
時計はアナログじゃないと時間がよくわからない.
私は時計の長針と短針の角度で直感的に時間を理解する.
たとえば8時20分ごろの「遅刻しそうな角度」とか,11時50分ごろの「のっぴきならない角度」,16時40分ごろの「一日が暮れかかっているぞ(やばいやばい仕事終わらない)」などなど.人には誰しも一瞬にして状況を悟り,「まずい」とか「ほっとした」と感じるそれぞれの針の角度があるような気がする.
そんな話を先日うちの若いスタッフ(20代)にすると,ですよね!と共感を得られるかと思いきや,ですかねえ?となぜか疑問形だ.思わぬ不意打ちに,私も「そうだよ,だって”16:40”とかデジタル表示された数字を見たって,今どんな時間かなんてイメージできないじゃないか」と返すと,
「そうですか?僕は小さい頃からずっとデジタル時計を見ているので,”16”と”40”の数字の組み合わせを見ただけで,直感的に時間を理解しますけどね」と一言.
ガーン!新人類か.
そして”新人類”という言葉が,すでに'80年代を象徴する言葉であったことに気づき,もう一度深く落ち込む私であった.
◇
余談ですが,時計の針は「10時9分33秒」の位置が最も美しく,無印良品の販売マニュアル(ムジグラム)でも針はこの位置にしてディスプレイすることが決められているそうです.冒頭の写真をぱっと見てそれに気づいたあなたは素晴らしい.

なにこれ?テーブルの上に切抜き記事。
「え、知らないの?HIKAKINだよ」
どうやら息子が自分で新聞を切り抜いたらしい。
うちの子によると、HIKAKINはYOUTUBEのカリスマらしい(ユーチューバーというらしい)。HIKAKINはYOUTUBE上で、いろんなことにトライしたり、商品を試したりして、その再生回数は数億回を超えることもあるという。
私はテレビが好きなので、この歳でも結構流行りものやタレントの名前などには詳しいつもりだ。昔のお父さんといえば、若いタレントやアイドル歌手の名前は全くわからないという人が多かったから、ちょっとは時代について行っているつもりだったのだけれど、まさかの盲点であった。
だれだHIKAKIN。
ていうか、AKBとかじゃないのか?ふつう。
14. 06 / 14
AALTO69
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sekimoto
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> 生活
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うちの母世帯のダイニングチェアAALTO69の張り地を,TALOさんにお願いして張り替えてもらいました.竣工時には生成色のファブリックを張っていたのですが,7年も経つとだいぶ染みも目立ってきて,ついに張り替えることにしました.

張り替えたのはビニールレザー.もちろんARTEK社のオリジナルではありませんが,古ぼけた椅子も張り地を替えるだけで新品同様になります.思えばヘルシンキのアンティークショップに積まれていたアールトチェアにも,実にいろんなファブリックが張られていました.好みや使い勝手に合わせて,皆自分仕様にしていくんですね.

実は吉祥寺のmoiや,谷保のWillcafe(姉のお店)に置かれているAALTO69も,当時ヘルシンキでかき集めたものですが,最初は上のような思い思いのファブリックが張られていました.これをすべてはがして白いビニールレザーに張り替えてもらったのが,現在お店に置かれているあの椅子たちです.


当時この椅子をヘルシンキから日本に運ぶお手伝いをしてくれたのも,私の幼なじみの友人で,現・北欧家具TALOのオーナーでもある山口太郎くんでした.思えば,この一連の出来事は北欧家具TALOが生まれたきっかけにもなったのでしたね.
AALTO69は丈夫でシンプル,まさにフィンランドデザインの王道ともいえるデザインで,母国フィンランドでは定番中の定番にもなっている椅子です.私が留学していたヘルシンキ工科大学(現アールト大学)にもこの通り.

でも木の椅子は座面が堅くて,年配の方が長時間座るのには少々つらいですよね.そんなときはこのように好きなレザーやファブリックなどを張って使えば,世界にたったひとつの自分仕様の椅子ができあがります.
TALOさんには座面にパッドも詰めてもらったので,フカフカの座り心地です.
母にも喜んでもらえました.太郎くん,どうもありがとう!
14. 06 / 02
PANDA
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sekimoto
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> 生活
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「車,とうとう買い換えることにしたんだよね」
<スタッフHYの場合>
「ほんとですか!車種は何ですか?」
「それは来てのお楽しみだよ(ニヤニヤ)」
「フィアットですか?」
「・・・」
<スタッフJYの場合>
「ほんとですか!車種は何ですか?」
「それは来てのお楽しみだよ(ニヤニヤ)」
「パンダですか?」
「・・・」
あのねえ,君たち空気読みなよ!
ここ絶対当てちゃダメなとこでしょ.
芸能人なら干されるよ.
<スタッフUの場合>
「ほんとですか!車種は何ですか?」
「それは来てのお楽しみだよ(ニヤニヤ)」
「・・・全然わかんないっす」
ほら,U君はわかってても言わないんだ.
で,正解はフィアット・パンダです.
U君,君だけだよわからなかったのは!(舌打ちしながら)

14. 05 / 07
MUJI
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sekimoto
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> 生活
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タモの無垢椅子10,000円.
ナラの無垢テーブル(1400x800)49,000円.
無印良品(MUJI)のクオリティがすごいことになっている.
これ,我々がデザインして製作したら,シンプルな作りでも確実にこの3~4倍はすると思う.よく製作でお願いしますと頼まれることがあるのだけれど,お店で買った方がいいですよと話すのはこのためだ.それにしても,これは安いと思う.
安いだけでなく,MUJIはデザインが良い.凡庸さからは一歩踏み出しつつも,奇抜さの一歩手前で止めている.あの抑制の効かせ方が,万人に受け入れられる絶妙なラインなのだと思う.
新しいMUJIの店舗などに行くと,店舗の見せ方や斬新なサービスの数々にも驚かされる.なかなかのセンスだし,よほど優秀なディレクターがいるのだと思う.
MUJIはアノニマス(匿名)であることをコンセプトにしているから,デザイナーの名前は表に出さない.結構なプロダクトを深澤直人さんなど超一流のデザイナーが手がけているにもかかわらず,それをクレジットしない.もっともそれをクレジットしてしまったら,それはもうMUJIではなくなるわけだけれど.
私が北欧フィンランドに惹かれたのは,あの国には良品しかないというボトムの高さだった.MUJIとの違いで言えば,あの国はデザイナーの名前を商品にクレジットしているということ.けれども日本と違って,それが過当な付加価値(ブランド)になりすぎず,庶民が日常で使える手頃さをキープしているというところが素晴らしいと思ったのだ.
消費者が無意識に良品を選び,結果として生活が豊かになる.
北欧で感じていたそんな感覚を,先日MUJIのお店を見ながらふと思い出した.
日本にはMUJIがある.
