14. 03 / 24

ナローステップ

author
sekimoto

category
> はまりもの
Warning: Undefined array key 1 in /home/riotadesign/riotadesign.com/public_html/wp-content/themes/rd/blog/cat_sekimoto.html on line 48



>> ナローステップ(長谷川工業)

暮らしの優れたデザインは,いつもクライアントに教えて頂くことが多い.これは先日教えてもらったステップ.単なる脚立と思うなかれ.これパタンと閉じると,厚さわずか48mmの1枚の板になってしまう.冷蔵庫の隙間にも入るし,キッチンスツールとしても使用できる.

設計上高所収納を作ることが多いのだけれど,脚立を使って下さいと言い放っておしまいというケースが多かっただけに,これはセットでご提案したいところ.デザインはGKデザイン.(2段式と3段式があります)



14. 03 / 20

ILMAの10年

author
sekimoto

category
> 仕事
Warning: Undefined array key 1 in /home/riotadesign/riotadesign.com/public_html/wp-content/themes/rd/blog/cat_sekimoto.html on line 48



先週末,ILMA(Y邸・2003年竣工)の竣工10周年を祝うパーティがあった.ILMAは私にとってはじめての住宅である.私の事務所がまだ中目黒にあった時代,大学同期で構造家の友人が駆け出しの私に設計依頼をしてくれた仕事でもあった.

ILMA
https://www.riotadesign.com/works/03_ilma/

敷地面積はわずかに13坪,延床面積は15.5坪,1000万円台で半地下付きの鉄骨造の家を建てる.しかも設計依頼から竣工まで約9ヶ月!設計に3ヶ月,そしてその後わずか3ヶ月の工事期間で無事引渡しまでこぎ着けた.

今ならたぶん無理,依頼を受けても絶対お受けできないような条件だったにもかかわらず,実際に建ったのはまさに奇跡としか思えない.


それを可能にしたのは,その若さと,逆に経験のなさゆえだったのだろうと思う.怖いもの知らずだったので,今なら腰が引けるような仕上げや納め方もずいぶんしていた.一方で徹底的に素材やディテールを研究し,現在にまで至る”リオタデザインらしさ”のようなものも,この住宅で確立されたようにも思う.

設計案は十数案は出しただろうか.現場にはまだ入所して間もなかった初代スタッフ二宮と,ほぼ毎日徒歩で通った.納得のいかないことがあり,工務店まで行って社長に直談判したこともあった.そのくらい自分の持てる情熱のすべてを注ぎ込んだ仕事だった.


今回は私の家族を連れての訪問となった.子どもにも,私がはじめて設計した住宅であることを話した.道すがらの景色はどれも当時を思い出させてくれて懐かしかった.友人とは連絡を取り合いつつも,なぜか今に至るまでその家に足を向けることはなかった.

緑道を抜けた先にあるその住宅が目に入ったとき,小走りに駆け寄りたくなった.友人に招き入れられ,また胸が熱くなった.玄関より中に入るのもまたほぼ十年ぶりだ.


うちの子はこの家を設計していた年に産まれた.だから同じく10歳.友人はこの時まだ子どもはいなかった.だから階段にも手摺りは作らなかった.

その友人にも子どもができ,また今回は同じく大学同期の共通の友人建築家夫婦も子連れで合流した.子ども達の歓声の響くILMAを見るのははじめてだ.かくして10周年の会は実に賑やかで大いに盛りあがったのだった.


あらためて住宅と家族,そして時間について思う.

ILMAは大人二人だけの生活からスタートし,その後家族も生活も変化して10年という時が流れた.原発問題が起こったときには,一時期本気で移住も考えたという.また夫婦で海外赴任していた時期もあった.

けれどもILMAはその時間軸にも耐え,その空間の骨格はまだまだ健在だった.ガルバリウムの外壁はびっくりするくらいまだきれいだったし,木の内装も時間相応の日焼けはありながらも,それが味となり,ますますその魅力を深めているようにも感じた.

なにより!
子どもという変化がILMAに与えたインパクトはとても大きく,その空間の至る所に愛らしい設えを見ることができた.まさに家全体が愛情に満ちあふれ,幸せな空間になっていた.


住宅にとって10年というのは大きな節目であるように思う.
防水の保障や契約上の瑕疵責任も,ここで一旦区切りとなる.だからここから先はある意味住まい手の責任で住みこなしてもらわなくてはならない.

そして次の10年を乗り越えるために,はやくも前向きな改造計画について話ははじまっている.


今回は,自分の仕事がここから始まっているという感慨と,10年前の自分も意外と?イイ設計しているじゃないかというどこかほっとした気持ち,そして10年前には考えられなかった友人達の生活の変化にもいろいろなことを考えさせられた.

今ではすべての住宅につけているステンレス製の”銘板”も,思えばこの友人施主からの提案だった.刻まれた年号が時間の重みを感じさせてくれる.今回このような機会を設けてくれたILMAの友人施主に,あらためて感謝したいと思う.10周年おめでとう!


