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これまでで最大規模となる延べ75坪の住宅「大和田の家」は、木造住宅でありながら11ヶ月の工期を費やし、いよいよ最後の外構工事。外構工事だけで丸一ヶ月はかかりそうです。

外構はもちろん耕水の湊さん(通称ストライカー)。これまでにない規模ということで、湊さんも楽しみで仕方がない様子。暮れも正月も考え続けたという渾身のスケッチをクライアントにご説明下さいました。


…が、想像を絶する金額に一瞬でクライアントがフリーズ。そりゃそうだよ、こんな見積もり出しちゃって!

でも湊さんがいつもすごいなと思うのは、自分が良いと思う案は、予算やら何やら空気を読まず、全力で提案してくるところです。その後は私が仲立ちして費用調整に明け暮れることになるのですが、けして信念を曲げない、そしてクライアントを喜ばせることに全力投球する湊さんが、やっぱり私は大好きなのです。

そしてごくたまに(5回に1回くらい?)、そのまま通ってしまうこともあるんですね。

この日も湊さんの全力プレゼンが、じわじわとクライアントの不安を期待感に変えていったようです。気まずく流れた空気から、最後にクライアントが発したのはまさかのゴーサイン。

その後は、もう楽しくて仕方がないっていう感じで工事を進めてくれています。本当に幸せそうなんですよね。いいなぁ、こんな現場は私も幸せになります。

建物をぐるりとグリ石の通路がまわります。駐車場側にはイペ材のルーバー。見積りにはありません。湊さんにとって、結局見積りはあってないようなものなんでしょう。


17. 01 / 31

ベガハウスさん

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> 仕事
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昨日はベガハウスの八幡社長が事務所にお見えになり、来月竣工予定の大和田の家の現場をご案内しました。

ベガハウスさんというのは鹿児島の工務店さんなのですが、ただの工務店ではなく設計施工型の工務店さんです。これだけならよくある話ですが、ベガハウスさんは設計力が極端に高いことで有名な工務店さんなのです。

それはもう、ちょっとした設計事務所のクオリティをすら越えているというか…。ご興味ある方は、以下のリンクから覗いてみてください。

ベガハウス
http://www.vegahouse.biz/

もしかしたらお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、建築家の伊礼智さんの作風にもよく似ています。そう、ベガハウスの八幡社長は、伊礼さんの住宅デザイン学校の第一期生でもあるのです。今では地方で活躍する工務店の希望の星となっています。

そんな研究熱心な八幡社長ですが、建築家の仕事を学びたいとわざわざ鹿児島からお見えになりました。私もベガハウスさんの素晴らしい仕事はよく知っていましたので、どう考えても旗色が悪い。教えられる事なんてなにもありません汗

板金なら、少しは、なんとか…?

年始早々、また新しいご縁を得られて嬉しく思います。八幡さん、遠いところをわざわざお越しくださりありがとうございました!またご紹介の労を頂きましたmonowaの中嶋さんにもお礼申し上げます。


昨晩のSADIイベントに来て下さった偕成社の編集者さんに、とあるノルウェーの絵本を頂きました。中身を読みとっても共感するというか、くすっと笑ってしまう楽しい本だったのでご紹介したいと思います。

うちって やっぱり なんかへん?(偕成社)
トーリル・コーヴェ作 青木順子訳
http://amzn.asia/acteVJG

この本にはとある娘さん(作者の幼少時代)の、ちょっとした悩みについて書かれています。その悩みというのが、親が建築家であるということ。おしゃれすぎる家、マリメッコのワンピース、へんてこな自転車…。

そう、ご両親はただ優れたデザインのものを、良かれと思って揃えているだけなのです。でも娘さんの受け止め方は違います。ふつうの家にふつうのお父さん、ふつうのワンピースがただ着たいだけなのです。自転車だって、近所のお店で売ってるふつうの自転車が欲しいのです。

けれどもお父さんは、自転車がほしいという娘さんのリクエストに、受注生産のモールトン社の自転車をわざわざ英国に発注します。やっと届いた自転車に、テンションの上がったお父さんのウンチクが止まらない…。

