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sekimoto

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私は「関本さん」と呼ばれるのがあまり好きではない。
もちろん私は「関本さん」なので、そう呼ばれることは間違いではないのだけれど、私は「関本さん」よりも「リオタさん」と言われた方が嬉しい。関本は私のファミリーネームだけれど、リオタ(フィンランド時代のニックネーム。Ryota⇒Riota)は私だけの名前だからだ。

リオタデザインという事務所名にした時はそこまで考えていなかったけれど、独立後、結果的に私は「リオタさん」と呼ばれることが多くなった。呼んでいる方の多くは私のことというより、リオタデザインを短縮してそう呼んでいたりするのだけれど、そう呼ばれると私は少し嬉しくなる。

フィンランドでは、私はずっと「リオタ」だった。あの国で苗字で呼ばれることなどほとんどない。目上の人だろうと、大学の先生だろうと、呼び合うのはファーストネームだ。そのフラットさが好きだった。出自や肩書を離れて、相手のパーソナリティと直接繋がれるような気がするからだ。

そんなことをずっと考えていたのだけれど、この夏スタッフが入れ替わったことを機に、所内でもファーストネーム制を導入することにした。私のことを「関本さん」と呼ぶことを禁止した。スタッフも苗字じゃなくて下の名前で呼ぶことにした。

ある日突然そう宣言したので、最初はスタッフも戸惑いぎこちない空気も流れたけれど、1週間もするとすっかり馴染んだ。

相手を下の名前で呼ぶと、急に親近感が湧くから不思議だ。スタッフも「部下」というより「仲間」という感じになる。そして「リオタさん」と呼んでもらうと、やはり「上司」感がなくなってフラットになるように感じる。スタッフもお互いを下の名前で呼び合うようになった。

これはやってみると劇的ともいえる効果があって、所内の風通しや雰囲気は格段に良くなったように感じる。私も立場上彼らに厳しいことを言うこともあるけれど、下の名前で呼べばフォローもしやすくなる。

この夏休みは、オープンデスクの学生もみんな私のことを「リオタさん」と呼んだ。私も相手の名前は下の名前で。これは最高!お互いすぐに打ち解けるし、緊張していた学生も一気にほぐれてくれる。

私が理事を務めるSADI(北欧建築・デザイン協会)では、理事にも大学の名誉教授のような重鎮の方がたくさんいらっしゃるのだけれど、相手に「先生」をつけるのはやめようと”先生”自らが言い出し、すべての理事が「さん」付けになった。こんな組織って素晴らしい。世の中、地位や肩書にしがみついている人たちばかりだからだ。

結婚すれば苗字も変わるけれど、人としての本質は変わらない。だから職場でも下の名前を標準にすればいいのにと思う。いちいち言い訳しながら旧姓を名乗る必要もないわけだし。苗字も肩書も世間体も外して、もっと人と人とがフラットに、そしてフレンドリーにつながる世の中になれば良いのにと思う。

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先週末は打合せで終わりで、スタッフとともにAround Architecture(佐竹邸)へ。ちょうどTOTETSUの古渡大さんの個展をやっていました。

古渡さんは鉄工作家さんと呼べば良いのか、イラストレーターさんと呼べば良いのか。最近ではイラストの方が売れっ子のようです。設計事務所あるある、建築学科あるあるのイラストが結構笑えます。

似顔絵を描いてくれるというので、スタッフ共々その場で描いて頂きました。今まで似ているイラストを描いてもらったことのない私ですが、どうでしょう似てますか?スタッフもなかなか特徴を捉えていますよね笑

5月に入社した新スタッフ、佐藤惇生くんのスタッフ紹介も以下にアップしました。すでにバリバリと仕事をこなしてくれるとても頼もしい存在です。上の似顔絵では、彼が一番良く似ていると評判です。皆さまもどうかよろしくお願いします!

