
昨日は建築家・高橋隆博さんのギャラリー秀での北欧イベントに呼んで頂きました。
冒頭は前の時間にイベントをされておられた北欧ライター森百合子さんとのクロストークから。森さんとは古い友人で、2004年の今はなき雑誌LIVING DESIGNの新年会で知り合いました。この日は二人で当時のことを懐かしく回想させてもらいました。
後半は私のフィンランド話をみっちりと。もうちょっとアッサリやるはずが、結局全部乗せに…。フィンランド話は尺がいくらあっても足りません。高橋さん、森さん、楽しかったです!ありがとうございました。



友人建築家の高橋隆博さんが主宰されている川崎の「ギャラリー秀」さんにて、来週北欧イベントが開かれるそうです。私にも「何か北欧の話をして欲しい」とのお声がけを頂き、お引き受けさせて頂きました。
実はまだ何を話すか決めていないのですが、、汗。フィンランドの建築の話や、向こうでの在住生活時代のことなどをお話しさせて頂こうかと思っています。
たまたまなのですが、同日の午前中には森百合子さんの北欧式オープンサンドのワークショップも開かれるそうです。
森さんといえば今や売れっ子の北欧ライターさんで、北欧関連書籍を何冊も出しておられますが、実は森さんとは古い付き合いで、まだ森さんが「北欧の森さん」じゃない時代に知り合って、お仕事をご一緒したこともある仲なのでした。
そこで、どういう形になるかわかりませんが、森さんとのクロストークの時間も設けて頂こうかと思っています。素の森さんを知るファン必見の機会となります。(と書いて、森さんファンをこちらのイベントに引き込む作戦)
お近くの方、ご興味ある方は是非いらしてください!
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X'mas 北欧祭VI
「ぶらり北欧建築散歩~フィンランド建築の魅力について」
日時:11月23日(水・祝)15:00~16:30
参加費:500円(お茶とお菓子付)
定員:15名 (残席10名・11/17現在)
講師:関本竜太(建築家・リオタデザイン主宰)
場所: 川崎市宮前区鷺沼3-16-67 アトリエ秀 内
http://gallery-shuu.com/access.html
東急田園都市線「たまプラーザ駅」北口 徒歩9分
東急田園都市線「鷺沼」 徒歩11分
お申し込み・詳細は以下ページより
http://ameblo.jp/gallery-shuu/entry-12215210054.html
お申し込み状況
http://ameblo.jp/gallery-shuu/entry-12218455551.html
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何か物を手に入れようとする時、何でもいいや、とか、これでいいや、と思う人は多いと思います。けれども、これが良い、これしかない、と思ったものを一つ一つ手に入れて行くと生活は豊かになってゆきます。
家づくりもそうなんですね。何でもいいや、とか、これでいいや、と思って建てるのではなく、これが良い、これしかない、と思ったものを建てるとその後の人生は大きく変わってゆきます。私はそれはこだわりではなく、愛情の問題なのだと思っています。
先週末、3月に竣工したVALOの撮影がありました。
この家には美しいものしかありません。けれども美術館のような冷たさはありません。北欧家具をおしゃれだと言う人がいます。けれども、それが好きな人にとっては、それがあることこそが日常であり幸せなのです。
我々が込めたものと同じくらい、愛情の詰まった空間でした。


告知しておりました脇田美術館のアールトシンポジウムが無事終了しました。大きな大きな肩の荷が下りました。
今回はアールト財団やフィンランド建築関係者、脇田美術館、松隈先生など大きな繋がりと収穫がありました。特に念願だった吉村順三氏設計の脇田山荘を見学できたのはとても大きな体験でした。実際に見ると小振りで、非常にスケールの良い居心地の良い空間でした。
一緒に登壇予定だった平山先生が風邪でダウンするなどハプニングもありましたが、今回は松隈先生のリードのもと、アールト財団側の知見やいろいろ聞いてみたかった質問などを投げかけることができ満足しています。
今回の機会を作って下さった脇田美術館の脇田館長、岩田さま、お誘い下さった益子先生にも心から感謝致します。ありがとうございました。





表参道のスパイラルにてARTEKのドムスチェア展がはじまり、昨日はオープニングレセプションへと足を運んできた。今回はミナ・ペルホネンの皆川明さんとのコラボ作品も同時に発表され、トークセッションには非常に多くの方が会場に詰めかけていた。
ドムスチェアといえばフィンランドのデザイナー、イルマリ・タピオヴァーラの代表作の一つであるが、日本では一部の愛好家を除いては無名に近い椅子とも言えるかもしれない。正直言って、ぱっと見でもイームズの椅子のような洗練された印象は受けないし、むしろちょっとモサっとした印象すら受ける。好き嫌いがはっきり分かれる椅子とも言えるかもしれない。
けれども私はタピオヴァーラの椅子に強く惹かれる。フィンランドを代表する椅子はアールトではなく、タピオヴァーラではないかと思うほど。この椅子が発するオーラはフィンランドという国そのものという気がする。

いつから「北欧=おしゃれ」という構図になったのだろう。
日本のメディアの取り上げ方によって、日本での北欧の立ち位置はずいぶん変わったような気がする。北欧の中でもとりわけフィンランドに関していえば、おしゃれな国というより、素朴で、ちょっと田舎で、都会的洗練とは真逆にあるような国、というのが私の印象だ。
だから惹かれる。日本で気を張り詰めた生活をしていると、バランスを取るようについフィンランド的なものを求めてしまうのだ。

写真は私の所蔵するドムスチェア。見ての通りひどい程度のものだ。これは2001年にフィンランドから帰国する際に、フィンランド人の友人の工房にあったものをもらい受けたもの。
こんな汚い椅子どうするんだ?と訊かれたけれど、どうしても持って帰りたかった。幸い半分壊れかけていたので、バラバラにして郵便小包で送った。今でも座ることは出来ない。
フィンランドに渡ったとき、とある階段の踊り場に置かれていたのがこの椅子だった。かわいらしい椅子だと思った。当時フィンランドに強く惹かれていたから、この椅子の魅力はフィンランドという国の魅力そのものだと、その時直感的に思った。だからタピオヴァーラの椅子は、私にとって原点のようなものなのだ。

過去にはクライアントの希望もあり、「隅切りの家」という住宅にドムスチェアを入れたこともある。その強い個性は、より強い個性の家の中でこそ輝くとその時しみじみと感じた。
クセのある椅子だけに、私はクライアントにはタピオヴァーラは一切勧めない。前述のような話をしたこともない。それなのに、うちのクライアントはタピオヴァーラを選ぶ確率が高い。相当難易度の高い椅子だと思うのだけれど、クライアントの感性がそれを呑み込むのだろう。そして私のそれともその瞬間につながることになる。
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アルテック ドムス チェア展覧会
“the chair ≠ a chair” (ザ チェア イズ ノット ア チェア)
会期:2016年10月8日(土)-16日(日) 入場無料 会期中無休
時間:11:00~20:00
会場:スパイラルガーデン (スパイラル1F)
http://www.spiral.co.jp/e_schedule/detail_2050.html

