16. 12 / 30
VALO
author
sekimoto
category
> 仕事
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今年最後の作品更新です。
3月に竣工したVALOをこの秋にようやく撮影を行いました。リビング空間を架け渡す張弦梁構造、素材使い、設え、造園、すべてにおいて今我々にできるすべてを注ぎ込んだ空間です。以下リンクよりご覧下さい。
VALO
https://www.riotadesign.com/works/16_valo/
我が事務所も昨日ようやく仕事納めをしました。
今年の後半は特に忙しかったのですが、12月初旬でピークを迎えてからは調整業務が多く、暮れは少し安らかに終えられるかなと思っていたのですが、やはりダメでした。仕事納め当日は結局掃除もできず、納会ギリギリまでスタッフと打合せという有様、、。
そんな中、毎年恒例の納会にはOBスタッフや、お世話になっている出版社エクスナレッジからも西山さん、上野さんも駆けつけて下さいました。OBスタッフらの活躍や近況を聞くのは、私にとって何よりの楽しみです。皆それなりに社会に揉まれて活躍を続けてくれているようです。
皆さま、お疲れさまでした!
地方出身のスタッフは今頃帰省の途についていることと思います。どうか郷里でゆっくりしてください。年明けからまたばりばり働きましょう。
このクリスマスを絡めた3連休は、皆さまいかがお過ごしだったでしょうか。我が家はちょっと変わったこんな場所に泊まってきました。BOOK AND BED TOKYO(泊まれる本屋)です。
BOOK AND BED TOKYO
http://bookandbedtokyo.com/
コンセプトがとてもユニークで、詳しくはサイトをどうぞ。おそらく説明しなくても、上の写真一枚でどういうことなのか大体理解できるのではないかと思います。設計は建築家の谷尻誠さんで、是非一度泊まってみたいと思っていたのでした。
場所は池袋なので、我が家のある志木からも20分ほどで行けてしまいます。こんな近い場所に家族で泊まるというのは初めてのことでしたが、この日は帰らなくても良いのだと思うと、いつも馴染みの池袋がちょっとした旅先の街となり、とても新鮮な体験となりました。
駅から徒歩3分ほどのビルのエレベーターを降りると、唐突にこんな感じの壁が現れます。これ以外は木の扉がひとつだけ。木の扉にはロックがされていて中に入ることができません。
どうやって中に入るのだろうと壁際の呼び鈴を押すと、写真の木の壁の一部がパカッと外れて、そこがいきなりフロントに早変わり。手続きを済ませると、扉の暗証番号を教えてもらえます。
中に入るともうこんな感じ。
宿泊しなくても、昼間だけの利用も出来るようです。街の中のちょっとした秘密基地のようですね。この日はクリスマスだったこともあり、カップルでいっぱいでした。
私たちもこの日はいろいろ歩いて疲れていたので、ソファでひと休みできるのはとても癒やされました。
本棚には至る所に穴が開いていて、中の空洞に人が泊まれるようになっています。いわゆるカプセルホテルみたいなものかもしれませんが、みんな思い思いの格好で読書に興じていることからすると、マンガ喫茶のようでもあります。
この”穴ぐら”は狭すぎず広すぎず丁度良い広さで、ここに入ると本当に落ち着いて自分だけの世界に籠もることが出来ます。ちょっとした冬眠のクマの気分でしょうか笑
部屋は男女の区別はなく、またシャワールームも共同です。
この辺もどうなんだろう?と少し不安を覚えましたが、皆それを理解して来ているためか全く違和感はなく、ちょっとした合宿気分もあり、気取ったホテルよりもむしろリラックスできる気がしました。
この[BOOK AND BED TOKYO]は今とっても人気があって、週末などは数ヶ月先でないと予約が取れないようです。
建築やデザイン関係者には是非一度この空間体験をして頂きたいのと、また地方の方で東京に一泊するという方も、どうせ泊まるならこんな場所はどうでしょう?安ホテルと同じくらいの値段で、より刺激的な体験ができますよ。
志木市で現在計画進行中の住宅「deco」の敷地は文化財保護地区にかかっているため、工事にかかる前には市の教育委員会による試掘調査が義務づけられています。
よく遺跡が出てくると工事が止まってしまうなどという話を聞きますが、それはこういう試掘を怠った場合(あるいはたまたま出てきてしまった場合)であって、このように計画的に試掘を行えば工事工程への影響はありません。
現地に行くと教育委員会による試掘調査がはじまっていました。するとさっそくお宝が!もとい土器が発掘されていました。縄文式土器だそうです。
さすが教育委員会、質問をするとその場でなんでも答えてくれます。古代の住居形式までいろいろと教えてくださいました。
ご存じかと思いますが、縄文式土器は縄を使って土器の表面に”縄目”の模様を付けているところから由来しています。現場の土器片にもくっきりと縄目が見えますね。
