14. 01 / 28

想いの総量

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sekimoto

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> 思うこと
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とある更新書類で過去の仕事をまとめていて,それによると過去5年間で23件の仕事(ほとんどが住宅)をしていることがわかった.けれどそのどれもが途方もなく時間と手間をかけた仕事で,当時を思い出すとどれも目眩がしてしまうほどだ.

事務作業だから,床面積とか工事費とかどんどん打ち込んでいかないといけないんだけど,このたった一行だけの記載に,走馬燈のようにいろんなことを思い出してしまう.あんなことやこんなこと.とても一行では書き切ることのできないあんな事件やこんな修羅場の数々….そんなことを考えていたら本当に気持ち悪くなってしまって,人の想いの総量に押しつぶされそうになってしまった.

その時その時は逃げ出したくなるほどの重圧や途方もない作業量だったりしたけれど,過ぎ去ってみればみんな過去の出来事.そして最後に作品だけが残る.一生これを繰り返していくのかと思うと,これまた気が遠くなる思いがする.今大変なあの仕事やこの仕事も,未来にはたった一行で記載されるのだろう.

あぁ,早く未来から今を振り返りたいものだ.

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sekimoto

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> OPENHOUSE
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藤沢市で現場進行中の住宅「湘南台の家」がまもなく竣工致します.
オープンハウス(内覧会)を行いますので,ご興味ある方は是非足をお運び下さい.

敷地西側が川に向かって大きく傾斜し,川辺の桜並木と遠景が一望できる敷地に建つ二世帯住宅です.世帯は階によって分けられ,1階の親世帯は近隣や庭とのつながりを大切に,2階の子世帯はプライバシーを守り,開放感のあるつくりとなっています.

親子世帯はそれぞれ行き来が可能で,所々に共有された空間を持ち合うことで,世帯間が交流しながら気兼ねなく住める家としています.西側に大きくせりだしたバルコニーと深い庇からは,高台からの絶景を望むことができます.絶え間ないそよ風を受け止める眺望の家です.

【湘南台の家】
日時:2014年2月8日(土) 11:30~16:00ごろまで


→大雪のため延期します
2月9日(日) 13:00~17:00ごろまで
とします.(2/7 22:00)

場所:神奈川県藤沢市湘南台
小田急線|横浜市営地下鉄ブルーライン
「湘南台駅」西口下車.徒歩で約10分.

見学ご希望の方にはご案内をお送り致します.関本までメール下さい.
riota@riotadesign.com

14. 01 / 23

新種の…

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sekimoto

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> 子ども
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お正月に宮古島に行きまして,天気が悪いので家族で焼物体験などをしていたのですが,その時に作ったシーサーが無事焼かれて送られてきました.

負けた.見た瞬間にそう思いました.

左側が私.さすが大人です.上手です.
右側が息子.もう作っていたときはぐちゃぐちゃで,端から見ていて何を作っているのかわかりませんでした.実は目の前には「お手本」が置かれていて,それを良く見ながら作れば初めての人でもそこそこ上手く作れるという代物なのですが(そして私はお手本通り),息子の手では,すでにお手本から遠く離れた”なにか”が生まれはじめていました.お店の人もこれには苦笑い.

あのさぁ,もうちょっとよく見て作ろうよ.助言のつもりで何度か声をかけましたが,本人的には目の前のお手本のように作っていたつもりだったようです.ところが手先が不器用なばかりに,結果的には似ても似つかないものが出来上がりました.
ただ,これが実にイイなあ…と.

でも正直焼き上がってくるまではわかりませんでした.それまでは自分のはなかなか良いものができたと思い込んでいたわけですが,なんというか型にはまっていて退屈で,心に響くものがありません.ところが息子のシーサーは,なんというか見ているだけで心がザワザワしてきます.もはやシーサーですらないわけですが笑,そんな定義のつけられないところで,この新種のトロルは不敵な笑みを浮かべて唸っています.う~ん,負けた.

