
拙著 『すごい建築士になる!』 が6月5日(月)に晴れて発刊となりました。
https://amzn.asia/d/bWhKwtx
私の手元には先週には届いていたので、すでにもう一度自分で読み直したり、献本をお送りしたりする作業もしていたので、自分の中ではとっくに発刊していたのですが、実は一般には今週からです(あたりまえか、、)。
過去何冊か上梓させて頂きましたが、今回の本は事務所のスタッフや建て主さん、私の身近にいる人しか知り得ないようなコアな情報を詰め込んだ一冊になっています。
すでにお読み下さった何人もの方から、「こんなに赤裸々に書いて大丈夫ですか?」と心配されていますが、人の悪口は書いていませんのでたぶん大丈夫です笑。事務所が借金背負った話とか、私がしくじった話などはいろいろ書いていますが。
過去の本も、「こんなに手の内を開かして大丈夫なの?」と良く言われていました。うちの図面全公開とか、秘伝の(とは私は思っていませんが)ディテールを包み隠さず公開してしまうので、料理人でいえば”隠し味(テレビだとモザイクかかるやつ)”まで教えてしまうようでもあり、パクられたらどうするの?と思われるのでしょう。でも大丈夫。
「安心して下さい。はいてますよ」 (by とにかく明るい安村)
安村ならパンツをはいてるわけですが、私の場合は何をはいているかというと、それは「自分」というアイデンティティかもしれません。
たとえば、モノマネ芸人が声音からしぐさまで本人ソックリに真似たとしても、その人本人にはなれませんよね。私も、私の仕事に関わるすべてを開示したとしても、誰も私にはなれません。私の考え方、感情や感覚。これには法則がありそうでないからです。
これってほんと、困りますよね。たぶんスタッフが一番困っているんじゃないでしょうか?このあいだはこう言っていたのに、また違うこと言い始めたみたいな。だから本に書いてあることも真に受けちゃダメですよ。こんなこと全部徹底できるわけないんですから。
だからいくらノウハウを開示したって、誰も私にはなれないんです。アレクサやChatGPTであっても太刀打ちできません。私の中の一番大事なアカウントには鍵がかかっていて、それは家族であっても開かないようになっています。もしかしたら、それは自分でも開けられないものかもしれません。
これからの時代、AIに勝てる方法はそれしかないんじゃないでしょうか?
◇
ところで、以下は発売当日(6月5日)のAmazonの売れ筋ランキングです。「建築」の総合ランキングで2位に入りました!

でも悔しい。折角なら1位になりたいですが、1位に鎮座している書籍はKindle版といって、Amazonプライムなどに登録している人なら無料で読める本なんです。登録していなくても数百円。こんな本に勝てるわけないですよね、、
自分でも恥ずかしいタイトルなので複雑な思いもありますが、折角なら多くの方に読まれてほしい!と思います。応援よろしくお願いします。

このたび【わざわ座】さんの企画によるオンラインセミナーに登壇させて頂くことになりました。[わざわ座とは?⇒http://wazawaza.or.jp/concept/]
テーマ:『設計がふつうに上手くなるために』
日時:2023年6月9日(金)16:00~18:30
講師:関本竜太|リオタデザイン
開催方法:オンラインセミナー(ZOOMウェビナー)
※アーカイブ視聴申込み枠あり
対象:どなたでもご参加いただけます!
参加費:無料
■参加申込フォーム
https://forms.gle/5HVPAnxMHeD2wdjA9
申込締切:2023年6月6日(火)
■詳細はこちらから
http://wazawaza.or.jp/news/3107/
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ちょうど先週末書籍のことについて告知をさせて頂いたのですが、この件はそれとは別に企画されたものです。ですがちょうど時期がかぶってしまったこともあり、内容としては書籍ともリンクするような内容にしたいと考えています。
それよりも!
上記の詳細リンクにある通り、憧れの小泉誠さんとのトークセッションも用意されているとのことで、小泉さんと何を話そうかな?何を聞こうかな?と、こちらを今からめちゃくちゃ楽しみにしています!!
通常はわざわ座の登録工務店のみの限定セミナーなのですが、今回はわがままを言って誰でも参加できるようにしていただきました。お仕事中の方は参加しにくい時間帯かと思いますが、アーカイブ視聴申込み枠もあるようです。
セミナーでは何を話そうかなあ??
皆さま、どうか奮ってご参加下さいませ!


