19. 10 / 30
デジタルツール使いこなし入門!@TAGKEN
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sekimoto
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少し前に「キングオブ余計なお世話」こと、田口彰さんが代表を務めるTAGKENのオープンハウスに行った話を書きました。
田口さんと言えばアメリカ仕込みの(えげつない)デジタルツール使いとしても有名ですが、先日のオープンハウスでもその一端を見せて頂き、初めて見るようなデジタルツールの使いこなしに目を丸くしました。
そこで、是非弟子入りさせて下さい!とばかりに、今日はスタッフも連れてさいたま市にあるTAGKENさんにお邪魔してきました。弟子入りと見せかけて実は企業スパイをする気まんまんです。ふふふ…。
TAGKEN(田口建設)| http://www.tagken.co.jp/
もはや時代は3Dです。古来より図面は立体情報をいかに平面情報に変換するかであり、私などが大学で非常勤講師として学生に教えているのもそれです。
従って、建築教育を受けていない一般の人が、図面を見てありありと立体を思い浮かべることができたとしたら、相当の才能の持ち主と言えます。(正直、専門家でも少々怪しいときがありますので…)
少なくとも、建て主さんや現場の職人さんと情報共有をするのに、3Dをいかに使いこなすかはこれからの時代のマストアイテムになるに違いありません。
◇
田口さんはそんな平面の図面情報を3Dソフトで立体化し、それをレンダリングソフトにかけながら、リアルな陰影や素材感をそこに付加してゆきます。
この3Dレンダリング自体はかなり昔からありますので、それ自体はとりたてて新しい技術ではないのですが、何がすごいって時代のスピードと田口さんの使いこなしっぷりです。

田口さんの流れるような操作を見ていると、「これ自分でも今すぐにできるんじゃないかなぁ、、」と思わせてくれます。田口さんはPCソフトの実演と販売をさせたら、きっと売り上げ日本一になれると思います。
私は前のめりで、お勧めのソフトやPCの性能など聞きたかったことも聞きまくり。結果、うちのショボいPCの性能ではまったく話にならないことも判明…泣。

ここからがすごい。田口さんがかけているかぶりもの、そうVR(バーチャルリアリティ)です。よくテレビなどでやっていますね。ビルから落ちそうでキャー!みたいな。
私はまだ未経験でしたので、これを機に体験させて頂きました。これ本当にバーチャルに作られた空間の中を歩き回れるんですよ。正直もうちょっとショボい感じをイメージしていたんですが、全然違います。とにかくリアルなんです。実際の空間体験そのままという気がしました。
これは建て主さんと設計の空間を共有するのに役立つのは言うまでもないのですが、所内の設計検討にもかなり使えそうです。あまり大きな声で言えないんですが、図面でいくらシュミレーションしていても、実物ができると「あれ?」みたいな。これ以上は建て主さんに怒られちゃうんでやめときますが…。

