我々の活動の原資となるモチベーションには、誰にでもわかる「わぁすごい」と、わかる人にはわかる「おぉすごい」とがあるような気がしています。
昨年11月に竣工した「越屋根の家」の向かいに改修設計をした納屋が完成したタイミングで、タニタハウジングウェアの皆様をご案内させて頂きました。様々な切り口のある建物ですが、その一つの切り口である「板金」という側面について、わかる人に見てもらいたかったからです。
谷田さんを通じて希望者を募って頂いたら、17名もの社員さんがお越し下さいました。「今日は休みなんですか?」と思わず聞いてしまったのですが、バリバリ営業中とのこと。お忙しい中会社をもぬけの殻にさせてしまい申し訳ありません!
しかし、自社製品とはいえ、こんなに嬉しそうに外装のZiGをご覧下さる様を見て、ご案内の機会が設けられて良かったと思いました。
メーカーさんは時に誰のために製品を作っているのか、見失う瞬間があるような気がするのです。届ける先はどこなのか?工務店なのか、設計事務所なのか。発注先や採用権者に届けるのなら工務店であり、設計事務所なのでしょうが、我々がそうであるように、本当に届けなくてはいけないのは依頼主である建主さんであるはずです。
そんな当たり前の事実と、実際の建物の佇まいがどうであったかを胸に刻むことは、きっとその後の製品開発にも活きてくることと思います。
この日の最後の懇親会ではそんな熱い会話が飛び交う場となりました。また初対面であった真壁智治さんにもお越し頂き批評を頂けたことも励みとなりました。取り仕切ってくださった代表の谷田泰さんにも感謝です!こちらもありがとうございました。
昨日は今期部会長を務めるJIA住宅部会による6月の特別企画、タニタハウジングウェア社屋見学とあわせた、板金職人新井勇司さんによる特別実演レクチャー付きの板金勉強会を実施しました。
まずはタニタHW謹製の人工降雨装置「フラセール」にて、軒先における雨の戻り方、葺き方の違いによる雨の流れ方の違いなどを学習。そののち実際に板金を切ったり折ったりのワークショップを実施しました。
板金の板厚t0.4と0.35は(折っても曲げても)全然違うということは、頭では知っていても体感として落としていないと現場での説得力がなくなってしまいます。そしてなんといっても、簡単そうで奥の深い立はぜ葺きの世界!
私が知る限り、もっとも最高峰の軒先処理である”リオタハゼ(新井さんが命名)”を全員で折らせて頂きました。
この処理はプロの板金屋さんに言っても上手く出来る人は少ない技術なのですが、新井さんの指導のもと、なんと全員リオタハゼの作り方をマスターするという神回でした。次からは現場でも参加メンバーは「俺でも出来る」と豪語できることでしょう!
懇親会では住宅部会名物、中澤さんによる生ハムスライスと、前日に採ってきたばかりのアサリの酒蒸しが振る舞われました。もう何年ぶりだろうというくらいのリアル懇親会も賑やかに盛りあがって、涙が出そうなくらい嬉しくまた楽しい時間となりました!
タニタハウジングウェアの皆さま、新井勇司さん、本当にありがとうございました!部会の皆さま、お疲れさまでした。
合わせるべきは屋根か、はたまた外壁か…。
軒どいの色を決めるときに、いつも悩みます。屋根や鼻隠しの色は濃いめの色で引き締めたい。しかし外壁は明るい色にしたい。軒どいをこげ茶にして、縦どいも共色にすると白い外壁にこげ茶色の縦どいのシルエットが入ってしまう。それならばと縦どいをシルバーにすれば、折角引き締めた軒先のラインもシルバーに…。
それなら軒どいと縦どいの色を変えればいいじゃないかと思うでしょう?そこのアナタはわかっていない。街を歩いていると軒樋と縦どいの色を変えている家をよく見るのですが、これがことごとく失敗している。とってもみっともないことになっている。
原因はおそらく縦どいと軒どいとのジョイント部。ここがすっきりしていないから、そこにどうしても目が行ってしまう。
現在進んでいる現場でもまたこの問題にぶつかりました。またこの問題か…。うんざりしながらどうしようかと悩んでいると、ふと去年の暮れにタニタハウジングウェアに訪問した際に見せられた、とある試作品のことが頭に浮かびました。それは同社のスタンダード半丸のトレードマークであるラッパ型の集水器ではなく、T形のジョイントにしたパーツでした。
これどう思いますか?と訊ねられたものの、正直私は現行のラッパ型集水器が気に入っていたので、これをどういう状況で使うのが良いかわかりませんでしたが、今はっきり理解しました。そうか、こういう時に使うんだ!
