15. 08 / 28
DVD取材
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sekimoto
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今日は「建築知識」の動画取材で寄居の緩斜面の家と、草加の隅切りの家へ。埼玉県内を縦横無尽。クライアントの皆さま、ご協力を下さいまして誠にありがとうございました。
取材は11月号の屋根特集に付属するDVDの撮影で、リオタデザインの住宅を私が自ら現地解説するというもの。9月号に引続いての動画取材です。
緩斜面の家と隅切りの家は、もう既にいくつもの媒体にご紹介させて頂いていますが、空間の見所もさることながら、いつ行っても美しく設えて下さっていることや、取材にもいつも快くご対応下さるので、ついつい私の方も推薦の言葉が出てしまいます。おのずと取材が重なる結果となるわけですが、いつもご負担をおかけして申し訳ありません…。
(しかも隅切りの家では、むちゃ振りでクライアントのインタビューまで…)
それにしても最近はこの手の取材協力が多くなってきました。普通のカメラならまだしも、動画のカメラを向けられると以前は頭が真っ白になっていましたが、最近はずいぶん慣れました。来週はスタジオ収録です。
だんだん、職業が変わりつつあるのを感じます。

15. 08 / 22
建築知識9月号・DVD解説
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sekimoto
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現在発売中の「建築知識9月号」(エクスナレッジ)はRC造特集ですが、こちらに付属のDVDにて現場解説を担当させて頂きました。
現場はまもなく竣工のA-FLATです。現場からは、現場監督の小原さんがアルミサッシュ取付けの解説を行っているほか、私はLGS(軽量鉄骨間仕切り)や二重床、内部打放しの補修などについて解説させて頂いています。
オマケとして現場定例の様子なども。
(DVDの17:50頃からA-FLATの現場取材分となります)

といっても、一般の人にはマニアックすぎる内容なので、おそらく手に取られる方はいらっしゃらないと思いますが、建築関係者で9月号を手に取られた方は、是非DVDの方もご覧下さい。
正直言うとですね…、私も雑誌に付属のDVDというのはあまり見ないんですね。
今回もまあどれだけの人に見てもらえるかはわかりませんが、これ見ると意外と面白くて結構勉強になるんです。知っているようで知らない内容もいろいろあります。
内容としては現場の基礎知識的なものですが、設計事務所スタッフの方などはこれで良く勉強して頂ければと思います。
また予告となりますが、11月号のDVD企画でもまた解説を担当させて頂く予定です。こちらは木造屋根特集ということで、気になる”あの方”とも共演させて頂く予定。こちらもどうかお楽しみに!

15. 07 / 22
『北欧とコーヒー』
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sekimoto
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ライター・萩原健太郎さんの新刊「北欧とコーヒー」の献本が送られてきました。こちらでは、「北欧・コーヒーを愛する人たち」というコーナーで健太郎さんにインタビュー取材を頂きました。
「北欧とコーヒー」 萩原健太郎・著 (青幻舎)
同著では、ほかにも私の設計したカフェmoiの店主岩間洋介さんや、moiのオリジナルカップEclipseをデザインして下さった梅田弘樹さんも登場します。
思えばmoiを荻窪(現在は吉祥寺に移転)に設計して、早13年が経とうとしています。岩間さんも、梅田さんもそれぞれのスタンスでこれまで自身の仕事を積み上げて来られたわけですが、同じ本に3人が集うというのはおそらく初めてではないでしょうか(紹介のパートは異なりますが)。私はちょっとした同窓会気分です笑。

ところで、いつから「北欧=コーヒー」になったのでしょうか。
私が留学中は、”北欧のコーヒーはまずい”が留学生の間では合言葉でした。ついでに言うなら、北欧の料理もまずい、と。ところが友人の森百合子さんも「北欧のおいしい話」という本を出していますし(これを読むと実際においしそう!どこにそんなものが?と思うくらい)、ノルウェーのコーヒーチェーン、フグレンの進出もあってか、今では北欧のコーヒーはおいしい、おしゃれ、がキーワードになりつつあるようです。
実際、世界一のバリスタを決める大会で上位を独占するのは北欧勢ばかりという時代です。しかし私が当時フィンランドで呑んでいたのは、すっぱくて煮詰まった、場末の喫茶店で出てくるような代物でした。牛乳で半分くらいうめないと飲めない。だから、カフェにはどこも牛乳がジャグに入ってドンと置いてあるのでした。
いや、きっとその文化(?)はまだ残っているに違いないと思うのですが、この本に出てくる”北欧通”たちはみなこぞって、この「煮詰まった酸っぱいコーヒー」の話をしていて、私にとっては「そうそう、北欧のコーヒーといえばやっぱそれだよね!」とばかり、懐かしくなりました。

ところでもう一つ面白かったのは、前述の”同窓会”のごとくmoiの関係者が一同に会した(クドいようですが別々のページでの紹介で、実際には我々は会っていません)この著書で、私も、岩間さんも、梅田さんも、語っているのはカイ・フランクのことなんですね。
フィンランドデザインの良心といわれた巨匠デザイナー、カイ・フランク。私は建築ですが、その発想の源にいつも規範のようにあるのはアールトではなく、むしろカイ・フランクの方かもしれません。梅田さんはカイ・フランクに惹かれてフィンランドに渡り、カフェオーナーの岩間さんは、コーヒーカップの理想型はカイ・フランクだと語ります。
それを読んで、我々が当時どうして惹かれあったのかわかるような気がしました。そしてあれから10年以上の時を経てなお、我々はカイ・フランクなんだなあと。このことが気恥ずかしくも、とても嬉しかったです。健太郎さん、ありがとうございました!


