フィンランドに行ったらたくさん買い物をするかと思いましたが、すでに家にあるものばかりなので、思いのほか買うものはなく、家に着いたらほとんどお土産以外買い物をしていなかったことに気づきました。
自宅用に買ったもので一番嬉しかったのは、駅前のSマートで買ったこのHellemaのクッキー。留学時代、朝食代わりにほぼ毎日食べていました。思い出の味です。
このクッキー本当においしくて、生地のサクサク感といい、チョコレートといい、あまりに絶妙でどうして日本で手に入らないのか不思議なくらい。もう一度ヘルシンキに行くことがあったら、このクッキーをもう一度食べたいとずっと思っていました。
しかし、それももう10年以上昔の話なので、さすがにもう無いかなと思いましたが、今回Sマートの棚にそれらしきクッキーを見つけた時は感動しました。パッケージは一新していましたが、Hellemaというブランドとクッキーの写真素材は当時のままでした。
日本に帰ってこれを食べた瞬間、これだ!と思いました。
不思議なもので、ヘルシンキの街の風景を見たり旧い友人達に会うと、懐かしさもありますが、それは一瞬のことで、次の瞬間には昨日もそのまた以前もずっと会っていたような既視感を覚えたんですね。ところが、懐かしい食べ物を食べると、ピンポイントで記憶が遡るんです。
今回の旅でなぜか一番「ああ、フィンランドだ!」と感じた瞬間でした。しかも帰国後に。しかもHellemaはフィンランドではなく、実はオランダのクッキーという笑
ヘルシンキに行ったら、是非Hellemaを。オランダですが。
16. 04 / 02
ヘルシンキへ
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sekimoto
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とうとうフィンランドに帰ってきました。我々にとっては実に11年ぶりの”里帰り”になります。
今の私がいるのは、すべてフィンランドのおかげです。建築に、人生に必要なすべての事を私はフィンランドから学びました。ヘルシンキでのわずか3日間は、かつての思い出のトレースと、現地に住む旧友達との時間であっという間に費やされていきます。なんという幸せな時間。
あっという間に空白は埋められ、これまでも、これからもずっとヘルシンキでの生活が続いてゆくかのような錯覚を覚えます。こここそが我が家。ヘルシンキは私にとって永遠に心の故郷であり続けることでしょう。
Kiitos kaikille!
今回ノルウェー行きの目的のひとつは、ノルウェーが生んだ巨匠建築家スヴェレ・フェーン(Sverre Fehn)の建築を見ることでした。オスロから日帰り圏内のハーマルには、フェーンの最高傑作と言われるヘドマルク博物館があります。
少ない滞在期間の1日をこの建築を見るために確保し、直前にサイトで詳細を調べてみると、どうやら3月は閉館しているらしい?ということがわかりました。このために来たのに・・と途方に暮れましたが、諦めきれずに駅のインフォメーションで聞いてみると「今も開いている」との答えが。
これは朗報!と予定通り、今日は片道1時間半の鉄道に揺られてハーマルまで足を延ばすことにしました。
ところがこのヘドマルク博物館、とんでもない場所にあるんですね。駅についても案内もなにもありません。バスの運転手さんに聞きまくって、ようやく辿り着きました。(めちゃくちゃ寒かったです!)
ところが・・。現地に着いてみると閑散としているんですね。たまたま通りかかった人に聞くと、今の時期はクローズだとの答えが。
え!?やっぱりそうなんだ。はるばるここまで来たのに・・。それでも諦めきれずに、建物の外をぐるぐる回っていると中に人の気配が。
どうやら博物館の学芸員はオフシーズンも仕事をしているようです。この学芸員の方に声をかけ、事情を話してお願いすると「しょうがないわね」という感じで、中に入れて頂くことができました。ほぼ貸し切り状態で、しかもつきっきりでガイドまでしてくれるという幸運!
これが日本ならあり得ないでしょうね。クローズの日にスタッフの独断で外国人を入れてしまうのですから。北欧の人はこういう融通の利かせ方が素晴らしいといつも思います。
余談ですが、昨日市内の美術館の受付でフリーチケットをなくしてしまい、ポケットを探って焦っていると、入場料も取らずに入れてくれたということもありました。北欧のこういう(良い意味で)ゆるいところが、私は大好きです。
ヘドマルク博物館は、二つの建築によって成り立っています。ひとつは800年前のカテドラルの遺構を、ガラスですっぽりと包み込んだシェルター(上の写真)。こちらの設計はフェーンではありません。
そしてもう一つが、司教の要塞跡を復元し、なおかつそこに現代建築を挿入して博物館として蘇らせたカテドラル博物館。こちらがフェーンの設計によるものです(トップの写真も)。
遺構と現代建築が見事に調和した佇まいに鳥肌が立ちました。単に遺跡を残すということではなく、それを手がかりにしてまったく新しい建築を作りだしているという点において、見たことのない空間でした。
フェーンは同じ北欧でも、アールトよりはイタリアのカルロ・スカルパのような空間に近いと感じました。それは今回の遺構がそのように見せているのか、本当はそうではないのか、他の建築も見て判断しないといけませんが、今回はフェーンの作る建築に触れる大変貴重な機会となりました。
これでオスロに思い残すことはなさそうです。
ちなみにこのように書くと、家族はどうしているのかと不思議に思われるかもしれません。
こうした建築を巡る旅は、我が家では普通のことなので文句を言われることはありません。息子もずっとカメラで写真を撮っていました。奥さんも建築を見るのが好きのようです。家族には感謝しないといけません。
16. 03 / 30
オスロへ
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sekimoto
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> 旅行
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ノルウェーのオスロにいます。
この一週間をつくるために、この3ヶ月間スケジュール調整に明け暮れました。家族を連れて11年ぶりの北欧、そしてノルウェーは初めての国です。
オスロはヘルシンキとも、ストックホルムとも違う街です。印象をひとことで言うと「静かな街」。街を歩いていても、お店に入っても、オスロ中央駅であっても、人はいるのにざわざわ感がない。寂しさや廃れ感とは全く違う、活気のある静けさ。大人の街という気がします。
一般に「北欧」と一括りにされますが、アジアの中でも日本と韓国と中国が違うように、北欧の国々はそれぞれ異なる文化や国民性を持っています。それでもやっぱり、私は北欧の国に共通して理屈を越えた共感と居心地の良さを感じるのです。
「ああ私の国がここにある」という感覚。この深い根はどこにあるのだろう。
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