14. 06 / 02

PANDA

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sekimoto

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> 生活
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「車,とうとう買い換えることにしたんだよね」

<スタッフHYの場合>
「ほんとですか!車種は何ですか?」
「それは来てのお楽しみだよ(ニヤニヤ)」
「フィアットですか?」
「・・・」

<スタッフJYの場合>
「ほんとですか!車種は何ですか?」
「それは来てのお楽しみだよ(ニヤニヤ)」
「パンダですか?」
「・・・」

あのねえ,君たち空気読みなよ!
ここ絶対当てちゃダメなとこでしょ.
芸能人なら干されるよ.

<スタッフUの場合>
「ほんとですか!車種は何ですか?」
「それは来てのお楽しみだよ(ニヤニヤ)」
「・・・全然わかんないっす」

ほら,U君はわかってても言わないんだ.
で,正解はフィアット・パンダです.
U君,君だけだよわからなかったのは!(舌打ちしながら)

14. 05 / 07

MUJI

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sekimoto

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> 生活
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タモの無垢椅子10,000円.
ナラの無垢テーブル(1400x800)49,000円.

無印良品(MUJI)のクオリティがすごいことになっている.
これ,我々がデザインして製作したら,シンプルな作りでも確実にこの3~4倍はすると思う.よく製作でお願いしますと頼まれることがあるのだけれど,お店で買った方がいいですよと話すのはこのためだ.それにしても,これは安いと思う.

安いだけでなく,MUJIはデザインが良い.凡庸さからは一歩踏み出しつつも,奇抜さの一歩手前で止めている.あの抑制の効かせ方が,万人に受け入れられる絶妙なラインなのだと思う.

新しいMUJIの店舗などに行くと,店舗の見せ方や斬新なサービスの数々にも驚かされる.なかなかのセンスだし,よほど優秀なディレクターがいるのだと思う.

MUJIはアノニマス(匿名)であることをコンセプトにしているから,デザイナーの名前は表に出さない.結構なプロダクトを深澤直人さんなど超一流のデザイナーが手がけているにもかかわらず,それをクレジットしない.もっともそれをクレジットしてしまったら,それはもうMUJIではなくなるわけだけれど.

私が北欧フィンランドに惹かれたのは,あの国には良品しかないというボトムの高さだった.MUJIとの違いで言えば,あの国はデザイナーの名前を商品にクレジットしているということ.けれども日本と違って,それが過当な付加価値(ブランド)になりすぎず,庶民が日常で使える手頃さをキープしているというところが素晴らしいと思ったのだ.

消費者が無意識に良品を選び,結果として生活が豊かになる.
北欧で感じていたそんな感覚を,先日MUJIのお店を見ながらふと思い出した.
日本にはMUJIがある.

14. 03 / 05

トラウマ

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sekimoto

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> 仕事
> 生活


設計中の案件で,とある建材メーカーさんにご協力を頂いている.かなり大胆な採用となるため,慎重な検討が必要だ.幸い前向きに取り組んで下さっており,施工図面や技術的なバックアップをして頂いている.

私の学生時代に亡くなった父は,祖父が創業したこの建材メーカーの経営者だった.私は「社長の息子」だと言われるのが大嫌いで,それを言われることは私にとって当時は”いじめ”に等しいことだった.うちは普通じゃないということが心底嫌だったし,将来は社長になるんだろ,と言われるたびに深く傷ついた.

本人の実力とは無関係に,下駄を履かされている感覚に馴染めなかったのだと思う.挙げ句の果てには,友人が自分に優しくしてくれるのは自分が社長の息子だからだろうか,と訳のわからない被害妄想に陥った.そして固く決心した.何があっても社長にだけはなるもんか!と.

しかし杞憂だった.父は早世し,そこそこの規模になっていた企業を当時学生だった私がどうにかできるはずもなく,またそんなつもりも,そんなオファーすらも微塵もなく,私は自分の望み通り,父とは関係なく自分の実力だけが頼りの世界へと飛び込むことになった.

建築関係者であればおそらく誰でも知っているであろうその企業に,私も時折お世話になる.そこの営業担当者などを呼ぶときは不思議な感覚で,その企業名を口に出すと今でも心の奥がズキッと痛む.幼少のトラウマを思い出してしまう.そのくせ商品知識をわきまえていなかったり,応対の仕方が悪かったりするとやけに腹が立ってしまう.しっかりしてくれよ,と思ってしまうのだ.