ジョイント部のサンプルを急遽取り寄せて現場に当ててみると、想像以上に良い感じ。実際に取り付けてもらいましたが、言わないとわからないくらいに馴染んでいる。長年の問題が今一気に解決した感じ!たぶんこういう用途に開発した商品ではなかったのかもしれませんが、今後はうちのスタンダードになるかもしれません。
この「T形ドレン」は、スタンダード半丸のラインナップに今年の5月末から加わっているようですよ。
今月はじめに、セミクローズにて「大屋根の家」の内覧会を実施させて頂きました。こちらは”家”としていますが、建物としてはお寺の増築で寺務棟にあたるものになります。
この建物でも、雨どいなどにタニタハウジングウェアさんの製品をいくつか(かなり?)使っていますが、この内覧会の最終日にタニタハウジングウェアのスタッフさん達がいらして、こちらの建物の動画(おもに外観)を撮影下さいました。
今後タニタさんでもこのような動画紹介コンテンツを増やしてゆく予定とのことで、そのテストケースとしてうちの建築を選んで下さったようなのですが、そこはタニタ社員、ただのテストで終わらせないところが憎い(笑)。いろいろ編集を駆使して、なかなか本格的な作りになっています。
動画撮影したいという話が、当日いきなり出演して欲しいということになって、即興的に谷田社長と対談しながら今回の屋根板金の特徴や、板金業界に物申すみたいなこともしゃべってます。そして、ちょっと挙動不審。
どうかご笑覧下さい。
この建物でも、雨どいなどにタニタハウジングウェアさんの製品をいくつか(かなり?)使っていますが、この内覧会の最終日にタニタハウジングウェアのスタッフさん達がいらして、こちらの建物の動画(おもに外観)を撮影下さいました。
今後タニタさんでもこのような動画紹介コンテンツを増やしてゆく予定とのことで、そのテストケースとしてうちの建築を選んで下さったようなのですが、そこはタニタ社員、ただのテストで終わらせないところが憎い(笑)。いろいろ編集を駆使して、なかなか本格的な作りになっています。
動画撮影したいという話が、当日いきなり出演して欲しいということになって、即興的に谷田社長と対談しながら今回の屋根板金の特徴や、板金業界に物申すみたいなこともしゃべってます。そして、ちょっと挙動不審。
どうかご笑覧下さい。
このブログの右側のカテゴリに、さりげなく「タニタハウジングウェア」というカテゴリがあるのをお気づきでしょうか。設計事務所なのにメーカーさんの企業名でカテゴリを作ること自体が異例だと思いますが、これは過去にある製品の開発プロセスに関わったことがきっかけとなっています。
その製品とは何かというと[ensui]というくさり樋で、今では複数の設計案件で採用している、うち定番のくさり樋となっています。そんなensuiがこのたび「板橋製品技術大賞・優秀賞」を受賞されたそうで、それを記念してこちらの製品開発にかかわるオンラインセッションをやりましょうということになりました。
◇
タニタハウジングウェア・オンライン限定セッション
『開発・デザインの裏側とプロダクトの未来』
日時:2020年12月23日(水)19:00~
開催方法: ZOOMウェビナー
参加費: 無料
登壇者: 若原一貴(若原アトリエ) × 関本竜太(リオタデザイン)
参加方法:
詳しくはこちらより
http://www.tanita-hw.co.jp/mail/20201209/
◇
一緒に登壇する若原一貴さんもまた、私と同様にensuiの開発に陰ながら関わった建築家の一人です。たまたまですが、若原さんとは生まれ年も同じ(1971年)で、同じく日大出身。とはいっても私は理工学部で若原さんは芸術学部ですが。
そんな同級生コンビでセッションしたいと思います。くさり樋のセッションなんて前代未聞ですが笑、ご興味ある方は是非ご参加下さい。こちらのensui開発の裏側を読んだら、ちょっと参加したくなるかも!?
https://www.riotadesign.com/blog/sekimoto/tanita/page/3
(一番最初まで遡ってご覧下さい)
そんな告知まで!
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