私の所属するJIA(日本建築家協会)主催の、一般の方を対象とした住まいセミナーの告知です。私は来週土曜日(4月21日・土)の回に登壇させていただきます。
http://www.jia-kanto.org/kanto/activity_event/sumai-seminar/2526.html
今回のテーマは、
『愛着ある住まいづくりのために』
ちょっと抽象的ですが、設計事務所と密なコミュニケーションを重ねて作ってゆくと、細部にまで愛着が宿った愛おしい家になります。これは我々の本来の存在意義みたいなものでもあって、ただ”格好いい家”を作るためだけに設計事務所があるわけではないんですね。
今回はコーディネーターに中澤克秀さん、そして講師として私と中村高淑さんが登壇致します。いずれも自身の設計事務所を主宰している住宅設計のスペシャリスト達です。
今回は一般の方を対象としているセミナーなので、難しい建築の話はしません。むしろ、他ではあまり話さない設計事務所の本音だったり、どんな風に打合せを進めているのかだったり、こぼれ話のような話を対話形式で引出しながら進めたいと思っています。
これから家を建てたい、設計事務所に頼みたいけど誰に頼めば良いか分からない、建築家は高そう!?、怖そう!?などなど、一般の方が思っていそうな先入観も含めて、コーディネーターの中澤さんから引き出してもらおうと思っています。
どなたでも参加できます。参加費は無料です。
お申込みは上記リンクからできますが、お申込なしで当日いきなり来ても聴講できると思います。設計相談会ではありませんので笑、ご興味ある方は是非足をお運び下さい!
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住まいは自分らしさの実現 ~愛着ある住まいづくりのために~
JIA住宅部会・SUMAIセミナーPART27 第1回
開催日:2018年4月21日(土)
時間:13:00~15:00
会場:LIXILショールーム東京 7Fイベントルーム
http://www.lixil.co.jp/showroom/tokyo/lixil_tokyo/access/index.html
☆詳細は以下リンクをご覧下さい
http://www.jia-kanto.org/kanto/activity_event/sumai-seminar/2526.html
数日前の新聞にこんな見出し。
お約束というのは、つまり「そういうものだよね」という内向きなコンセンサスのこと。どうしてそうなのかは「言わなくてもわかるでしょ」という世界。去年流行った永田町の”忖度”という言葉もこれにあたる。
内向きなコンセンサスというのは、その外側にいる人たちを置き去りにする。それをわかっている人たち、専門家のような人たちだけで分かり合っている世界というのは、共感性に乏しいコンセンサスだろう。本来はその外側にいる人たちのために作られているものなのに、その人達に届かないって何?とも思うから。
今は内向きのコンセンサスから、外側にひろがる共感性の時代なのだと思う。
私の著書もデザインして下さった細山田デザイン事務所さんが本を出されたということで、先日開催された出版記念イベントへと足を運んできました。
自分の本の時は編集者さんを介してのやりとりだったので、直接お会いするのは初めて。一言ご挨拶をと思い参加させて頂きました。
どんな方なんだろう?と思っていたら、表紙のイラストそっくりの方が出てきてびっくり!
グラフィックデザインと建築というのは、二次元と三次元の違いはあるものの、考え方や美意識の根拠の求め方などに親和性があるようにも感じています。私自身、自分でグラフィックを手がける時は、素人なりにもかなりこだわってしまいますので…。
グラフィックデザイナーは、憧れの職業のひとつです。
「誰も教えてくれないデザインの基本」
細山田デザイン事務所
今日はとある雑誌の撮影のために、久しぶりに「隅切りの家」へ。隅切りの家は、私の拙著「おもてなし住宅のつくり方」のカバーにも使わせて頂いている住宅です。
撮影は藤塚光政さん。最初写真家の名前を聞いて、おもわず二度見ならぬ二度聞きしてしまったくらい。
藤塚光政さんといえば、私の学生時代から第一線級の建築家の写真を撮り続けている憧れの写真家の一人です。まさか、自分の住宅を藤塚さんに撮って頂ける日が来ようとは…!(それなのにスタッフは誰も知らない。一人興奮する私。哀しい)
満開の桜を撮るために撮影日程をギリギリまで調整し、これ以上ないコンディションでの撮影が実現しました。今日は夕景のみの撮影。そして明日は早朝から内観を納めて頂きます。
誌面に使う私のポートレートも藤塚さんに撮って頂きました。わかりますか?藤塚さんにポートレートですよ。篠山紀信に履歴書の証明写真撮ってもらったぐらい、私の中では大事件なんです。(伝わらんかなあ!)
で、これいつ出るのかって?
来年の2月です。冷静に考えたらそうですよね。満開の桜を5月に載せたって意味がないのですから。あぁ、この誌面を1年も待たないといけないなんて。なんという贅沢!!
拙著のカバーにお母さんに抱かれて写っていた息子さんも、もう4歳だそうです。毎年この桜とともに育ってゆくのですね。感慨深いです。
流山市で進む住宅の現場では、私が最も信頼を置く板金職人、新井勇司さんによる板金外壁が間もなく完成します。間もなく現場を去る新井さんには、この機会に現場で板金納まりについていろいろと解説して頂きました。
実のところ、板金納まりは図面指示をするのが極めて難しい部位のひとつになります。匠の大工にその仕口をいちいち図面指示できないのと似ています。何がベストかというのは、頭で考えるが先に手が動くというのが職人だからです。職人ではない我々にはそのノウハウはありません。
こういう場合、設計者が伝えられるのは「こうしたい」というイメージの提示と、「こうすれば」という具体的な手段の提示までです。
前者がなければ話になりませんが、現場で正確に仕事をして頂くためには、後者の「こうすれば」の提示も不可欠だったりもします。ただ板金の場合、その後者の伝達が極めて難しいのです。
今回も新井さんはイメージ通りにばっちり決めてくれたのですが、その技術についてあらためて解説をしてもらうと、ちょっと気が遠くなるような繊細さと気遣いの連続でした。
頭では理解しましたが、それを別の板金屋さんに説明したら、絶対に「そんなことできないよ!」って言われるんだろうなと思います。それは職人の技術や経験、そして知恵や感性に依存するもののような気がします。
我々は図面を描く仕事です。
図面をろくすっぽ描かない設計者を私は軽蔑します。しかし図面を描けばできるというのもまた、設計者の思い上がりなのです。世の中には図面には描けない世界がある。図面に描いたからといって、誰にでもできるわけじゃない。これもまた現場の真実です。
「この人しかいない」
設計者もそう思ってもらわないと仕事を頂けないのと同じように、職人の世界もそうであって欲しいと思います。私が尊敬する職人というのは、そういう職人です。
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