ちなみに冒頭のご協力を頂いている案件では,もちろん一切余計なことは言っていない.向こうも私を数多くいる設計者のうちの一人として対応してくださっている.今では創業家の名前を出しても,知る社員などもはや少数に違いない.父が亡くなって20年が過ぎ,今こうしてそれぞれの立場で対等に仕事ができていることが,ただ嬉しいのだ.

幼少の自分にはもちろん,今私がこんな仕事をしていることなど想像もつかなかったわけだけれど,もう一つ誤算があったとすれば,今私は当時あんなに忌み嫌っていた社長になっているということだ.

13. 11 / 06

IKEA

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sekimoto

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> 生活
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先週末は久しぶりにIKEAへ.IKEAに来たら家具もいいですが,フードコーナーがオススメです.食べたことない人にはハードル高いですが,都内ではなかなか北欧のお酒やお菓子,調味料が買えるところはありませんので.

お勧めはジンジャークッキー.北欧クリスマスの定番です.そしてグリュッギ.スパイスの利いたホットワインです.これもクリスマスの定番.あとディル入りマスタード.これはサーモンのマリネにかけて頂きます.

あとはスカンジナビアン・ホットドッグといって,ホットドッグにピクルスとフライドオニオン,ケチャップ&マスタードをかけて食べるのが北欧流なんですが,これがフードコートでは100円で食べられます.(もっとも,これに関しては吉祥寺カフェ・モイのスカンジナビアン・ホットドッグには敵いません.是非お試しあれ!)

見るだけのつもりが,ついテンションが上がって買いすぎてしまいました.



先日とある小説を読み終わりました.
いわゆるアトリエの建築設計事務所を舞台にしたお話です.
「火山のふもとで」(松家仁之・新潮社)

世に建築家を主人公にした小説やドラマはあまたありますが,どれもこっちが恥ずかしくなるような設定が多くて,中にはそういう人もいるんでしょうけど,おおよそ事実とかけ離れていることも多く,そういうものを目にするたび社会の建築家に対する誤解や偏見(ときに悪意)が反映されているようで微妙にへこみます.

この小説は実にリアルです.こんなに誠実に,そしてさわやかに建築に対する愛情や哲学を散りばめた小説ははじめてです.実際私が読んでも違和感を感じないどころか,そのまなざしには共感するところも多く,登場する”先生”の言葉には尊敬の念すら覚えます.

『建築というのは,トータルの計画が大事で細部はあとでいい,というものではけっしてないんだよ.(中略)細部と全体は同時に成り立ってゆくものなんだ』

『(胎児の)指はびっくりするくらい早い段階でできあがる.(中略)建築の細部というのは胎児の指と同じで,主従関係の従ではないんだよ.指は胎児が世界に触れる先端で,指は世界を知り,指が世界をつくる.椅子は指のようなものなんだ.椅子をデザインしているうちに,空間の全体が見えてくることだってある』

『設計をするとき,火事になりにくい家,地震で崩れ落ちない家をできるかぎり心がける.それは建築家の大事な仕事だ.でもかりにだよ,東京全体が焼け野原になるような大震災があったとして,自分の家だけが燃えず崩れずでいいのか.(中略)防災をあまりに徹底した家というのは,これは要塞であって,住宅ではない.居心地がいいかどうか,はなはだ怪しい.要塞に住むなんて,つねに災厄を考えながら暮らすようなものだからね』

『建築は芸術ではない.現実そのものなんだよ』


主人公である建築家・村井俊輔のモデルとなっているのは,建築をかじっている人であればその思想,断片的なエピソードから,故・吉村順三氏であることは容易に察しがつきます.

そして村井事務所の家具担当で,ちょっと皮肉っぽい「内田さん」は誰がモデルになっているかも,また村井のライバルで国家的建築家・船山が誰を差しているのかも想像がつくことでしょう.(実際,作者の松家さんは”内田さん”に自宅を設計してもらったクライアントさんでもあります)

また村井の北欧建築に対する造詣の深さや,アスプルンドやアールトの建築を語る場面も多く出てきます.私も知らなかった事実も多く書かれていて勉強になりました.

ちなみに,ストーリーはそんなコテコテの建築小説ということではありません.そこがいいところです.ベースは設計事務所を舞台にスタッフの目から描いたラブロマンスであり,夏の間は軽井沢にある「夏の家」に事務所の拠点を移す村井事務所の,国立現代図書館コンペを巡ってのスタッフ相互の心理や人間関係などを丁寧に描いた作品です.

建築が好きな方には特にお勧めの小説です.もちろん建築に無知な人でも十分に引き込まれると思いますので,是非秋の夜長に読んでみてください.