昨晩はフィンランド在住時代からの古い友人であり、書籍『世界からコーヒーがなくなるまえに』の翻訳者でもあるセルボ貴子さんのオンラインセミナーに参加させて頂きました。

コーヒー豆が適正価格で取引されたり(フェアトレード)そこに関わる業界や労働環境が改善されることで、生産者の生活も保障され、過剰生産を抑えることができる。それが環境負荷を抑え、結果としてずっと安定して良質なコーヒーを生産し続ける(サステイナブル)ことが出来るという、そんな骨子の訳書の内容に触れた良いお話でした。

ご興味ある方は二回目以降もありますので、是非こちらをチェックしてみて下さい。

オンラインTAUKO|フィンランドから環境問題を考えよう
https://sustainablefinland-hokuotravel.peatix.com/


コーヒーは私も好きで毎朝豆を挽いて呑んでいますが、こうしたコーヒーのみならず、建築では製材(林業)の問題なども同じようにあります。安い輸入材に押されて国産材が衰退し、という問題は語られてすでに久しい状況です。

私は必ずしも輸入材が良くないという立場は取っていませんが、なにごとも生産者の顔が見えたり、「フェアに」取引されることが重要なのだと思います。

これは材料の問題だけではなく職人さんの問題もありますよね。こちらも高齢化や継承者問題でどんどん職人さんの数が少なくなっています。それこそ何十年後かには我々の設計を施工できる職人さんはいなくなってしまうんじゃないかという、リアルに『世界から職人がいなくなるまえに』という問題も起こりつつあります。

一方で我々は建て主さんの”金庫番”でもあるので、全体のコストコントロールにも骨を砕く必要があり、なんともバランスが難しいところですが…。


ところで近年良く聞かれる「サステイナブル(持続可能性)」という言葉について、皆さんどういう理解をお持ちでしょうか。

この言葉はもう20年以上前から建築の世界でも言われ続けていますが、若かりし当時、私は何のことだかさっぱりわかりませんでした。環境問題でよく出てくる「サステイナブル=エコ」みたいに言われることが、頭の中でうまく結びつかなかったからだと思います。

今ではなんとなく肌感覚で分かります。要は「無理をすると続かないよ」ということなんでしょうね。仕事でもそうですよね。職場環境が自分のリズムや感覚に合っていないと、ストレスが溜まって長続きしません。人間関係もそうですよね。

お金がすべてではないとはいえ、お金があまりにカツカツではやはり長続きしません。長続きの秘訣は、私は「自然体であること」なのだろうと思っています。私が北欧で学んだことをひとことで言えば、そのことに尽きます。

何事にも自然体であり続けることって難しいし、努力がいることなんですが、自分自身が自然体であり続けること、無理をしなくても(させなくても)生活してゆける環境をつくることが、サステイナブルな社会を作ってゆく第一歩なのだろうと今では思っています。

昨晩は貴子さんのそんなお話に耳を傾けながら、そんなフィンランドでの日々にも思いを馳せたのでした。

20. 07 / 03

戸建ての郊外化

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sekimoto

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敷地調査のため鎌倉へ。例えば道すがらのこの感じ、ザ・鎌倉という風情にテンションが上がります。

緊急事態宣言下のGWに、都内で土地探し中とのことでご相談を頂きましたが、最後に「ちなみに鎌倉とかもアリですかね」とこぼされたことが現実になりました。

この週末には、やはり緊急事態宣言明けに小田原に土地を決めた建主さんとの設計打合せがはじまります。

テレワークが定着しはじめ、都内にしがみつく理由はもはやなくなってしまいました。戸建ての郊外化は、今後もっと拍車がかかることでしょう。総予算の過半を土地に持っていかれる理不尽とも、もうおさらばです。

問題は、事務所から現場がどんどん遠ざかってゆくことです汗

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sekimoto

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対人関係において、私はつい心の中で思っていることを言ってしまう癖がある。良く言えば裏表がないということになるかもしれないけれど、言った後で予期せぬ余波を引き起こすこともあって「やっぱ言わない方が良かったかな」と少し心の中がざわつくこともある。それでもやっぱり、言わないわけにはいかないのだ。

個人や少人数のグループだとみんな本音を言うのに、少し大きなグループになると、急にみんなだんまりを決め込む。私はそれが耐えられない。みんな思っていることがあるはずなのに、なんで言わないんだろう。

