友人建築家の高橋隆博さんが主宰されている川崎の「ギャラリー秀」さんにて、来週北欧イベントが開かれるそうです。私にも「何か北欧の話をして欲しい」とのお声がけを頂き、お引き受けさせて頂きました。
実はまだ何を話すか決めていないのですが、、汗。フィンランドの建築の話や、向こうでの在住生活時代のことなどをお話しさせて頂こうかと思っています。
たまたまなのですが、同日の午前中には森百合子さんの北欧式オープンサンドのワークショップも開かれるそうです。
森さんといえば今や売れっ子の北欧ライターさんで、北欧関連書籍を何冊も出しておられますが、実は森さんとは古い付き合いで、まだ森さんが「北欧の森さん」じゃない時代に知り合って、お仕事をご一緒したこともある仲なのでした。
そこで、どういう形になるかわかりませんが、森さんとのクロストークの時間も設けて頂こうかと思っています。素の森さんを知るファン必見の機会となります。(と書いて、森さんファンをこちらのイベントに引き込む作戦)
お近くの方、ご興味ある方は是非いらしてください!
◇◇
X'mas 北欧祭VI
「ぶらり北欧建築散歩~フィンランド建築の魅力について」
日時:11月23日(水・祝)15:00~16:30
参加費:500円(お茶とお菓子付)
定員:15名 (残席10名・11/17現在)
講師:関本竜太(建築家・リオタデザイン主宰)
場所: 川崎市宮前区鷺沼3-16-67 アトリエ秀 内
http://gallery-shuu.com/access.html
東急田園都市線「たまプラーザ駅」北口 徒歩9分
東急田園都市線「鷺沼」 徒歩11分
お申し込み・詳細は以下ページより
http://ameblo.jp/gallery-shuu/entry-12215210054.html
お申し込み状況
http://ameblo.jp/gallery-shuu/entry-12218455551.html
◇
何か物を手に入れようとする時、何でもいいや、とか、これでいいや、と思う人は多いと思います。けれども、これが良い、これしかない、と思ったものを一つ一つ手に入れて行くと生活は豊かになってゆきます。
家づくりもそうなんですね。何でもいいや、とか、これでいいや、と思って建てるのではなく、これが良い、これしかない、と思ったものを建てるとその後の人生は大きく変わってゆきます。私はそれはこだわりではなく、愛情の問題なのだと思っています。
先週末、3月に竣工したVALOの撮影がありました。
この家には美しいものしかありません。けれども美術館のような冷たさはありません。北欧家具をおしゃれだと言う人がいます。けれども、それが好きな人にとっては、それがあることこそが日常であり幸せなのです。
我々が込めたものと同じくらい、愛情の詰まった空間でした。
16. 11 / 10
タニタ川越研修ツアー
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sekimoto
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> タニタハウジングウェア
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雨どいメーカーのタニタハウジングウェアさんより、今年の3等級社員研修の講師を頼まれました。3等級社員というのはタニタさん社内の制度で、業務の中枢を担うベテランスタッフの等級だそうです。この日は秋田工場から4名と東京本社から1名が参加されるとのこと。
そんな研修の講師としてお声がけ下さったということで、私としても意気に感じまして、昨年川越に竣工したFPという住宅の見学と、川越の街歩きを盛り込んだ日程を提案させて頂きました。
研修のとりまとめは矢野さんという社員の方が担当されているのですが、この5人の研修のためにこんなガイドまで作られていてびっくり!
「アールト」と書いてあるのは、特に私がアールトの講義をするということではなく、私がフィンランドに留学経験があるので事前にアールトについて勉強しておきましょうと、そんな予習資料まで別に作って事前に配布されていたようです。
こういうところが、いかにもタニタハウジングウェアさんらしいというか、、。とにかく真面目な会社なんです。
まずは川越で集合しまして、FPまでの約30分の道すがら街歩きを楽しみました。そこで早速皆さん写真を撮りまくっています。そうですね、川越と言えば蔵づくりの街です。
どこがそんなにと尋ねれば、
て、そこ!?
なんとご一行様、撮っていたのは蔵づくりではなくなんと「雨どい」。
実は秋田は雪深く、雨どいを付けても壊れてしまうので、自社製品を市内で見かけることはほとんどないのだそうです。これにはびっくりでした。しかも、川越に付いている伝統的な銅製の雨どいの多くは、タニタハウジングウェアさんの製品だということも発覚。これにも驚きました。
タニタさんと言えばガルバリウムの印象が強かったのですが、ガルバはむしろ後発で、会社としては銅製雨どいの歴史の方がはるかに長いのだそうです。
川越のシンボルとも言える「時の鐘」も現在改修中ですが、その前を通るとそこに付けられていたのもやはりタニタさんの銅製雨どい!しかも取り付けて間もなく、まだピカピカのものでした。
よく見ると半丸スタンダードと同じ形状のラッパが見て取れます。これが年月に洗われて味わいを深めてゆくのですね。
その後ご一行もFPに到着し、クライアントのSさんのご厚意もあり内部も仔細に見学させて頂きました。
私の解説もさることながら、クライアントのSさんも事細かにご説明下さいました。また1年以上経過しているとは思えないほどきれいに使って下さっており、タニタ社員さん達も皆びっくりされていました。口をついて出る言葉はただただ「おしゃれ…」。
なかなか人の家を見学させてもらえる機会は少ないので、貴重な体験になったのではないかと思います。Sさん、ご協力ありがとうございました!
