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現在AALTO120というグループのメンバーとして活動しています。来年がアールト生誕120周年にあたることから、この秋口から精力的にアルヴァー・アールトの関連セミナーなどを企画して参ります。

AALTO120の記念すべき第一弾イベントはこちら!


ALVAR AALTOトークシリーズ vol.1
『森と建築』

講師:藤本壮介氏(建築家・藤本壮介建築設計事務所主宰)
ファシリテーター:和田菜穂子(建築史家・東京建築アクセスポイント代表)

AALTO120 第1回目のゲストスピーカーは建築家・藤本壮介氏を迎えます。1999年「青森県立美術館」のコンペで敷地が森に囲まれていたことから、それ以来、自然と建築の対峙について常に思考を巡らすようになったという藤本氏からみた「森と湖の国フィンランド」の建築家アルヴァ・アアルトとは―さらに藤本氏が取り組む自然と建築との関係性について掘り下げていきます。


日時:2017年10月31日(火)18:30~20:30
場所:リビングデザインセンターOZONE 8Fセミナールーム
定員:60名
お申し込みは以下より↓
https://www.ozone.co.jp/pro/seminar/detail/332

人気の高い建築家のレクチャーです。日程はまだ先ですがすぐに定員に達してしまう可能性がありますので、ご興味ある方はどうかお早めにお申し込み下さい!


少し時間が経ってしまいましたが、先週水曜日は六本木の国際文化会館にて、建築家・伊礼智さんの設計セミナーのゲスト講師として呼んで頂き、伊礼さんと共に約3時間ほどのセミナーをやらせて頂きました。

実務者向けのもので、また受講料も1万円以上もしていたのでこの場では告知しませんでしたが、全国から50人近い方がご来場下さいました。

構成はまず伊礼さんが1時間、そして私が1時間話した後に、建築知識ビルダーズ編集長の木藤さんをファシリテーターに、伊礼さんとクロストークをさせて頂きました。

最後のクロストークでは、会場から回収した質問シートが山ほどあり、これらの質問に一問一答式でそれぞれお答えさせて頂きましたが、こういう筋書きのないトークが一番盛りあがりますね。時間が足りず、あともう1時間やりたかったくらいです。


例えば、そこではこんな質問がありました。
「現在一人で仕事をしていますが、スタッフは雇った方が良いでしょうか?」

これに対する答えは、私も伊礼さんも「絶対スタッフはいた方が良い!」でした。時間がなくて、お答えもさらっとしかできませんでしたが、この場を借りて私がスタッフは不可欠だと思う理由を書かせてもらいたいと思います。

ひとつに、仕事を客観的に進めることが出来るということがあります。

人は他人には「もっとこうすれば良いのに」とアドバイスができるのに、自分のことになるとどうして良いかわからなくなるものです。

仕事をチームでやるようになると、お互いがお互いの仕事や思考を客観的に見れるので、自分にはないものを発見したり、間違いや勘違いを未然に防ぐことが出来ます。

また瓢箪から駒のような斬新なアイデアというものは、天から降ってくるものではなく、私の場合常に対話から生まれます。スタッフと議論したり話を聞いてもらったりすることで、アイデアが確信に変わります。それは私は一人ではできないことだと思っています。

次に、強い意志を持つことが出来るということがあります。

人間は弱いもので、ひとりだとどうしても現実に流されてしまったり、逆境に陥ると抜け出せなくなりがちです。スタッフがいると、私の場合は弱みを見せたくないので、いつも強気で振る舞うことになります。「大丈夫、なんとかなる!」という言葉は、きっと自分への言葉なのでしょうね。

また仕事が正しくない方向に向かおうとしているとき、本質を見失いかけているとき、そんな時にスタッフを叱り飛ばす言葉は、同時に自分を奮い立たせてくれます。矜持を持って仕事をしよう!という前向きな気持ちになれます。


伊礼さんは私が尊敬し、目標とする建築家のひとりです。そんな伊礼さんの答えの一つ一つもまた、私と同じような思考の延長線上にあるように思え、大いに勇気を頂くことができました。

伊礼さんからは「(私の)45歳は建築家が一番伸び盛りの時期」「自分のセミナーには自分が認めている人しか呼ばない。関本さんはその一人」とのお言葉を頂けたことがとても嬉しく、これからめげそうになるたびに思い出したいと思います笑

ご参加下さった皆様、ありがとうございました!


