
このお正月は京都奈良に行ってきました。奈良には観光で来るのは30年ぶりくらいかもしれません。激混みの京都と打って変わって、奈良はのんびりしていてとても良かったです。
奈良では法隆寺の五重塔をあらためて見てみたくて訪ねました。心柱を通した制振構造や木造の物理的な強度もさることながら、後年に建てられたほかの絢爛な五重塔よりも素朴で純粋な佇まいに、ずっと見ていて飽きませんでした。

奈良では急に思い立って慈光院にも立ち寄りました。誰もいなさすぎて、やってないのかと思ったほど。それがとても良かったです。
寺院でありながら、片桐石州による境内全体を茶席として設えた空間演出と、当第一の文化人が集った場所ということが空間全体から感じられて、しみじみと良い空間体験をさせて頂きました。
奈良はまたゆっくり訪ねたいです。


これまで家族旅行といえば子供が中心に回っていましたが、息子も成人し、ともに同じ目線で建築を見て、写真を語り、お酒が呑めるというのは今回とても楽しかったことです。
必要に応じて別行動をし、夜は一人で夜の街に消えていく息子。あ〜楽だ!10年前の自分に言ってやりたい、いつかこういう旅ができるようになることを。
そして数年後の自分にも言われることでしょう。そんな旅も、あと◯回でおしまいだよと。





今年は平日のクリスマス。クリスマスは早く帰りましょうキャンペーンを実施、自分も早めに上がって年に一度のチキン担当。今年は俺が焼こうかの息子の声を制し、年に一度だけ料理を作る日のルーティンを死守しました。
クリスマスのプレゼント制度を廃止した我が家ですが、今年はサンタさんから気まぐれのプレゼント。たまにはいいでしょ。メリークリスマス!




すでに先月末のことになりますが、JIA(日本建築家協会)の全国大会のため、二泊三日で大分の別府に行ってきました。別府滞在中のあれこれについては、ついぞここにまとめて書く余裕もないまま時が過ぎてしまいました、、。(一部はFacebookに投稿を上げました)
JIAの全国大会は、毎年様々な場所で開催されていて、昨年は常滑、その前は沖縄での開催でした。ちなみに来年は千葉!
建築家大会なんて何をするんだろうと思われると思いますが、開催時期に合わせて多くのセミナーやシンポジウムが現地で開催され、大きな会場で懇親会が行われたり、支部ごとに夜遅くまではしご酒したり?それはそれは盛り上がる年に一度の建築家のお祭りみたいなものなのです。
実は今回の別府建築家大会は、ちょうど開催が結婚記念日とまるかぶりしていて、参加をどうしようかと迷っていました。
記念日だからといって何か特別なことがあるわけではないのですが、それを知っていて出かけるというのもなんとなく後ろめたくもあり、「一緒に行く?」と誘うと「別府=温泉」の構図がよほど魅力的だったのか、人見知りで知らない人がいる場所に滅多についてこない妻が珍しく行く!との返事。
そんなプライベートの旅行も兼ねさせて頂いたため、大会中も一部は別行動をさせて頂き、おかげさまで我々にとっても特別な旅行となりました。(大会のメイン行事はちゃんと参加しましたよ!)
建築とは一切関係のない仕事の妻ですが、建築巡りに文句も言わず、食べものが美味しいといっては喜び、買い物をしては上機嫌で、悩みひとつ抱えない性格は私とは真逆でいつも羨ましいなあと感じます。情報通で、私が知らないことを実によく知っています。我が家のトレンドセッターは、私ではなく実は妻なのです。
息子も大学生となり、最近はまた二人での時間が増えてきました。親業もそろそろおしまい。これからはまた新しい時間が刻まれるのでしょうね。

幼稚園から続ける美術教室。最近は大学が忙しくて教室自体には行けてないようだけど、毎年秋の美術展には必ず出す。3歳から18年連続出展は彼だけだと思う。21歳にしてすでに芸歴18年の子役みたい。続けるってすごいことだとあらためて思う。
彼は毎年シュールな作品を作る。いやシュールというのとは違うか。形式に納まらない彼の作品はいつも個性的だ。今年は大学で拾った廃材と銅板を組み合わせて木箱を作った。「Reflection」と名付けられた作品は、誰が見ても「???」
彼に説明を求めると抽象的な彼の思考があふれ出した。咀嚼するとこうだ。
「誰かに何かの目的のために使われてきた廃材を拾い集めて再構成した木箱は、自分と他人との関係を相対的にむすびつけた媒体になる。そこにさらに鈍い反射率をもつ銅板をはめこむことで、その関係を象徴的に写し出す鏡にできないかと考えた」
たぶんそんなことを言っていたと思う。違ったらごめん。
会場でそれを理解した人は一人もいなかったかもしれないけれど、それでいい。とてもいい。美術は彼が自由に生きるための道しるべなのだ。とてもありがたい。


金曜日に急に熱が出てダウンしてしまった。大事な打ち合わせがあったのに迷惑をかけてしまった。風邪を引いたといえばそれまでなのだけれど、それだけじゃなかった気がする。
ここのところずっと心と体が重かった。夜もよく眠れず、昼間は眠かった。それでも次から次に対応しなくてはいけないことが起こり、ずっとアクセルとブレーキを同時に踏んでいるような日々だった。きっとブレーカーが落ちたのだと思う。
二日間体を沈めたらだいぶ気持ちが楽になった。砂底をわずかに蹴った。ここから浮上がはじまる。
ここのところずっと心と体が重かった。夜もよく眠れず、昼間は眠かった。それでも次から次に対応しなくてはいけないことが起こり、ずっとアクセルとブレーキを同時に踏んでいるような日々だった。きっとブレーカーが落ちたのだと思う。
二日間体を沈めたらだいぶ気持ちが楽になった。砂底をわずかに蹴った。ここから浮上がはじまる。