少し前に[ブログ10年分]というブログを上げましたが、こちらがようやく発刊の見通しとなりました。
『すごい建築士になる!』
関本竜太著|エクスナレッジ刊
https://amzn.asia/d/dKo9KtF
出版予定日:6月5日
・・このタイトル、ちょっとえぐすぎないですか?
はい、そう思ったそこのあなた。先に謝っておきます。ごめんなさい。でも私が付けたタイトルではありません!
というかこれ、私が絶対言わなそうなセリフだと思うんですが、まあいいです。一周まわって受け入れることにしましたのでここは軽く流して頂いて、まずはこの本が出来るまでの話を聞いてやってもらえますか。ここまでくる道のりはなかなか大変なものがあったんですから!
◇
エクスナレッジのエース編集者、別府絹美さんが事務所にご相談にいらっしゃったのは去年の7月初旬のこと。持ってきたのは書籍の企画でした。そこにはこう書かれていました。

「設計がふつうに上手くなって稼げる本」
なるほど、、わかる。わかりますよ。全国の建築設計の実務者がどんなにキレイゴト言ったって、つまりはこれなんですから。わかるんですけどね、、でもワタクシ言うほど稼げてないんですよぉ涙
・・て言いながら、その場で最後の部分にバッテン書いてました。これを消してくれるなら(私が設計が上手いかどうかはさておき)まあ、なんか考えてみましょう。
そうやってこの企画は始まりました。
対象は建築の初学者というより、設計事務所の若いスタッフさんや、これから独立しようという方、あるいは独立したてでいろいろと迷いや悩みを抱えている建築家の卵みたいな人たちの心に届くような、羅針盤になるような、そんな本にしたいという別府さんの企画主旨を、どう膨らませるかを考えました。
確かどこかの打合せに出かける道すがらだったと思いますが、頭に浮かんだ言葉をどんどん携帯のメモ帳に打ち込んでアウトプットしたのが、こんなキーワードたちでした。

翌日別府さんにこれをそのまま送り、それを編集会議にかけたら通ったという嘘みたいな本当の話です。どうでしょうか、こんなキーワードの本なら読んでみたいですか?
今回の編集には、別府さんのほかに先行の共著「伊礼智の住宅デザイン学校」の本をまとめ上げて下さった敏腕フリー編集者である加藤泰朗さんも加わり、文字通り三つ巴による万全の編集体制で書籍の執筆がはじまりました。