今日はちょっとしたウェブ媒体の取材のためにトンガリの家へ。
降って湧いたトンガリ祭り。トンガリの家に通うのは、ここ1ヶ月でもう3回目くらいになるでしょうか。取材やら食事会やらが続いているせいですが、いつ行ってもYさんご夫婦は明るく迎えて下さいます。
さて、そんな竣工してからも通い詰めているトンガリの家ですが、いつも感心させられることがあります。それは家の”住みこなし力”について。

正直言って、Yさんのお宅は物が多いです。いつ行っても至る所に物が溢れています。でも、なんかセンスが良いんですよね。
Yさんの家に行くと、私はずっと棚ばかりを眺めてしまいます。そこにはいろんなものが飾ってあって、でもそのどれもがとっても愛情に溢れていて、家族の歴史がそこに刻まれているのです。

奥様はテキスタイルをやっておられたということで、どうも”織られたもの”がお好きなようです。家の至る所にはラタンや木で織られた籠が所狭しと置かれています。
ただこれも、家を建ててからお店でまとめて買ってきたという体ではなく、これまでにいろんな場所で、気に入った籠に出会うたびに一つ一つ買って増えてしまったという感じで、証拠にどれも形が不揃いでデザインも微妙に異なります。でもこれがまたいいのです。


ベッドのリネンも季節によって変えているようです。ソファのクッションも北欧のテキスタイルでまとめられていました。柄が同じで形が違うものもありました。
トンガリの家に来ると、幸せな生活というのは好きなものに囲まれて暮らすことなんだな、ということをあらためて感じます。先に書いたように、おしゃれな家を建てたからといって、慌ててセレクトショップで買い揃えたのではなく、これまでもYさんご夫婦は美しいものに囲まれて生活されてきたのでしょう。
しかしこれまで、その生活を納める器だけがなかった。それらが我々の設計した住宅の隅々に納められ、その居場所を得たように感じられたのは設計者冥利に尽きることです。

うちのクライアントの中には、本当に物を少なくして、竣工写真のままの状態でいつまでも暮らして下さっている方もいます。本当に頭が下がります。
それもまた家に対する愛情の表れだと思いますが、一方で家族の思い出や歴史のいっぱいに詰まったものが、部屋いっぱいに飾ってある家というものも良いものです。大切なのはぶれないことで、好みの統一がなされている空間というのは、物が多くても決して雑然とはしないものです。私はこういう生活感のある空間も大好きです。
最後に外部の植栽。竣工時にはまだまだ寂しかった道路際は、イイ感じに草花が育っているようでした。思い入れがあり移植した花梨の木も、今年も大きな黄色い実をつけてくれたそうです。


先週末取材があった。
取材では必ずクライアントへのインタビューがあり、私との”なれそめ”について聞かれることになる。私はこういう時はつい恥ずかしくなってしまうのだけれど、このクライアントのエピソードはなかなか強烈なのでここでご紹介したい。
家づくりを決心してから、夫婦でどの建築家にお願いするかお互いに候補を挙げようということになった。つまり夫婦内コンペだ。お互い手の内は一切見せず、それぞれ別々のアプローチで好みの建築家をピックアップしていった。
それから半年、お互い3名に絞っていざコンペ。ご主人はパワーポイントを駆使し、奥様は付箋を貼った雑誌の記事を積み上げる。結果、お互い本命と踏んでいた建築家がかぶっていた。それが私だったと。
実は、同じような経緯で私に決めて下さったというケースが過去にもあった。
2010年竣工の「百日紅の家」では、奥様が出産した病院のすぐ近くにあったカフェに通うたび、そのカフェを設計した人のことが気になり私に行き着いた。ご主人はご主人でとある雑誌を見て、この人に頼みたいと思ったそうだ。同時に告白すると二人とも同じだったという。大変光栄なことだ。
ご夫婦というのは、お互い性格が違うように見えて大きな幹の部分を共有しているのだと思わされることが、この仕事をしているとよくある。もちろんこのような”ビンゴ”のケースは、引渡した後のお付き合いを含めて、”第三の夫婦”と思えるほどの抜群の相性を発揮する。お互いにとってこれほど幸せなことはない。
この日のクライアントのエピソードで、もう一つ嬉しいお話があった。
これは私も初耳だったのだけれど、私からプラン提案を受けて、ご夫婦としても一応の”チャレンジ”を試みたそうだ。つまり、トイレをこっちにしてみたらどうか、キッチンをこっち向きにしてみてはどうかと。しかしどれも全くはまらなかった。提案を受けたプランがいかによくできているかを思い知ったそうだ。そしてプロだなあと思ったという。
どうりで、このクライアントはその後一切のプラン変更を口にしなかったわけだ。裏ではそんなこともあったのかと。でもそんな経緯があったとはいえ、最後まで私の考えを尊重して下さったこと、全幅の信頼を置いて下さったことは本当にありがたかった。
脳科学者の茂木健一郎氏によると、人は忘れることによって記憶が思い出に変わるのだという。脳は時間が経ち、小さな出来事やディテールを忘れることにより、その「意味」のみをそこに留めるのだと。
家づくりが過ぎて生活に変わったころ、こうして当時を振り返るお話はとても楽しい。我々の仕事の意味を、私は知ることができるような気がする。
