録となり、うち1人は最優秀賞こそ逃したものの、スーパージュリー(外部講師を招いての総合講評会)への選出となりました。久しぶりの快挙。

おめでとう!義務が果たせて良かった。
でもやっぱり、講評会は苦手です…。

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> メディア
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以前このブログで、元スタッフの山口くんの送迎会を兼ねて、福島のホテル「ホテリ・アアルト」にスタッフと泊まりに行った話を書きました。

ブログ|ホテリ・アアルト (17.03/04)

その際に空間について感じたことなどを、「建築知識ビルダーズ」(エクスナレッジ)という雑誌に寄稿させて頂きました。私も渾身の思いで書きました。そして思いが余って、結果的にかなりのボリュームになってしまいました汗。書店でお見かけの際は是非お手に取ってご覧下さい。

>>建築知識ビルダーズ NO.29


ホテリ・アアルトは建築家の益子義弘先生の設計によるホテルです(正確には益子先生を筆頭に、河合氏、大竹氏ら設計チームによる設計)。

この号には益子先生のご協力もあり、既存図面や改修後の詳細図面まで余すところなく載せていますので、もしホテルで実際の空間を見てみたいとご滞在の折りには、こちらをお持ちになって隅々までディテール探索をなさると良いと思います。

また計画時の益子先生による書き込み入り図面なども収録して頂きました。私自身、当時の筆の痕跡からどう実作が立ち上がっていったのか読み解く大きなヒントとなりました。設計者の思考を知る手がかりとしても、大変貴重な資料(アーカイブ)になっていると思います。



当初は巻頭数ページ~10ページ程度の企画と聞いていたのですが、終わってみたら実に31ページにもなってしまいました。

木藤編集長と益子アトリエにも足を運び、膨大な図面提供や写真家・雨宮秀也氏による撮影、私の細かいディテール解説など丁寧に拾ってくださった結果として、どんどんページ数が膨らんでゆきました。それをその場で即決してゆく木藤さんの力量と肝の据わり方も大したものです。


実はこの企画、いかにも私がホテリ・アアルトに行った後に寄稿を頼まれたように思われると思うのですが、実は裏話がありまして、私がスタッフとホテリ・アアルトに行く直前、いきなり木藤さんから電話があり、ホテリ・アアルトについて書いて欲しいと頼まれました。

私はホテリ・アアルトに行くことを誰にも言っていなかったので、どうして木藤さんがそれを知っているのだろう?と一瞬混乱したのですが、どうも木藤さんはそれを知らずにたまたま私に依頼したようなのです。それを聞いた木藤さんは電話の向こうでガッツポーズをしたらしいですが笑。そんな嗅覚の持ち主なのです、木藤さんという方は。

巻頭にはこの企画の趣旨として、益子先生の建築を次世代に受け継がれてゆくものとし、それを若手である私にあえて案内役を依頼した旨などを書いて下さいました。それを読み、光栄なことと受け止めつつも、その思いに応えられただろうかと自問しています。

本文を私が書くことについて、益子先生にも事前に快諾を頂きました。私などが筋違いのことを書いて、誤解を招いたらどうしよう?という不安もよぎりましたが、「関本さんが感じたことを書けば良いんだよ」とおっしゃって頂き、少し肩の荷が下りた気がします。

それでも私の思いが強すぎて、ずいぶん肩に力の入った文章になってしまったと反省しています。ま、そんなことも含めて読んで頂けたら嬉しいです。


最後に、以下はホテルにも掛けられている益子先生の「とびら」をモチーフにした絵と、それについての文章です。

これを掲載することについて先生は当初抵抗があったようですが、木藤さんの説得に最後は折れてくださいました。とっても素敵な文章で、これを読んだらみんなこのホテルを設計した益子先生のことが大好きになるのではないかと思います。

ここではぼかしておきますので、どうか本文は実際にお手に取ってご覧下さい。