最初は設計にあたっての日々の心構え的なことや、私の設計初期のエスキースメソッドみたいな事をメインコンテンツにしようという話だったのですが、雑談のたびに私が話す事務所運営の内情みたいな内容が次々と採用されてしまい、最後は「これ何の本?」というくらいコンテンツがパンパンに詰め込まれたものになってしまいました。
ページ数も、最初は200ページと言っていたものが300ページにもなってしまったのですが、そのための執筆期間は10月から12月までのわずか3ヶ月。
もちろん私は職業作家ではありませんから、平日や日中はほとんど原稿に向き合う時間が取れません。毎週末に10時間くらい事務所にこもって原稿を書き続ける日々が続きました。
私としてはスケジュールに間に合わせなくてはという思いだったのですが、こんなに順調に原稿を書く人はいないのでしょう。私のあまりの執筆スピードに別府さんもびっくりしていましたが、昨年の暮れまでになんとか10万字超の原稿を一通り書き終えました。
そこからのくだりは、先日の[ブログ]に書かせて頂いたとおりです。
◇
さて、次はようやくブックデザインです。
実は今回の書籍で一番楽しみにしていたのがこれでした。別府さんの計らいで、今回のブックデザインはtobufuneの小口翔平さんが手がけて下さることになっていたからです。
tobufuneさんは100万部突破のベストセラー『FACTFULLNESS』の装丁をはじめ、大ベストセラーのブックデザインを数多く手がける超売れっ子ブックデザイン事務所で、実はtobufuneの事務所インテリアもリオタデザインが手がけているというご縁があります。
[tobufune]
https://www.riotadesign.com/works/19_tobufune/
実は当初は別の書籍タイトル案があり、それを前提としたデザインを小口さんもイメージしていたようなのですが、土壇場になって書籍タイトルが大きく変わってしまい、私はもとより関係者が一斉に頭を抱えるというちょっとした”事件”もありました。
まぁ、この辺は書籍あるあるなんですけどね、、汗
tobufuneさんも装丁案を何案も出して下さいました。
これが素晴らしいのなんの!本当に感動してしまいました。
本当にいろんな装丁案があった中で、最終的にはイラストを使わず「文字だけ」で勝負しようということになったのですが、どうも何かが足りない。

本来は装丁デザインの詳細には著者はタッチしないのですが、なんといっても小口さんは私のクライアントでもあるので、誰よりも私のことをわかって下さってもいます。
そこで私自身がtobufune事務所に出向き、その場で議論しながら最終デザインをまとめて頂くことになりました。(実は事務所の本棚に不具合があって、その打合せのついででもあったんですけどね笑)
こちらがその時の様子です。

小口「じゃあこんな感じで丸を入れてみましょうか。好きな色とかあります?」
関本「いいですね!じゃあ水色で」
そんな感じで最後、右下にリオタデザインを象徴する「水玉」と「フィンランド」とを連想させるアイコンが加わりました!流れるようなデザイン作業で目の前でぱぱーっとデザインが組まれていく様は、ずっと曇っていた空が急に晴れていくような爽快感がありました。
続いてその場でカバーの紙サンプルまでいろいろ出してくれました。

上質で魅力的な紙は無数にあるのですが、出版社にも予算があるのでなんでも選べるわけではありません。
通常は、ここでも著者は紙質までは指定できないのですが、その場で予算と紙質を天秤にかけて、それこそお施主さんが壁紙を選ぶときのように「あれもいいな」「これもいいな」とか言いながら選ばせて頂きました。
これも本当に贅沢な体験でした!目の前でブックデザインができあがる瞬間に立ち会えて、紙まで選べるなんて、たぶん私は日本一幸せな著者だと思います。
結果的に選んだ紙は「ブンペル」のホワイトです。これが質感もあって、上品でとてもいい紙なんですよ。やっぱり手摺りに木を使うように、本の表紙の紙質って手が触れるだけにとても大事ですよね。ディテールが命!今回はそこまでこだわれたのが良い思い出になりました。
◇
そんなことで、書籍は間もなく発刊になります。出版は6月5日予定です。
みなさんにとって有益な本となりますように!書店で見かけましたら是非お手に取ってみて下さい。
『すごい建築士になる!』
関本竜太著|エクスナレッジ刊
https://amzn.asia/d/dKo9KtF
出版予定日:6月5日


