21. 01 / 29

ラピンクルタ

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sekimoto

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ラピンクルタ、フィンランドのビール。妻が飯能のムーミンバレーパークで買ってきた。この感激をどう言えば伝わるだろう。

確か前行った時はなかった。ラピンクルタがあればいいのに、と思った記憶がある。お店に輸入ビールコーナーがあると、いつも無意識にラピンを探してしまう。国内でこのビールが手に入ること自体がとっても貴重なのだ。

味は普通。コクがあまりなくてサッパリしている。もっとおいしくなるちょっと手前で止めちゃったような味。

でもお金のなかった留学時代、ビールといえばラピンクルタだった。久しぶりに呑んだら一瞬でフラッシュバックした。そうそう、確かにこんな味だった。ほろ苦い青春の味。なんか、涙出そう、、

イラストレーターの益田ミリさんによるフィンランド旅行のエッセイ。益田さんの文章は、とりたてて何が起こるわけでもなく、ウンチクや教訓めいたことがあるわけでもなく、とにかく淡々と日常が進むのが良い。

このフィンランド旅行記も、オーロラやムーミンを見に行くわけでもなく、ただヘルシンキ市内のカフェに足を運び、地下のスーパーを物色し、美術館に足を運んだことを淡々と書いているだけなのに、どうしてこんなに楽しいのだろう。タイトルの「考えごとしたい」についても、たまに思い出したように考えごとをするものの、何を考えたのかは書かれていない。

毎年足を運んでいるというのに、ヘルシンキにしか行かない。アールトアトリエやレイヴィスカの教会にも足を運んだようだ。この人は本当にフィンランドが好きなんだと思う。この年明け、ゆるくステイホームしながら読むのにぴったりな本。

21. 01 / 10

ONE DRIP POTE

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sekimoto

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> 生活



暮れに街で見つけて、思わず衝動買いしたのがこれ。お歳暮などギフトでよくコーヒーのドリップパックを頂くのですが、これをおいしく淹れるのって意外と難しいんですよね。

まずいちいちお湯を150CC計るのが面倒、かといって目分量で淹れるとおいしくない。普通のポットからお湯を注げばドバッと入ってしまって台無しだし、計量カップで量って本格的なドリップポットにお湯を移し替えるというのも、どうも大げさだ(だったら豆から挽く派)。

このポット、いわゆるドリップポットのミニチュア版なんです。で、良いのが内側に150CCのメモリが付いていること。ここまでお湯を入れて、あとはいつも通り蒸らしてゆっくり注ぐだけ。なにより繊細にお湯を落とせるのが良いんです。たったこれだけのことで、ドリップパックが劇的においしくなります。ちょっと感動しました。

仕事の合間のコーヒーは手間をかけずに、でも呑むならおいしくって思いますよね。これは超おすすめ!

ONE DRIP POTE
https://item.rakuten.co.jp/cooking-clocca/pote_001/
※ネットだと高いですね。私は店頭で3,000円くらいでした。

20. 03 / 29

AJ DOOR HANDLE

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sekimoto

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> 北欧



先週北欧家具taloに足を運んだ際、オーナーの山口太郎くんより「これは関本さんにお土産」と言われてドアノブをひとつ頂きました。デンマークの建築家アルネ・ヤコブセンのハンドル。え、本当に!?(太郎くん、どうもありがとう!!)

現状はくすんだ真ちゅう色だけれど、これは磨けば光るなと踏んで、この週末はポリッシャーでゴシゴシ。結果、こんな感じになりました。



磨けば磨くほどきれいになるので、ついどんどん磨きたくなってしまう笑。太郎くんからも、ビンテージはあまりピカピカにしてはいけないと言われていたので、ほどほどのところで止めましたが。

手元にある資料で調べたところ、このハンドルはアルネ・ヤコブセンのオリジナルデザインで、1957年にコペンハーゲンにあるSASロイヤルホテルのためにデザインされたハンドルとのこと。またひとつ私の貴重なコレクションが増えました。


プロペラのようにねじれたハンドル形状がとても美しい。握ってみると、手のひらと親指の位置がぴたりとハンドルにフィットする完璧なエルゴノミクスデザインです。

太郎くんからは、これは現代の住宅にも使えるのか調べて欲しいとのことだったのですが、このヤコブセンのハンドルは軸となる角芯が8mmで水平の角度なのに対し、国内シェアの高い美和ロックなどのハンドルは8mmの角芯が45度に傾いているので、基本的には取り付けられないんですね。

ただ色々調べたら、GOALやSHOWAのケースの場合は8mmで水平の角芯設定のため、こちらなら取り付けられることがわかりました。ためしに早速GOALのケースを取り寄せて取り付けてみるとぴったり!


私の自宅はほとんど引戸なので取り付けられる扉はないのですが、これなら将来どこかに使ってみたいですね。復刻品はないのかなと探したらありました。スガツネさんの方で出しているようです。丸座の形状がちょっと違いますが、日本人の小さな手にもぴったり納まるのでお勧めです!

アルネヤコブセン生誕100周年記念ハンドル/スガツネ
https://search.sugatsune.co.jp/product/g/g12-4053/

事務所には他にもアールトの某ハンドルもあるのですが、聞くところによると最近えげつない値段で取引されているそうで、ちょっと怖くなりました…。

北欧の建築家は手が触れるところに最も気を遣います。我々も設計ではそこは最もこだわるポイントかもしれません。ヤコブセンのハンドルもお宝として大切に保管したいと思います。
お気に入りの番組にNHK BS1の「空港ピアノ・駅ピアノ」がある。

空港ピアノ・駅ピアノ
https://www4.nhk.or.jp/P5389/

空港に置かれた一台のグランドピアノ。そこに定点カメラが置かれている。通行人がピアノに気づき、ためらいがちに鍵盤に指を乗せる。試しにポロンと音を鳴らしたらもうだめだ。その人は吸い込まれるようにピアノを弾き始めてしまう。

この演奏が本当に素晴らしいのだ。弾いているのはもちろん無名の人たち。とてもピアノを弾くようには思えないような風貌の人から、驚くほど繊細な演奏が始まるというギャップにまず引き込まれてしまう。

趣味でピアノを弾くという人、数学者、アスリート、たまにコンサートピアニスト。空港や駅という演奏には似つかわしくない場でいきなり始まるピアノ演奏に、ある人は無関心に通り過ぎ、ある人は足を止めて聴き入る。人だかりができるという程でないのもまた良い。

演奏後にこれからフライトでどこに向かうのか、また自分とピアノとの思い出を語る。これから兵役に向かうという男性。ピアノがいかに自分の心を支えているかを語る女子高生。そしてあっけないくらい、すっと去ってゆく。そう、この人たちはあくまで通りすがりの人たちなのだ。

明日9日はオランダのユトレヒト中央駅。その次からはエストニアのタリン空港のシリーズが始まる。エストニアは言語的にほぼフィンランドなので、もはやフィンランド人にしか見えない。オスロ空港シリーズも素晴らしい!(再放送で何度もやっている)

オンエアは不定期で時間帯もいつも異なるのでご注意を!