大学の前期2年生の住宅課題も無事終了。各課題が終わると、各班選出の学生が全体講評会に登壇します。学生にとって、この全体講評会に選ばれるというのは、実に栄誉あることなのです。

全体講評会は、発表する学生にとっても勝負の場ですが、学生達のわかりにくい説明(失礼!)をその場で聞いて、アドリブでコメントしないといけない講師陣にとっても真剣勝負の場となります。

学生が仕掛けてくるトラップの数々に我々は翻弄されます。

本当は主題はそこではないのに、あたかもそこにあるかのような説明をする学生。混乱した思考そのままに、これまでの試行錯誤の累積をすべて表現してくる学生。取捨選択ができない彼らはやっぱり論点がブレてしまいます。(結局やりたかったのは何?)

それを眉間に皺を寄せて、じぃっと読み込んでいくわけですね。
でもわからない。モヤモヤしてる。この案の要はいったいどこにあるんだろう?

ところがクリティックの口火を切る講師の切り口は実に鮮やかです。問題の所在をピンポイントで言い当て、あぁそこか!とか、うまいこと言うなぁ!と感心しながらついクリティックに聞き入ってしまいます。(聞き入ってる場合ではないのですが・・)

思うに、建築とはモヤモヤした抽象的な概念や問題点を、いかにシンプルな図式に置き換えるかということだと思うんですね。それが形なら建築ですが、言葉になれば批評となります。だから講評会の場というのは講師にとっても建築力を試される場なのです。

もっとも、アイコンタクトを交わしながらモヤモヤがスッキリに変わっているのは我々だけで、当の学生達にとっては依然として「何を言われているかサッパリわからない」という可能性も否めませんが・・。

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sekimoto

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大学の2年生第2課題の「住宅」が今日提出を迎えました。

学生にとって住宅設計ほど難しいものはないのではないでしょうか。美術館に馴染みのない学生がいたとしても、住宅を知らない学生はいないはずです。それなのに、彼らが一番難しいと口を揃えるのが住宅なのです。

人生経験の浅い彼らは、これまでの生活体験だけで空間を作ろうとします。実家の間取りが彼らに固定観念を植え付け、また生活実感の乏しさから、住宅とは本来どういう場所であるべきかという思考になかなか辿り着くことができません。

この点においては、我々のクライアントの方が専門教育を受けているはずの彼らよりも、よっぽど住宅の本質をわきまえていると言えるかもしれません。

根気強く指導したこともあり、プランニングは皆とても良くなりましたが、そこに生活のストーリーや”空間”を作れた学生は一握りでした。もっとも私も二年生の住宅課題など恥ずかしくて人に見せられるようなものではありませんでしたので、あまり偉そうに言えることではないのですが。

授業の最後に「建築」と「建物」の違いは何だと思うか?という問いをしました。この問いに答えはありません。私も今も考え続けていますが、その都度その答えは変化してゆきます。授業ではそんな私の考えを話し、放課後残った学生ともそんな話を続けました。

建築学科の学生であるならば、建築を作り続けてもらいたい。建築とは何かを考え続けてもらいたいと思います。

16. 05 / 20

全体講評会

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sekimoto

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昨日は非常勤を勤める日大2年生の全体講評会がありました。課題は「サードプレイス」。自宅でも、職場でもない、第三の場所(カフェなど)を作るというもの。うちのクラスからも2名を選出し、他のクラスの先生方にも講評をして頂きました。まさに”まな板の上の鯉”状態です。

まだ2年生ということで、発表の学生達も論理も破綻していたり、表現やプレゼンもまだまだな側面もあるのですが、企業に例えればまだ上場前のベンチャー企業のようでもあり、その奥底にマグマを蓄え、ちょっとしたきっかけで噴火してゆきそうな、そんなエネルギーを大いに感じました。

一方では、私の2年生の時などに比べれば、比較にならないくらいレベルの高い作品ばかりです。私も偉そうな顔でクリティックなどしていますが、本当は手放しですべて褒めちぎりたいくらいです。



最後には、各班の発表作品の中から優秀作品が2点選出され、来年の優秀作品集や夏のスーパージュリーへとエントリーされます。うちの班の学生は残念ながら選からは漏れてしまいましたが、この日の発表のために仕上げてきた作品はとても素晴らしく、次の第2課題でも期待が持てそうです。



次の第2課題はいよいよ「住宅」。大学2年生の通過儀礼であり、彼らにとっては最初で最後の住宅設計となる者も多くいることでしょう(高学年になると、美術館や地域センターなど公共建築の設計がメインとなります)。

私は住宅設計のスペシャリストですから、彼らにはより濃密に住宅設計の奥深さについて教えたいと思っています。ただ一方で、特定のクライアントを想定しない大学課題の住宅は、ある意味”住宅”ではないとも言えます。教え方に悩むところです。

昨日は放課後に残った学生を相手に、住宅の設計アプローチについて簡単なレクチャーをしました。私にとっては、こうして放課後に学生と触れあう時間が何よりも楽しく、濃密な時間が昨夜も過ぎていったのでした。リアルな設計の話が聞きたい学生は、放課後関本クラスに来ると、いいことあるかもよ!?

16. 04 / 14

エスキスが

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先週からはじまった大学の非常勤。関本クラスはお約束通り、いつもダントツのびりっけつ。定時になってもエスキスが終わりません。

迷える子羊たちはこう言うのです。プランが決まらないと。形が浮かばないと。どれどれと覗けば、メモ帳の片隅に、画用紙の裏側に、それさっき描いたでしょ?というようなテキトーな図面。スケールは無視。敷地線もなし。ちなみにそのテーブル直径5mはありますけど?

あのねえ。

これまで通算100軒くらいのプランをまとめてきたプロの私でも、ひとつのプラン考えるのにウンウン唸って3日とか1週間はかかるの。わかる?その間に何枚も、何十枚もエスキスするわけ。わかる?

それが、2年生の君たちが1時間くらい悩んで「できない」って、何それ。建築なめんな。

という話をしているから終わらない。
ほんと、建築なめんなって思うんだよね。

遅くまでやってると、昔教えていた学生がいろいろ会いに来てくれる。今日はM1の学生からニューヨークのお土産をもらいました。ぶんちゃんありがとう!

16. 02 / 16

ふたたび日大へ

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来期より母校である日大理工の非常勤講師に2年ぶりに復帰します。同じタイミングで着任となるのは同期の仲條さん(同期って言うと歳がバレると怒られるのですが…)、そして竹中の関谷さんとも実は同期になります。写真は同級生トリオということで。

私が初めて着任したのは今から8年前のことで、一昨年まで任期を6年務めさせて頂きました。着任当時は私も36で、講師陣の中でも最年少でしたが、今では半数くらいは同じか歳下になるのかもしれません(もっとも私よりも活躍されている方ばかりですが)。

時間を感じるといえば、私にとって初めての教え子だった加藤さんが助手になっていたり、当時助手だった長谷川さんと非常勤としてご一緒することになったり、はたまた同じく再任組の田井さんと顔を合わせたり、私よりも後に着任された先生を今度は見送る立場になったりと、時制入り乱れての感慨もありました。

今日も「ベテラン」と紹介されてしまいましたが、講師は何年やってもちっとも慣れませんし、全然うまくいきません。専任の先生は本当にすごいと思います。

でもごく一部の学生とは信頼関係が結ばれ、人間同士のお付き合いが今でも続いていることにやりがいと誇りを感じます。関係者の皆さま、引き続きの任期、ご指導をよろしくお願い致します。