11. 05 / 07

止まらないバス

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sekimoto

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> 思うこと


今朝の新聞に,浜岡原発全面停止要請のニュース.思わず新聞に向かって喝采をあげたくなった.今回に限って言えば,政府の英断を称えて良いのではないかと思う.
「なぜこの時期に?」と批判的なコメントをしている人もいるけれど,なぜって今この時期しかないでしょう.

これまで原発を推進してきた政府や電力会社はもちろん,我々もこれまでの誤解や無関心を真摯に反省しないといけないけれど,誤りに気づいたらそれを正す勇気は必要だ.点数稼ぎだろうが,後手にまわっていようが関係ない.それを実行に移したことは評価されるべきだと思う.

仮に浜岡原発を停止させることができたとして,この2~3年を乗り切ることができたら世の中もまた大きく変われるような気がする.逆に推進派はそれがわかってしまうことに恐れを抱いているようにも見える.

今回の政府の要請は,きっと浜岡原発で働く従業員たちをなによりもほっとさせたに違いない.活動期に入ったプレートの上で働く従業員たちは,どんなに恐ろしくとも自分ではそのブレーキを踏むことは許されないからだ.そしてそれは原発周辺に住む人たちにとっても,首都圏に住む我々にとっても同じことが言える.それはさながら,映画「スピード」で疾走するバスに乗せられた乗客のようでもある.

しかしこの期に及んで,まだ原発を推進しようという人たちがいる.止まらないバスを必死に止めようとする人たちと,構わず走らせ続けようとする人たち.政財界の論理と民意は違うということに,永田町の人たちは早く気づくべきだ.少なくとも,今は”菅おろし”などしている場合ではない.

11. 05 / 06

金沢へ

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sekimoto

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> 旅行



連休後半の5/3~5は,金沢に旅行に行ってきました.
金沢にはプリツカー賞を受賞した妹島和世さんらSANAA設計による21世紀美術館があったり,フィンランド時代からの友人もいたりと,金沢はいつかは行ってみたい街でした.

友人によると金沢の街のスケールはヘルシンキの街に近いそうで,大きさも人口も同じくらいだとか.実際歩いてどこにでも行けるスケールは心地よく,住宅や建物にも美しい意匠があちこちに施され,気品のある街という印象を持ちました.特に茶屋街や武家屋敷街の景観やちょっとした塀などの凝った細工や仕事には,我々建築家など足下にも及ばない繊細で思慮深いディテールの数々を見つけることができました.

現地の友人はフィンランド留学後,イタリア滞在を経て,現在は金沢でご夫婦で改修設計を専門とする建築設計+造園事務所(橋本建築造園設計)を営んでらっしゃいます.実際にご夫婦揃ってお会いするのは本当にひさしぶりで,改修を手がけられた居酒屋でのお酒も美味しく,楽しい時間を過ごさせて頂きました.お休みのところ,ご案内ありがとうございました!

お目当ての21世紀美術館も期待以上に良かったです.正面をつくらない円形プランも行ってみると納得でしたし,順路を作らない自由な展示空間というのも,これまでどうしてなかったのだろうと思うくらい自然でアートを楽しむことができました.

まだまだここには書き切れませんが,このGWは近場は大渋滞だったようで,思い切って北陸まで飛んでしまったのは正解だったかもしれません.ただ昨日はかなり疲れ果てて帰ってきました.今日の仕事は少しスロー気味にいきたいと思います….







去年の暮れに竣工したFILTER/U邸(練馬区)がエコガラスのサイトに登場しました.

ようこそ我が家へ/良き風景を濾過して取り込む大開口
FILTER/U邸

U邸は我々が近年手がけた住宅の中では群を抜くローコスト住宅ですが,開口部にこだわり,贅沢にもエコガラスと言われるLow-Eガラスをふんだんに使用しています.
そのため,取材当日もまだ3月初旬でしたが,暖房をしなくても終始ポカポカと日だまりのようなリビングでした.まだ作品集にはアップできていないので,先にウェブ版にてご覧下さい.

ところで,この連休後半は金沢へ小旅行に行ってきます.
妹島和世さんの21世紀美術館を見て,おいしいものを食べてきます!



新宿のOZONEでは毎年この季節,家づくりを検討中の方のために様々なセミナーや展示会を開催しています.