その後は駅前に移動してセミナーを行いました。
谷田社長のお話と、その後に私がお話しさせて頂き、最後に社長と対談形式でざっくばらんな意見交換をさせてもらいました。
谷田社長のお話で印象に残ったのは、「きこりが仕事を効率よく進めるには、木を切るだけではなく刃を研がなくてはいけない」というお話。忙しくて刃を研ぐ時間がないと言い訳をしていると、最後には木も切ることが出来なくなってしまう。この日はまさに社員にとって刃を研ぐ日なのだなあと実感しました。
対談でもお話ししたのですが、タニタハウジングウェアさんとのお付き合いも長いのですが、社員は誰をつかまえてもとても真面目で熱心です。一言で言えば「アツい!」。それは金太郎飴のようで、良い会社というのはどこを切っても社員が優秀だと私は思います。世間ではその逆の例も多くあるような気もしますので。
今回は研修の講師ということではありましたが、むしろ私の方が教えられることが多かったように思います。我がリオタデザインも刃をしっかり研いで、どこを切っても優秀な事務所だと言われるように努力したいものです。
最後は都内の谷田社長行きつけのお店「都電テーブル」に移動し、うちのスタッフも合流して打ち上げで締めました。昨日は丸一日となりましたが、どうもお疲れさまでした。またお声がけ下さり、ありがとうございました。本当に楽しい一日でした。
秋田からいらした皆さまは、今日の研修もどうか楽しんで下さい!
16. 11 / 08
進修館
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sekimoto
category
> 建築・デザイン
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埼玉県宮代町の現場が進んでいるのですが、申請のために訪れる町役場の裏手にはコミュニティセンター「進修館」があります。象設計集団の設計で1980年の竣工。
沖縄の名護市庁舎の遺跡っぷりにもシビレるのですが、こちらも負けていません。さしずめ天空の城ラピュタの実写版といったところでしょうか。幼い頃ここで遊んだ子供たちは、大人になっても帰省する度にきっと懐かしくここを訪れるんだろうなと思います。
進修館
http://www.shinsyukan.or.jp/about.html
グッドデザイン賞ってなんだろう?というのがずっとあった。製品カタログなどを見ていると、写真の脇に”ドヤ”という感じで印字されているGマーク。中にはぱっと見にはどこがどうグッドデザインなんだろう?というものも結構ある。
最近では特定の個人の依頼を受けて建てられた住宅とか、ある種のシステムや取組みのようなはっきりした形が定義できないものまでその審査対象は広がっているようだ。
一方で食品によく付与されるモンドセレクションというものもある。お菓子に「モンドセレクション金賞受賞」などと書かれていると、その国連本部みたいなメダルのイメージと相まって、まるで「カンヌで金獅子賞取りました」的な威厳すら感じる。食べてみると普通においしい。国際的なおいしさかどうかは別として。
仕組みは両者ともよく似ている。特定の団体に一定の安くはない費用を支払って審査をしてもらうということだ。両者ともお金がかかる賞だとよく言われる。そしてその受賞率の高さから、”お金で買う賞”なんていう揶揄もよくされる。
応募している企業にとってGマークは、自社で開発した製品にデザインの専門家のお墨付きがもらえるというメリットがある。ひとたびGマークがつけば、消費者としてもないよりもあったほうが選びやすくなる。
もちろんそれは売り上げにもつながるものだから、企業にとってこの賞のメリットは非常に大きいと想像できる。その対価として多少お金がかかったとしても、それは必要経費といえる。制度としては極めて商業的だ。
逆にそういう印象があるだけに、正直私はあまりグッドデザイン賞に良い印象を持っていなかった。自分とは縁のない賞だとも思っていた。
ところが今年、知人から招待チケットをもらってその展示会に足を運んでみたところ、その考えが大きく覆されるのを感じた。どう覆されたかというと、出展されている製品群のデザインの質の高さにである。実際に足を運び、受賞作に目を通してそのレベルの高さに驚かされた。
それはまさに日本のものづくりの熱量がすべてここに集まっているかのような感覚だった。制度を憎んでデザインを憎まず。それらの製品デザインに正面から向き合ってきたまじめで誠実なデザイナー達の顔が思い浮かぶような、そんなピュアなデザインをいくつも見ることができた。
グッドデザイン賞と言えば、今や誰でも知っている日本一有名なデザイン賞と言える。
もちろん建築でもデザインでも、グッドデザイン賞に限らず多くのコンテスト等があり、国際的にも有名な賞や権威ある賞もある。しかしベタだけど、グッドデザイン賞は日本一有名なデザイン賞であることには違いない。
わかりやすいということは共感の総量が大きいということだ。一部の人にしか分からない価値よりも、誰でも共有できる価値の方が社会的には尊いと私は思う。
建築でもデザインでも、その専門性が高くなればなるほど、一部の専門家にしか分からないような価値軸というものが出てくる。しかし、デザインが市民権を持つためには、子供からお年寄りまでが理屈抜きで楽しめるものや、理解できるものでなくてはならない。
いかんせん商業色が強いだけに、色眼鏡で見られることの多いGマークだけれど、ものづくりに関わる企業の努力や社会貢献を普遍的な価値軸に乗せる取り組みとしては、もう少し評価されても良いように思う。
受賞された皆さま、おめでとうございます。
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