STAFF紹介
https://www.riotadesign.com/about/


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スタッフの今村文悟くんが、本日をもって退所することとなりました。これまでお世話になりました関係者の皆さまには、彼に代わりまして私より深く御礼申し上げます。

彼の在籍期間はちょうど丸4年ほどでしたが、寡黙なキャラクターでしたがリオタデザインには欠かせないスタッフで、私の感覚ではすでに5~6年ほど勤めていたかのような錯覚があります。

誰に対しても優しく、彼が怒ったところを見たことがないという人がほとんどではないでしょうか。仕事では黙々と打ち込むタイプで、面倒な申請や難しい技術案件なども、根気強く調べて対応してくれていたことが印象に残っています。

彼の担当案件は、岩田と新しく入った佐藤(彼の紹介はまた後日に)とで引き継がせて頂きます。また送別会は来週に行う予定ですが、まずは区切りということで。

4年間お疲れさまでした!
献身的で辛抱強い仕事にいつも助けられていました。これまで本当にありがとう。今後の活躍に期待しています!

23. 05 / 09

春のパンまつり

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sekimoto

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先月退社したスタッフが、山ほどパンを抱えてやって来ました。

これまでのお礼にと、自分の人生で一番美味しかったパンたちだそう。ダンディゾンにTRUFFLE、これは確かに自分じゃ買わないな。それに「そうだ、パン買って行こう」という発想もすごくいい。

ユニークな感性のスタッフでしたが、最後まで彼女らしくて、いなくなったら急に寂しくなってしまいました。

またパンを抱えて遊びに来てくださいね!



少し前に、うちの事務所の元スタッフでもある柴秋路くん(akimichi design)から連絡がありました。彼が改修設計を手がけた「北鎌倉の舎」が、エクスナレッジから出る新しいムック本に収録されるとのこと。しかも巻頭に掲載になるということで彼もとても喜んでいました。そんな掲載誌が昨日手元に届きました。

『時を重ねる家』
https://amzn.asia/d/iry40HY

この「北鎌倉の舎」は竣工当時私も見学させて頂きましたが、彼らしい美意識に貫かれた、丁寧な素晴らしい仕事でした。本書を手に取ってやはりと思ったのは、彼だけでなくその建て主の美意識も素晴らしいということ。

一般的には、建て主から見たら住まいは設計者のセンスに委ねられると思われがちですが、私からすると建て主は触媒のようなもので、その化学反応によって設計者の能力は何倍にもなりますし、なんなら違う物質にすらなってしまうものです。

引き渡されたのちに、ご自身で手を入れられたというお庭や、置かれている小物すべてに愛着と美意識が感じられ、柴くんは素晴らしい建て主と出会ったのだなと本当に嬉しく思いました。

柴くんはもう10年以上も前にうちに在籍していたスタッフです。出会いは私が手がけたカフェの常連さんだったということから、カフェのオーナーが引き合わせてくださったのでした。

初期の仕事でも彼との協働は数多くありますが、当時最も苦労した仕事のひとつであった築70年超の住宅再生「池上の家」は、私にとってもそうですが、彼にとってもその後改修の仕事を多く手がけてゆく上でベンチマークになったのではないかと思います。その後彼とも「あれを経験したら、もう怖いものはないよね」とよく笑いあったものでした。

うちから独立して事務所を構えるスタッフは多くいますが、彼は早くから”リオタデザイン”から抜けだし「自分らしさ」を確立していったように思います。私は彼を高く評価していましたが、なかなか継続的な好仕事に恵まれずに苦労している様子も見ていましたので、今回の掲載を本当に自分のことのように嬉しく思っています。

うちから独立したスタッフたちは、経歴にリオタデザインの名前を誇らしく冠してくれているようです。
過去にある独立したスタッフからは「しばらくはリオタデザインの名前で食べていきますので、関本さんももっと活躍してください!」と言われて、おまえの実力じゃないんかい!とツッコんだことがあるのですが、これからは「最近活躍している○○って、あれうちの元スタッフなんだよね」と積極的に弟子自慢をしてゆきたいと思います。笑

柴くん、もっと有名になって僕を食べさせてくださいね!

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柴 秋路(あきみち)|akimichi design
https://akimichi-design.com/

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