ふと入ったお店に懐かしいケトルがあった。フィンランドのOPAというメーカーのケトル。フィンランド在住時代、生活を始めるにあたって、とりあえず近くのスーパーでいろいろ買い揃えたもののひとつで、当時は毎日これでお湯を沸かしていた。
そこで値段を見てびっくり!うそでしょ、1万円以上してる。だってこんなの、地元のスーパーに行けばどこでも売っていたし、いくらで買ったかは覚えていないけど、たぶん日本円でも2~3千円とかそんなものだったのではないだろうか。
そもそもフィンランドという国は物のチョイスの幅がほとんどなくて、ケトルといえばこれしかなかった気がする。カイ・フランクのような著名デザイナーがデザインしたわけでもない、ただの無骨なケトルだ。
店頭のキャプションを読むと、どうやら映画「かもめ食堂」で使われたことから人気に火が付いたらしい。現行品は0.5Lと1.5Lの2種類。ところが我々が使っていたのは1.0Lのタイプ。どうやらこれは現在は製造されていないらしい。現行の0.5Lや1.5Lですらもネットでは売り切れているところが多く、ましてやこの1.0Lのタイプはかなりの希少品のようだ。
実は、正直言うと当時からこのケトルはただの安物だと思っていて、デザインもあまり気に入っていたわけではなく、帰国の際もかさばるので置いて帰ろうとすら思っていた。妻が「かわいいから持って帰る」と言って、家でもずっと戸棚に入れっぱなしだったのに、気がついたらお宝になっていた。
事務所で使っているiittalaのKartioグラスも、コバルトブルーのタイプは現在は製造しておらず、人気の高さからかなりの希少品になっていると聞いた。取り扱いに気をつけねば、、。我が家も探せばまだまだそういうものがありそうだ。
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