
アールトの自邸のように、ツタに覆われた住宅というのは憧れで、自邸ではテイカカズラを外壁に這わし、1階の事務所の壁はとうに越えて、2階そして3階へとどんどん伸び続けていった。このモシャモシャがとても気に入っていた。
ところが家族にはいたく不評で、いい加減切ってくれと何度言われたことか。それでも聞き流してきたのだけれど、来週から外壁塗装の工事が始まることになり、そこに家族からのさらなる陳情も届き、とうとう観念して木部にかかるツタをバッサリ切り落とすことにした。

落としてみるとサッパリした。サッパリはしたのだけれど、どうも落ち着かない。まじめか!やっぱりモシャモシャの方が良かった。
ロックミュージシャンを目指していた長髪の若者が、田舎の親に言われてバッサリ髪を切り、就活を始めたみたいでとても寂しい。
塗装工事が終わったら、また伸ばすぞ!
