合わせるべきは屋根か、はたまた外壁か…。

軒どいの色を決めるときに、いつも悩みます。屋根や鼻隠しの色は濃いめの色で引き締めたい。しかし外壁は明るい色にしたい。軒どいをこげ茶にして、縦どいも共色にすると白い外壁にこげ茶色の縦どいのシルエットが入ってしまう。それならばと縦どいをシルバーにすれば、折角引き締めた軒先のラインもシルバーに…。

それなら軒どいと縦どいの色を変えればいいじゃないかと思うでしょう?そこのアナタはわかっていない。街を歩いていると軒樋と縦どいの色を変えている家をよく見るのですが、これがことごとく失敗している。とってもみっともないことになっている。

原因はおそらく縦どいと軒どいとのジョイント部。ここがすっきりしていないから、そこにどうしても目が行ってしまう。

現在進んでいる現場でもまたこの問題にぶつかりました。またこの問題か…。うんざりしながらどうしようかと悩んでいると、ふと去年の暮れにタニタハウジングウェアに訪問した際に見せられた、とある試作品のことが頭に浮かびました。それは同社のスタンダード半丸のトレードマークであるラッパ型の集水器ではなく、T形のジョイントにしたパーツでした。

これどう思いますか?と訊ねられたものの、正直私は現行のラッパ型集水器が気に入っていたので、これをどういう状況で使うのが良いかわかりませんでしたが、今はっきり理解しました。そうか、こういう時に使うんだ!

ジョイント部のサンプルを急遽取り寄せて現場に当ててみると、想像以上に良い感じ。実際に取り付けてもらいましたが、言わないとわからないくらいに馴染んでいる。長年の問題が今一気に解決した感じ!たぶんこういう用途に開発した商品ではなかったのかもしれませんが、今後はうちのスタンダードになるかもしれません。

この「T形ドレン」は、スタンダード半丸のラインナップに今年の5月末から加わっているようですよ。

今月はじめに、セミクローズにて「大屋根の家」の内覧会を実施させて頂きました。こちらは”家”としていますが、建物としてはお寺の増築で寺務棟にあたるものになります。

この建物でも、雨どいなどにタニタハウジングウェアさんの製品をいくつか(かなり?)使っていますが、この内覧会の最終日にタニタハウジングウェアのスタッフさん達がいらして、こちらの建物の動画(おもに外観)を撮影下さいました。

今後タニタさんでもこのような動画紹介コンテンツを増やしてゆく予定とのことで、そのテストケースとしてうちの建築を選んで下さったようなのですが、そこはタニタ社員、ただのテストで終わらせないところが憎い(笑)。いろいろ編集を駆使して、なかなか本格的な作りになっています。

動画撮影したいという話が、当日いきなり出演して欲しいということになって、即興的に谷田社長と対談しながら今回の屋根板金の特徴や、板金業界に物申すみたいなこともしゃべってます。そして、ちょっと挙動不審。

どうかご笑覧下さい。


このブログの右側のカテゴリに、さりげなく「タニタハウジングウェア」というカテゴリがあるのをお気づきでしょうか。設計事務所なのにメーカーさんの企業名でカテゴリを作ること自体が異例だと思いますが、これは過去にある製品の開発プロセスに関わったことがきっかけとなっています。

その製品とは何かというと[ensui]というくさり樋で、今では複数の設計案件で採用している、うち定番のくさり樋となっています。そんなensuiがこのたび「板橋製品技術大賞・優秀賞」を受賞されたそうで、それを記念してこちらの製品開発にかかわるオンラインセッションをやりましょうということになりました。


タニタハウジングウェア・オンライン限定セッション
『開発・デザインの裏側とプロダクトの未来』

日時:2020年12月23日(水)19:00~
開催方法: ZOOMウェビナー
参加費: 無料
登壇者: 若原一貴(若原アトリエ) × 関本竜太(リオタデザイン)
参加方法:
詳しくはこちらより
http://www.tanita-hw.co.jp/mail/20201209/


一緒に登壇する若原一貴さんもまた、私と同様にensuiの開発に陰ながら関わった建築家の一人です。たまたまですが、若原さんとは生まれ年も同じ(1971年)で、同じく日大出身。とはいっても私は理工学部で若原さんは芸術学部ですが。

そんな同級生コンビでセッションしたいと思います。くさり樋のセッションなんて前代未聞ですが笑、ご興味ある方は是非ご参加下さい。こちらのensui開発の裏側を読んだら、ちょっと参加したくなるかも!?

https://www.riotadesign.com/blog/sekimoto/tanita/page/3
(一番最初まで遡ってご覧下さい)

そんな告知まで!