アートも建築も,なんでもそうだと思いますが,先天的に器用な人は忠実に定義を踏んで,求められている結果を最短距離で出してゆきます.不器用な人はそれを見て敵わない,自分は向いていないと思うことでしょう.けれども,不器用であるが故に型にはまらず(はまれず),結果的に型破りなものを生み出せる(生み出してしまう)力は後者の人にあるような気がします.

息子に「おまえ,才能あるぞ!」と声をかけると,「知ってる」と返されました.
やっぱり生意気だな.

14. 01 / 16

任期を終えて

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sekimoto

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> 大学
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6年間お世話になりました,母校日大理工学部建築学科での非常勤講師も,今日の授業を最後に任期終了となりました.今日は本来やるべきカリキュラムを,私のわがままで急遽変更し,学生へエールを送るようなお話しをさせて頂きました.

授業後,教室会議の終了を待っていたとおぼしき学生達に呼び止められ,寄せ書きを渡されました.突然のことにびっくり!なぜなら,この学生達は私のクラスの学生ではないからです.そのサプライズと学生達の優しさに,思わず感激して涙が出てしまいました.

また他にも,お小遣いで買ってくれたのであろう私の代名詞となっているエスキース帳や,お菓子やメッセージなどもいろいろ頂きました.最後に撮った写真は,私の大学最後の思い出になりそうです.どうもありがとう!


他クラスの学生達からの寄せ書き-
思えば,これは私の非常勤講師としての6年間を象徴しているような気がします.

私のエスキース(設計指導)は毎回深夜にまで及んでいました.他を眺め回しても,毎回夜11時過ぎまで指導をしている非常勤講師など誰もいませんでしたので,私はよほど異例だったのだと思います.自分の担当クラスは決められた時間内に,それが終わると放課後のエスキースがはじまります.他のクラスから他学年の元教え子まで,夜が更けてもなかなか解放してもらえませんでした.

何より私がその時間が好きだったこともあります.授業を離れると,多少話が脱線しても時間を気にする必要がありません.設計の話はそこそこに,仕事の話や自分の学生の頃の話をしたり,学生の悩みの相談に乗ったりしているとあっという間に深夜に突入してゆくのでした.

色紙に寄せてくれたのは,そんな深夜エスキースの常連組だったり,ブログやSNS等で私のことをフォローしてくれている学生達であったり.私の何気ない一言が彼らの支えとなっていたことを知ったり,私の方が励みをもらったような気がします.



大学での非常勤を振り返ると,楽しかった思い出と同じくらい,苦い思い出もいっぱいあります.そのほとんどは私自身の失敗です.学生の才能や個性をうまく引き出すことができず,凡庸な結果に終わったときなど,自分の指導の至らなさにいつも深く落ち込んでいました.

でもその中でも奮起して,講評会などで最優秀賞を取る学生が出てくると本当に嬉しくて,少しはまともな指導ができただろうかと救われる日もありました.(ただし,そんなことは本当に希なことです)

また毎回20人弱の学生を受け持つのですが,毎回クラスに1~2人くらいは,学年が変わっても変わらず私の指導を受けに来たり,事務所に遊びに来てくれる子もいて,そういう学生達とは「人として」のお付き合いを今なお続けさせてもらっています.それが私にとって何よりの財産となっています.

私は一度教えた学生は,ずっと自分の教え子だと思っています.他クラスであっても,私の指導を受けてくれた子は皆私の教え子です.設計ができる子ばかりではなく,中には放っておけない子もいます.たまにそういう子のことを思い出して,あの子は大丈夫だろうかとか,困っていないだろうかと,お節介にも連絡を取ったり励ましたりすることもありました.そういう意味では皆我が子のようでもありました.

