お気に入りの番組にNHK BS1の「空港ピアノ・駅ピアノ」がある。

空港ピアノ・駅ピアノ
https://www4.nhk.or.jp/P5389/

空港に置かれた一台のグランドピアノ。そこに定点カメラが置かれている。通行人がピアノに気づき、ためらいがちに鍵盤に指を乗せる。試しにポロンと音を鳴らしたらもうだめだ。その人は吸い込まれるようにピアノを弾き始めてしまう。

この演奏が本当に素晴らしいのだ。弾いているのはもちろん無名の人たち。とてもピアノを弾くようには思えないような風貌の人から、驚くほど繊細な演奏が始まるというギャップにまず引き込まれてしまう。

趣味でピアノを弾くという人、数学者、アスリート、たまにコンサートピアニスト。空港や駅という演奏には似つかわしくない場でいきなり始まるピアノ演奏に、ある人は無関心に通り過ぎ、ある人は足を止めて聴き入る。人だかりができるという程でないのもまた良い。

演奏後にこれからフライトでどこに向かうのか、また自分とピアノとの思い出を語る。これから兵役に向かうという男性。ピアノがいかに自分の心を支えているかを語る女子高生。そしてあっけないくらい、すっと去ってゆく。そう、この人たちはあくまで通りすがりの人たちなのだ。

明日9日はオランダのユトレヒト中央駅。その次からはエストニアのタリン空港のシリーズが始まる。エストニアは言語的にほぼフィンランドなので、もはやフィンランド人にしか見えない。オスロ空港シリーズも素晴らしい!(再放送で何度もやっている)

オンエアは不定期で時間帯もいつも異なるのでご注意を!

オープンデスク二人目が終了。先に決まっていた子がインフルになり、代わりに急遽来ることになった専門学校の子だった。とても大人しい子で、最初は緊張しているのか入口もそ~っと入ってくる感じ。課題を出して毎晩エスキスをし、次第に慣れてくると良い質問をしてくるようになった。

この子の優れていたのは、毎日ちゃんとプランを形にする力があったこと。線もとても良い線を描く。毎日ハードルを上げて、最後は模型も含めてなかなか素晴らしい案をまとめ上げた。勘が良くセンスのある子だった。

よく思うのは、我々は音楽を聴いて「これは良い曲だな」と思うことはあっても、良い曲を書くことはできない。良い曲がどういうものかは分かっているのに、それを作ることができないというのは不思議なものだ。それと同じように、建築を見て「これは良い建築だな」と思うことはあっても、良い建築を作ることのできる人はごくわずかだ。それは教えられるものではない。

自分が良いなと思えるものを、すっと作ることができるのは才能なのだと思う。そんな気配を感じる子だった。それに気づいていない感じがまたよかった。このまま進んで欲しいと思う。

20. 03 / 05

伊都岐珈琲

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sekimoto

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> はまりもの
> 生活



今年の年始を京都で過ごした際、とあるセレクトショップが推していた豆を手に取った。それが伊都岐珈琲との出会いだった。広島の厳島神社で有名な宮島にあるお店のようだ。

お湯を落としてみてその実力に驚いた。口の中いっぱいに広がる濃厚な甘い香りの後に、一拍置いてぐっとフックするような強い香りが鼻腔の奥に抜ける。ものすごく立体的! 深煎り好みの私の好みのどまんなか。

やるな、広島!

伊都岐珈琲 #Blend NO.1
https://itsuki-miyajima.com

20. 03 / 04

サキヨミ

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sekimoto

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> 生活
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うちの奥さんはドラマなどを見ていると、すぐ先の展開を予想して口に出す。人物のちょっとした言動や行動から「これは浮気してるな」とか「病気で亡くなるパターンだな」とか。は、なんでわかるの?って思っているとその通りになる。とてもこわい。日常でも「こうしておいた方がいい」ということをボソッと言うので、こわいので言う通りにする。だいたい当たる。

コロナウィルスの影響でマスクが手に入りにくくなっているという報道が流れ始めた頃、うちは大丈夫かと心配していると、こういう時に備えて買ってあると言った。戸棚に4箱もあった。そしてまさかのトイレットペーパーまでなくなるという事態。しかし納戸には山ほどトイレットペーパーがあった。どこで手に入れたの?と聞くと、こうなることを予測して少し前に買っておいたと言った。すごいな、相場師か!

私も仕事では人並み以上にサキヨミをする方だと思うのだけれど、男のサキヨミは論理なので、今回のような不測の事態には役に立たない。その点女性の直感的なサキヨミはすごい。神懸かっている。そして、とてもこわい。この能力を投資とか別のことに役立てたらと思うのだけれど、こういう邪な考えをすると直感が鈍るらしい。なかなかうまくいかない。

昨日はJIA支部広報誌であるBulletinの編集打合せのため、現編集長の長澤徹さんのできたてほやほやのご自宅兼事務所にお邪魔してきました。

長澤さんは、大手ハウスメーカーから独立された経歴から、ご自身のお仕事をいつも謙遜してお話しされるのですが、とてもシャープで、ある意味アトリエ系建築家よりも尖った作風?に驚きつつ、長澤さんの美意識に貫かれた空間を堪能させて頂きました。

ちょうど外構工事中でしたが、宇都宮のCOMODOさんの仕事でご一緒した造園家の長谷川さんとばったり。長澤さんとは旧知の仲だとか。造園の完成形も楽しみです!長澤さん、お邪魔しました。Bulletinでも引続きお世話になります。