また大陸文化が入り込み洗練された弥生式土器とは異なり、荒々しくプリミティブな縄文式土器の造形は、岡本太郎をはじめとした芸術家も魅了し、日本文化の源流であるとも言われています。
ところで土器は縄文式ですが、敷地は古墳時代の住居跡に位置しています。
古墳時代といえば縄文や弥生よりも新しい時代になるわけですが、どうして同じ敷地から異なる時代の遺構から出てくるのかというと、新しい時代になっても掘り起こされなかったり、掘り起こされてもそのまま放置されていたのではないかとのこと。
つまり、我々が新しい家を建てるとき、敷地から前の住宅の解体片(いわゆるガラ)が出てくることがありますが、要は同じようなことで、縄文式土器といえども当時の住人にとっては、庭先から茶碗の欠片が出てきたような感覚でしかなく、また出てきやがった「チッ!」とかやっていたのかもしれません。あくまで推測ですが。
ところで縄文時代といえば今から2300年前まで、そして古墳時代といえば今から1500年前までの時代を差します。敷地のある志木市の柳瀬川周辺は昔の海岸線に面しており、貝塚なども多くあることから、古代から人が住むのに適していた土地だったのでしょうね。
大昔は今のように電気があればどこでも住める時代とは違いますから、外敵や天災から逃れるため、土地探しには吟味を重ね、経験的に最も安全で利便性の高い場所に集落を築いたのでしょう。そして一度集落を形成すれば、そこは何百年と(この地の場合は何千年と)人が離れることはなかったと想像できます。
今回の敷地はもともと畑や駐車場だった場所を宅地開発されて売り出されました。クライアントから依頼を受け設計をはじめた頃はこんな感じでした。なかなかの大型分譲地ですね。
それが数ヶ月前からポツポツと工事が始まり、
今ではこんな感じです。
この風景の変化はあっという間で、わずか半年もないかもしれません。
1500年前の遺構の上に、わずか半年でできあがる街並み…。
なんだか考えさせられる光景です。我々の仕事もまたそんな営みの中にあるとすれば、この地に建てる建築は人類の歴史にも恥じないものにしなくてはならないという…なんだか大げさかもしれませんが、そんな思いにも囚われるこの年の瀬でした。
deco| 2017年8月末竣工予定
16. 12 / 19
WEBサイト拝見
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sekimoto
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> メディア
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ディテール連載でお世話になっています建築知識さんの「WEBサイト拝見!」というコーナーに、リオタデザインのサイトを取り上げて頂きました。
今のサイトはデザイナーの石曽根昭仁さんに5年ほど前に作って頂いたものですが、とても気に入っていて、石曽根さんにコントロールしていただく部分と、私が適宜手を入れられる部分が分かれているので、このように日々の更新もスムーズです。今回専門誌にも取り上げて頂きとても嬉しく思っています。
◇
設計事務所の敷居の高さはずっと言われ続けていることですが、やっぱり設計事務所にアポイントを取って会いに行くというのはとても勇気のいることだと思うんですね。また忙しくて心に余裕のない状態だと、やはり大きな決断は後回しになりがちです。
なので、通勤の合間や時間ができたときに自分の都合で検索して眺められるサイトというのはとても便利だし、今どきの家づくりの取っかかりとしては外せないツールであるように思います。
なんといってもオーダメイドの家づくりを標榜する設計事務所ですから、どの事務所も主宰者自らサイトの内容を吟味しているはず。そこには設計者のセンスや美意識、仕事に対する考え方や進め方のようなものも色濃く反映されていると考えるのが自然でしょう。
美しい作品につい引き込まれるもの、スタイリッシュで謎めいたもの、シンプルすぎて知りたい情報が書かれていないもの、サイト更新が半年以上止まっているもの…。
自分がそう見られたいという願望の表れから、無自覚にもその人の性格をさらしてしまっているものまでいろいろありますが、私が考える理想のサイトというのは、完璧で非の打ち所のないものや、常識的で当たり障りのないことしか書かれていないものよりは、自然体でむしろちょっと欠点(愛嬌)も見えるくらいの方がちょうど良いと思っています。
家づくりは相性。そんな自分でも設計をお願いしようと思ってくれる人が来てくれたら、きっとその家づくりはお互いにとってハッピーなものになるだろうと思うからです。
建築知識(エクスナレッジ) 2017年1月号
http://amzn.asia/2nrtQJo
ちなみに今月はなんと”ネコ特集”
エクスナレッジ、今月も攻めています笑。うちの事務所からも実例提供しているほか、私のディテール連載もお楽しみください。
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