そのうちのイベントの一つ,「9人の建築家による公開建築家コンペ」には我々も応募し,一次審査を通過して晴れて本戦に出場することになりました.(過去2008年に開催された第一回目の公開コンペ(P1グランプリ2008)ではリオタデザインはグランプリを受賞しています)

このコンペは実施を前提としない架空のクライアントと要望をもとに提案するコンペで,パネル+模型の展示とその投票,そして公開プレゼンテーションでの一般来場者による投票数によって決勝へとコマが進んでゆきます.

今年のテーマは「リフォーム」.ある意味制約のある条件ですが,今この時代,この時期に求められる住まいのあり方を我々なりに考え,提案をまとめてみました.パネルと模型の展示は既にはじまっていますので,新宿にお立ち寄りの方は是非足をお運びください.

そして公開プレゼンテーションが以下の日程で行われます.公開プレゼンテーションというのは,壇上で直接設計者がプロジェクター等を使い来場者に向けてプレゼンテーションを行うものです.

パネルや模型ではわからない設計者の素の部分も見えたりして(ある意味コワイ…).自分が施主になったつもりで参加してみるのも面白いのではないでしょうか.ご興味のある方,そして応援に来てくださる方は是非ご来場ください!
(参加方法など詳細は以下のリンクを参照)
OZONE| 9人の建築家による公開建築家コンペ
公開プレゼンテーション (会場:3階オゾンプラザ)

第1回戦:5月14日(土)11:00~12:30 
庄野健太郎|関本竜太|中村康造

決勝:5月28日(土)11:00~13:00
(ただし,第一回戦を勝ち抜いた場合のみ) 

 では会場でお目にかかりましょう!

[caption id="attachment_102" align="alignnone" width="560" caption="通り土間のある家|リオタデザイン案"][/caption]

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> 未分類


サイトを10年ぶりにリニューアルしました.
リニューアルにあたってのデザインは,石曽根昭仁さんが担当してくださいました.

この一年石曽根さんと共に進んでは止まり,止まっては進むを繰り返しながら,自分が進んできた道を振り返り(過去),現在の足下を見つめ直し(現在),これからどう歩んでいこうか(未来)ということを考えていました.

リニューアルにあたっては様々な選択肢がありました.いろいろな方が様々な提案をしてくださいましたが,最終的に選んだのは自分が共感できるデザイナーさんに直接依頼するという方法でした.住宅に例えれば,ただ壁紙を張り替えるだけのリフォームでも,「新築そっくりさん」的なお手軽な全面改装でもなく,手間も時間もかかる最も非効率な方法を選んだわけですが,私の仕事がそうであるように,また我々に依頼するクライアントの価値観がそうであるように,全く何の抵抗も後悔もなく,終わってみるとただただ楽しかったというのが率直な感想です.

そのプロセスで,私は我々のクライアントの立場や心理を追体験させて頂くという貴重な経験もさせて頂きました.一体どんな感じになるのだろうという期待感や,モヤモヤしていたものに形が与えられた瞬間の感動などは私にとってはじめての体験でした.またいつも我々が気持ちよく仕事ができるように,クライアントの方々がいかにお気遣いを下さっていたかということもまた身に染みて良くわかりました.

また,自分とはある意味タイプの異なる石曽根さんの仕事にもまた多くの刺激を頂きました.デザイナーにとって考えていることが思うように形にならない時ほど苦しいものはありません.そんな時にも安易な妥協をしないでデザインと向き合い続ける意志の強さもまた,今回の石曽根さんのお仕事から学ばせて頂いたことです.

さてリニューアルしたサイトはいかがでしょうか?

きっとそれまでのサイトに慣れ親しんだ方には,最初はいろいろ違和感もあるかと思います.好意的に受け止めてくれる方もいれば,そうでない方もいらっしゃるかもしれません.けれどもリオタデザインの建築に共感してくださる方であれば,そのコンテンツのどれもがしっかりと既存のサイトを引き継ぎ,リオタデザインの思想や作風を色濃く反映しているものだということに気づいてもらえると思います.

サイトの世界ではSEO対策ということが良く言われます.しかし一方では,検索のランキングを上げるためのテクニックに終始するがゆえに,最近はどれもステレオタイプで画一的なサイトばかりになってしまいました.私も最初はそういうことを意識しないといけないのかとも思っていましたが,そのうちにSEOなんてどうでもいいと思うようになりました.1000人の無関心な人に届くより,目の前のたったひとりに届くサイトを石曽根さんと目指しました.

これからも少しずつコンテンツを増やしてゆく予定ですので,どうか新しいサイトと共にリオタデザインを今後ともどうかよろしくお願いします!