そしてこれが360度カメラ、リコーの「シータV」。今回のお目当ての一つでした。
これを敷地や現場で撮影すると360度すべてぐるりと撮影できます。例えば、敷地に行くと我々は東西南北をぐるりとコマ送りのようにして写真を撮るのですが、意外と肝心なところが撮れていないことがあるんですよね。この写真の外にある部分はどうなっているんだろうとか。
このカメラで撮影すると、周囲はもちろん上から真下まですべて網羅して撮影が出来るのです。もう現場でも撮りこぼしなしです。ただ、このカメラで撮影するだけなら誰でもできるのですが、田口さんのここからの使いこなしがすごい。もったいぶって、ここから先はナイショということで笑
◇
私も昔からデジタル系ツールは大好きなもので、今すぐに取り入れたいものばかりだったのですが、いかんせんお金もかかるので(汗)導入できるところから少しずつ導入してゆきたいと思います。
直近で私に会う現場の人や建て主さんには、きっとドヤ顔で「こんなことできるんですよぉ」なんて、さも自分で考えたかのように田口さんの受け売りをすることと思います。リオタデザインの伸びしろはまだまだありますよ~!ということで今後も進化を続けたいと思います。
田口さん、今日はご丁寧にいろいろご教示頂きましてありがとうございました!!もしこのブログを見て、「私も教えてください!」といううちのライバル会社が来ましたら、高い指導料をふっかけて追い払うと良いと思います。
19. 10 / 11
返金依頼書
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sekimoto
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近々竣工する住宅に下げる輸入の北欧照明がありました。
コード長変更などもあり、納期に時間がかかるということで早めに入金を済ませて到着を待っていたのですが、納品予定時期になっても届きません。確認を入れると、なんと担当者が入金確認を怠っていたために発注が流れていなかったということがわかりました。
しかも運の悪いことに、その間に国内在庫がなくなってしまい、本国から取り寄せないといけないとのこと。発注時には国内在庫も確認して発注していたのに。そしてその納期が来年の4月になるとの説明…。
いやいや、そちらの不手際なのだから航空便でも使えば数週間で届くのでは?というと先方のメーカーからの回答なのだとにべもない答え。
仕方なくネットなどで探すと在庫のあるショップもあるようでした。納期に不安があったため、念のため信頼の置ける都内の某ショップに問い合わせると、そこにも在庫があり、結局そこで購入することになりました。お引渡しにも間に合い、建て主さんにも迷惑をかけずに済み、まずは一安心です。
先の担当者は自分のミスなのだから、上司に相談するなりして、手段を選ばず他で購入して納期に間に合わせるとか、いくらでも選択肢があったはずなのに、先のマニュアル通りの対応には落胆するほかありません。
まあ、いいです。社内の事情もわからなくもないし、ミスは誰にでもあります。この世界では珍しい話ではありません。
しかし、話はここからです。
注文をキャンセルし、入金済みの代金を返金して頂くようお伝えしたら、先方より「返金依頼書」というものが送られてきました。こちらに銀行口座を記入し署名捺印をして下さいとのことだったのですが、その文面を見て目を疑いました。
「なお、本件につき万一貴社に損害が生じました場合には、当社にて責任を負い、貴社には一切ご迷惑をおかけいたしません」
この文面での「当社」とは我々リオタデザインであり、「貴社」とは先方の商社さんです。あの、損害が生じてご迷惑をおかけされているのはこちらなんですけど…。
なんだか、我々が不条理なことを言って返金を迫るクレーマーであるかのような文面に、さすがにこれはないだろうと。これじゃお客さんも離れますよね。かつては隆盛を誇った大手商社さんなのですが、こういうところに会社の体質やほころびが出るような気がします。

【10月9日追記】 12日は中止致します
大型の台風が近づいているようです。
皆さまの安全を考慮しまして、10月12日(土)の開催分は中止とさせて頂きます。ご予定下さっていた皆様には大変申し訳ありません。
今のところ11日(金)の開催分につきましては決行の予定でおりますが、どうか気をつけて足を運ばれて下さい。なお、順延日も設定しました。以下の日程をご確認下さい。
新座市で計画を進めてきました住宅がまもなく竣工致します。建主さまのご厚意により、このたびオープンハウス(内覧会)を開催させて頂くことになりました。見学をご希望の方は、文末のメールのリンクよりご連絡下さい。
既存住宅の建て替え計画です。住宅が密集する路地奥の立地であることから、各居室を中庭を取り巻くように扇型に並べ、プライバシーを確保しながらも外部に開放的に開いたプランとしています。ご夫婦お二人のための住まいですが、ご主人の趣味のバイク空間や愛猫のための空間とを、建具の仕切り方によって可変的に距離感を調整しながら生活できるような作りとしています。
◇
【扇の家】 オープンハウス(内覧会)
日時:2019年
10月11日(金)13:00~17:00 ごろまで →決行致します
台風による影響を考慮し、順延日として以下日程を追加させて頂きます。
<追加内覧日程>
10月18日(金)13:00~17:00 ごろまで
10月19日(土)12:00~17:00 ごろまで
場所:埼玉県新座市
(東武東上線志木駅南口より徒歩10分)
設計監理:リオタデザイン
施工:松本建設
造園計画:小林賢二アトリエ
・建築関係者のみならず、一般の方もご見学頂けます。
・お子様をお連れの方はお渡しする手袋を着用の上、手を離さずにご見学下さい。
・見学は予約制ですので、ご希望の方は件名を「オープンハウス見学希望」として頂き、大体のお時間を以下アドレスまでメールください。追ってご案内をお送りします。
Email: info@riotadesign.com



今日は3月に竣工した宇都宮の「パーゴラテラスの家」の竣工撮影がありました。写真家は新澤一平さん。9月初旬に予定していた撮影が雨天で3回も延期され、今日はようやく快晴に恵まれました。
造園家・荻野寿也さんによる入魂のテラスを貫くアオダモも、豊かに繁っていて安堵しました。内部も建て主さんが本当に美しく暮らして下さっていました。撮影用ではなく、いつも通りの生活風景とのこと。意識の高さに頭が下がります…。
◇
意識の高さといえば、
うちは浴室の壁に木の羽目板をよく張るんですね。放っておいてもカビることは経験上あまりないのですが、過去に竣工した「TOPWATER」という住宅の建て主さんは、入浴後に毎晩浴室の木の壁を全面拭き上げるのだそうです。それが日課だと。
これはすごい建て主さんだと思い、その後「DECO」という住宅の建て主さんに(なかばネタとして)この話をしたら「え?うちもそうですよ」とさらりと返され、驚愕したことがありました。うちの建て主はどんだけ意識が高いんだと、これまたネタとして今日の「パーゴラテラスの家」の建て主さんにこのことをお話ししたら、「え?うちもそうですよ」とまたさらりと返され…。