だから私はいつも、自分が出席するミーティングでは積極的に発言をする。努めて空気を読まないようにする。私が率先して「みんな思っていてもなんとなく言えないこと」を発言すると、みんな口火を切ったようにそのトピックを話し始める。なんだやっぱり思ってたんじゃん!て思う。

そういう状況は、例えると波風立たない湖面に小石を放る行為に近い。ぽちょんと音がして、それまでの静寂が破られ湖面に波紋が拡がってゆく。波紋はやがて岸に到達して、また返す波紋が複雑な波形を作り始める。

波風を立てないのならいないのと同じ、と私は思う。みんな言いたいことは言えばいいのに。もちろん言葉は慎重に選んだ上で。

それで一時的に人を怒らせたり、誤解を招いたりしても、自分の思っていることが相手に伝われば、結果は悪いことにはならないと思う。思わぬ所から攻められると、人はまず本能的に押し返そうとする。けれど、その次は受け入れようと心は動くものだ。交渉ごともまたこのシーソーゲームの上にある。

波紋を立てて、そのうち元の静かな湖面に戻ったとしても、それは自分の中ではもう別の湖になっているはず。みんな勇気を出して小石を放ろうよ。もっと思っていることは言おうよ。

マスク不足もだいぶ解消されてきましたね。

でも街の人たちが着用しているのは殆どが使い捨てのマスクです。あとはたまに手作りのおしゃれマスク。購入できるものもありますが、人気の高いデザインのものはなかなか買えません。

思うに使い捨てマスクって、マスクの使用を一時的なものだと思っているということだと思うんですね。とりあえずという感覚。でもどうでしょう、マスクは本当に一時的なものなんでしょうか?もはや、マスクを外した生活に戻れる気がまったくしません。Tシャツを使い捨てにする人はいないように、マスクもまた使い捨てではなく、日々の服装の一部になるような気がしています。

街にTシャツの専門店があるように、そのうち街にもおしゃれなマスクの専門店ができるんじゃないかと思います。メガネ屋さんのように、顧客の顔に合わせて生地からオーダーメイドでマスクを作ってくれるお店やネットショップとか。

ネクタイやスカーフと同じように、クローゼットにはお気に入りのマスクが何十枚もあって、その日の服装に合わせてコーディネートします。無頓着なお父さんがありえない組み合わせのマスクをつけて会社に行こうとしていたら、奥さんにすかさずツッコまれたり。

うっかりマスクつけないで家を出た日には、うっかりパジャマで出て来ちゃったくらいの恥ずかしさで急いで家に戻ります。下着を着用するように口元を隠すのが当たり前になると、マスクをしていないと、コロナではなく別の容疑で通報されちゃうかもしれません。

日常がマスク着用なのに、ドラマの出演者がマスクなしなのは違和感があるということで、俳優や女優もみんなマスク着用に。人気モデルが着用したマスクは、次の日には即売り切れです。

付き合って2年になるけど素顔を見たことない恋人とか。お引渡しを終えて、結局建主さんの素顔は見なかったねとか。少し前ならSFの世界でしたが、あながちフィクションとも言い切れない世の中が来るんじゃないかと思います。

ということで、今始めるべき一番ホットなビジネスはマスク屋さんだと思います!



このGWにかけて何組かの設計相談を頂きました。いずれも土地も何も決まっていないという方からです。中にはしっかりしたお考えの方もいて驚かされました。一般の方が最も悩まれるであろう家づくりのとっかかりについて、今日は思うところを書いてみたいと思います。

▪️土地が先か、設計が先か

まずはじめに、皆さん設計事務所に相談に行くタイミングはいつがベストだと思いますか?もしかしたら、設計事務所には土地が見つかってから設計相談に行くものだと思われている方もいらっしゃるかもしれませんよね。

もちろんその段階でもありがたく相談に乗っているのですが、過去に設計した住宅の半分以上は、ご相談は土地探しの段階からです。土地が見つかっていないどころか、まずはじめに何から手をつけて良いかわからない(ただ建てたい!)という段階でいらっしゃる方も多く、実のところ私はそれが「正解」だとも思っています。

ちょっと冷静に考えてみてください。都内はともかくとして、埼玉や神奈川などの首都圏の好立地を買おうと思ったら、30坪ほどの土地でも3000万をなかなか下回らないと思うんですね。