写真:塚本浩史(3枚とも)

17. 07 / 02

でかい家の

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> 思うこと
> 生活


昨日は中学までを過ごした桶川で小学校の同窓会がありました。小学校卒業以来約33年ぶりの集まりでした。

私はのちに建築の道に進みましたので、大学やその後の留学、そして独立とどんどん道が枝分かれして細くなってゆきましたが、私を作った一番根っこの部分や幹の部分はこの時代に作られたのだなとしみじみ実感しました。こういうのを原点というのでしょうね。

当時私は広い庭のある家に住んでいました。

田舎でしたので、庭が広いこと自体は珍しいことではありませんでしたが、我が家の場合は少し特殊でした。当時の私もそれは自覚していましたが、それを人に言われるのがとても嫌でした。子どもにとって友達と違うということは、それだけでコンプレックスを感じるものなのです。

それでも親しい友人たちとは、その庭でいつも遊んでいたことが楽しい思い出としてあり、昨日もその友人たちと思い出話に花が咲いたのですが、意外だったのは「俺も行ったことがある」と、それ以外の人たちも一斉に主張しはじめたことです。

挙げ句には、同窓会でも顔が思い出せない他クラスの者や、女の子たちまで皆が私の家に「行ったことがある」と言い出し、私の家の池に落ちたことなどを語りはじめるのでした。

私にはそんな多くの友人を家に招いた記憶はなく、あくまでごく限られた友達と遊んだ記憶しかなかったので、しばし混乱しました。

でも30年以上が経ち顔も思い出せない者もいる中で、みんなの中では「でかい家に住んでいた」という記憶と共に私を覚えていてくれたんだなと思うと、それがなぜか嬉しく、私のアイデンティティにもなっていたのだということにも気付かされました。

今は住宅設計の仕事をしていることなど話すと、皆からは「期待を裏切らないね」と言われましたが、はたして彼らが私に期待をしていたかどうかはともかく、彼らの中で私がもう一度”でかい家の関本くん”として上書きされた瞬間だったかもしれません。

でも彼らは知りません。当時でかい家と言われたコンプレックスから、今では私は「小さな家」のスペシャリストになっているということを。自分の育った境遇も含めて、それをアイデンティティとして生きる意味のようなものを、昨日は考えさせられたのでした。

17. 06 / 30

ズントーの本

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> 生活
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まだ独立する前、奥さんとスイスを旅したことがありました。スイスの建築家ピーター・ズントーの建築を見るのが目的でしたが、旅先で見つけたズントーの作品集を手に私は動けなくなってしまいました。

欲しい!でも貧乏旅行だったのにも関わらず、それは1万円以上もしていたのです。奥さんは「買えばいいのに」と言ったのですが、結局買うことはできませんでした。

それから数ヶ月後、私の誕生日に奥さんがその本をプレゼントしてくれました。びっくりして聞くと、私が棚に戻したその本を、その場で買っていたのだそうです。

その奥さんが、先日銀座SIXに行くと、同じ本がなんと10万円で売られていたそうです。絶版でプレミアがついたのでしょう。

15年で価値が10倍…。彼女には投資の才能があるようです。そして彼女が投資した建築青年の今が気になるところです。

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> 仕事
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「紫陽花の家」は竣工から2年が経ち、我々の竣工写真とは別にOZONEさんによる2年越しの竣工撮影が行われました。梅雨に入っていますが、紫陽花の咲く季節にこだわっての撮影です。

私も久しぶりに出向きましたが、緑の成長に目を見張りました。建物に負けないくらいのパワーで、竣工撮影は2年くらいしてから撮るのも悪くないと思いました。また竣工と同時期に生まれた双子ちゃんもすくすくと育っていて、子供の成長パワーも実感した一日でした。

当時意図した”森の中のような浴室”は、その意図に確実に近づいているようです。こちらは、来月のOZONEの機関誌O-Cubeにてフルカラーでご紹介頂く予定です。

Kさま、お休みのところ撮影にご協力くださりありがとうございました!