以前も少し書きましたが、ある書籍企画が進んでいます。これまで単著として3冊を刊行させて頂いたので、これで4冊目ということになります。
これまでの書籍は、住宅のディテールを扱ったものや図面の描きかた、また現場の施工手順などを扱ったもので、ページ数にして120~150ページ程度のもの。うち半分は図版や写真などなので、私が実際に執筆した文章量としては実質その半分くらいだったかもしれません。
ところが今回の本はボリュームにして約300ページ、しかも図版や写真は少なめで、あとはびっしり文章!1ページをすべて文章で埋めると600字になる計算なので、300ページびっしりだと約18万字にもなります。
たださすがに一部に図版やイラストなどもあるので、ここからそれらを差し引くと、実際に書いたのは仮に7掛けとして12~13万字くらいでしょうか。執筆期間は昨年10月から12月までの約3ヶ月間。平日は仕事があるので、夜や週末に引きこもってずっと書いていました。すべて自筆による書き下ろしです。
サイトで少し長めのブログを書いた場合で1,200~1,300字程度になるので、この3ヶ月で長めのブログを約100本書いた計算になります。まさにブログ10年分!
ここ数ヶ月ほど、あまり長文のブログをアップしていなかったのは、こういう事情によるものでした。(それでもちょいちょい書いていましたけどね)
◇
しかし出版というのは、当たり前ですけど、ここでは終わらないんですよね。
原稿執筆というのは、設計でいえば基本設計みたいなもので、それが編集者の手に渡ってここから編集作業が始まります。これは設計に例えれば実施設計のようなものでしょうか。
編集を通ったものは、次にゲラと呼ばれる校正刷となってふたたび著者の元に届きます。これをチェックするのも著者の大切な仕事です。これは所内の実施図チェック、もしくは施工図チェックにあたります。
校正は、「初校」を経て「再校」、そして「念校」へと至ります。それぞれのプロセスで最初から最後まで通読し、誤字脱字のほか、意味の通らないところ、あるいは意味は通るのだけれど違和感のある表現や言い回しなどを細かく細かくチェックしていきます。
これは私が図面チェックの際に、機能は満たしているけど違和感のある寸法やプロポーションを、徹底して掘り下げていく作業にきわめて近いように感じます。
今回は念校でも終わらず、再念校まで出してもらったので、私はこの300ページもある本を、たぶん5~6回くらい(部分的にはそれ以上!)読み込んだことになります。そろそろ暗記できそうです。
冒頭の写真は、これまでの校正刷りのチェックバックを積み上げたもの。終盤はプリントアウトをしないでPDFベースで読み込んでいたので、作業量は実際にはこの倍ぐらいになるかもしれません。
そんな作業もようやく終わりました。
というか終わらせました。読み込んでいるといくらでも直せてしまうので、キリがないのでここで筆を置くことにしました。あとは編集サイドにお任せしたいと思います!
◇
こんな風に書くと、本を出すって本当に大変なんだとお感じになると思いますが、実際にはどうかというと、我々が普段設計の実務でやっていることと何も変わらないので、私自身は大して大変だとは思いませんでした。むしろとても楽しかったです!こちらも設計と同じですね。
苦労しながらも、編集者さんの意見を聞いたり、出版社の大人の事情?なども汲み取りながら、人の目に触れる本を作っていく作業というのは本当にやりがいのある作業だとあらためて感じました。ブログだと、それを添削してくれる人はいませんからね。この第三者の目というのは、本当に勉強になるのです。
本書籍の現在のプロセスをマラソンに例えるならば、ようやくゴールの国立競技場が遠くに見えてきたところでしょうか。本の詳細はまだ書けません。刊行時期も現時点ではまだ確定していませんので、このあたりもクリアになったら、この場でもお伝えしたいと思います!

横浜市の「壇の家」を「渡辺篤史の建もの探訪」という番組に取材して頂いた話は以前ブログに書きましたが、
https://www.riotadesign.com/blog/230115.html
こちらのオンエア日が迫ってきましたので、以下告知させて頂きます。
■ 渡辺篤史の建もの探訪
2023年2月25日(土)4:25~ テレビ朝日系列にて
https://www.tv-asahi.co.jp/tatemono/
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○壇の家 (2021年竣工)
https://www.riotadesign.com/works/21_dan/#wttl
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衛星放送ではBS朝日にて、3月5日に放送予定とのこと。地上波で視聴できないエリアの方は、どうかこちらでご覧下さい!
○ BS朝日2023年3月5日(日)8:30~
https://www.bs-asahi.co.jp/tatemono/
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