長らく告知をして参りました建て主[本音]クロストークは昨日無事終了しました。日程の直前にたくさん講演会など頼まれてしまって、私の中ではかなり綱渡り状態だったのですが、なんとか無事終わってほっとしています。

来場者はちょうど40名となりました。広い会場もほぼ満席!今どき一般の方も対象にした建築家の家づくりセミナーで、この集客はなかなか達成できません。猛暑の中、足をお運び下さいました皆様に、この場をお借りして深く御礼申し上げます。


この企画は私のまったくの思いつき企画で、誰に頼まれたわけでもなく、ただこういう主旨のセミナーがあったら面白いなということで進めてきました。結果としては会場もパナソニックさんに無償提供頂き、参加費も全て無料で開催することができました。さらっとやってますけど、これって実はすごいことなんですよ。

ふだん建築家のセミナーというと、設計者の目線で都合良く編集されて、美しいビジュアルのスライドと歯切れの良い設計解説がなされますが、それって本当?といつも思います。一体どんな人が住んでいるんだろう?住んでいる人はどう思っているんだろう?設計打合せはどうやって進めたんだろう?などなど、同業でも他の設計者の舞台裏はなかなかわからないものです。


今回は、私と「TOPWATER」の建て主Iさん、そしてクロストークの相手には建築家の山﨑壮一さんと「駒場の家」の建て主Sさんが登壇し、それぞれの計画の裏話や、その設計者のどこに惹かれたのか、また竣工後どのように暮らしているかなどについて、クロストークによって掘り下げてゆきました。

私側の「TOPWATER」の建て主Iさんは、私をOZONEのイベントで知ってから10年近く”ストーカーのように”ブログなどをチェックして、頼むならこの人と決めて下さっていたとのこと。プランについて理詰めで説明され、構造も一見アクロバットに見える部分も、合理性を突き詰めた先の解決であることなどを説明され、納得したことなどをお話し下さいました。

一方の「駒場の家」の建て主Sさんは、奥様が山﨑さんの古くからの友人で、そんなきっかけから計画を相談したそうで、それまでハウスメーカーで「それはできない」と言われることばかりだったのに、すべて前向きに解決しようとしてくれた山﨑さんに信頼を寄せるようになったとのこと。駒場の家は一見シンプルに見えるプランですが、随所に細やかな仕掛けが仕込まれていて、建て主さんとのやりとりの密度が垣間見える住宅でした。


私も設計者の立場で、山﨑さんの設計手法や建て主への対応についてのお話を興味深く聞かせて頂きましたが、共感することや自分と似ている点も多くあるように感じました。

その一つは論理的な価値共有という点で、建築には感覚的な切り口も論理的な詰め方も両方必要だと思いますが、建て主と計画の入口で感覚共有ができたことで、その後のプロセスは論理的な言葉のキャッチボールにより、「入居後もほとんど違和感を感じない、思った通りの住宅(S氏)」に着地できたという点も、ある意味共通しているような気がしました。

また建て主側に独自の美意識があり、それをうまくデザインに転換することで、唯一無二の個性的な設えができあがっているという点も二つの住宅に共通していた点だったように思います。

一方で、それぞれの設計者と建て主が席を並べることで、設計者の(普段建て主の前で見せている)素の部分が見え隠れして、お互いの信頼関係のようなものが垣間見えたことも興味深かったです。今回の企画主旨が良い形で表れた点でもありました。


イベントの構成は、第一部として建築家によるプレゼンテーション、そして第二部に建て主とのクロストーク、第三部には建築家同士のクロストークということで進行しました。

最後の山﨑さんとの建築家クロストークでは、お互いの建築のバックグラウンドや、住宅設計観、そしてスタッフに対する思いや採用の考え、設計事務所経営を巡っての危機感など、様々な”本音”が飛び出して、私自身もとても刺激的で楽しかったです。なかなか他所ではこのような話は聞けないのではないでしょうか。


最後に会場からの質問では、登壇された建て主さんへの質問も多く、大いに盛りあがりました。今回登壇頂いた建て主さんは、それぞれ全く異なるキャラクターながらとても話がお上手で、示唆深くとても内容の詰まったお話をして下さいました。

最後に「良い設計事務所に出会うためには?」について、お二方が共通しておっしゃった「最後は人と人。人を見て選ぶことが大切」という主旨のお言葉が、今回の会を締めくくるお言葉として相応しかったと思います。


今回の企画の実現のために、共に走り抜けて下さいました山﨑壮一さん、お忙しいところ無理を言ってご登壇頂きました建て主のSさん、Iさん、そして会場を快く提供して下さいましたパナソニックの穐原さん、当日会場を奔走してくれた両事務所のスタッフのみなさん、多大なご協力をありがとうございました。そして打ち上げまで付き合ってくれた多くの仲間達…。この場をお借りして厚く御礼申し上げます!


最後に、当日ご参加下さったタニタハウジングウェアの谷田泰社長が、昨日の内容について簡潔にまとめて下さいましたのでご紹介します。

いつもこのような形で簡潔にまとめておられるのを見て尊敬するのですが、ご厚意でデータを頂きましたので以下にご紹介します。私の偏った?ブログよりも分かりやすいかもしれません。クリックすると大きな画像で見れます。


昨日は中野にある「デザインファーム」という学校で講演をさせて頂きました。デザインファームというのは少し変わった学校で、建築設計事務所への就職支援や建築家になるための教育を行う建築専門学校になります。

デザインファーム
http://www.designfarm.org/

建築設計事務所というのはやや特殊な業態で、事務所によっては深夜残業や徹夜は当たり前(リオタデザインはありませんが)というところも多いですし、お給料も少なかったり、いわゆる大卒で就職先に選ぶというのはごく少数に過ぎません。そのため、都内の設計事務所などは、このデザインファームからの人材を多く受け入れている実情もあるかと思います。