▪️土地も建物も費用のウェイトは同じ

一方でその土地の上に建てる我々が設計する住宅の平均工事費は、約3000万程度です。土地が3000万で、建物が3000万。金額は同じなのに、土地決済のなんとあっさりしたことか。不動産屋さんで良い土地が見つかったら、その週末にはもう契約、数ヶ月後には決済がおりて引渡しです。

一方の建物は、我々が何ヶ月もかけて図面を描き、工事もそこから更に半年くらいはかかります。ご依頼から1年以上も時間や手間をかけてようやく出来上がるのです。不公平だなとつくづく思います。

そして住宅が着工するためには厳しい予算調整の洗礼を受けることもあり、5万10万という減額項目を積み上げて調整してゆきます。一方の土地契約では、5万10万の値交渉をする方はほとんどいらっしゃいません。つまり、そのしわ寄せはすべて後に建つ建物に回ってしまうことになるのです。

だからいくら良い土地だからといって、勢いで買ってしまってからあとは建物で辻褄を合わせてくださいとなると、本末転倒なことが起こります。自分たちの理想の住まいを建てるためにはいくらくらいかかるのか、ある程度費用の目安を掴んでおく必要がありますし、そうすれば土地にかけられる費用の上限はいくらくらいかは自ずと見えてくると思うのです。

▪️土地探しは全体の費用配分を把握してから

我々との設計相談の際は、いつもそんなバランスシートの話から始まります。
手前味噌ですが、私のこの費用配分の話はとてもわかりやすいと評判です。想像以上に費用がかかることがわかって表情が暗くなる方もいますが、全体像さえわかってしまえば、依頼先をどうするかも含めて前向きな一歩を踏み出せるとも思います。

ぶっちゃけ、10組の方が土地のない段階でうちに設計相談に見えたとして、実際に理想の土地が見つかって、我々に設計を依頼して下さる割合はだいたい3割くらいです。それ以外の方は、結局理想の土地が見つからず集中力が切れてしまったり、我々ではない他の事務所に行かれたり、ハウスメーカーなど別の選択肢を選ばれたかではないかと思います。

いずれにしても、夢と現実を秤にかけて、それぞれの方にとって最善の選択肢に行き着いたということでしょうね。それだけでも、我々がお役に立てたのだとしたら幸いなことだと思います。

▪️通勤を第一に考えない家づくり

さてさて、ここでようやく本題です(毎回前置きが長い…)。
ここ最近ご相談に乗っている方が口を揃えておっしゃることがあります。それは「もう住まいは通勤のことを第一に考えなくていいんじゃないか」ということです。

これはすでにいろんな場面で言われていることですが、目下のコロナ禍でリモートワークが進み、職種は限定されるとは思いますが、必ずしも会社に行かなくても不自由なく仕事ができることがわかってきました。そしてそれを会社も理解し、コロナ後も一般化するだろうと言われています。

そうです、もう会社には行かなくていいんです!

行かなくちゃいけない場面ももちろんまだ沢山あると思いますが、もう通勤を第一に考える家づくりはやめませんか?と強く思います。

▪️コロナ後は家にお金をかける時代

だって考えてもみてください。今や都内23区で土地を探そうと思ったら、坪単価で200万以上は覚悟しなくてはなりません。30坪の土地なら6000万ですよ。先ほどの例えに出した試算なら、土地と建物両方が手に入る金額なのです。

何もそんな遠い郊外まで離れる必要はなく、たとえば私の住む埼玉県志木市辺りだって坪100万程度ですし、もうちょっと離れれば坪80万やそれ以下の土地も沢山あります。都内に通勤したって1時間ちょっとです。ほら、あっという間に3000万円も借金が減りました。(建物で3000万円も減額することはまず不可能です!汗)

その代わり、もうちょっとだけ広い土地に、もうちょっとだけお金をかけて、週末家から一歩も出なくても快適な住環境が手に入ったとしたら、まさにコロナ後のライフスタイルそのものだと思いませんか?

すでにそんなコロナ後のライフスタイルに向かって、行動を起こし始めている方達がいます。そういう方と話をしていると、とても勇気づけられます。まさに新しい時代の幕開けです。

現在悶々とお住まいのことをお考えの方々は、そんなことも含めてお考えいただけたらと思います。