娘さんは心の中の失望を懸命に隠そうとします。けれどもそれを次第にポジティブに受け入れてゆく、、とまぁそんなお話しです。


私のブログを読んでくださる方には、もうかなり刺さっていることと思います。あ、これ自分のことだ!と。

そうなんです。別に”ふつう”を否定しているわけじゃないんです。むしろふつうであろうとしているのに、自分の気持ちに素直に行動したり、惹かれるものを手に入れていくと、結果として人とはズレてしまうんです。建築家あるある、そして建築家住宅に住んでる人あるあるかもしれませんね。

この話を息子にしたら衝撃的な言葉が返ってきました。
「これ俺の話だ」

小さい頃、「おまえんちすごいな」と言われるのがとても嫌だったそうです。そうだったんだ…初耳でした。今はそんなことないそうですが。

実は私も小さい頃はそうでした。自分の住んでいる家が友達の住んでいる”ふつうの家”ではないことが嫌で仕方がありませんでした。親が”ふつう”ではないこともコンプレックスでした。

それを反面教師にして、今ではふつうの家に住み…ではないというのはなんなんでしょう?そういう家を作る張本人になってすらいる。ある意味突き抜けてしまったのかもしれませんね。

人に合わせるのではなく、自分らしく生きるというのは本当に幸せなことだと思います。この絵本のほんとうに伝えたかったことは、そういうことなんでしょうね。ある意味、北欧らしい考え方のような気がします。

17. 01 / 27

最終回

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> メディア
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原稿をやっとの思いで書き上げて、一週間後くらいに編集者さんから送られてくる初稿を見るのが好きでした。好き勝手に書きたいことを書けるブログと違い、連載記事は毎月テーマが決まっていて、内容によっては切り口が難しく、そんなニッチなテーマをどうやって…なんてことも多々ありましたが、ない頭をハミガキのチューブを絞り出すようにして乗り切ってきました。

イラスト解説も全部自分で描きましたよ。トレースしてもらっていましたけど。でも結果的に盛りだくさんになりすぎて、レイアウトが入らない!と編集者さんをいつも泣かせていました。建築知識で一番濃い連載だったと思います。読みづらかったでしょうね。ごめんなさい。

そんな連載もいよいよ最終回!18回も続いたんですね。ほんと長かったよ。あぁ嬉しい!初稿に赤を入れて送り返した瞬間、終わった~!と思いました。皆さんのお目に触れるのはまだまだ先でしょうが、また担当編集者の上野さんの仕事も校了まで山積みでしょうが、一足先に解放感に浸らせて頂きます。

しかーし。
話はここで終わらないのです。

連載に大幅加筆をして書籍化するんだそうで。
あのぅ、まだ原稿書くんですかね?

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> 思うこと
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先日とある番組で脳科学者の中野信子さんが、困難に直面したら弱音を吐いた方が良いという主旨のことをおっしゃっていた。弱音を吐くと脳が現在の状態を自己認識できるので、気持ちが落ち着くのだという。

確かに人は悩みを抱えたとき、人に話すことで楽になれることがある。迷いがあったときに人に相談すると、考えがクリアになることもよくあることだ。自ら悩みの根っこを論理的に認識することで、問題点が整理されて脳が問題を解決しやすくなるのかもしれない。

一方で不安を抱えたまま、「大丈夫だろう」と根拠なく楽観すると、それが油断となって手痛い失敗をすることも多い。

アスリートなどがよく「成功するイメージしか持たない」という主旨のことを発言するけれど、それは彼らは日々無数の不安の種を持っていて、それを不断の努力で一つづつ潰してきているからそのようなことが言えるわけで、練習を怠ってはけして吐けない言葉だろうと思う。

仕事でも失敗のイメージを持つことはとても重要だと思う。失敗する、必ずミスをするに違いないという前提があると、そこを出発点として、それを回避するためには何をすれば良いかと考えるようになる。

仮にミスをしても、織り込み済みだから深く落ち込むこともない。何事も常に想像しうる最悪の想定からはじめると、結果は必ずそれよりは良くなる。上手く行くわけがないと思っていればプレッシャーもないし、結果も自分が思っているよりは上向くものだ。

けれどもネガティブは伝染するから、口に出すときは相手を選ばないといけない。本当はこのブログにももっとあけすけに書きたいのだけれど…。