この学校に通う生徒さんの中には、年齢も40を越えている方や、平日は建築や他の仕事をしながら土日のコースで学んでいる方もいらっしゃるとのこと。私が大学で教えている若い学生さんとは、切実さという意味でも熱量の違いを感じてしまいます。


今回はそんなデザインファームの生徒さんに向けて、「建築とは?」という話からリオタデザインの住宅紹介、フィンランドの話まで90分ほどのお話をさせて頂きました。

その後の打ち上げでも、熱心な生徒さんから作品の講評を求められたり、また実務上の踏みこんだ質問を受けたりなど、デザインファームらしい”アツい”時間を過ごさせて頂きました。こちらも刺激になり、とても楽しい時間でした!

ご参加下さいました皆様、ありがとうございました。またお声がけ下さいましたマキノ校長、そしてご紹介下さった建築家の奥山裕生さんほか、皆様大変お世話になりました。


私の所属するJIA(日本建築家協会)主催の、一般の方を対象とした住まいセミナーの告知です。私は来週土曜日(4月21日・土)の回に登壇させていただきます。

住まいは自分らしさの実現 ~愛着ある住まいづくりのために~ SUMAIセミナーPART27 第1回

今回のテーマは、
『愛着ある住まいづくりのために』

ちょっと抽象的ですが、設計事務所と密なコミュニケーションを重ねて作ってゆくと、細部にまで愛着が宿った愛おしい家になります。これは我々の本来の存在意義みたいなものでもあって、ただ”格好いい家”を作るためだけに設計事務所があるわけではないんですね。

今回はコーディネーターに中澤克秀さん、そして講師として私と中村高淑さんが登壇致します。いずれも自身の設計事務所を主宰している住宅設計のスペシャリスト達です。

今回は一般の方を対象としているセミナーなので、難しい建築の話はしません。むしろ、他ではあまり話さない設計事務所の本音だったり、どんな風に打合せを進めているのかだったり、こぼれ話のような話を対話形式で引出しながら進めたいと思っています。

これから家を建てたい、設計事務所に頼みたいけど誰に頼めば良いか分からない、建築家は高そう!?、怖そう!?などなど、一般の方が思っていそうな先入観も含めて、コーディネーターの中澤さんから引き出してもらおうと思っています。

どなたでも参加できます。参加費は無料です。
お申込みは上記リンクからできますが、お申込なしで当日いきなり来ても聴講できると思います。設計相談会ではありませんので笑、ご興味ある方は是非足をお運び下さい!

住まいは自分らしさの実現 ~愛着ある住まいづくりのために~
JIA住宅部会・SUMAIセミナーPART27 第1回

開催日:2018年4月21日(土)
時間:13:00~15:00
会場:LIXILショールーム東京 7Fイベントルーム
http://www.lixil.co.jp/showroom/tokyo/lixil_tokyo/access/index.html

☆詳細は以下リンクをご覧下さい

住まいは自分らしさの実現 ~愛着ある住まいづくりのために~ SUMAIセミナーPART27 第1回


アールトはディテール。
ディテールにこそ、アールト建築のエッセンスは宿っていると思います。

建築の実現の前には必ず技術の壁があり、これを乗り越えてはじめて建築は世に誕生するわけですが、問題解決のために「芸術」と「技術」との交点に存在するもの、それこそがディテールです。

アールトらが設立したartekの社名が示すように、「芸術(Art)と技術(Technology)の融合」は、そのままアールトの建築世界そのものを表現しています。

そんなことで昨年、多くのアールト、北欧建築に関わる著書をお持ちの九州産業大学の小泉隆さんに、SADIでアールトをディテールで切る講演をして欲しいと打診をしましたら、「ちょうど3月にアールトをディテールで切る本を出すんですよ」とのこと。なんと!

小泉さんの著書はすでに発売されています。是非お手に取って頂きたいのですが、アールトのハンドルコレクションを含め、実に丹念にディテール採取をされ、的確な解説を寄せて下さっています。そして思いました。やはりアールトはディテールなんだと。

そんなことで、SADIとして私の肝いりで企画を進めてきました小泉隆さんの、書籍と同名タイトルのSADI講演会が今週金曜日(3月23日)にあります。アールトってよくわからない、という方はまずは視点をディテールに移すことをお勧めします。

(もちろん、ディテールには文字通りの”細部”という意味もありますが、全体構成を司るのもディテールであるということは付け加えておきます)


SADI|小泉隆講演会
「アルヴァ・アールトの建築|エレメント&ディテール」

3月23日(金)19:00~
新宿・工学院大学中層棟8階ファカルティクラブ
※詳細はこちらより
https://sadiinfo.exblog.jp/28077872/

※事前申し込みはいりません。
※満席が予想されますので、お早めのご来場をお勧めします。


終わった〜!

オスモxベルックスセミナー、最初はコーディネーターなんて出来ないと固辞していたのに押し切られてお引受けした仕事でしたが、本当に多くの学びのある機会でした。伊礼さんとの仕事は相変わらず楽しいのですが、怖い?と脅されていた野池さんのお茶目な一面も知ることができました。

それにしても大阪ラウンド、先月の東京ラウンドを大幅に上回る動員(180名)、そしてパワー!大阪の底力を感じました。最後には松尾和也さんも合流していろいろ深イイ話も聞くことができました。松尾さんも私の仕事をよく見てくださっていて嬉しかったです。

お目にかかりたかった蝶ネクタイの居藏さんや小谷さんともお会いできて良かったです。居藏さんのナマ変顔も拝ませて頂きました笑



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