
TV番組「渡辺篤史の建もの探訪」のプロデューサー湯澤さん(TVディレクターY氏)が建築家に会いに行くというYouTubeチャンネルがあるのですが、今回はリオタデザインを取材して頂きました。
JCTVたてものチャンネル
[建築に詳しいTVディレクターが建築家に会いに行く_vol.7]
■フィンランド生活は建築家に何をもたらした? -リオタデザイン前篇
https://youtu.be/1NM2X1lDRGw
今回のアップは前編で、おもに私のインタビュー動画となっています。建築のことというより、なぜかずっと北欧の話をしています、、。後編ではもう少し建物や事務所の様子も映るかもしれません。ご興味ある方はご覧下さい!
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すでに先週の話ですが、8月3日の新建新聞社主催によるオンラインセミナー『北欧アルヴァ・アールトに学ぶこと』にご参加下さいました皆様、誠にありがとうございました。事前に300名の参加応募があったと聞いてびっくりしました。
今回のセミナーで一番伝えたかったのは、以下のアールトの言葉でした。
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「あなたの家のためにアドバイスをするならば、さらにもう一つの特色を家に与えなさい。どこか小さなディテールの中で、あなた自身をさらけ出すのです。家の形態のどこかに故意に弱点を、あなたの弱点を見せるのです。(中略)この特色なしには、どのような建築の創造も完全ではありません」
Alvar Aalto, “Porraskiveltä arkihuoneeseen”, 1926
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ディテールに神が宿るとよく言われます。そう聞くと、なにか神懸かったもの、常人には真似できない匠の技のようについ思ってしまいます。
しかしそうではなく、「あなたらしさをこそディテールに込めなさい」というのが、アールトの教えなんじゃないかと思っています。どんなに不器用でもいい。その人が身の丈で考えたものは誰にも盗まれることはない、その人だけのものなんです。
アールト自身も謎めいていて、そのカリスマ性から神様のように語られることも多いのですが、でもアールトの建築には弱点(言い換えるとつっこみどころ)がいっぱいあって、とても人間臭いんですよね。失敗すらも隠さない。やらかしたときこそチャンスだと言わんばかりに、その造形を積極的に表出させてゆくんですね。
そんなアールトの建築にはいつも勇気がもらえます。煮詰まってしまったとき、アールトや北欧の建築はいつも懐深く迎えてくれます。私にとってアールトはそんな存在なんですよね。人間、アールト。そんなことが伝わっていたら嬉しいです。




先週末は東京都美術館「フィン・ユールとデンマークの椅子」展へ。デンマークの椅子といえばハンス・ウェグナーが知名度では群を抜いているものの、本当の椅子好きならフィン・ユールの名前が先に出ることだろう。アームチェアはお尻ではなく指の先で座るもの。その究極の感覚を体現した最右翼がフィン・ユールなのだ。
展示の最後に、実際に座れるフィン・ユールチェア群があるので、その意味はそこで検証いただくとして、断片的にしか認識のなかったフィン・ユールの家具と彼の生涯を、ここまで系統立てて学べたのは本当に素晴らしい体験だった。
その家具エレメントの徹底的な分節と、重力に逆らうかのように浮遊させた軽やかな造形美は極めて建築的で、それも彼の職人ではなく建築家としてのキャリアが大きく作用していることも理解できた。
デンマーク家具界の異端児、フィン・ユールは早熟の天才であったことを知れたことも収穫だった。そして晩年に至るほど失速してゆく(ように感じた)という悲哀もまた考えさせられるものがあった。
SADIでもお世話になっている多田羅景太さんによる展示構成も実に明快で、その並びもまた椅子好きにはたまらない内容となっていた。地味に展示の外に立てられていたデンマーク界のレジェンドデザイナーの相関図はなかなかに秀逸。これも多田羅さんの力作。僕はこれだけでご飯3杯はいけるなあ!
フェティッシュな写真ばかりですみません。






昨年度、新建新聞社さんによる「飯塚豊の工務店設計塾」の講師を務めさせて頂いたのですが、そのスピンオフ企画ということで、8月にアルヴァ・アールトのお話をさせて頂くことになりました。
このテーマでは既に過去何度か、限られた関係者のセミナーなどでお話しさせて頂いていますが、今回参加費無料で、誰でも参加できるオンラインセミナーとのことですので、この場をお借りして告知させて頂きたいと思います。
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『北欧アルヴァ・アールトに学ぶこと』
講師:関本竜太(建築家|リオタデザイン主宰)
・日時:2022年8月3日(水)18:00~20:00
・開催形式:ZOOMウェビナー
・参加費:無料
・対象:すべての方
参加方法:
以下URLから参加登録ください
https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_67msJ127S06aYsXCmuehhg
新建新聞社告知ページ:
https://www.s-housing.jp/archives/280304
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アルヴァ・アールトに学ぶこと、、果たしてそれはどんなものでしょうか?
アールトは私にとって、天才肌で、直感的で、そしてとてもミステリアスな存在です。アールトの建築って、きっとこういう感じと思った次の瞬間には裏切られる。あれ、やっぱり違うのかなあ、、?こうして私のアールト探求の旅は続きます。
その謎を解こうと観念的な記述を読んでもわかったようなわからないような。いつしか、アールトはその空間を見て感じたことがすべてだと思うことにしました。これは私が何度もアールトの建築に足を運んで、勝手に感じて受け止めたメッセージみたいなものです。
すごすぎて、明日から実践できるようなノウハウなどは1mmもありませんが、心の中に蒔かれた種がじわじわと時間をかけて芽吹くような、不思議なアールト体験を共有できたらと思っています。

この週末、伊勢原から秦野に移転しリニューアルオープンした北欧家具taloさんにお邪魔してきました。
taloのオーナー、山口太郎さんとはここでもたびたび書いているように幼なじみで古い友人。うちの建て主さんなども、竣工時の家具などでお世話になっている方も多いことと思います。
以前のガレージのような店舗も魅力的でしたが、元本屋さんだった場所にリニューアルしたお店は家具もとても見やすくなり、都内方面からだとアクセスもほとんど変わりませんでした。品揃えはこれまで通り!
路面店になったことで、通りすがりの人が次々と来店されていました。太郎さん、リニューアルおめでとうございます!
北欧家具talo リニューアル
https://www.talo.tv/shopbrand/ct539/
ちなみに、北欧家具taloではビンテージの北欧家具(アールトやウェグナーなど)以外にも、新品のARTEK製品のラインナップも扱ってます。お店では定価販売ですが、リオタデザインの建て主さんの場合は(新品に限り)特別割引もありますので、どうかお気軽におっしゃって下さい!