そういえば「FP」の建て主さんは、毎日キッチンシンクを磨き上げ、シンクのトラップの水は呑めるとさえ(冗談交じりに)おっしゃっていましたっけ…。
すごい、もうすごすぎ。これは何かの修業ですか。
皆さんの意識が高すぎて、頭が下がるどころかもう土下座するほかありません…。
よく「建築家の住宅は美しすぎて、生活するにも緊張を強いられそうだ(だから自然体のふつうの家が良いんだよ)」というようなことが言われることがあります。
でも今日あらためて思いました。
我々は建て主さんを緊張させる意図なんてこれっぽっちもありません。でも建て主さんの我々が作った家に対する愛情や愛着は、我々の思惑をはるかに凌駕しているんですよね。皆さんむしろ住まいを大切に使うということ自体に、とても幸せを感じておられるようです。
今日の建て主さんも本当に幸せそうでした。それが本当に嬉しかったことです。住まいへの愛情はきっと自分に返ってくるんですね。
◇
アップした写真は私のカメラによるものですが、新澤さんの写真はこの数倍素晴らしいので、後日の仕上がりが楽しみです!


仕事でキャリアを重ねればその分仕事の質は上がってゆく。それは確かなことだと思うけれど、果たしてキャリアに比例して人は本当に成長し続けるのかと問われると、実はそうでもないのではないか。そんなことを最近よく思う。
キャリアを重ねると、経験則が判断を後押しするようになる。直感力が上がり、瞬時に判断ができるようになる。そして迷いがなくなる。
迷いがなくなると仕事のスピードは上がる。かつてはつまらない検討に半日を費やしてしまうこともあったのに、今は一瞬だ。迷う余地なんてない、だってそれしかないのだから。成功体験がその決断をより揺るぎないものにする。思えば「技術」というものは、成功体験の積み重ねのことを言うのだろう。
しかし技術(スキル)が上がると、それを持たない者との距離は開く一方だ。相手が何に悩んでいるのか、次第に理解できなくなる。向こうからすればどうしてそんなに簡単に答えが出るのか、そのことが理解できないに違いない。両者に横たわる溝は深刻だ。
大学の非常勤講師なども、教え方が確立できていなかった5~6年前が私の講師としてのピークだった気がする。技術は日々上がっていても、結果は必ずしも伴わなくなる。まるで引退を考えるアスリートのように。
先日仕事を崩したいという主旨のことを書いたのだけれど、そんな日々のことも心理の底にある気がする。経験は自分を助けてくれる。しかしそんな便利なショートカットは思考停止を招きやすい。それが人としての成長を止める。
それが老いだとするならば、仕事は自らの経験値の及ばない領域に向かってゆかなくてはならないのかもしれない。
キャリアを重ねると、経験則が判断を後押しするようになる。直感力が上がり、瞬時に判断ができるようになる。そして迷いがなくなる。
迷いがなくなると仕事のスピードは上がる。かつてはつまらない検討に半日を費やしてしまうこともあったのに、今は一瞬だ。迷う余地なんてない、だってそれしかないのだから。成功体験がその決断をより揺るぎないものにする。思えば「技術」というものは、成功体験の積み重ねのことを言うのだろう。
しかし技術(スキル)が上がると、それを持たない者との距離は開く一方だ。相手が何に悩んでいるのか、次第に理解できなくなる。向こうからすればどうしてそんなに簡単に答えが出るのか、そのことが理解できないに違いない。両者に横たわる溝は深刻だ。
大学の非常勤講師なども、教え方が確立できていなかった5~6年前が私の講師としてのピークだった気がする。技術は日々上がっていても、結果は必ずしも伴わなくなる。まるで引退を考えるアスリートのように。
先日仕事を崩したいという主旨のことを書いたのだけれど、そんな日々のことも心理の底にある気がする。経験は自分を助けてくれる。しかしそんな便利なショートカットは思考停止を招きやすい。それが人としての成長を止める。
それが老いだとするならば、仕事は自らの経験値の及ばない領域に向かってゆかなくてはならないのかもしれない。