14. 03 / 15

アタマの現場

author
sekimoto

category
> 建築・デザイン
Warning: Undefined array key 1 in /home/riotadesign/riotadesign.com/public_html/wp-content/themes/rd/blog/cat_sekimoto.html on line 48



ギャラリー間で開催されている,建築家内藤廣さんの展覧会にようやく足を運ぶことができました.私は大学時代内藤さんの事務所に面接に行ったことがあるくらい氏の建築を敬愛してやまないのですが,今回の展覧会もとても素晴らしかったです.

内藤廣展 アタマの現場
http://www.toto.co.jp/gallerma/ex140118/index.htm

今回の展覧会は「アタマの現場」と名付けられているように,今回の展覧会のために作られた模型などではなく,内藤事務所にあるスタディ模型や図面の数々を,事務所の内部をそっくり再現してお見せするという趣向のようで,内藤さんのデスクまわりも実物を運び込んで忠実に再現されていました(現に,現在内藤さんの机は事務所にないそうです・・).

私がもっとも感銘を覚えたのは,その図面です.前述のように展覧会のために特別に描かれたものではなく,実施図面が素っ気なく置いてあるだけなのですが,その密度と精度,そして美しさに脱帽しました.私の事務所も比較的図面を詳細に描く方ですが,我々の何十倍も大規模な建築であるにも関わらず,細部に至るまで実によく考えられているのです。

また驚いたのは仕様書で,例えばコンクリート打放し仕上げなら,我々なら図面にその旨の記載と打放し型枠の使用,撥水剤の指定くらいで,あとは現場監督や職人さんと相談しながら進めてゆくというのが通常なのですが,内藤事務所の図面には詳細な型枠の組み方,目違いを防ぐための方法,端部の処理,万が一失敗した際の処置の仕方に至るまで,図解入りですべて記載してありました.(撮影が許可されていたので産業スパイのように大量に撮ってきてしまいました.これ出版してもらえませんかね?)

内藤さんの建築はとてもシンプルで美しく,出来上がった後にはその手の痕跡が見えることはありません.ただ我々にはわかります.こんな涼しく建築が作れるはずがないんです.そのナゾがひとつ明かされました.この綿密に計算され尽くした図面,蓄積されたノウハウ,わかりやすい指示書がそのすべてを物語っていました.やっぱりすごいな,内藤さんは.うちもバリバリ図面描かないと!

年表を見たら,内藤さんは30代の頃は意外にも佳作で,40代から爆発したように大きな仕事を次々手がけていったことがわかりました.私も大いに励まされて会場を後にしたのでした.


14. 03 / 09

DONUT取材

author
sekimoto

category
> メディア
Warning: Undefined array key 1 in /home/riotadesign/riotadesign.com/public_html/wp-content/themes/rd/blog/cat_sekimoto.html on line 48



今日はDONUTにて「住まいの設計(扶桑社)」の取材がありました.なんといっても,この冬に7・8月号の取材ということなので,お施主さんも衣類を一枚はがされて少々気の毒でしたが.

先の環境デザインアワードでは,高い断熱性能が内部の快適空間と,より外部に開いた設計を可能にしているという評を頂きましたが,撮影のため一時的に中庭を開け放っても室内の温度はほとんど下がることもなく,安定した温熱環境が保たれているという点も,あらためて再確認することができました.

ただ,言っても北欧住宅のように冬でも半袖で暮らせるような家というわけではなく,暖房をしない状態で室内温度は15~6度くらいでしょうか.それが昼夜を通じて安定しているということが重要なのだと思います.「もっとも安い暖房器具はユニクロのダウン」という,今日のご主人の名言にもシビれました笑

窓際の日だまりに幸せを感じます.観葉植物が育ちすぎて困るのだとか.
ポカポカと温かい縁側のような家です.

14. 03 / 07

だいすき

author
sekimoto

category
> 仕事
Warning: Undefined array key 1 in /home/riotadesign/riotadesign.com/public_html/wp-content/themes/rd/blog/cat_sekimoto.html on line 48



「せきもとさんだいすき」
人生でそう何度も言われるセリフではありませんよね.2010年竣工のFILTERで,浴室を一部リフォームすることになり,現調のため訪れると,奥様より娘さん(5歳)から預かっていたという手紙を手渡されました.こういうのは本当に嬉しいものです.

ただ,なんでしょうね.これだけ読むと私はこの娘さんにとっても懐かれていたように思われるかもしれませんが,意外とそんなことはありません.当時は私はお施主さんとの打合せで精一杯でしたし,まだ幼児だった娘さんを構ってあげられる余裕などもありませんでした.どちらかというと,当時の女性担当者の方が人気で,私だけ来ると「今日はお姉さん来ないの?」と言われてよく傷ついたものです笑

それが「だいすき」とは,どういう心境の変化でしょうか.この娘さんだけでなく息子さんも,最近私が平日に来ることを知ると,学校に行って会えないことをひどく悔しがるのだそうです.それもとっても嬉しいのですが,なんで急に人気者になってしまったんでしょうね.

私はこういうのって教育なんだろうなと思います.つまりこのご両親は,普段も食卓などで私のことを話題に上げて下さり,それも好意的な文脈で語って下さっているのでしょう.また普段からお子さんに,この家は関本さんが設計してくれたこと,大工さんたちが一生懸命作ってくれた家なんだということを言って聞かせているのだと思います.

ありがたいことです.お子さん達が家に愛着を持ち,大切に使って下さっているのだなあと思うと幸せな気分になります.