今後も困ったことがあったり,相談したいことがあったらいつでも遊びに来て下さい.また課題のエスキースもやりますよ.ただ,こちらはあくまで趣味としてね笑


最後に,大学では専任の佐藤慎也先生,そして山中新太郎先生に本当にお世話になりました.特に慎也先生には大学時代からのご縁もあり,経験も知名度も乏しい私を非常勤として引き立てて下さり,このような機会を与えてくださったことに心から感謝しています.そして山中先生とは後半の3~4年ほどをご一緒させて頂きましたが,切れ味鋭い講評や仕切りにいつも感心させられることばかりで,ひそかに尊敬していました.

また第一線で活躍されている建築家の先生方とのお付き合いや講評会の席は,刺激に溢れ,いつも身が引き締まる思いでした.皆さま最後までご指導頂きありがとうございました.

学生の皆さん,またどこかでお会いしましょう!
皆さんの活躍が,風の便りで届く日を楽しみにしています.

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sekimoto

category
> 大学
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昨日は大学2年生の最終課題「集合住宅」の全体講評会がありました.

今回は講師陣も認めるように,やや難しい敷地でした.三面道路と残る一面も緑道となっているため,どの面にも”ウラ”を作ることができない.居住者間のコミュニティを育みつつ,プライバシーや日照にも配慮し,街にも開くためには?というかなりハードルの高い設問となりました.

そのため,いつもならもう少し考え方のバリエーションが出るところ,比較的いくつかの類型に収斂したような印象です.ただ講評会で票を集めた上位案は,それでもオーソドックスな解決を深く掘り下げることで現実性のある提案まで昇華させたものや,「土間」や「中庭」といった中間領域を魅力的な建築提案にまで引き上げたものなど,講師陣も唸らされるものもありました.

2年生はこの課題が必修最後の課題となり,3年生からは設計コースに進む者と,不動産・構造・環境系に進む者とに別れます.そのためこの後期は学生の温度差もはっきり分かれ,何度も案を作り直して本気で向き合う者もいれば,一方であからさまな”やっつけ”で提出する者もいて,指導する側も困惑する場面も多々ありました.

もっとも設計コースに進むつもりのない者にとっては,設計課題は苦痛なほどに時間と手間が取られるもので,それも仕方がないところかもしれません.そういう学生のやる気に最後まで火がつけられなかったことは,ひとえに私の力不足だと思います.

一方で,最後まであきらめずに案を考え続けた者も少なからずいて,最終的に結果が思うようについてこず,悔しさを浮かべている子もいましたが,その粘りと諦めない気持ちがあれば,きっと遠くない未来に”ご褒美”のような結果を残せる日が来るでしょう.私の過去の教え子たちがそれを証明しているところです.


最後に講評会について.
講評会で厳しい批評にさらされて,中には傷ついている人もいるかもしれません.私もかつては学生で,厳しいコメントに悔しい思いをしたこともありました.ただ批評する立場になってわかったことは,講師陣は皆心を鬼にして批評をしているのだということ.講評会に出てきている時点で素晴らしい案であることは皆わかっているので,あえて褒め言葉は封印しているのです.学年が高くなるにつれて,この傾向は顕著になってゆくでしょう.

野球の野村元監督が選手の育成は「無視・賞賛・非難」であるとおっしゃっていました.「三流は無視する.二流には褒める.一流は非難する」ということのようです.非難される立ち位置に自分が今いるのだということを自覚するべきです.

そして時に”良い”と思っていても”良くない”と言うこともあります.講評の場が同じ意見にまとまりかけていると,あえてバランスを取るために反対意見をぶつけるのです.こういうことは大人社会の中では軋轢を生みますので,日常ではほとんど見ることがありません.

そんな場面を講評会で目にするにつけ,先生方は優しいなあと思うのです.実際中途半端に褒められたり何も言われないよりも,批評をより多く集めた作品の方が最後に受ける評価は大きいという経験則もあります.

来週は今期最後の授業(そして私にとっても大学任期最後の日)となります.
気が抜けて休みたくなる気持ちをぐっとこらえて,皆さん学校には来ましょうね笑