以前、タニタハウジングウェアさん主催の「屋根のある建築作品コンテスト」の住宅部門において、「緩斜面の家」で優秀賞を受賞したことをブログで書きましたが、土曜日はその授賞式がありました。

ところが、当日私は別に北欧建築・デザイン協会主催のクリスマスパーティがあり、私は企画の総責任者ということもあり、どうしても授賞式に出席することが適いません。

どうしよう!ああ、こんな時に自分のコピー人間がいれば…。

ということで、スタッフの矢嶋くんに私のお気に入りの水玉シャツを着てもらい、本人として授賞式に列席してもらうことに。この替え玉作戦がまんまとはまり、「関本=水玉シャツ」と思っている多くの方には全く気づかれませんでした。

…というのはまっかな嘘で、審査員の伊礼さんには思い切りツッコまれたようです笑。でもスタッフが私の水玉シャツを着てきたということで、会場は大盛り上がりだったとか。ヨカッタ!


週明けに列席したスタッフより、受賞の盾と副賞?の”蝶ネクタイ”を渡されました。この蝶ネクタイ、どんなのかと言いますと、


なんと、タニタハウジングウェアさんの商品で、私も試作に関わったensuiというくさり樋でできた蝶ネクタイ!さすがタニタさん、ユーモアが効いています。

これ、オリジナルはnugi-tiechoという、手ぬぐいを蝶ネクタイにするという蔵堂さんが出しておられるアイテムなんですね。蔵堂さんというのも、雑貨屋さんではなくて居藏さんという方がやっておられる工務店さんだという、これもまたユニークな話なのですが。

ということで、あらためて水玉シャツとensui蝶ネクタイを身につけ、盾を手にパチリ!タニタハウジングウェアさん、また伊礼さんをはじめとした審査員の皆さま、素晴らしい賞を本当にありがとうございました!




吉報を頂きました。
タニタハウジングウェアさん主催の「屋根のある建築作品コンテスト」の住宅部門におきまして、「緩斜面の家」が優秀賞を受賞致しました。



審査結果と審査評はこちらより
http://www.tanita-hw.co.jp/about/tanitacontest2017/result1.html

応募総数はなんと321点ということで、その中の3点に選んで頂けたということは大変光栄なことです。上記リンクでは、審査委員の伊礼さんからも光栄なお言葉を頂きました。どうもありがとうございました。


うちの住宅は、正直コンテストやメディア向けではないと思っています。コンテストに入賞する住宅やメディアに載りやすい住宅というのは、コンセプトが分かりやすく徹底されているものが選ばれやすい傾向があると思います。

でも一方でコンセプトを分かりやすく徹底してゆくと、その”正論”からこぼれ落ちてゆく、割り切れない建て主の思いや矛盾も出てきます。人間は理屈で割り切れるほどわかりやすい生き物ではありません。私の設計はそういうものを細かく拾いあげてゆく設計なのだとよく思います。だから焦点はぼやけるし、わかりにくくなる。

でもいろんな諸条件や建て主の思いと世間の評価とが、ロイヤルストレートフラッシュのようにピタリと嵌まる瞬間もあるのです。こんなことは長く仕事をしていてもそうは多くないし、それを求めてもいけないと思っていますが、この「緩斜面の家」はそんな私のキャリアの中でも、特にいろんなことが嵌まった私の代表作であることは間違いありません。

緩斜面の家
https://www.riotadesign.com/works/13_kanshamen/#wttl

今回のそもそものきっかけとなっている建て主Mさんとの出会いに感謝すると共に、選んでくださった審査員の伊礼さん、堀さん、そしてタニタハウジングウェアの関係者の皆さまにも心より感謝致します。